604: 194 :2022/01/29(土) 18:50:30 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その27 パーガトリー神国の内情とパナマ攻防戦


前回の最後に、蒼空邪軍とパーガトリー神国の合同軍による攻勢が始まったと書いたが、一旦本文から離れてかの国()の内情に軽く触れて行こうと思う。

旧ブラジリアを改名したウートピア(ラテン語で理想郷と言う意味)に首都を置く宗教国家()なパーガトリー神国だが、その内情はどうなっているのか?
信徒達の生活を見ると、生活に必要な衣食住が保証されており、月に1回程の頻度だが嗜好品の供給すら行われている。
そして意外な事に、酒やたばこ・或いは特定の動物の肉を食する事を禁ずる戒律みたいな物は、存在しない。
信徒達は教団からの恵みに深く感謝し、教団に絶対の忠誠を抱いている。蒼空邪軍と教団の為ならば、死ぬ事すら恐れない程に心酔しているのだ。
だが・・・それは逆に言うと、信徒で無い者達は人として扱われていない事を意味する。
役に立たない老人達は有無を言わさずに殺され、若い男性達は農場や鉱山・麻薬栽培等での労働力確保の為の奴隷として扱われ、女達は次世代の「信徒達」を作る為の「道具」にされる。
子供達は洗脳を施した上で、次世代の信徒として「洗礼」を施しているのである。悪逆非道な宗教国家のテンプレ的存在そのまんまな統治形態と言えるだろう。
無論、その暴虐に対して抵抗を試みる人間も後を絶たないが・・・如何せん、蒼空邪軍の兵器群の使用すら可能な連中を相手取っては、力不足も甚だしいと言えるだろう。
それでも抵抗する者達が居なくなる事は無く、アマゾンの奥地に拠点を構えて抵抗を続ける等しており、狂信者達に少なくない出血を強いている。
また、抵抗まで行かずとも脱出する住民達も後を絶たず、徐々に奴隷不足に悩まされて行く事となる。


フォルク「逃亡を図る不信者共の数は、未だ少なくならないか・・・」

幹部「申し訳ございません。信徒達も飴と鞭で教化と奴隷化を進めてはいるのですが・・・」

フォルク「不信者の奴隷の確保は、我が国の最優先事項だ。国境警備を強化すると共に、周辺各国からの『収穫』を推し進めていくのだ」

幹部「はっ」

フォルク「それと反徒共の制圧はまだ出来ないのか?奴等を放置しては、今進めているパナマ運河破壊作戦『大洪水』に支障が出るぞ」

幹部「・・・何分、アマゾンの奥地に拠点を構えている状態でして、使徒様達の軍勢も交戦以前に侵攻する段階で難儀しております」

フォルク「・・・空から焼き討ちをかけるとか、そういう事は出来んのか!?」

幹部「・・・これだけ広大な地域故に効果は薄いかと。それに、余りあからさまに環境を破壊しては、使徒様達の怒りを買いかねません」

フォルク「・・・ぐぬぬ、止むをえん。使徒様達との共同作戦で、何としても鎮圧せよ。不信者達の跳梁を、許す訳にはいかん!」

幹部「分かりました」

フォルク「全く。せっかく使徒様があの悍ましい雌豚共を叩き潰し、国を興した我等の前に降臨して下さったというのに。神の使徒様を信仰しない者共め。この手で縊り殺してくれるわ!」


