569: 弥次郎 :2022/03/25(金) 18:55:03 HOST:softbank060146116013.bbtec.net

日本大陸SS 漆黒アメリカルート 設定集「FN FAL」



FN FAL

口径:7.62㎜
銃身長:533mm
全長:1090mm
作動方式:ガス圧作動方式、ティルトボルト
使用弾薬:.30-06スプリングフィールド弾
装弾数:20発
装弾方式:箱型弾倉
有効射程:400~600m
製造・開発:FNハースタル社 ウィンチェスター社
採用国:アメリカ合衆国 ベルギー ソビエト連邦 ヌーベル・フランス 他

概要:
 FN FALはベルギーの銃器メーカーFNハースタル社の送り出した自動小銃である。
 日英陣営(後の人類同盟)からはバトルライフルに分類されることもあるライフルとなる。


誕生まで:
 歩兵の主兵装(プライマリウェポン)と言えるライフル銃の開発というのは、歩兵が陸軍の構成単位を担う関係上、逃れられないものであった。
 アメリカ合衆国においては、正規兵、人間の歩兵の武装としてはWW1においてはいわゆるボルトアクションライフルを採用していた。
この時代としては相応の装備と呼べるものであり、特段他国に対して後れを取っていた、というわけではなかったのである。

 事実、仮想敵国である日英陣営などはWW1の開戦時においては同じくボルトアクションライフルを基本としていることが確認されていた。
性能面はともかくとしても、正規兵と備品兵による数の優位という面を考慮した場合、最終的な勝利は拾えると判断していた。
 つまり、正規兵の前に大量の備品を相手にせざるを得ない日英の軍ならば、やがて弾薬が尽きるか、あるいは指揮を挫けると判断していたのである。
当時の米軍の基本的なドクトリンは日露戦争などを戦訓とした塹壕戦に基礎があり、最終的に勝てると考えていたのだ。

 そういう都合もあり、ドイツに輸出した電撃戦に適合した兵装や思想というものは主流ではなく、従って、それ以上の開発は進んでいなかったのである。
無論のこと、機関銃のようにフルオート可能な銃の開発は研究されてはいたが、効率などを考慮した場合ナンセンスという意見が主流であった。
弾をばらまく武器としてはマシンガンが既に存在していたし、歩兵を一人仕留めるための弾丸を考えるとコストが高くつくというわけである。

 しかし、そんなものはWW1、すなわち欧州大戦終盤に日英陣営がフランス・ロシア側に立って参戦したことでひっくり返ることになる。
当時アメリカ合衆国は自国で生み出され、輸出された電撃戦というドクトリンの検証の意味もあり、観戦武官を派遣していた。
そして、その観戦武官は報告したのである。「日英はフルオート可能な小銃を一般兵へと配備せり」と。
この報告は錯綜したものとは思われたものの、おおむね正しかった。

 日英陣営は、この時すでにフルオートマチックに対応した小銃の開発に成功し、一部で配備をしていたのだ。
大多数は弾薬が共通していないボルトアクションであったが、一部精鋭部隊向けにそれらを配備していたのだ。
あくまでも実戦における試験運用という体であり、未だに不安定さなどは残っていたことは確か。
本命と言えるのはセミオートマチックライフルの方であり、こちらの実戦配備と運用実績の積み重ねこそが主眼であった。

 さりとて、観戦武官が「歩兵に充足させている」「ボルトアクション以上の連射」と判断するには十分すぎるほどのインパクトがあったのだ。
合わせる形で、長銃身化とストックの装着などで射程を伸ばしたマシンガンも兵士に支給しており、これが誤認された可能性もある。
言うまでもないことだが、一発ごとにレバー操作の必要なボルトアクションとSAおよびFAのライフルには有意な差が存在する。
殊更に、歩兵同士の戦闘における決戦距離においては、である。
 ともあれ、欧州大戦が終結した直後に、アメリカ合衆国は自国と仮想敵国の間に大きな差があると判断。
その総力を挙げ、セミオートおよびフルオート可能な小銃の開発に挑むこととなったのである。

