619: 635 :2022/01/30(日) 09:27:41 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその七十


マシュが倒れてから数日。
街中のとある食堂に並行世界同様にこちら側でも公安やってる面々、山本達はいた。


「しかしあれだけ九条に極まってた連中全員がこっちに協力的だと気が狂いそうですね…。」

「ああ…ケンリガー!ジユウガー!って叫んで人権派の弁護士が来るまで粘ってると思いましたよ。洗脳でもされたんですかね…。」

「しかも被害者のキリエライト嬢はいまだ眠ったままだ。」


全員が疲れた様な顔をしている。
憲法九条狂いの連中が企んだ人口数十億人の向こう側の地球を消そうとかいう前代未聞のテロ行為、
それが日本はおろか全世界がに知れ渡ったからだ。
ついでにそいつらエライ捜査に協力的である。
なお大体の普通の人はこれ聞いた時にはテンプレアスキーアートな状態だった。


( ゚д゚) ポカーン・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?


ネットではお前ら悪の組織かとツッコミが入った。
まあ当初は笑い話であったがマシュの存在が広まるとそれは一変した。
実際、空想であるが世界を切除した事実が現実にあるというのが認識されたからだ。
最悪世界初の世界消滅テロや世界間戦争の引き金になりかねない行為で普通の人達はドン引きしていた。


山本は部下の疑問に答える。


「連中のあの状態は洗脳なんかじゃないそうだ。」

「じゃあなんで?」

「例の神様連中の一人、狂気も司る月の女神様が連中の九条狂いを中立に修正したんだとさ。」

「あのアルテミスですか!?」

「そんなこと出来るんですか!?」

「俺だって信じたくはないが実際に人格矯正や洗脳された形跡もない。文字通り狂気だけ消えたような感じだ。
連中の家族も九条狂いになる前の人物像だと証言してる。」

「「………。」」

「狂気を操れるということは逆に言えばいつでも誰でも狂わせられるということさ。上もそれで頭抱えてる。」


こちら側の日本政府とかは神様方の物理的な破壊方面の力に感心を寄せていたがアルテミスの権能知ると頭抱えた。
こんなの物理的以上に防ぎようがないと。
山本の話で重くなった場を部下が話を変える。


「そういえばあいつら誘拐未遂と暴行でしょっぴきましたが破防法や内乱罪の適用って話はどうなりました?」

「あいつらの証言と提出された証拠で野党連中との繋がりも取れましたしここで国内の膿を一掃出来るのでは?」


部下の疑問に山本は苦虫を潰した様な顔をする。


「破防法や内乱罪の適用も野党への追求もできん…。」

「なんですか!?」

「野党はおろか与党内部からも反対の声が出てる。大方そいつらと繋がりあるのもいるんだろうよ。」


だがと山本は言う。


「今回の件で繋がりがあった人間は今後頭抱えるだろうよ。
ヤルバーンも向こう側も今回の件で激怒している。今後渡航許可を降ろさない、各種協力からもそういった人間は排除すると通達があった。」

620: 635 :2022/01/30(日) 09:28:36 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

場面は変わり神崎島神崎市、首府であり島最大の工業都市であり最大の軍港を持つ眠らない街。
その港湾部の沖合である補陀落湾にある超々々々々々々と超が幾つも付きそうな巨大ドック、そこに三島太郎大蔵大臣兼現非常事態特命大臣は明石と共にいた。
そのドックを含め市内全てのドックが使用中であり、通常の船舶ドックでは通常の船ではない何かのパーツを組み上げている。


「現在の進捗は?」

「壱号艦は建造完了、第弐、第参号艦は鎮守府内各ドックにてパーツをハイクァーンで造成中です。
壱号艦は艤装に移っていますが…それを含め全艦の進歩が遅れています。
試作ゼル造成や計画通りの艦の建造実績はありますが、
何分こちらは霧とオリュンポスのテクノロジー、加え魔術を全面的に取り込んだ初めての艦艇、トーラル系技術との摺合せに苦慮しています。」

「名前はまだ壱号艦のままで決まらないのか?」

「まだ、艦娘を顕現させない為です。下手に名付けていれば縁から神が強引に艦艇に降臨する可能性があるのBOBの『歌姫』の時からも明らかですから。
これが零号艦艇群…海上機動都市艦群ならば完全に大八十島の一部としてティアマト神の影響下にあり気にする必要はないのですが…。」

「確かになあ…英国という己の子孫の国の危機、
そして『歌姫』…ヒトが注いだ愛で自我を持ち、ヒトより与えられた機械の身体と歌で人々を守ろうと電子の海より現れた彼女の命を賭けた絶唱と願い。
自我を持った『歌姫』その身体となった彼女を模した『人形(アンドロイド)』を触媒にした上、
アトランティスで建造停止されてたオリュンポス計画の同名の艦も巻き込み、
『歌姫』と融合してまで願いに応えて強引に降りるとかやらかしたからなあ。あの『愛と美の女神様』は…。」