狂気を宿した目で呟くフォルク。彼の意識は、現在推進されている『大洪水』作戦へと向けられていた。

605: 194 :2022/01/29(土) 18:51:00 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
さて、この自称国家な人類の裏切り物共の現在の勢力図だが、南はウルグアイ全域とアルゼンチンの北半分を制圧し、西はペルーとエクアドルにチリの北半分、北はガイアナ・スリナム・仏領ギアナを
支配下に置き、現在はパナマ運河破壊を阻止する為の最終防衛ラインである、コロンビアへと駒を進めていた。
そのコロンビアだが、現在アンデス山脈を絶対防衛圏に定め、懸命の防衛戦を繰り広げていた。しかしながら、コロンビア軍の士気はお世辞にも高くない状態だ。
何せ補給は途絶えがちであり、敵は死を恐れない狂信者達と化け物共なのだ。士気を保てと言われても難しいのが現状だ。
では何故持ち応える事が出来ているのか?その答えだが、何と麻薬密売組織(カルテル)が国軍に手を貸しているのだ。
カルテルのボス達にとっては、蒼空邪軍も狂信者共も「自分達のシマを荒らすクソったれ共」であり、そんな連中が自分達のシマを奪おうとしている現状に、我慢がならなかったのだ。
そんな訳で、コロンビア政府との取引を持ち掛けるボス達。条件は戦後の恩赦だ。当初はけんもほろろな態度で一蹴していた大統領だったが、パーガトリー神国なる国家()が誕生してしまった事と、
蒼空邪軍の拠点がかの国に置かれ、南米全体が危機的状況になったのを受けて、苦虫を潰したような表情をしながら、協力の要請を受ける事にしたのだ。
そしてちゃっかりしている事に、口約束で終わらせない様に契約をしっかり文書で作成してもらい、正式な契約としてしまったのだ。
そんな彼等だが、やはり資金力の影響だろうか比較的物資に余裕があり、装備の充足率も、下手をすると正規軍に迫りつつある程なのだ。
それ故に頑強な抵抗をあちこちで見せており、場所によっては蒼空邪軍の攻勢すら跳ね除けている。
とはいえ、このままではじり貧になるのは確実であり、更に制空戦闘姫と高速海上姫が一路パナマ運河へと向かっているのが、偵察衛星からの情報で明らかとなった。
もしパナマ運河が破壊されれば、西ヨーロッパとの補給線が遮断され、南米は完全に狂信者達と蒼空邪軍の手に落ちる事だろう。そうなると、太平洋のシーレーンも脅かされる事となる。
何せ、ハワイ近海や日本の小笠原諸島にまで、偵察と思われる潜水艦が入り込んで来ているのが確認されているのだ。そうでなくとも、狂信者共にこれ以上調子に乗らせる訳にはいかない。
パナマ運河へと急ぐ戦娘母艦・ひゅうが。決戦の地は、パナマ西方の海域となった。

606: 194 :2022/01/29(土) 18:51:30 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
仇敵を打ち破る為に出撃準備を整えるレイ達。そんな彼女達だが、出撃前のブリーフィングで無茶振りをされる事となった。


レイ「鹵獲!?」

横手「ああ。ティ連の方から要請があってな。『可能なら撃破寸前の所で鹵獲して欲しい』という事だ」

いちご「ちょっと、正気?あの化け物達相手に、そんな手加減する様な真似して勝てると?」

横手「その辺りは、お前達の判断次第となる。鹵獲が無理そうなら撃破もやむを得ないという点は、先方も承知しているが・・・」

きりしま「にしても、何故鹵獲を?後々の事を考えれば、確実を期して撃破した方が」

横手「俺もそう言ったさ。だが、アチラさんは色々と気になる事がある様だ」

こんごう「気ニナル事?」

横手「知っての通り、奴等は戦娘が実戦投入されてから僅か半年という短期間で、我々の前に姿を現した。航空機の進化のスピードといい、その発展速度は異常だともな」

いちご「・・・言われてみれば、そうだけど」

レイ「でも、仮に上手く行ったとしても・・・もし基地内や研究所内で暴れられたら」

横手「聞く所によると、アチラさんには人や物体を直接制御下に置く事が出来る技術も有るそうだ。その心配はないらしい」

きりしま「・・・ですが、そもそも対話に応じるでしょうか?」

横手「その辺りも心配ないらしい。何でも以前、仮想空間を利用した技術で、ティ連と敵対関係に有った存在の兵器のコアの内部を経由してその勢力との直接対話と、それを足掛かりにした友好関係の樹立に成功した例が有るそうだ」

横手「今回も同じやり方で、最低限対話は出来ると踏んでいるらしい。最悪、先程言った直接制御で喋らせるという手段も有るしな」

こんごう「・・・対話はまだシモ、友好関係を結ベル可能性は無さそうデスガ」

横手「・・・それには同意するが、いずれにせよやってみる価値はあるだろう。我々は、連中の事を知らなさすぎる」

いちご「・・・それだけ私達に無茶振りするんですから、支援とかは?」

横手「デロニカで戦闘区域に空から海を含めた巨大なフィールドを展開して、逃走出来なくしてくれるそうだ。しかも、海中には海襲とかいう機体が控えている。支援の方はばっちりだ」

