17: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:21:25 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
日蘭世界 パワードスーツ登場後の兵器事情
パワードスーツ(PS)が実用化され始めた1960年代。世界の国々はそれらに対抗するための兵器開発に迫られた。
PS運用に適した兵器を開発した国もあれば、技術力や特許によりまともなPSを開発できないがための苦肉の策として対抗兵器を開発した国もある。
今回はそのようにして生まれていった兵器を紹介していきたいと思う。
〇小銃類
小銃の類はPS登場以降特に影響を受けた兵器である。
防弾性能が既存の防弾プレートが中心であった第一世代PSの時期までは既存の5.56mm、6.5mm。7.62mmなどで事足りていたが、基礎性能が向上した第二世代に入るとそうも言っていられなくなった。
第二世代PSは重PSの登場に目が向きがちであるが、第一世代PSの延長線上にある第二世代PSの性能も劇的の向上されていた。
第二世代軽PSは第一世代時代よりも向上した出力により、より重く防弾性能の良い防弾装備を装着者に長時間着せることが可能となっており、動力付きであるアクティブ型PSが主流であるOCU諸国においては5.56mm弾や6.5mm弾は致命的な脅威ではなくなっていた。
このため各国の小銃弾は必然威力の高い7.62mm弾が中心となっていき、それ以下の口径の弾薬は徐々に軍から姿を消していき、警察や民間市場でのみ生き残るようになっていった。
特に9mmパラベラム弾や45ACP弾が中心のサブマシンガンはPSの性能が向上していくにつれて、それそのものが数を減らしていった。
代わりにサブマシンガン(PDW)の類は屋内戦において人や建築物、器材などへの被害を最小限に抑えたい警察組織などで生き残り続けていくこととなる。
話を小銃に戻す。小銃の類はPS開発が進んでいくたびに強力となっていった。
7.62mm弾。7.62mm強装弾。そしてアクティブ型PSが世界各国でスタンダードとなる1980年代後半から1990年代においては7.92mm弾が主流になるなど大口径が進んでいった。
この頃になると各国の歩兵はPS装備が当たり前となっており、より大きな反動のある7.92mm弾を扱う小銃でも問題なく扱えるようになっていたというのが大きい。
対重PSも運用に入れた対物ライフルなどは特に口径の大型化が著しく、2・5世代PSが登場する1980年代においては既に20mm前後がスタンダードと化すなど大火力化に余念がなかった。
このように小銃の類は時代が進むにつれ、歩兵のPS着用が当たり前と化していったために、良くも悪くも大火力化が進んでいったが、第四世代PSの登場する2000年代においては炸薬及び弾殻の改良強化も進み、大凡7~9mmのライフル弾頭に落ち着いた。
それ以上の火力は12.7mm以上の重機関銃や20口mm径以上の対物ライフル、もしくは復活した牽引式の対戦車砲ならぬ対物砲の運用によって補われるようになった。
またPS装着者が扱うライフルと基地警備などの後方警備で扱われるライフルの二分化が進み、警察及び民間においてはPS実用化前の口径が主流となるなど、業界や目的によって弾薬がはっきり住み分けられるようになっていったのも特徴的である。
最も2000年代以降は民間に普及し尽くした民生用PSを改造した物が犯罪組織に使われるようになっており、警察においても銃火器の大火力化が検討されるなど社会全体において銃弾というものは大口径化や高速化が進んでいっているのが実情である。
以降はPS普及後に主流な弾丸や兵器の説明を行う。
18: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:22:02 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
第二世代PSが登場しだす1970年以降に各国で主流となった弾丸。
元々はソ連を始めとした幾つかの国での主力小銃弾として扱われていたが、全体的には5.56mm弾や6.5mm弾などが主流であった。
しかし防弾性能が向上する第二世代PSの登場と共に歩兵の扱う小銃の威力も更に求められるようになっていき、当時主流であった5.56mmや6.5mmよりも簡単に大威力を出せる7.62mm弾に注目が集まり、採用されるようになった。
始めは従来の7.62mm弾が扱われたが、PSの性能向上と共に各種防弾装備の性能も向上していったため、より高威力を求められ強装薬化された7.62mm強装弾へ強化されていった。
しかしPSの性能が更に向上していくと7.62mmの強装弾でも足りないとなり、更なる大火力、高貫通力をも求めてかつてボルトアクション小銃で扱われた7.92mm弾を改めて採用され始める。
