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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その35 蒼空邪軍の正体・その5
敵の最高司令官であるトラー・ゲルトナーの最終目標。その歩み寄りの余地のない思想に、頭を抱える一行だったが・・・。
それまで沈黙していた大郷寺博士が、今まで秘密にしていた事を語りだした。
大郷寺「我々地球人類と、非常によく似た種族・アクアリス人の成れの果てが蒼空邪軍の正体じゃったとは・・・だが、それなら副作用や弊害もある程度説明出来るかもしれん・・・」
横手「博士!?それはどういう事ですか?」
大郷寺「それを語る前に・・・まずはレイ君達に謝らねばならん。・・・今まで君達に、黙っていた事がある。本当に、すまんかった!!」
レイ「え!?一体どういう事です!?」
大郷寺「・・・知っての通り、戦娘の技術は何よりも完成と実戦投入が急がれていた。それは知っておるな?」
きりしま「はい」
大郷寺「・・・それ故に、語る事が出来なかった事が有るのだ。それは・・・戦娘の技術に関する副作用や弊害が全く判明していなかったという事、そして、それ等の調査を極秘裏に進めているという事だ」
横手「なっ!?・・・何故、そんな大事な事を!!」
大郷寺「・・・知っての通り、戦娘の技術の確立と部隊の結成は、何よりも優先されておった。当然じゃろう。もし実用化前に敵の総攻撃が起きたら、核以外で止める手段が無かったからの」
大郷寺「だからこそ、『人類の未来の為』という名分の下、それ等の弊害の解明は後回しとなってしまったんじゃ・・・。髪や肌・場合によっては瞳の色が変化する『肉体変質』。その理由も、未だ判明しておらんかった」
柏木「・・・・・」
大郷寺「だが、彼女達の話を聞き、ある程度の推論が出来る様になった。・・・肉体変化の原因。それは・・・『ナノマシンによる作用で、肉体が蒼空邪軍の存在に近くなったからではないか』という事だ」
フェル「エエッ!?」
大郷寺「・・・あくまで推論だが、それならば敵の攻撃減衰能力やバリアの様な物を無効化出来るのも説明が付く。分かりやすく言うなら、『友軍であると誤認させている』から無効化出来ているのではないかと」
大郷寺「・・・もっとも、それ以外の弊害に関しては未だ分からぬがの。・・・かつて、戦娘の適性を探る実験で2名の犠牲者を出してしまった。その被験者は、悲惨な目に遭ったのだ・・・」
大郷寺「苦しみながら、身体が蒼空邪軍化していく地獄絵図・・・。その被験者を安楽死処分しなければならなかったあの時に、私達は・・・地獄行きが確定したと言ってもよかろう」
819: 194 :2022/02/03(木) 19:36:00 HOST:ai126196108127.17.access-internet.ne.jp
そこまで言った直後、大郷寺が胸倉を掴まれる。
横手司令が大郷寺博士の胸倉を掴みながら、激昂したのだ。
横手「・・・貴方は!何故そんな、大事な事を黙っていたのですか!!下手したら、多くの犠牲者を出した挙句失敗していたかもしれない!!志願した皆を、犬死させていたのかもしれないんだぞ!!」
横手「・・・都合の悪い事を語らず、レイ達を実験台扱いするとは・・・!!貴方には、人としての良心を持っていないのか!!」
大郷寺「そういう貴官は、ワシ達がどれだけの苦悩を抱えていたのか、分かるとでもいうのか!?苦しみながら体が変化していく少女を、人として死なせなければならなかった悲しみを!どれだけ分かるというのか!!」
横手「だとしても!自身は代償を払っていないでは無いですか!!」
大郷寺「代償だと!?・・・そんな物、とっくに支払っておるよ!!」
そう言いながら、左腕を掴む大郷寺博士。すると・・・左腕が外れた。彼の腕は・・・義手だったのだ。
大郷寺「・・・少女達を犠牲にしない為に、他の可能性を模索していた時の事じゃ。・・・人間の体に、蒼空邪軍のコアを埋め込む事で、奴等に対抗出来る力を得られないか?という実験が行われた」
横手「・・・ま、まさか!?」
大郷寺「・・・その実験の被験者が、私だったのだよ」
きりしま「博士・・・!!」