横手「北米の方でも、陸上の新型姫級の鹵獲の為にキュウ達が動いている。困難な任務ではあるが・・・お前達ならやれると、期待している」

レツ「・・・まぁ、良いんじゃねーか?撃破よりも、鹵獲の方がインパクトデケーだろうし」

607: 194 :2022/01/29(土) 18:52:00 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
無茶振りも良い所な要求に、意外と乗り気なレツ。中々強気な発言だ。
セン達もそれに続く。


セン「・・・確かに、撃破以上にショックを与えられるかもしれませんわね。例のカルト宗教組織へのダメージも、大きくなるでしょうし」

ゆきかぜ「より強くなったボク達の力を示す、絶好の機会じゃないかな?」

そよかぜ「・・・好き放題やってきたツケを、しっかり取り立ててやりましょう」


実戦を経験していない故か、残りのメンバー達もノリノリだ。
そんな四人を、こんごうは嗜める。


こんごう「モウ、四人とも。実戦を甘く見ない方ガいいデスヨ。・・・デモ、お世話になってイル方々への恩返しと考えるナラ、悪くないカモ」

レイ「こんごうさんまで・・・。・・・でも、恩人の方々の頼みですからね。一つ、頑張ってみましょうか!」

横手「・・・よろしく頼む」


敬礼するレイ達に返礼する横手。
かくして・・・対蒼空邪軍戦史上前代未聞となる、新型姫級の鹵獲作戦がスタートしたのである。

608: 194 :2022/01/29(土) 18:52:30 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
オマケ・新戦娘設定

  • F-3烈風


「オウ!アタシがF-3烈風・レツだ。よろしくな!隊長さん」


供与兵器であるF-3烈風の戦娘である。外見は青色(副作用)のショートボブ。肌の色は普通だが、瞳が金色をしている。どうやら副作用が、これまでの髪や肌ではなく、瞳の色に出たようだ。
当然ながら初めてのケースという事も有り、研究所内が一時大騒ぎになったりもした。なお肝心の本人は「邪気眼染みててカッケー!」と、寧ろ大いに気に入っている様だが。
制服はレイ達が着ているのと同じパイロットスーツで、配色は海洋迷彩。スタイルは、長波様と互角にやり合えるレベル。
背中にベクターノズル付きの双発エンジンに主翼と斜めに取り付けられた垂直尾翼。水平尾翼は脚に装着されている。装備は右腕にバルカン砲・左腕にシールド兼用のミサイルランチャーと
標準的な装備に落ち着いている。格闘専用の武器は、巨大な高周波ブレード付きバスタードソード『アロンダイト』。
男勝りな性格で、細かい事は気にしないタイプ。性格的に正反対なセンとは意外と馬が合い、よく行動を共にしている。
センとは短大時代からの親友で、自身はバレーボールの選手をしていた。だが蒼空大戦の勃発でスポーツどころでは無くなり、途方に暮れる事に。その後、親友のセンが戦娘適性を受ける事を知り、
自らも受けてみる事に。結果、適性が認められた物の振り分ける兵器が無いという悲しい理由で予備扱いとなる。
またもや途方に暮れるが、親友のセンの両親が本人の気持ちを踏み躙る行為をしたと聞いた時は憤慨していた。その後の供与兵器の適性を見る時に、センに力を貸して戦娘への道を進ませる。
勿論、親友だけでなく自らも同じ道を歩む事にした。
センのお嬢様振りに密かにあこがれを抱いているらしいが、同時に


「自分のキャラじゃねーな」


という、一種の諦めの感情も持つ等、中々複雑な思いを抱いている様だ。
なお余談として、可愛い物が大好きらしく、部屋にはそういったぬいぐるみ等が所狭しと置かれている。


