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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その30 陸上戦艦姫捕縛作戦


レイ達がリベンジマッチを決めている頃・・・。
北米戦線で、蒼空邪軍がある装置の実用試験を行っていた。放射線軽減装置だ。
知っての通り、蒼空邪軍兵器群は生物が生存出来ない程の放射能汚染化な環境下でも、生存する事が出来る。
だがそれは「生存する事が出来る」程度のそれであり、さしもの彼等も動きが大きく鈍る等の悪影響を受けていた。
人類側から言わせれば、そんな環境下でも生存出来るという事自体がチートその物なのだが、戦闘力がガタ落ちになってしまうのは、やはり問題だった。
実際、人類側の大規模核兵器使用後に一度だけ、北米にて中規模戦力で攻勢に出た物の、動きが大きく鈍った所を重砲弾幕で次々吹き飛ばされてしまい、敢え無く攻勢が失敗している。
その為、汚染地帯その物が蒼空邪軍陸上戦力の侵攻を阻む壁として機能していたのだ。無論、人類側も侵攻時に大きな障害となるのは言うまでもないが。

蒼空邪軍側はこの壁を超える為の装置の開発に着手。先日、漸く完成した試作品が届き、陸上戦艦姫級に搭載して評価試験を行う事となった。
何故陸上戦艦姫だったのかというと、試作品だけあって大型の装置となってしまい、積載出来るのがそれしか無かったのが現状だ。
現在も改良が進められており、最終的には輸送ホ級(トラック形態)に積載出来るまでに小型化する事を目指している。

そんな訳で、試作装置を積んだ陸上戦艦姫は護衛の歩兵1個小隊と共に、汚染地帯を突破しようとしていた。幸い装置は、故障を起こす事無く連続で稼働し続けており、
歩兵達共々汚染地帯を突破しつつあった。


陸上戦艦姫(以下陸上)「装置ノ効果ハキチント発揮サレテイルヨウダナ。汚染ノ影響モ、信ジラレナイ位低イ」


装置の効果を実感しながら進軍を進める陸上戦艦姫。と、遠方に何かが砂埃を挙げながら走っている。
センサーを稼働させる陸上戦艦姫。大きさ的に戦娘程度の大きさだ。頭部ヘルメットのバイザーの望遠機能をオンにして、機影を確認。
間違いない。戦車タイプの戦娘達だ。


陸上「ホウ・・・ヤット出テ来タカ。私ノ主砲デ吹キ飛ハシテクレル!」


舌なめずりをしながら、主砲を稼働させる陸上戦艦姫。何せ前回の戦いでは、戦娘との戦闘は無かった。その為、制空戦闘姫や高速海上姫の自慢話に嫉妬していた。
二人が出来るなら、自分も出来る。そう確信していた為に、今回の遭遇は嬉しい物だったのだ。

729: 194 :2022/01/31(月) 18:41:01 HOST:ai126198101040.60.access-internet.ne.jp
BGM・第三次スーパーロボット大戦より「VIOLENT BATTLE」


遠方から主砲である28㎝砲を撃ち放つ陸上戦艦姫。だが、流石に距離が有り過ぎて難なく躱される。
まぁこの攻撃は挨拶代わりであり、流石に直撃は期待していない。
と、その内の一人・キュウが拡声器を持ちだし、陸上戦艦姫を挑発したのだ。


キュウ「・・・ノロマなデカブツ!・・・悔しかったら、私達を倒してみろ!」


アカンベーしながら挑発するキュウ。馬鹿に仕切った態度に、短気な所の有る陸上戦艦姫はキレた。


陸上「・・・ノロマダト!?・・・生意気ナ雌豚メ!叩キ潰シテヤル!」

キュウ「・・・やれるものなら、やってみろ」


そういって、射撃するキュウ。こちらは直撃したが、シールド兼用の砲塔に難なく弾かれる。
それを見届けて、キュウ達は後退。主砲の射程外に出ようとする。


陸上「逃サンゾ!」


護衛の兵士達共々追撃に移る陸上戦艦姫。だがその距離は縮まらない。何せ陸上戦艦姫の最高速度は74式戦車と同じ程度。
対してこちらは、キュウやエイラ(M1A2エイブラムス)が凡そ70㎞/h程度。新しく参戦したミィム(36式可変機動戦車(輸出仕様))に至っては、最大120㎞/h出せるのだ。
スピード勝負では、勝ち目が無いのだ。勿論、陸上戦艦姫もその辺は分かっていた為、主砲と対戦車ミサイルを交互に撃ち込んでいたが、距離がある事も有り、前者は楽々回避され、
後者もスモークディスチャージャーを駆使した回避で躱される。しかもこれまで未確認だった新型の戦娘(ミィム)に至っては、驚く事に120㎜弾を機関砲の様な連射速度で射撃し、
ミサイルを撃ち落とす芸当まで見せている。そんな状況に、だんだんと苛立ってきていた。