570: 弥次郎 :2022/03/25(金) 18:56:06 HOST:softbank060146116013.bbtec.net

開発序盤:
 とはいえ、その小銃開発はいきなりずっこけることになる。
 即ち、従来の弾薬はボルトアクションライフルが前提であり、フルオートで撃つことを想定していないのである。
機関銃などで撃つ分には問題なくとも、反動やら銃弾の構造やらなにやら、解決すべき問題だけが山のように積み重なっていたのである。
つまり、適合する銃弾の選定乃至設計からスタートしなければならないという、半ば周回遅れを強いられたのである。
事実として、この半ば新規作成という開発に苦労していたことや製品の保証という問題にぶつかっていたことでかなり苦労を重ねていた。
よって、日英陣営としては投入がギリギリ間に合ったというレベルだったのだが、まあそれはさておき。

 独力での開発に早期に見切りをつけた合衆国では、同盟関係にある諸国に対して意見を募集、技術の集約を求めた。
これに応じたのは成立したソ連であり、関係の深いベルギーであり、あるいは南米の友好諸国であった。
合衆国はいくつかの銃のサンプルと弾薬の候補を制作、これを元手にしたフルオート可能な小銃の開発を行ったのである。
いわゆる共同開発というものであり、仮想的に先を行かれていることに焦りを覚えた他の国も加わって推進されることとなった。
 研究は当初は躓いたものの徐々に進んでいき、その中で、以前から研究されていた.30-06スプリングフィールド弾が使用弾丸として選ばれた。


思わぬ横やり:
 ところが、開発が再びずっこける事案が発生した。
 即ち、日英陣営が共同して全世界に対して無作為に放った「空売り砲」である。
 これが戦争・紛争輸出という外貨獲得手段に依存度が高かったアメリカ合衆国に対しては極めてクリティカルに刺さったのである。
つまり、戦争や紛争というのは貧困や不況などが原因で発生するとしても、そもそもの元手になるものがなければ始まることさえできない。
そして「空売り砲」はその米合との取引のある国々からその余裕というものを吹き飛ばしてしまったのである。
 同時に発生した米合内での経済的不況の影響もあり、この手の研究開発に投じられる資金などが大幅に減少、極めて大きな停滞を強いられたのである。
如何に次世代の主力を担う武器の開発と言えども、今の世代の武器の生産を怠るわけにもいかないために、優先順位を下げざるを得なかったのである。
銃火器開発に限らず、アメリカ合衆国全体の経済が停滞や減速を強いられたのだ、無理もないというべきであろうか。


続く開発:
 この経済的な攻撃に端を発した国家としての停滞は、加速を続ける日英陣営との間の差をさらに広げることとなった。
これらに関しては米合も「自国経済への影響も考えて行うはずがない」と合理的に推測していただけに、なおのことインパクトがあったようである。

 とはいえ、米合とて後れを取るわけにもいかず、同じく.30-06スプリングフィールド弾を用いたM1ガーランドの開発と前線配備を進めるなどした。
フルオート可能な小銃に合わせた弾薬の生産量の拡張や部品の品質向上などの問題に突き当たった結果妥協として生まれたにせよ、それは他国の先を行っていた。
 しかして、十分な余裕をもってフルオート可能なアサルトライフルの配備に成功した日英陣営に遅れていたことは確か。
その為、発生し得る戦争勃発に備えて米合は開発を急ぎ、足りないものを補い、リサイクルしながらも研究を進めた。

 そして、FNハースタルが従来の弾薬よりも短小化・弱装化することでフルオートに適合した試作型小銃の開発に成功した。
これらは、日英が兵站管理などの面から従来と同じ弾薬を用いている、という誤認からいち早く脱却できたFNハースタルの技術者の発案によるものであった。
 しかし、その小銃弾--英国で一時期使われていた.280 ブリティッシュ弾を基にしたAM-909はは試作されていたものにすぎなかった。
量産ではなくテストを主眼としたためにそのままでは量産性が悪いだけでなく、ほかの銃との互換性がなく、おまけに信頼性に乏しかった。

 のちのワーストM1シリーズの一つとなるM1ガーランドとの互換性、そしてその弾薬の持つ信頼性をとるのか。
 はたまた性能面で適合しており、互換性がないとしても扱いやすくなるAM-909を基にした新弾薬を全面採用するか。
この二択に迫られた米合は、やむなく前者を選択し、フルオート時に不安定化することも受け入れる方針とした。
 戦争に備えて増やした生産ラインをいきなり切り替えるというのは難しく、また、今から更新を行うのは軍事的に大きな隙と判断したのだ。
幸いにして、フルオート射撃時の反動の大きさから不安定さはあったが、セミオート射撃時の集弾性は良好であり、そちらを基本とすることで解決とした。
また、弱装弾ではないということでセミオート時における射程や威力に関しては優れているということもあってこれを採用することが決定した。

