975: ホワイトベアー :2022/03/22(火) 13:35:46 HOST:sp1-75-228-115.msc.spmode.ne.jp
日本大陸×ワールドウィッチーズネタ バトル・オブ・ブリタニア 中

「民の避難が終わってないのだ。王たる私が安全な場所に避難するわけにはいかない」

ブリタニア国王ジョージ6世、BoBの際に避難を促す侍従長への返答


ドーバー海峡上空の空には何本もの細長い雲が描き出され、空では何十体、いや何百体もの鳥ではない何かが円舞曲を踊るように細長い雲を描き出している。
海上ではブリタニアやカールスラント、ガリア等の列強が自国の象徴として生み出した鋼鉄のリバイアサンたる戦艦が展開し、その自慢の牙を空に向けていた。
戦艦の主砲が次々と火を噴き、ネウロイに向かい放たれた榴散弾が大小問わずガリア上空のネウロイを霧散させていく。

碧い海の上ではP-10やF-38と言ったジェット戦闘機がラロス改や中型爆撃機型ネウロイに短距離空対空誘導弾や20mm機関砲弾を叩きつけてネウロイの編隊を崩し、スピットファイアや92式戦闘機、Bf109、Fw190などのプロペラ式戦闘機や航空ウィッチ達がフォーメーションの崩れたネウロイに喰いついていった。
対するネウロイはレーザーを盛んに放ち、喰いついて来た人類の航空戦力を迎え撃つ。

ネウロイが消滅していき、水上の艦艇は炎上し、空中の戦闘機は火を吹いて落ちていく。

早朝から始まったドーバー海峡での有史以来最大の戦いは、昼をすぎても海で、そして空で未だに繰り広げられていた。


「まったく、今回の戦闘で私もエースになったし、さっさとネウロイたちには回れ右をして貰いたいんだけど!」

「そうなってくれれば万々歳ですね!」


ネウロイが盛んにレーザーを放ち、ウィッチ達を撃ち落とそうとするが、時にシールドでそれを凌ぎ、時には回避を選択し、国連統合軍の一員として戦うカールスラントウィッチ達がコアを探すためにMG34を乱射していた。
すでに飛行時間300時間を超えたベテランたちであり、その戦いには余裕があった。


「ポケットには、ビスケットが1つ♪」

日本の供与品である32式対物狙撃銃を構えた航空ウィッチが、仲間が見つけたコアに向かって12.7mm魔導徹甲弾を叩き込んでいく。カールスラントで長年戦い続けた彼女たちからしたら最早手慣れたものである。

「ふう、にしても数が多いわね」

どこまでも気軽そうにそう言いながら、少女は次のネウロイに照準を向け引き金を引く。
放たれた銃弾は吸い込まれるようにコアを貫き、これを破壊した

「隊長、これで何機目ですか?」

「さあ、10から先は数えてないわ。」

「ですよね~」

まるで部活動中の女学生のように、どこまでも軽い隊長と呼ばれた少女が最後の中型ネウロイに銃弾を放ちながら言う。この中型ネウロイの消滅をもって、彼女らが担当するべき空域からコア持ちのネウロイの姿は消えた。

「各員弾薬の状態は?」

「まだまだあります。大量に持ってきて正解でした」

「非情に重かったですけどね」

「こちらも予備弾薬は十分にあります。この年で腰を痛めるかと思ったかいがありました」

彼女の率いる中隊員からの応えは良好なものであった。

「よし、残った小型種も戦闘機隊と協力して叩くわよ」

こちらの戦域に配備されているのは元カールスラントの部隊であり、コアを持つネウロイの相手は厳しかっただろう。だが、ラロス改となれば話は別である。カールスラント空軍の主力戦闘機であるFw190でも十分に戦うことができる。

