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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その52 欧州反攻作戦・その8


遂にぶつかり合う両軍だったが、まずは対艦ミサイルによる攻撃から始まった。
通常の対艦ミサイルの他、中独露三か国の戦艦からは対戦艦用の大型対艦ミサイル(それぞれ「P-1500」「東風32型」「グングニル」)も併せて発射する。
目標は両軍共に、敵戦艦。数は蒼空邪軍の方が多いが対戦艦用ミサイルを持たない為、打撃力では諸国連合軍の方が上だ。
勿論、直掩隊(戦娘若しくは制空戦闘鬼級)による迎撃の他に対空砲火も有り、両軍共に殆ど届かなかったが、奇跡的に巡洋戦艦ト級フラッグシップの一隻に二発の対戦艦用大型対艦ミサイルが直撃。
弾薬の誘爆等は無かったが、第三砲塔のバーベットに大きな損傷を負って旋回が不可能に。更にもう一発は電子機器に大きな損傷を与えると共に測距儀を破壊。まともな砲戦が不可能となった。
対戦艦用大型対艦ミサイルの総評としては

「当たり時と当たり箇所によっては、大きなダメージを与えられる」

といった所に落ち着いた。
なお、中独両国は更なる威力向上に邁進して行く事となるが、それはまた別のお話となる。

それはさて置き、その間にも両軍は距離を詰めていく。
前回は人類側がどの敵にあたって行くかを述べたが、蒼空邪軍側はどうだったのか?
あの忌々しい三胴式の戦艦こそ居なかった物の、予想より遥かに多い戦艦の数に驚愕していた。これまで敵は碌に戦艦を保有していなかった筈。
なのに僅かな期間(2年程)で、何故これだけの数の戦艦が居るのだ?しかも主力艦隊の方に多くの戦艦を割いているにも拘らず、だ。
今更ながら割いた戦艦の数が少ないのを悔いたが、既に戦闘は始まっている。しかもト級の一隻が早くも脱落寸前なのだ。
その為、別動隊指揮官は決断した。改超重砲撃戦鬼級を先頭に一点突破を図る。見た所、20インチ砲を搭載していると思われる艦は見当たらない。ならば、火力差で押し通る。
単縦陣を組み、諸国連合艦隊の中央を突破しようと目論む蒼空邪軍艦隊。対する諸国連合側は敵の意図を正確に把握。混乱する事無く、落ち着いて迎撃を開始する。
このまま進んだ場合、T字の形で1隻ずつ叩かれる事となる。やむなく蒼空邪軍側は取り舵。距離を縮めつつ同航戦へと移行する。

砲戦開始は32000m。改超重砲撃戦鬼級の遠距離砲撃から始まった。丸い島の様な形状という事も有り、搭載している8基の主砲塔の内7基を敵へ向けて射撃する。
もっとも、流石に距離が有るという事も有り命中弾は皆無。あくまで威嚇目的での射撃だ。本命の射撃は20000~25000であり、距離は急速に縮まりつつあった。
そして、距離25000になった所で両軍共に砲撃戦を開始。両軍艦艇の周辺に次々と水柱が立ち始める。
余談となるが、人類側の戦艦の砲弾は砲撃戦となる事を予見して着弾時の染料をそれぞれ違う色にしている。レーダー等による射撃管制が可能とはいえ、どの艦の着弾か一目で分かるのはやりやすいともいえる。
改超重砲撃戦鬼級は、恐らく最も手強いと思われる一群(中独の大型戦艦)を相手取り、チ級やト級は他の戦艦を相手取る。補助艦艇達は数を頼みに敵護衛艦艇を排除し、近距離から敵戦艦を無力化する。
総数では此方が勝っており、戦艦乃至巡洋艦が1隻でも突破出来れば勝利を掴む事が出来る。その思いの下、戦闘へと突入する。

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距離が縮まってきた事も有り、徐々に至近弾が出始める。最初に命中弾を出したのは、異常なまでに士気が高いレオナルド・ダ・ヴィンチだった。
チ級に2発直撃し、1発は舷側装甲で食い止められたがもう1発が第4砲塔バーベットを歪め、旋回不能とする被害を与えた。


