208: 弥次郎 :2022/02/23(水) 19:40:03 HOST:softbank060146116013.bbtec.net
憂鬱SRW 融合惑星 マブラヴ世界編SS「星の落ちた日×2」
β世界主観1999年8月5日から数日間は、のちに「星の落ちた日」と呼称されている。
その名の通り、β世界において打ち上げられていた人工衛星が重力の井戸にとらわれ、落ちてきたのである。
言うまでもないことであるが、地球に合わせて打ち上げが行われた衛星たちは逆に言えば地球という惑星にしか適合しえない。
高度が足りなければ融合惑星の静止軌道に届くことなく、場合によっては融合惑星の大気圏内に呑み込まれてしまうことだってある。
つまり、簡単に言えば、G弾によって融合惑星が誕生したその日、β世界の人工衛星はその多くが役目を終えた、ということであった。
無論、融合の過程において周回軌道がずれるなどして無事だった衛星も少なからず存在していた。
そうだとしても、大災害となったのは言うまでもないことだ。大気圏内に突入して燃え尽きるのはあまり期待できないのだし。
斯くしてβ世界、そしてその延長上に存在した融合惑星においては、人工衛星が降り注ぐというまさに世紀末な光景が目撃された。
多くの人工衛星は人が住んでいない(あるいは住めない海)、もしくはBETAの支配地域に落下するという幸運に恵まれはした。
だが、少なくはない人工衛星が空中分解しながら人類の生存圏に降り注ぐという事態を起こし、多数の死傷者を出すこととなったのだ。
言うまでもないことだが、放射線をたっぷり浴びた、かなりの重量物が降ってくるというのは爆発こそしなくとも核攻撃に等しい。
何しろ落下してくる高さが高さであるがゆえに、地表に着弾した時には運動エネルギーをたっぷり蓄えているのだから。
勿論、地対空ミサイルによる迎撃もなされたことはここに記しておこう。
だが、被害はそれだけではない。
落っこちてきた人工衛星には気象衛星や偵察衛星、あるいは通信衛星なども混じっていたのだからもう大変だった。
つまり、衛星を介して行われる長距離通信やら何やらのインフラが悉く役立たずになったのである。
一部では生き残ってはいたし、地上のほかのインフラも生き残っていたので完全に壊滅、とはならなかった。
しかし、当然ながらそこに使用が集中したものだから回線がパンクして通信速度が遅くなるという悪循環も招いたのである。
さらに融合惑星に転移し融合する過程において、球体から平面上に押し込んだため、海底ケーブルが寸断されたのもダメージが大きかった。
さて、そんな「星の落ちた日」が終われば、さっそく新しく星を打ち上げなくてはならない。
BETAの動きを監視するのがこの手の監視衛星の役割であり、あるいは分断されている国家を繋ぐネットワークなのだから。
だが、地球と融合惑星上においては衛星の打ち上げに必要な諸元などがまるで違っていたのだから厄介だった。
そもそもの時点で静止軌道の高度は違うし、時点速度や公転速度なども処々で異なっている。まして気象データなども一から取り直しだ。
だが、そんな融合惑星への転移を受け入れられない層がいたのも確かであった。
いきなり現れた集団にそんなことを言われても、信じられる方がおかしいというべきか。
そんなわけで、転移した後しばらくしてから、準備を整えた各国は各々衛星の打ち上げをはじめ……見事に失敗した。
これらをまとめて「星が落とされた日」と呼ぶこともある。第二次星が落ちた日、とも。
当然である。何しろ、地球とは違う惑星で、地球のデータをもとに、地球に合わせたロケットで打ち上げたのだから。
地球連合による妨害との陰謀論も取りざたされたのだが、回収されたブラックボックスのデータはそれを否定した。
斯くして、各国はそれらの衛星を必死に努力で自分で上げるか、連合に託すかを選ぶことを強いられたのだ。
そして地球連合においては、これらの事実は面白おかしく、ジョークや笑い話として広まることになる。
誰が言ったか、繰り返しは笑いの基本。
まあ、彼らなりに真剣に、それこそ国家予算を費やして行っているのをギャグを笑うというのは不謹慎と言われても仕方ない。
されども、そのブラック度を含めて、根強く人気が残ってしまうのだが、これもまたご愛嬌というべきか。
209: 弥次郎 :2022/02/23(水) 19:40:40 HOST:softbank060146116013.bbtec.net
以上、wiki転載はご自由に。
テンプレートの繰り返しはギャグの基本。
なお、侵略者と戦っている国家が国費を費やしてやっているのでブラック度はかなり高め。
最終更新:2024年07月30日 23:12