  • ゆきかぜ型護衛艦・1番艦「ゆきかぜ」


「ボクがゆきかぜ型護衛艦・1番艦『ゆきかぜ』だよ。久しぶりだね、お兄ちゃん」


供与兵器であるしらつゆ級駆逐艦改めゆきかぜ型護衛艦。その1番艦のゆきかぜの戦娘。紫色(副作用)な髪の色で、サイドテールな髪型をしている。
制服はこんごう達と同じながら、動きやすさを意識してか、短パンとなっている。スタイルは夕雲と同じ位。
背中にガスタービンエンジンとVLSを装備するのは、こんごう達と同じ。右腕に127㎜単装砲、左腕に大型のシールドを装備。腰のユニットの前部分にレーザーCIWSを。
VLSの更に先の部分にSeaRAMをそれぞれ1基ずつ装備。足には三連装短魚雷発射管を装備している。格闘戦用の武器は、伸縮可能な特殊金属製の棒「破岩棍」。
何と彼女、横手隊長の年の離れた幼馴染だったりする。年の差は八歳。小さい頃から「お兄ちゃん」と呼んで、慕っていた。
活発な性格で、妹でもあるそよかぜとは対照的な性格をしている。その為、家に籠りがちな妹をよく外へと引っ張っていた。姉妹仲の方はとても良好。喧嘩をした事は殆ど無い。
横手の事を慕っており、軍人となった彼を心配していた。戦娘の適性こそあった物の、振り分ける兵器が無いという理由で予備扱いとなっていたが、供与兵器の適性が認められて
晴れて戦娘となった。
余談だが、横手が戦娘部隊の隊長に就任したと聞いた時は気が気でなかったらしい(何せ戦娘達は、揃いも揃って美人ばかりだからだ)。
なので、戦娘になってからはあれこれアピールしている物の、本人の女心の鈍さ故に全く気付いてもらえず、やきもきしているらしい。

609: 194 :2022/01/29(土) 18:53:00 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
  • ゆきかぜ型護衛艦・2番艦「そよかぜ」


「・・・ゆきかぜ型護衛艦・2番艦「そよかぜ」です。・・・お久し振りです、兄さん」


供与兵器であるしらつゆ級駆逐艦改めゆきかぜ型護衛艦の2番艦、そよかぜの戦娘。水色(副作用)な髪色をしており、髪はツインテールに纏めている。
制服はこんごう達と同じで、こちらは長ズボン。スタイルは某乳風さんとタメが張れる。
装備の種類は姉のゆきかぜと同じだが、左利きな為、手持ち装備は姉と逆の手で持っている。格闘戦用の武器は、複数装備されている投擲用の高周波ブレード付きダガー『ケラウノス』。
姉とは対照的に大人しい性格で、どちらかというとインドア派だった。姉との年齢差は2歳。姉同様に、横手とは幼馴染の関係で、兄さんと呼んでいる。
彼女も密かに横手の事を慕っており、横手を心配していた。こちらも、姉と同じ様な感じで供与兵器の戦娘になった。
こちらも、戦娘部隊の隊長に横手が就任した事を聞いた時は、かなり動揺していた。こちらも、横手にアピールしている物の、やっぱり気付かれていない。
横手への恋心は強く、こればかりは姉に譲るつもりは1㎜も無いそうだ。

610: 194 :2022/01/29(土) 18:53:30 HOST:ai126149017058.54.access-internet.ne.jp
以上です。自称国家なパーガトリー神国の内情と、南米戦線で頑張る意外な人達。そして、前代未聞の新型姫級の鹵獲作戦がスタートする事に。
もし仮に鹵獲が成功すれば、蒼空邪軍に関して多くの事を知る事が出来ますが、果たして・・・。
あ、「デロニカで鹵獲すればいいじゃん」という意見は、自動的に却下させていただきます(ヲイ)。それやったら、レイ達の戦闘シーンが丸々無くなってしまうので(メタ発言自重汁)←殴
最後に新戦娘の設定を書きましたが、艦娘界隈には居ない「ガチの幼馴染」なキャラを作ってみました。え、ゴトさん?・・・あの人は名誉幼馴染であって(ry
次回は、新型姫級達へのリベンジマッチとなります。お楽しみに。
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最終更新:2022年02月03日 14:59