砲雷員「敵戦艦に直撃弾!2発を確認!」

ダ・ヴィンチ「一番槍は我が艦の物ね。砲雷員達には、後で私特製のマリナーラ(船乗り風ピッツァ)をプレゼントするわ!」


ダ・ヴィンチの激に更に士気を高める砲雷員達。他の箇所も、負けてなるものかとそれぞれの職務を全力で全うする。
この一撃を皮切りに、各艦で徐々に直撃弾が出始める。そんな中、蒼空邪軍側はまたもや不可解な現象に混乱していた。敵艦の中に、こちらの防御機構を無効化する艦が居たからだ。それも複数。
戦娘達がこちらの防御機構を無効化する事が出来るのは周知に事実だが、あの三胴式戦艦もこちらの防御機構を無力化していた。それと同じだというのか?だとすると、敵は一体何者なのか?
全軍がそういうのではなくあくまで一部の艦艇のみであり、多くの敵艦の攻撃に対しては従来通りに防御機構が機能している。だから、尚の事敵の正体が分からない。
とはいえ、そういう敵はあくまで一部のみ。今は敵の正体を探るのではなく、この海戦で勝利して敵上陸地点への突入を図る。そう思い直した直後、被弾の衝撃が改超重砲撃戦鬼級を襲った。


艦長「被害報告!」

副長「一番砲塔及ビ艦中央ニ直撃!大キナ損傷ハアリマセン!」

司令「・・・ヤハリ防御機構ガ発動スル場合ト発動シナイ場合ガアルナ。ソシテ今撃チ合ッテイル敵艦ニハ、ソウイウチカラハ無イ様ダ」

艦長「ナラバ、十分勝チ目ガアリマスナ」

司令「油断スルナ。敵モ突破サセマイト必死ダ。余リ時間ヲ掛ケル訳ニモイカン」

艦長「ハッ」


そうやり取りしている最中に、交戦している艦に直撃弾が発生。被弾したのは、共産支那の大海洋。第1砲塔に直撃したのだが・・・何と2ランクも上の20インチ砲弾を弾き返したのだ。
バーベットが損傷して旋回不能になる被害が出たが、その頑丈さに敵味方両方が驚愕した。一応18インチ砲戦艦である同艦が、20インチ砲弾の貫通を許さなかったのだ。
かつて李技師が「改悪」と断じた装甲増圧だったが、格上の主砲弾相手にその真価を発揮。砲弾貫通による最悪の事態を防いだのだ。
なお後日その話を聞いた李技師は、何とも複雑な表情を浮かべていたらしい。

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李技師の事はさて置いて、砲戦が更に進み両艦隊共に被害が次々出始める。
特に多数の敵と撃ち合う羽目となったチ級や、自身の主砲を上回る主砲を搭載する敵戦艦と撃ち合ったト級の被害は甚大で、ト級は3隻全てを喪失。第2砲塔を貫かれて主砲弾が誘爆して爆沈したり、
相次ぐ被弾で浸水が増大し、横倒しになって沈没。砲戦前に損傷していた最後の1隻は4隻に袋叩きにされた挙句、船腹を晒して沈没していた。
チ級も満身創痍な状態であり、4基中3基の主砲塔が潰れ、艦首から海面下に沈みつつあった。
一方で人類側にも次々被害が出ており、大海洋とフリードリヒ・デア・グローセはそれぞれ5発の20インチ砲弾の直撃弾で中破。フォン・ヒンデンブルクもは2発直撃で小破。
モスクワとレオナルド・ダ・ヴィンチはそれぞれ3発の18インチ砲弾を被弾。モスクワは2番砲塔が射撃不能・VLSの一部が破損する被害を受け、ダ・ヴィンチは1番砲塔と艦首部分に穴が開き速力低下。
他数隻の戦艦も2~3発の直撃弾でそれぞれ小破していた。

一方、補助艦艇同士の戦いだが予想に反してある程度の拮抗状態となっていた。
その要因は、グレートオーストラリアの奮闘ぶりに有った。現在の巡洋艦としては明らかに重武装ともいえる4基8門になる8インチ砲弾の猛射で、敵艦艇を1隻ずつ確実に沈黙させていく。
同じ巡洋艦であるステルス防空巡洋艦へ級や打撃巡洋艦ホ級との砲戦も、装甲の有無の差で度々撃ち勝っていたのだ。艦娘が居るので、敵の防御機構を無力化出来たのも大きい。
そうこうしている内に、ト級を片付けた戦艦達が攻撃を開始。多くの艦からの砲撃に、補助艦艇群が散々に撃ち破られる事となる。