571: 弥次郎 :2022/03/25(金) 18:56:50 HOST:softbank060146116013.bbtec.net

製造・前線配備・運用:
 しかしながら、この後のアサルトライフルとなるFN FALの製造と試験運用が進んだのは、悲しいかなWWWが始まってからとなっていた。
先に開発されていたセミオートマチックライフルのM1ガーランドとの生産ラインの取り合いに発展してしまい、導入に関してももたついたことが要因である。
そして、まとまった数が配備されるようになったのはWWW中盤以降であり、あくまでも人間向けと限定されることになったのである。

 とはいえ、この小銃は開発にかかわった米合、ベルギー、ソ連、さらにはヌーベルフランスや南米諸国へも配備されることになった。
これは戦間期、移動や渡航などに妨害が入らない段階で綿密な打ち合わせや製造ラインの分散を行っていたおかげであった。
そして複数の研究機関で開発を進め、そのデータを共有と平均化を行うことで、均一なライフルの製造を成功させていたのである。



機構・動作・構造など:
 作動方式としてはガス圧作動方式、ティルトボルトを採用。
 また、構造に関しても「下方着脱マガジン」や「チャージングハンドル」フルオート/セミオートを切り替える「セレクター」と新要素が多く取り込まれている。
それでいて、簡易に習得できるようになっているのは米合が得意としている「「人間研究」という要素が非常に強く反映されているといえるであろう。
これの教育マニュアルや教育課程においてスムーズに進んだのは偏に米合ならではというべきか。


バリエーションなど:
 基本的に、米合、ベルギー、ヌーベル・フランス、ソ連の4種のモデルが存在している。
 それぞれに要求されるスペックや性能が微妙に異なっており、使用する環境も異なるというためであった。
 特に苦労したのがヌーベル・フランスモデルの開発であった。というのも、ヌーベル・フランスはアルジェリアという地域の特性が問題があった。
即ち、史実でも存在したような砂塵にまみれた地域での動作性に非常に苦労することとなったのである。
地中海に面している領域はともかくとして、残りは砂漠などが多く、それに対応しなくてはならなかった。
ただでさえ精密で繊細と言える動作機構に砂などが入ると誤動作などの原因となるため、砂抜きスロットの設置などが行われたのである。

 そのほかには、バイポッドや照準器の装着さらにはバレルの交換などを行うことで軽機関銃として使うこともできるようになっている。
欧州大戦以前のような塹壕戦のような環境に陥るケースが多いとは言えなかったとはいえ、即席の機関銃による火力を必要とする場面は非常に多かった。
そういった必要な場における火力の提供を果たしたという意味では、かなり信頼のおけるものとなった。



総合的な評価:
 総合的に見て、日英陣営に続いて開発されたこのアサルトライフル(バトルライフル)の評価は高い。
 戦場での能力は非常に優秀で、通常弾では反動のコントロールが難しいという問題点を除けば、人間が使うアサルトライフルとして完成しているためであった。
 しかも、度重なるトラブルや外的要因による妨害などを挟みながらも、そのコンセプトを一貫して守り、開発したという点も評価されている。
他にも運用する国ごとのバリエーションや改造などが施しやすく設計されている点など、評価されている点は多い。
トラブルも付きまとっていたが、それについての情報を逐次集め、逐次対策を打ち出すなど、運用面でも優れているとも。

 しかして、欠点がなかったというわけでもなかった。
 特に使用者が「人間」に限定されたというのは、せっかくの質を数を揃え生かせないということでもあった。
特に兵器の複雑化や技術の発展、戦術の複雑化に伴い、歩兵の平均的な質の向上が重要視されることになったWWWでは「備品」が適合しにくくなった。
 そして、その備品の払底まで追い込まれた際に、それまで備品で補っていた「数」を補えるようには作れなかったことが問題視される。
 まあ、これはこの小銃自体の問題というよりは、軍全体に共通していることなので、まあやむを得ない話というべきか。

572: 弥次郎 :2022/03/25(金) 18:57:27 HOST:softbank060146116013.bbtec.net
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御無沙汰ぁ!だったので、米合の小銃について…

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最終更新:2022年04月04日 15:26