以降1990年代に入るまでには再び主流弾薬としては没落するのだが、2000年代~2010年代において後方警備などに流用され続けており、基地警備の歩兵や空海軍における航空機及び船舶内に置く予備兵装として対応小銃と共に使われ続けている。
7.62mmでも足りないとした国々が採用しだした弾丸。
かつてボルトアクション小銃が主流であった頃の弾丸が現代に復活したもの。
第二世代PSが登場する1970年代以降に徐々に復活していった。
扱いはOCU諸国と非OCU諸国で違っており、OCU諸国ではこれを弾薬としたフルオートアサルトライフルが開発され、PS装着前提の歩兵装備として普及していった。
対して非OCU諸国であるBC、FFR、CISなどでは1970~1980年代では未だ動力を搭載しないパッシブ型PSが主流であったため、PSの出力で無理矢理反動制御するという力業は難しく、7.92mmを採用した小銃の多くがセミオートライフルに留まっていた。
これがフルオート射撃可能なアサルトライフルに変わるのは1990年代からとなる。
御多分に埋もれず、PSに能力上昇と比例して高まっていく防弾性能に追従して7.92mm弾も強化されていき、80~90年代では7.92mm強装弾が実戦投入され、90年代からは基礎冶金技術の発展による各種合金の基礎強度強化により弾丸の貫徹力が向上。
炸薬の改良や、より効率的にエネルギーを伝えるための理論の提唱とそれによる銃そのものの改良などが合わさり非常に高い貫通力を有するようになる。
一部ではタングステンなどのレアメタルを使った弾丸まで開発された。
2000年代では大凡軽PSの正面装甲相手にも有効打を与えられるようになり、第四世代が登場以降も各国の主力小銃弾頭としての地位を築き上げている。
最もあくまで有効打であり、致命打ではないため、真正面から撃ち込むのなら何発も必要となる。
1990年以降のスタンダード。文字通り7.92mm弾を使用したアサルトライフルである。
使用するにはPSの着用が必須。生身でフルオート射撃する場合はまず制御できない。
PSを着用しない場合は単発射撃での運用が前提となる。
OCU陣営ではPSの性能と普及率のこともあり、1980年代から徐々に普及していき、2000年代までには殆どの国でのスタンダード小銃となった。
202X年現在ではOCU及びそれ以外の国々においても主力小銃として活躍している。
非OCUの国々で一時期主力であった小銃。1970年代から採用され始めた。
当時の非OCU各国はPS性能や普及で劣っていたため、従来の歩兵でも扱える小銃ということで採用された。
一部の国では火力投射量向上を狙って二点もしくは三点バースト機能を搭載したライフルも開発された。
その後1990年代になり非OCU諸国でも内燃機関付きのアクティブ型PSが解禁され始めると、OCU諸国同様の7.92mm自動小銃への変わっていき、セミオートタイプの既存モデルは後方基地警備や空海軍の護身用小銃、もしくは一部の国立民兵組織へと下げられていった。
19: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:22:47 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
最も弾薬の研究が盛んであった1970~80年代においては7.92mm弾以上の口径を持つライフル弾を採用した国も存在していた。
8.5mmライフル弾、9mmライフル弾、そしてドイツが実用化した11mmライフル弾などである。
最もその多くは威力過剰による高反動のせいでパッシブ型は勿論アクティブ型のPSですら扱いにくいものとなるなど、決して成功と言える代物ではなかった。
大凡90年代に入るまでは既存の7.92mm弾が各国の主流となっており、大型PSや重装甲PSに対しても対物ライフルや牽引式対物砲などで対応するなど対応手段の増加により、これら上記の大口径弾を無理に扱う必要が低下していき、その殆どは短期間で各地の軍からその姿を消した。
しかし一部は狙撃用弾丸として残っており、一部で細々とした運用が続いている。
重PSが登場した1970年代。これに対抗するため非OCU諸国が真っ先に復活させたのが対戦車ライフルである。
各国の倉庫で眠っている実物もしくは設計図。もしくは設計開発に携わっていた人物や企業を招集し、再び実用化させたのが現在の対物ライフル、またの名の対PSライフルの始まりである。
多くの国々は最初12.7mm弾を扱っていたが、重PSの性能が向上していくと、それでは足りなくなり、13.9mm弾、14.5mm弾、15mm弾と口径が大型化していった。