10分も経たずに彼女らの担当空域からネウロイの姿が消える。

『HQよりG4/JG27へ敵反応あり、第3波だ』

「了解。これより迎撃を開始する。聞こえていたわね?貴女たち、休憩はおしまい。次の仕事に移るわよ」

12名のウィッチたちは電波の誘導に従い次の目標に向かっていく。その姿はまるで獲物に向かう猟犬のようであった。

976: ホワイトベアー :2022/03/22(火) 13:37:03 HOST:sp1-75-228-115.msc.spmode.ne.jp
ブリタニア連邦 サフォーク州 国連大西洋方面第1軍ミルデンホール航空基地 防空司令室

ドーバー海峡を巡る戦闘で最初に綻びを見せたのは、国連軍とブリタニア軍の担当の境目であった。

「ヤタガラスから緊急入電。敵ネウロイ第4派のパリからの移動を確認。数、およそ600、約10分後に第一防衛線到達までおよそ10分、速度からジェット型と推定するとのことです」

データリンクを通してヤタガラス、上空の早期警戒管制機から送られてきた情報をオペレーターが報告する。ネウロイはこの空域に一気に500機近いジェット戦闘機型ネウロイの護衛のもとに爆撃機型ネウロイをパリのネウロイの巣から投入してきたようだ。

「連中もついに本腰を挙げたか。迎撃部隊は?」

「待機していた第31、第55、第78追撃飛行群、GCⅡ/7がスクランブルを実施中。また、G1/JG26、G4/JG27が迎撃地点に移動中」

「ブリタニア軍、第41、46、43,601中隊迎撃の為にスクランブル」

リベリオン陸軍航空軍第8航空軍兼国連軍大西洋方面第1軍航空軍司令官カール・スパーツ大将の問いにすぐにオペレーターが応える。

「敵航空ネウロイは約600、うち500がジェット型。対してこちらは戦闘機とウィッチ合わせて290ほど。防ぎきれるかは微妙な所ですな。地上の高射砲部隊にも警報を発令しますか?」

国連軍とブリタニア軍はネウロイの到達予想空域を担当するジェット戦闘機や航空ウィッチに急いで準備をさせるほか、予備戦力も投入していくがタイミングが悪い。

国連軍とブリタニア軍のジェット戦闘機部隊が補給のために後方に戻り、交代の部隊が戦域に広く展開したタイミングを狙うかのように、ネウロイはジェット戦闘機型を一転に集中的に送り込んで来たのだ。おかげで数は局地的に数で負けている。さらに航空ウィッチは圧倒的な速度差からヘッドオン状態以外では歯がたたない。
一応、リベリオン第8航空軍所属の3個戦闘飛行群にはそれぞれ1個飛行隊ずつ計60機の中距離空対空誘導弾を運用可能なP-10が配備されているものの、これらの機体が運用可能なのは1機あたり1発ずつしか誘導できないSARH誘導方式の1式中距離空対空誘導弾8型/AIM-1Hであり、数の不利を補えるかは微妙な所である。


「当然だ。補給の為に戻ってきている部隊も予備戦力以外は補給が終わった部隊から上げさせろ。」

「ローテが崩壊しますがよろしいのですか?敵はまだ500機のジェット型を残しておりますよ」

「かまわん。出し惜しみはなしだ。」

ジェット型ネウロイの集中投入と言うネウロイの行動により、消耗戦に入りつつあったドーバー海峡を巡る人類とネウロイの争いは、良きにしろ悪きにしろ大きく動こうとしていた。

今だ巣に待機するネウロイたちと大西洋を急行する一大機動艦隊。人類、ネウロイともにその余力を残した状態で。

977: ホワイトベアー :2022/03/22(火) 13:42:22 HOST:sp1-75-228-115.msc.spmode.ne.jp
以上になります。wikiへの転載はOKです。

色々悩んで、頭がパンツをズボンと違和感なく認識できるほどストライクウィッチーズを見直した結果、ガリア上空の巣は“この時点では”パリにあると設定しました。

なので一応当初の予定より人類に縦深ができたました。やったぜ

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最終更新:2022年04月04日 13:09