541: 194 :2022/01/27(木) 16:50:29 HOST:ai126151134021.55.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その24 敗北後のレイ達の様子と世界情勢


―――――燃えている・・・

―――――――街が・・・燃えている・・・


痛みと共に目を覚ましたレイは、ぼんやりとした表情で燃える街並みを見ていた。
身体が動かない。艤装も大破し、その機能を失っている。燃え上がる街の光景も、自らの様子も、どこか他人事の様に見つめている。
と、子供の呻き声が聞こえる。そちらに視線を移すと・・・
死んだ筈の弟・ユウが、あの蒼空邪軍の新型兵器(制空戦闘姫)に頭を鷲掴みにされているではないか。


レイ「ユウ・・!!」

ユウ「お姉ちゃ・・・助け・・・」


手を伸ばして助けを求めるユウ。だが、無情にも制空戦闘姫に頭を握りつぶされてしまった。


レイ「あ・・・あ・・・・・」


その光景を、ただただ茫然と見る事しか出来ないレイ。
そんな彼女を見下ろしながら、制空戦闘姫は語りかける。


制空「所詮貴様ハ無力ナ存在ダ。貴様ハ誰モ守ル事ナンテ出来ナイ。憐レナ敗北者ダ!!」


そう言いながら、小型電磁投射砲をレイに向ける制空戦闘姫。
逃げなければ。脳はそう命じるが、身体が動かない。恐怖で体が竦んでしまっている。


制空「終ワリダ」

レイ「あ・・・・ああ・・・・・・」

542: 194 :2022/01/27(木) 16:51:00 HOST:ai126151134021.55.access-internet.ne.jp
レイ「嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


絶叫し、飛び起きるレイ。息は荒げ、涙が溢れ、球のような汗が身体から噴き出している。
周りを見渡すと、先程まで有った燃える街並みは消え、どこかのベッドの上だった。
      • どうやら、夢を見ていた様だ。
暫く呆然としていると、ドアがノックされる。レイが返事すると、扉が開けられて中に人が入って来る。横手将補だった。


レイ「た、隊長・・・」

横手「漸く気が付いたか。いきなり叫び声がしたから、心配したぞ」

レイ「・・・隊長。・・・わ、私」

横手「無理に起き上がらなくていい。丸1日眠っていたんだ」

レイ「丸1日も・・・?何で、ベッドの上に・・・?」

横手「・・・レイ達が倒された後、間一髪でシエさん達の救援が間に合って、どうにか助け出したんだ。・・・ここは病院のベッドの上だ」

レイ「そう・・・だったんですか・・・」

横手「いちご達も無事救助されている。ティ連技術のおかげで、全員一週間で復帰出来るとの事だ。・・・今は体をゆっくり休めておけ」

レイ「・・・・・はい。・・・・・私達、・・・・・負けたん、ですよね・・・」

横手「・・・そうだ。すまない!敵の戦闘力を、どこか甘く見ていた。隊長たる俺の責任だ」

レイ「そ、そんな・・・隊長の、責任では・・・・・」

横手「いや、初めの段階でティ連の方々に協力を要請する事も出来た筈だ。なのに、それを怠ってお前達を危険に晒してしまった。本当に、すまない!!」

レイ「隊長・・・」

横手「・・・だが、勿論このままでは終わらせない。これまで使用していた艤装は損傷が酷く、廃棄する事となった」

レイ「・・・」

543: 194 :2022/01/27(木) 16:51:30 HOST:ai126151134021.55.access-internet.ne.jp
横手「・・・それで、今製造している新たな艤装だが・・・ティ連や超大陸世界の総力を結集して、全く新しいモデルとして開発が進んでいる」

レイ「・・・新しい、モデル?」

横手「そうだ。だが、いくら超技術を注ぎ込んだ装備であっても、最後は戦娘が扱わなければならない。しかし・・・問題なのは、お前達の心の傷だ」

レイ「心の、傷?」

横手「あれだけ一方的な敗北を喫し、あわや殺されかけたんだ。もし無理に戦わせて、その時の心の傷が再び痛みだしたら、今度こそ殺されてしまうかもしれない」

レイ「・・・・・」

横手「もしそうなったら・・・自分が自分を許す事が出来なくなる。・・・だから、無理強いだけは出来ない」

レイ「・・・・・」

横手「仮に退役するとしても、お前達に不利な事にならない様に尽力する。・・・一週間の間に、よく考えておいて欲しい」


そう言って、病室を出ようとする横手。彼の背中を見ながら、シーツを握りしめるレイ。
先程の悪夢が、脳内で再び再生される。怖くないかどうかと聞かれれば、正直に言うと怖い。アイツの強さを肌で思い知ったから、猶更の事だ。