この対物ライフルの大口径化はパッシブ式PSが中心で、技術力と特許による正規重PSを実用化できない非OCU諸国が顕著であり、正面装甲で20mmすら受け止められる2・5世代が登場する1980年代では、これに対抗するため20mm前後の口径がスタンダードとなっていた。
しかし多くの国で対物ライフルはこれ以上の大口径化は進まなかった。
単純にPSを装着したとしてもこれ以上の大口径の扱いは難しかったという点もあるが、この頃となると対戦車砲ならぬ対物砲が復活しており、より大火力の攻撃はそちらの仕事へ移っていたからである。
こうして各国の対物ライフルはPS装着者が運用する前提の20mm前後がスタンダードとなり、以降もそれが続いていった。
なお20mm対物ライフルは一応PSを装着しない生身での兵士でも伏射であるなら運用可能である。
このため装備で劣る各地のゲリラやセクトなどでは、即興の20mmライフルのみで正規軍の重PSを狩る即席PS猟兵が生み出され、正規軍の兵士を悩ます一因となっている。
主に格上のPS装着者を狩るための兵士の総称。
正規軍運用のPS猟兵はパワードスーツを着込み、対物ライフル及び対PSミサイルやロケット、機関銃を装備した兵士のことを言い、主な獲物は重PSや大型FS(フェイクスーツ)となる。
主に経済的に大型兵器やミサイルを扱いにくい中小国などで運用されており、大体の場合はその国の精鋭部隊の事を指す。
対してゲリラの扱うPS猟兵は生身の人間に即席で作られ簡易対物ライフルを渡し撃たせるもの。
即席ライフルのためジャムることもあれば、銃身が持たず暴発することも珍しくないため、命の価値がすっからかんのゲリラやテロリストでないと運用できない代物である。
20: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:23:22 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
性能向上が続く重PSやFSに対抗するために各国が出した答えの一つ。
対戦車砲をそのまま重PSや大型FSに運用しだしたことが始まり。
大凡30~75mmあたりまでが主流。大体の国は対空砲と規格を合わせやすい30~40mmを運用している。
主にPSを着用した兵士が人力で展開させるか、軽車両などで牽引して展開させる。
対重PS用の徹甲弾は勿論、榴弾や散弾などの対軽PSや対人用の砲弾も使用可能。
その他にも対建築物、対軽車両、対装甲車など幅広い用途で利用できる。
この辺は元の対戦車砲と同じ運用が可能と言えよう。
主にPS開発で遅れていた非OCU諸国が運用しだしたものであり、当初は倉庫から引っ張り出してきた37mmや47mm対戦車砲を使用していた。
そのうち弾薬や規格の問題もあり、徐々に30mm、35mm、40mm、57mmなどの機関砲や速射砲などから弾薬や砲身を流用できる口径へと変化していった。
BC、FFR、CISなどでは30mmや35mmなどが人気。
これはPSの性能や普及で劣っていた時代の名残で、PSを着用していない兵士でも運用しやすい口径のものが選ばれていたからである。
対戦車砲時代と違い、相手はあくまで歩兵装備の延長線上である重PSなどであったから、30mm代の砲であろうと問題なく通用していたのが大きいとされる。
非OCU圏の国々が大型FS(フェイクスーツ)を運用しだすと、OCU圏でも運用が取りざたされるようになり、専ら40mmや57mmといった大口径のもの運用され始めた。
これはOCU圏の国々ではアクティブ型PSが普及していたこともあり、より大口径な砲を運用しやすかったからである。
最もOCU圏内では日蘭などの主要国は恵まれた経済力もあり、専ら対PSミサイルや対PSロケットランチャーなどで対応するという力業で対抗しており、専らOCU圏内で対物砲の類を運用しているのは経済力的にミサイルの大盤振る舞いが難しい中小国であった。
ロシアなどではソ連と相対していた時期の教訓から100~120mm代の対戦車砲を現役で運用しており、これらをそのまま対重PSや大型FS対策としてそのまま流用している。
読んで字のごとく対PS用のミサイルである。もっぱら歩兵による重PS対策として使われる。
歩兵以外にも軽車両や目標であるはずの重PSにも搭載され運用される例も多い。
元々は重PSへは歩兵携行式もしくは軽車両搭載の対戦車ミサイルが使われていたのだが、動きの素早い重PS相手では戦車などの車両に撃ち込むよりも命中率が悪く効果は今一であった。
そこで炸薬を減少させる代わりに推進剤を増やして飛行速度を強化したモデルが開発され、これが対PSミサイルの原形となった。
重PSとは言え、戦車程の装甲を持つわけではないため威力はある程度妥協してよく、代わりに命中率を高めるための高速性が重要視されたためである。
これは既存の対戦車ミサイルを流用するよりも、幾らかマシだと多くの国で採用されることとなった。
因みに重PS以外だと軽車両や装甲車などにもそれなりに効く。