大郷寺「・・・じゃが、結果は散々だった。コアに肉体を侵食されるだけに終わった。開発初期の段階で、コアの活動を不活性化させる技術が開発されていた為、廃人となる事は避けられたが・・・」
大郷寺「肘から先は・・・完全に駄目になっており、切除するしかなかった・・・。これが、悪魔に魂を売り渡した私が払った、代償じゃ。・・・少女達への償いには、まるで足りておらんがの・・・」
横手「・・・」
掴んでいた手を放す横手。押され続けていた状況を何とかする為に、様々な人達が必死に足掻いていた。様々な物を犠牲にしながら。
その事を・・・・・横手は十分に理解出来ていなかったのだ。
820: 194 :2022/02/03(木) 19:36:30 HOST:ai126196108127.17.access-internet.ne.jp
横手「・・・申し訳有りません、博士。それ程の犠牲を払っているのを、知らなかったばかりか、罵倒する様な事を言ってしまって・・・」
大郷寺「・・・お主の言い分はもっともな事だよ。それに、さっきも言った通り、償いにはまるで足りておらんがの」
横手「・・・」
大郷寺「そう気に病むな。何より、人としての倫理をかなぐり捨てなければならない今の世で、正しい事を守ろうとする心を持つ人間は、とても貴重な存在じゃ」
大郷寺「・・・さて、話を戻すがもう一つ懸念点がある。それは、コアとの同調率じゃ」
いちご「同調率?でも、戦娘にとっては重要な事じゃ?」
大郷寺「確かに、同調率は大事じゃが・・・あまり高すぎるのも、危険だという事じゃ。具体的には・・・同調率が高すぎると、やはり蒼空邪軍化・・・恐らく鬼級や姫級と化してしまう事じゃ」
柏木「・・・ああ。某アニメのシンクロ率みたいな事か」
大郷寺「そのアニメ云々は知らんが・・・問題は無い。念の為にリミッターを設けており、最大で100%までとなっておる。そういう事態にはならないと、保証しよう」
きりしま「そうですか・・・。因みに最高率はどれ位なんです?」
大郷寺「概ね200%と、我々は踏んでおる」
レイ「・・・しかし、それはそれで勿体ない気もしますね。数字通りなら、倍の強さとなる訳ですし」
大郷寺「・・・まだ概念段階じゃが、限界突破が可能な技術の研究もされておる。もし目途が立ったら、知らせるとしよう」
そう語る大郷寺博士。因みにその技術とは・・・
言うまでも無いだろう。神崎島の『ケッコンカッコカリ』の技術を元にした、後に『マリアージュシステム』と名付けられる技術の事である。
なお、何故フランス語なのかというと、概念の実用化の為に来日した女性科学者がフランス人だったからというのが、その理由である。
このシステムの実用化後、戦娘達及び蒼空戦娘達の間に色々と一悶着が起こった挙句、最終的に
『惚れさせた責任を取って、全員をお嫁さんにしろ(意訳)』
というイベントが発生する事となり、横手司令が頭を抱えながら受け入れる羽目となったのだが・・・幸い、そういう未来が待っている事を知る者は、神崎提督以外にいなかった(ヲイ)
821: 194 :2022/02/03(木) 19:37:00 HOST:ai126196108127.17.access-internet.ne.jp
柏木「・・・さて、話は纏まりましたが・・・三人はこれからどうします?一応、きちんとした捕虜としての待遇になるかと思いますが」
制空「・・・ソノ事デ、オ願イガアリマス。私達モ、共ニ闘ワセテクダサイ!」
神崎「・・・分かっていますか?それは、かつての同胞に手をかける行為だという事を」
陸上「承知モ承知ダ。ダガ、カツテノ同胞ヲ見捨テテ自分達ダケ安穏ナ立場ニ甘エル等、到底我慢出来ン!」
海上「モシ可能ナラ鹵獲・・・無理ナラ、セメテ私達ノ手デ引導ヲ渡ス。・・・ソレハ私達ガヤラネバナラナイ義務ナノ!」
制空「例エ・・・少ナイ寿命ヲ削ル事ニナッテモ・・・!!」
悲壮な覚悟で語る三人。
だが、それに待ったをかけた者が居た。横手司令だ。
横手「・・・覚悟は立派だが、自らを犠牲にという考えなら、受諾出来ない」
制空「ソンナ・・・!?」
横手「いや、最後まで聞いて欲しい。まず三人の艤装だが、どれも損傷が激しく、完全な修理は不可能だ。例の脊髄と直接連結する機能も、今回の戦いでほぼ駄目になってしまっている」
