684: 冷石 :2022/03/12(土) 08:25:16 HOST:p0390840-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
「おい、伊丹。お前わざと定時連絡さぼったろ」
帰還報告をした、伊丹を呼び止め「話があるから、ちょっと付き合え」と、屋上へ連れ出した柳田は開口一番そういった。
「え、何のことです」
と、とぼける伊丹に柳田は蛇のような笑いを浮かべつつ「韜晦しやがって」といい、煙草に火をつけた。
「まあいい、そのことは後できっちり聞くとして。お前に聞きたいのは昭和と令和両方の日本人のことについてさ」
「両方の日本人ですか?なんだってまた」
「そりゃあお偉方は知りたがってるのさ、両国が手を結ぶことができるかを
考えてもみろ、昭和日本は1945年、手つかずの資源や、その価値がまだ知られていない資源がわんさとある
そして令和日本だが知っての通りの技術力だ最小の兵力しか出してないのにアルヌスの丘でたたき出した戦果はうちと昭和合わせたのに匹敵する
しかも退役寸前の二線級の装備でだぜ、それを聞いたとき開いた口がふさがらなかったよ
お偉方も目の色を変えるってわけさ。で、どんな感想を持った、些細な事でもいいから言ってみろ」
「そーですねー、昭和の人たちは真面目な人が多かったですよ
令和の人たちはよくわかんないですね、皆極端に無口で」
「ふーん。ま、短期間じゃそんなもんか。
そういや伊丹お前さん、連れてきた難民の世話の責任者になったそうじゃないか」
「ええ、連れてきた以上は最後まで責任取れって」
「ならちょうどいい、昭和も令和も難民の世話に人出すらしいから
そいつらからいろいろ聞きだしといてくれ」
「なんでそんな探偵みたいな真似を」
「できるだろ、Sなんだからよ」
そういうと柳田は携帯灰皿に喫い終わった煙草を入れ去っていった。
東京都某料亭
「令和日本から昭和世界の主要国の首脳と首脳会談を行いたいとの提案が来たのですが」
「唐突だな、そんなに簡単にスケジュール調整はできんぞ」
嶋田の発言に、会合のメンバーは頷く
「ええ、さすがにすぐは難しいといったのですが、それならば食料問題と医療問題担当の政府高官でも構わないとのことです」
「食料と医療?」
「はい、令和日本の外交官によりますと、こちらの世界の火山の噴火による飢饉と
アメリカ風邪の事を知り支援ができるので、それについて会談の場を設けたいとのことでした」
「それならば政務次官レベルでの会談でもいいな、さすがにトップ会談はすぐには難しい」
「では、ナチスドイツとイギリスの大使に、令和日本より食料医療支援の提案があったことを伝えよう」
「会談の場所は、さすがにゲートにナチやイギリスの変態紳士をくぐらせるのは避けたいからこちらの世界で行おう」
「かといって東京だとナチスがいい顔をしないだろう」
「それならばイタリアなんかどうですか、イタリアは日本と欧州の仲介人たらんとしてますし
枢軸国なのでナチスの顔を立つ、イギリスも否やとは言いませんよ」
「うむ、それならばイタリアにも参加を打診しよう、それでいいな」
「「「異議なし」」」
この件は食糧支援という事もありヒトラーも猜疑しながらも賛成し
イギリスも食糧問題はきんきつの課題であり、イタリアも国際社会での地位の向上が見込めると即座に賛成の意を示した。
こうして政務次官級会談としては異例の速さでこの会談は行われた。
685: 冷石 :2022/03/12(土) 08:26:03 HOST:p0390840-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
「では今回の会談の主題である食料及び医療支援についてですが」
と挨拶もそこそこに令和日本の代表者が本題に入った、なお大日本帝国ではどちらの日本かが紛らわしいため
昭和日本、令和日本と呼ぶことが決定し、世界もまた昭和世界、令和世界と呼ぶことになり、原作世界はとりあえず平成とつけることとなった。