陸上「オノレ、チョコマカト!」


尚も追撃しようとする陸上戦艦姫。部下のエリート歩兵ロ級が「深追いし過ぎです」「何か罠があるかも」みたいな事を進言していたが、陸上戦艦姫は意に介さなかった。
ここで退いては、新型姫級の名折れ。ここできっちりと仕留めて、最後の最後でとどめを刺し損ねた二人とは違う事を、この手で証明してやる!
そう息巻きながら追撃を続けるも、距離は一向に縮まらない。そこで、奥の手を使う事に。


陸上「コノママデハ、一向ニ距離ガ縮マラン。各員、!リミッター解除デスピードヲ上ゲテ、追イ詰メル!」


号令と共に、最初の出撃後に増設された手すりに摑まる歩兵達。全員摑まったのを確認すると、陸上戦艦姫はリミッターを解除する。制限時間が有る物の、一時的に100㎞/hまで
速度を出す事が出来る様になる。
急加速しだした敵に、キュウ達も若干慌てる。


エイラ「ちょ!?いきなりスピードを増したわよ!!」

キュウ「・・・急いで例のポイントに向かおう」

ミィム「了解~!!」


三人は、事前に決めたあるポイントへと誘導するべく逃走を開始。
それを見た陸上戦艦姫は、慌てて逃げだす様子を嘲笑いながら、追跡する。

730: 194 :2022/01/31(月) 18:41:31 HOST:ai126198101040.60.access-internet.ne.jp
陸上「ハッハッハ。ビビッタカ!ダガ、モウ遅イ!!」


勝利を確信し、全速で走り出したその時!!


ズボォッ!!


陸上「ナッ!?!?」


突然足元の感覚が無くなり、落下する陸上戦艦姫。今回の作戦は単純明快。巨大な落とし穴だ。
事前に決めた地点に工作艦で大穴を開けておき、その上に布を敷いて砂を被せてカモフラージュしていたのだ。穴の深さは30mも有り、部下の兵士達諸共一たまりも無く底へと落下していく。
大きな落下音が辺りに響き渡る。キュウ達が底を覗いてみると、少なくない損傷を受けた陸上戦艦姫が悶えており、部下の歩兵達は陸上戦艦姫の下敷きになって圧死していた。


陸上「・・・グッ!?・・・クソ!!落トシ穴ナド・・・卑怯ダゾ!!」

エイラ「頭を使って戦った結果よ。猪突猛進な牡牛さん」

陸上「・・・!!」


エイラの煽りに激昂した陸上戦艦姫が、無事だった左手の主砲塔から格闘用の拳を撃ちだそうとする。縁を掴んで這い出ようとしている様だ。
だが、その前にミィムが動く。


ミィム「させないよ~」


120㎜ヘビーマシンキャノンで砲塔を乱打するミィム。これでは射撃どころでは無い。そして、複数の被弾で砲身が両方とも千切れ飛ぶ。もはや脱出出来る可能性はなくなってしまった。


キュウ「・・・各員、エンジンを狙って」

エイラ「了解!」

ミィム「とどめだよ~!」


ガスタービンエンジンに集中砲火を浴びせる三人。一たまりも無くエンジンが爆散した。


陸上「ガァッ・・・・・!?」


衝撃に耐えられず、陸上戦艦姫は気絶。キュウから連絡を受けたデロニカが飛来し、陸上戦艦姫を回収した。

鹵獲に成功した新型姫級三体は直ちに研究所へと送られ、各種検査を始める事となる。
そしてこの作戦の成功を受けた米国は、直ちにコロンビアに増援を送り込む。米軍の増援と戦娘達の支援を受けたコロンビア軍は、敵軍勢を国境の外へと追いやり、以後暫くの間は睨み合い状態が続く事となる。
対するパーガトリー神国と蒼空邪軍は大きな打撃を受ける事となり、特にパーガトリー神国はこの敗戦以降、域内の反乱に徐々に悩まされる事となる。
そして、それ以上に問題なのは新型姫級三体が揃って鹵獲された事だ。これは今後の戦況にも、少なくない影響を与えるだろう。
そして日本側は・・・鹵獲した三体を通じて敵の正体を知る事となる。

731: 194 :2022/01/31(月) 18:42:01 HOST:ai126198101040.60.access-internet.ne.jp
以上です。陸上戦艦姫との戦いと鹵獲、その後の南米戦線の行方のお話でした。陸上戦艦姫ですが、脳筋キャラとなりましたw
脳筋かつ重たい奴には落とし穴。単純ですが実に効果的な対策となります。
その後の南米ですが、人類側としては北米や欧州の奪還が優先されている状態ですので、守りを固めた上で暫く睨み合いとなります。
そして裏切り者共の国()ですが、此処で多くの兵員を失った事で、徐々に反乱に悩まされて行く事に。まぁ自業自得でしか無いですが。
次回以降は、蒼空邪軍の正体に関するお話となります。原案者のクローサー様が考えた、例の三体の制御方法等も併せてお送りしようと思います。お楽しみに。
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最終更新:2022年02月03日 15:44