「加え対馬の後に四文字が地上に降りたからと地上を見に来た元地獄の大公。
ティアマト神の影響でメソポタミアの神格に復帰、そのまま日本の神格を得て鎮守府に居着いた『美の女神』からの情報もあります…。
諸神話中でも性格の悪い幾柱かの神々が器として日本の艦艇を狙っているとか…。」

「ああ、地上に来たらあまりの事態にストレス溜まって島の酒場で酔っぱらて管巻いてた所を神崎提督に保護されたって女神サマか…。
ま、でもどうしたって艦娘は必要だ。現状この超巨大艦艇を運用する人員を充足させる余裕は日本にも神崎島にもねえからな…。」

「ええ、なので安定性を求めアトランティスで建造予定の肆、伍号艦。
ドーバーの祭神迎撃戦にリシュリューの艤装外殻ユニットとして投入された試号艦と同様となる予定です。
状況次第では弐、参も外殻ユニットに改装されますが。」

「そういや試号艦はあれか?発想元は霧のデース・スターか某機動戦士の試作三号機か?」

「いえ、元々は例の並行世界のリシュリューの再構築改装ですね。」

「ああ…竜骨にまで分解して総入れ替えしたとかいう…。」

「ええ…なので外殻ユニットとすることでリシュリューと圧倒的に親和性が高かったので投入されたのです。」


明石とそんな話をしながら三島は手摺を手でつかみ身体を乗り出しドックを見渡す。
そこにあるのは全長1.5キロを超える世界最大の水上艦艇であり世界最大の航空戦艦でもある艦艇(注:1)。


「しかしまあ『遥かなる星』計画でしたか?クロフォードティ連担当大臣が提案したこの計画は…。
イゼイラからゲートの向こう側の日本の破局的事態への対応を求められたからとコレ掘り出してきて提案するとはやはり流石柏木長官の後任ですねえ…。」

「元々最悪の事態は想定してたからイゼイラだけが原因じゃねえよ…。
後、『遥かなる星』じゃねえぞ?ジョディの嬢ちゃん曰く『神隠しエクソダス!方舟は機械式』大作戦だそうだ。」

「なんですか…その…航時機は槽回転式的な上に大作戦て…。」

「ほら…嬢ちゃん色々とネーミングセンスが壊滅的だからな…。」

「「頭はいいんだがなあ(ですけど)………。」」


互いに顔を見合わせ溜め息ひ吐く三島と明石。

621: 635 :2022/01/30(日) 09:29:19 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


三島がこの神崎島にいる本当の理由、それは神崎島で建造が進められているこの艦の進歩状況を視察するためであった。
零号計画、三島がかつて進めていた予想され得る破滅的状況下で日本という国家を退避させ維持、帰還する為の計画。
終ぞこの計画実行されることは無かった。
最初は人間の良識を信じてだったが対馬の後は違う。

対馬とその後の戦争により計画が不可能になったのに加え何処へ逃げようと幻想の影が追いかけて来る。
当時人類に逃げ場なしと語ったのは誰であったか。
いや、そもそも大八十島とは不退転の地、逃げる先があっても逃げられる筈もなし、神勅があるが故にとは突撃某の弁。
試号艦のみは戦争の拡大を鑑みて初期プラン通りの設計の上で艦娘用艤装外殻ユニットとして完成、
第二次バトル・オブ・ブリテン終盤にリシュリューが纏いケルヌンノスとの戦いに投入されたが。

聖なる四文字は契約の証を日ノ本に示し、世界となったティアマトがこの國の國御霊となり、皇祖の降臨により天津日嗣その正当性は世界に示された。
柏木は言った。


「人の世を滅ぼさないという契約、神州豊葦原中津國を治めるという神勅。
俺ら日本人はそれらを改めて示された。
そして結果的にだがパックスニッポニカ…と言えるのか分からんが日本の下で平和となったこの世界…、
そしてティアマト神の存在により神州世界対応論ではないが結果的に世界は日本となった。
俺達はこの國と世界を守り通さにゃならん…これは逃げることの許されない責務であり祝福だよ。
俺らのポッケにゃ大き過ぎるけどな…。」


斯くして銀河連合日本の責務故に零号計画はゲートが開き日を見ることとなり、これらの超大型艦艇群はゲート側の日本の有事に備えて建造されていた。
銀河連合日本はそれこそ黙示録的な破局まで想定している。
例えばある国が超兵器を掘り当てたとか、例えばゲートの向こうの日本がタイムスリップしたとか、暴走した異星人の兵器が攻めてくるとか、神話存在が出てくるとか。
そこで明石は疑問を呈する。