陸上「ソレハ・・・」
横手「十全な力を出せない状態で戦わせるなんて、以ての外だ。隊長の立場として、絶対に許可出来ない。何より・・・」
海上「何ヨリ?」
横手「・・・何より、三人に命を粗末にして欲しくない。今までの戦いでも、戦娘達には何よりも生還を最重視する様に指揮してきた。だから・・・三人も、自分の命を大事にして欲しい」
陸上「隊長サン・・・」
横手「ニーラ博士。ティ連の医療技術で、彼女達の体への負担を軽減する方法って有りますか?」
ニーラ「大丈夫だと思いますよ、ケラー。プリルサン辺りに問い合わせておきます」
横手「感謝します、ニーラ博士」
海上「トイウ事ハ・・・」
横手「この馬鹿げた争いを終わらせる為にも、力を貸して欲しい。ようこそ、戦娘部隊へ!」
制空「・・・・・ッ!!ア、アリガトウ・・・ゴザイマス・・・!!」
822: 194 :2022/02/03(木) 19:37:30 HOST:ai126196108127.17.access-internet.ne.jp
涙を流しながら、共に戦う事を誓う三人。
そんな横手達の様子を、レイ達は
「仕方ないなぁ」
という目で見守る。思う所が無い訳では無いが、彼女達もずっと辛い思いをしてきたのだ。そんな彼女達だからこそ、横手司令も手を差し伸べたのだ。
普段の彼の優しさをよく知るレイ達も、彼の決断に納得するのだった。
レイ「それはそうと、彼女達の呼び名はどうします?」
横手「ん?ああ、今後は鹵獲もしくは投降してきた人達は、『蒼空戦娘』と呼ぼうかなと考えているが」
こんごう「成程、良い呼び名デスネ。デ、三人のそれぞれの名前ハ?」
横手「・・・・・えーと(目逸らし)」
きりしま「・・・どうしたんです、隊長?」
横手「・・・・・ここだけの話なんだが、昔から親とかによく言われていたんだ」
いちご「・・・なんて?」
横手「・・・『お前のネーミングセンスは微妙過ぎる』と」
レイ「・・・とはいえ、受け入れを表明したのは隊長ですし。・・・思い切って行ってみましょう!三、二、一、ハイ!」
横手「・・・・・」
レイの合図で、必死に頭を働かせる横手。
キュピーン!!
銅鑼の音の効果音と共に出て来た名前は・・・
横手「え、えーと・・・制空戦闘姫は空のスカイから『カイ』、陸上戦艦姫は陸のランドから『ラン』、高速海上姫は海のオーシャンから『オーシャ』というのでどうだろう?」※そしてこの銅鑼一つである
レイ達「「「「・・・・・・・」」」」
正直に言おう。本当に微妙過ぎる。
流石にこれは微妙なので、レイ達が改めて考えようとしたが・・・
制空改めカイ「・・・イエ、ソノ名前ガ良イデス!」
レイ「え!?い、いいの!?」
陸上改めラン「一生懸命、頑張ッテ考エテクレタ名前ダシナ!」
きりしま「・・・そ、そうですか。そこまで言うなら・・・」
海上改めオーシャ「・・・ソウイウ訳デ、改メテヨロシクネ!戦娘ノ皆!」
こうして、蒼空邪軍改め蒼空戦娘が新たに加わる事に。新たなメンバーを加えた戦娘部隊は、延期状態となっていた北米奪還の為に、力を付けて行く事となったのである。
823: 194 :2022/02/03(木) 19:38:00 HOST:ai126196108127.17.access-internet.ne.jp
以上です。三人娘の名前ですが、これといった案も出なかったので、アレコレ必死に頭を捏ね繰り回しながら考えた結果、上で上げた名前となりました。
余りに微妙過ぎる?返す言葉も有りません・・・・・(切腹)
ともあれ、鹵獲蒼空邪軍改め蒼空戦娘が新たに加わる事となりました。こちらも、戦争の激化に伴い人類側に付く個体が増えていきます。
で、キャラ設定ですが・・・・・まだ思いつかないので、次回に回します。本当に申し訳ないorz
取り敢えず三人は、体内の神経とかをより安全なティ連製の物へと置き換える等の処置を受ける事となります。それと高速海上姫改めオーシャには、義足もセットで。
次回からは新章へ突入となります。延期されていた北米奪還作戦、その遂行と相成ります。お楽しみに。
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最終更新:2022年02月13日 11:37