そんな中、唯一気を吐く改超重砲撃戦鬼級だったが、艦娘が居る18インチ砲装備戦艦が砲撃戦に加わった事で被害が急増。更に補助艦艇達を片付けた戦艦達も砲戦に加わった事で、勝負は決した。
全ての主砲塔が潰れ、徐々に停止しつつある改超重砲撃戦鬼級に戦娘のこんごう達が乗り込む。既に殆どの補助艦艇が倒され、改超重砲撃戦鬼級自身の副砲等も軒並み破壊されている事も有り、
乗り込みを阻止する事は叶わなかった。


オーシャ「コアノ位置ヲ特定シタワ!CICニ居ル!」

こんごう「OK!自沈されない内に、一気に突撃デス!」


一目散に中枢へと向かうこんごう達。途中、角材その他で封鎖したバリケードに遭遇したが、オーシャがハイクァーンで造成した義足ミサイルで吹き飛ばし、難なく突破している。
そして遂にCICに到達。艦長以下の要員をあっという間にスタン弾で気絶させるこんごう達。


こんごう「ここまでデス!大人しく投降シナサイ!」

司令「・・忌々シイ戦娘共ト、裏切リ者カ」

オーシャ「アンナ糞マシーンニ義理立テスル必要ハ無イワ。投降シテ」

司令「・・・悪イガ、ソウイウ訳ニハイカナイ。人質トナッテイル姉ノ為ニモ!!」


そう言って、自らを撃ち抜こうとする司令。だが、目にも止まらぬ速さでオーシャがそれを阻止。
腕を後ろに回して拘束する。

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司令「クッ!殺セ!ソウシナイト、姉ガ兵器ノコアニ!!」


そう言って暴れる司令の頬を、こんごうが引っ叩く。


こんごう「自暴自棄にナッテ、自ら命を絶つ等言語道断デス!!本気で姉を救いたいなら、意地でも生きナサイ!!」

司令「・・・・・」

オーシャ「・・・保証ハ出来ナイケド、可能ナラ救出シテミセルワ。私達ヤ、私達ニ助力シテイル人達ヲ信ジテ」

司令「・・・分カッタ、降伏シヨウ」


こうして、最後まで生き残っていた改超重砲撃戦鬼級のコアが降伏。別動隊は諸国連合艦隊の奮戦で撃退された。
敵艦隊の撃退を果たし、勝利に沸き立つ諸国連合艦隊の将兵達。一番槍こそ逃した物の、砲塔を2基潰す活躍をしたパシフィック・オーシャンでは艦娘のパシフィック・オーシャンが感無量な
顔をしながら将兵達の奮闘ぶりを讃え、大海洋の上層部は自艦の防御力に感謝している。なおレオナルド・ダ・ヴィンチだが、艦長が欧州女性達にどうやって納得してもらうかで頭を抱える一方、
言い出しっぺのダ・ヴィンチ本人は砲雷員に差し入れするマリナーラを作る為に、艦長を置いて厨房へと姿を消していた。

別動隊の撃退に成功したという報告を受けて、待機していたレイ達をセントジョージズ海峡へと急ぎ派遣する事に。
敵艦隊の最後の一隊であり、ある意味最も厄介な潜水艦隊が味方の犠牲を顧みずに突破を図ろうとしていたのだ。敵の性能から推測するに、浮上後に艦載機の発進と砲撃を行う筈。ならば砲撃前に叩かねばならない。
ノルマンディーへと上陸部隊を守る最後の攻防が、もう間もなく始まろうとしていた。

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以上です。諸国連合艦隊と蒼空邪軍別動隊の砲撃戦の様子でした。
今回の蒼空邪軍艦隊の敗因ですが、やはり「戦艦が少な過ぎた」と言うのが最後まで響いています。まぁ主力艦隊に1隻でも多くの戦艦が必要だったので止むを得ませんでしたが、予想を超えて
戦艦が多くいたのが要因となって、各個撃破の形となってしまいました。もし倍以上の数がいたら、逆に人類側がヤバかったと思います。あ、くっ殺ですが度々感想で書かれていた影響もあって、本編に入れてしまいましt←殴
まぁシーンの方は超シリアスでしたが。
さて、改超重砲撃戦鬼級のコアでもある司令の姉ですが、後日思わぬ形で再会する事となります。その辺はまた後程。
そして最後に残った、ある意味一番厄介なアリ〇ーンモドキを要する潜水艦隊との攻防戦となります。お楽しみに。
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最終更新:2022年04月19日 10:28