でも・・・

それ以上に、負けたまま逃げる事が嫌だった。あの悪夢・・・大切な家族をその手で殺されるあの悪夢に怯えたまま逃げるのは、絶対に嫌だった。
もし逃げれば、夢で見たあの光景がどこかで繰り返されるのだ。そんな事はさせない。そんな悪夢の連鎖など、この手で断ち切って見せる!!
彼女の答えは、既に決まっていた。


レイ「隊長!!」

横手「・・・どうした?」

レイ「・・・私、もう一度戦います!奴を・・・この手で倒して見せます!!」

横手「レイ・・・」


レイを心配そうに見る横手。本当なら学問に勤しみ、青春を謳歌する高校生だった筈の彼女。
その彼女を、もう一度戦場に立たせる事に葛藤しているのだ。だが、彼女は自らの意思を曲げない。

544: 194 :2022/01/27(木) 16:52:00 HOST:ai126151134021.55.access-internet.ne.jp
レイ「隊長。私の事を心配してくれていると思いますが・・・私は大丈夫です!!このまま負けたままで、絶対に終われません!!」

横手「レイ・・・」

レイ「・・・私、さっき悪夢を見ていたんです。・・・死んだ弟が奴に頭を握り潰されて、殺される光景を。夢の中の私は、何も出来なかった・・・」

レイ「もしここで逃げたら・・・この先一生、その悪夢に苛まれる事になる。何より、私がここで逃げたら、その悪夢が世界のどこかで繰り返される事になる!・・・そんなの、絶対に嫌だ!!」

レイ「だから・・・私は戦います。悪夢の光景を、現実の物としない為に。大切な人達を守る為に。何より・・・私が、私であり続ける為に!!」

レイ「だから、私は引きません!!もう一度奴と戦い、そして・・・必ず勝って見せます!!」

横手「・・・そうか。分かった、レイの意思を尊重する。もう一度、俺達に力を貸して欲しい」

レイ「はい!」


レイの強い意志を見て横手は、彼女は大丈夫だと確信する。
取り敢えず1週間は安静にしているように命じ、病院を後にする。彼女達に、新たな力を与える為に。

一方、この頃の世界情勢だが、南米方面の状況が悪化し始めていた。
その理由は、制空戦闘姫と高速海上姫のタッグによる通商破壊戦の影響だった。そうでなくとも危ういバランスの上で何とか持ち応えていた同地域だったのだが・・・
通商破壊による物資・食糧不足で治安が加速度的に悪化し、遂に幾つかの地域が無政府状態となってしまい、大きな騒乱が発生してしまったのだ。
そして最悪な事に、この状況に乗じてパーガトリー教が武装蜂起し、何と幾つかの国を勢力下に置いてしまう。具体的には、本拠地のあるブラジルの他に、パラグアイ・ボリビア・ベネズエラとなる。
彼等は「パーガトリー神国」なる国家の樹立を一方的に宣言。神の使徒である蒼空邪軍と共に地球を汚染する愚か者共を粛正し、蒼空邪軍と共に穢れた地球を再生する事を目標に掲げたのだ。
そして、そんな彼等に蒼空邪軍の制空戦闘姫と高速海上姫が接触。蒼空邪蒼黒霧や蒼空邪蒼黒雲を貸与する等、軍事的な協力関係を築いてしまったのだ。
なお蒼空邪軍側だが、彼等のうさん臭さや愚かさに内心呆れと侮蔑の感情を抱いており、他の地域の人類を殲滅した後で、キッチリと根絶やしにするつもりだった。
分かりやすく言うならば

「貴様を殺すのは最後にしてやる」

という奴だ。
新たに発生してしまった戦線に各国が頭を抱える中、超大陸世界と甲世界のバk・・・ゲフンゲフン、キt・・・ゴホンゴホン、世界の未来を担う技術者達は、揃って乙世界に来訪。
戦娘の技術全般の開発を行う「戦娘統合技術開発研究所」に訪れる。ティ連の技術者達と共に、戦娘用の新たな艤装を開発する為に。

545: 194 :2022/01/27(木) 16:52:32 HOST:ai126151134021.55.access-internet.ne.jp
以上です。最初にグロい表現が出ましたが、どうかご容赦の程を。
心の傷が心配という声も有りましたが、何とか無事に奮起しました。改めて、リベンジマッチを図ります。
そんな中、狂信者達がとうとう自称国家を持つまでに。そんなキ〇ガイ共に蒼空邪軍が接触して利用する事に。まぁ最後は、キッチリと根絶やしにするつもりですが。
そんな中で、乙世界に超大陸世界及び甲世界の変態達()が集結。戦娘用の新たな艤装の開発を始めます。どんな物となるかは、次回以降のお楽しみという事で。それでは。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2022年02月03日 14:55