「そういえば日本政府としては現状起こり得る可能性の高い最悪をどの程度想定しています…?」

「一番あり得るとすれば完全に整う前に中露辺からの大都市圏への奇襲核攻撃…或いは本土侵攻…。
後、日本人がイゼイラ人の血を引くのがバレりゃ米国以外の先進国やイスラム圏も黄禍論と日本という宝の山を狙い宣戦布告、敵に回る可能性は高い。
向こうの地球全世界が敵に回れば最悪欧州大戦でのフランスの様な現政権の機能停止、
最大最悪では甚だ不敬なことだが皇統の血の断絶も考慮に入れなければならんだろ…。」

「断絶…ですか…。」

「その場合の対応としちゃ敵対した国家にゃ戦争吹っ掛けたことを後悔しながら消えて貰う…圧倒的通常戦力で磨り潰すか大量破壊兵器で吹き飛ばすか、
或いはチートな機動兵器の様にナノマシンで文明だけを埋葬するか…その前に大御神や太母に消されてる可能性もあるが…。
んで、政府が無くなっちまた日本は向こうのナヨさんの血を引く人物、ヘイル家の末裔やヤーマ家の者の擁立含めた向こう側のイゼイラによる直接、
若しくはイゼイラの傀儡政権による間接統治による保護国化、仮称であるが日本=イゼイラ二重帝国という案も出されている。
同胞の国を並行宇宙の同じ国とはいえ他人に統治されるのにいい顔しねえだろうしな…無論あの皇祖の方々の裁可を受けた上で、だがな…。
ま、出来りゃこんなになる前に向こうのイゼイラには軍を正式に派遣して欲しいもんだ。」


抑止になる上に向こうとこちらのイゼイラの心情が違うと三島は言う。
後、安保条約正式に結んでいることであるし。

その時三島のスマートフォンが鳴る。
PVMCGを政府関係者はおろか民間人でも多く持つようになったこの時代でもスマートフォンは健在だった。
無論仮想造成されたものであるが使い慣れたものというのはやはり手放しつらい。

622: 635 :2022/01/30(日) 09:33:43 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「ああ俺だ…ああ…あんだって?ああ分かった…チッ!」

「どうしました?」


三島はスマートフォンを切ると苛ついた顔をする。


「どうもこうもねえ。マシュの嬢ちゃんに無理矢理こっちを滅ぼさせようと企んでた奴らを向こうの野党や外国共が擁護しやがった。
世界を滅ぼそうとしても未遂ならば罪じゃねえだとさ…思想信教の自由の侵害だとか何考えてやがる!!」

「うわぁ…。」

「ついでに中露韓などが所属国家のない人物だから自国で安全に保護するやら国連で協同保護とか宣いやがり野党も同調し引き渡しを主張しやがった。
欧州連合構成国の中でもあのドイツのアホ首相とか同意してる閣僚がいやがる…フランスはなんか反対してるのが少しずつ増えてきてるが(注:2)…。」

「イヤイヤイヤイヤ!彼女イゼイラ国籍持ってますよ!?それ最早人身売買も同然じゃないですか!!」

「お陰でイゼイラが相当キレてる。」


三島は溜息を吐き、明石は三島の言葉に目を剥く。


「…だけどよここからがもっと問題だ。」


これ以上何があるのかと明石の表情は蒼白になる。


「ティアマト神が嬢ちゃんを正式に養子に取ると言ってきた。無論他の神々の裁可付き、嬢ちゃんに害意向けるやつは許さんとの宣言付きでな…。」

「ウソ……。」

「どうもどっかの因果…マシュの嬢ちゃんがティアマト神を母ちゃんと呼んだ世界線(注:3)の記憶が同神に流れ着いたらしい…。」


三島の言葉に変な所に思い至り別な意味で冷や汗を流す明石。


「というかティアマト神の子ということは…(汗)。」

「ああ…現代記紀神話。加筆修正が来るな…FGO込みで…。」

「来年以降授業内容変更されたら受験生が受験の為にガチャをやるハメに…。」


なんかマシュの知らん所で日本神話に組み込まれそうで、マシュが原因で銀河連合日本の受験生の負担が増すのであった。



注:1
某ひたち型重航空護衛艦改良発展型。
オリジナルは現在リシュリューの外部ユニットとなっており第二次バトル・オブ・ブリテン終盤の祭神によるブリテン侵攻に際し実戦投入される。
多数の呪層と攻性呪詛を有する祭神を相手にティ連式瑞雲改二含む神崎島、空自、ティ連の総数二千機の艦載機とユニット自身の攻防性能、
そしてリシュリューに降り協力したガリア・ケルトの女神たちの助力もあり大破と引き換えに数時間に渡り祭神を抑え込むことに成功する。
見た者は『シン・ケルヌンノス対超々々弩級航空戦艦リシュリュー』という言葉が浮かびフランス国民は我らが女神への尊敬と信仰を深めたとか。
なお装備時艦娘としての艤装はオーバードウェポンみたくなる。

注:2
このところ現政権や色々反対運動原因な騒ぎで心の拠り所として侵食がフランス本土でも加速している。

注:3
某黙示記録帯

623: 635 :2022/01/30(日) 09:34:13 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年02月03日 14:45