「我が令和日本は昭和世界に30億人が3食365日食べることができる量の食料及び水を5年間継続的に無償で提供することを提案します」
「「「「なっ」」」」
「し、失礼ながら貴国にはそれだけの食料の備蓄があるのですか」
イギリスの代表が動揺を隠せずに尋ねる
「はい、賛同いただければ来月中ににも手続きを済ませ第一弾を送る準備があります
ただ味の方は勘弁していただきたいですが」
「そ、それは助かる」
ナチスドイツの代表もまたそう答えるしかなかった。
ただ昭和日本の代表は微妙な表情を浮かべていた、これでナチスドイツが一息つき国力を高められては困るからだ
そんな空気の中次なる爆弾を令和日本の代表は落とす
「それでですが、今回の支援ですが、ただ食料を配るだけでは面白くないと、我が国の稲垣総理はおっしゃられています」
何か要求がくるのかと警戒する各国代表
「そんなに構えないでください、今から提案することは富裕層向けの製作なんですから」
「富裕層?」
「はい、富裕層からすればわざわざ支援で貰う味の劣るものより高くとも味の良いものを食べたがるでしょう?」
「確かに」
「それで今回の支援ですが、ただ配るのではなく、証券という形で配布してほしいのです。
証券をしかるべき機関にもっていけば食料と交換するという形をとってほしいのです」
この言葉にピンときた日本代表は笑みを浮かべ
「5年という期間限定の支援食糧相場を作れという事ですな」
「ええ、富裕層はその才覚に応じた利益を上げることができる」
「なるほど、これならば停滞している金の巡りをよくすることができる」
「30億人の食料を5年分だ、期間限定とはいえ相当な取引が見込める」
証券取引に関しての知識と経験ならば人後に落ちない日本とイギリス代表は顔を輝かせる
一方でその分野に関して得意と言い斬れないドイツ代表は難しい表情をする。
イタリアは空気。
「ではそれでよろしいですか」
そう令和日本の食料担当が締めくくる。
「ええ」
「異議などありません」
「「はい」
「…それで構いません」
「それでは次は私が」
と医療担当の令和日本の代表が声を上げる」
「医療に関する支援という事ですが」
「はい、
アメリカ風邪と呼ばれる疫病ですが、抗生物質がある程度効くとのことですので、その提供がまず一点」
「それは助かります」
食糧支援のようなインパクトはないなと安心したような残念なような空気が各国代表の間に流れているときに特大の爆弾が落とされた
「第二に疫病感染地域に災害被災地で疫病が発生した時のために使われる特殊医療車100台と医師団300人
並びに食糧支援のための職員5000人を派遣いたします」
「待ってください、それは賛成できません」
「そうです、危険すぎます」
「支援活動に当たった人員から、
アメリカ風邪が広まるかもしれない
我が国としては反対です」
「ご安心ください、100%罹患しないと断言できますから」
「言葉では何とでも言えます」
「そうです根拠がない以上賛同できません」
「大丈夫ですよ、派遣する職員並びに軍人は全員全身義体、つまり機械の体に換装した者たちですから」
「…」
「…」
「…」
「…」
「「「「…は?」」」」
「ええ、ですから全員機械の体なんですよ、ですから錆びることはあっても病気に罹患することはありません」
「「「「な、なんだってー!?」」」」
令和日本の科学力は相変わらず予想以上にカッとんでいた。
686: 冷石 :2022/03/12(土) 08:33:27 HOST:p0390840-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
ゲート
夢幻会の憂鬱アップしました
錆びることの一言は令和日本代表の渾身のジョークです
さすがに錆びるような素材は使ってません、念のため
ところで令和日本の異常科学力ですがアイデアあったら募集します
使い切れると判断したら作中に出す予定です
それではwikiへの転載はご自由に
冷石でした
最終更新:2022年03月15日 09:02