その後は研究が進み、重PSと相まみえやすい市街地では交戦距離が近く、速度よりも誘導性が重要だとされ、撃ちっぱなし仕様よりも有線誘導やテレビ式、または赤外線照射式誘導など誘導率の高いミサイルへの改良が進んでいった。
どれも相応に重PSや軽PSにも効果を発揮しているが、最大の欠点としては基本的にお高いこと。
やはり誘導ミサイルだけあって一つ当たりのコストが高くなっているのがネックであり、どこの国においても無遠慮にバカスカ撃ちまくれない兵器となっている。
21: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:23:54 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
対PS用に開発された無誘導ロケットと、その発射装置のこと。
対PSミサイルと同じく対戦車ほどの過剰な火力は必要ないと推進剤の方を重視して加速性や射程距離を伸ばしたタイプ。
ミサイルの方と違い、誘導装置一式が搭載されていないためコストが安く抑えられている。
このため大体の国では使い勝手の良いこっちの方が主流である。
中には爆薬を内蔵しない質量弾…つまり徹甲弾をそのまま打ちだすロケットランチャーも存在している。
使い勝手的にはミサイル>>ロケット>>対物ライフル>>対物砲であるが、貫通力や弾速、そして運用コストという意味では対物ライフルや対物砲が勝るため、それぞれの武装は時と場合と経済事情によって使い分けられる。
運用コスト的には対物ライフル>>対物砲>>ロケット>>ミサイルとなる。
別名短機関銃またはPDW。大まかには拳銃弾を流用した個人携行式のマシンガンを指す。
PSが登場してきたことにより大きく状況が変わってしまった兵器の一つ。
第一世代PSが登場して以降、歩兵の持てる防弾装備の性能が上がっていき、拳銃弾を流用するPDWの類は戦場では余り見られなくなっていった。
流石に9mmパラベラムや45ACPでのPS装着者への対抗は難しかったためである。
表向き軍の殆どでは姿を消したが戦車や装甲車、航空機といった兵器操縦者の護身兵器としては使われ続けていた。
これは格納スペースに限りがあるためである。
最も拳銃同様にPSが普及している昨今ではないよりマシのお守り程度であるが。
対して警察では相変わらず現役であった。
これは屋内戦において不必要に建築物や器財を極力被害を抑えているために低威力な拳銃弾を使用するサブマシンガンの類が適切だったためである。
このため軍とは打って変わって警察ではよく扱われており、どの国でも多くのサブマシンガンが採用されている。
しかしPSが民間にも普及している昨今では、PSを利用した犯罪も多発しており、特に独自に改造して鉄版などを張り付けたPS相手には9mmパラベラムや45ACPでは力不足となる場面も発生しているため、警察においても高貫通力を持つ弾丸を使える銃器の採用が取りだたされている。
このため2000年代から各国の警察では専用弾薬を扱う代物(P90)やライフル弾を改造した弾薬を使用する物(MP7)から5.56mm弾を扱う自動小銃をカービンモデルとして復活させたものまで幅広く試験や運用が行われている。
拳銃ともいう。世の代表的なサブウェポン。
PSの登場により銃火器の高火力化と防弾装備の強化が止まらない昨今でもいざという時のサブウェポンとして運用が続いている。
最もPS登場以前よりもお守りとしての側面が大きくなっているが。
民間や警察では変わらず大量に流通している。もっぱら護身用目的の利用である。
小さく、使い勝手が良いという利点は変わっておらず、なんやかんや各業界で生き残り続けている息の長い機種。
最も拳銃もご多分に埋もれず変な進化を遂げている物もある。
昨今では対PS用の12.7mm弾使用大型拳銃や重PS相手でもワンチャン狙える20mm弾使用のアーマーマグナムなる代物まで存在している。
どちらもPS着用前提であるが、一応生身での運用も視野に入れられている一品。
最も反動が凄いことになりそうなので、生身で扱うのは大変そうである。
なお史実でも12.7mm弾を使用する拳銃というのは実在しており、ロシアのRSh-12や
アメリカのサンダー50などが実在する。
まあリアルにはS&WM500やPfeifer Zeliskaなどのバグ拳銃も存在するので、序の口である。
因みに動画を見る限り12.7mmまでなら割かし生身でどうにかできそうである。インタビューでは撃ちまくると腕が痛くて仕方ないと言われていたが。
22: トゥ!ヘァ! :2022/02/22(火) 19:24:46 HOST:FL1-119-244-228-153.kng.mesh.ad.jp
投下終了
取りあえずパワードスーツが普及していった場合の銃器事情です。
最終更新:2022年02月28日 12:11