332: ホワイトベアー :2022/05/09(月) 14:22:00 HOST:sp1-75-2-215.msc.spmode.ne.jp
日米枢軸ルート現代ネタ 小ネタ
〘無限の正義。あるいは復讐者達の凶行〙
悪意の勝利であった。カンダハールは人の悪意によって人を寄せ付けぬ呪われた死の都市と変貌し、多くの兵士に自身が戦う意義を疑わせ、多くの国家の国民を恐怖させ、多くの日米の国民を血と高揚感に酔わせた。そして、多くの人形は淡々とそこで作業を続けていた。
ーーーー欧州連合軍アフガン派遣軍司令官ウラジーミル・エヴゲーニエヴィチ・ボルドゥイレフ上級大将 著書「戦争と言う名の虐殺」
アフガニスタン戦争で同地に侵攻した国連軍を主導し、指揮したのは冷戦終結後に超大国とすての座を確固たるものにした大日本帝国と、新たに超大国として知れ渡ったアメリカ合衆国の2か国であったが、その実かれらの派遣兵力は全体の3割を超える事はなく、国連軍の数的主力を担ったのは欧州連合軍とイギリス連邦軍、そしてオスマン帝国軍リアド首長国軍、エジプト軍などシーア派諸国軍のであった。
この背景には日米同時多発テロの黒幕と日米より向けられた疑いを晴らそうとする人々の思惑があり、こうした国々から派遣された部隊は戦闘はもちろん占領統治にかんしてもきわめて容赦なく、過激におこなっていた。
当然、過激な国連軍の統治は現地住民の反国連感情の増大化を招くことになり、アフガニスタン侵攻開始から10カ月がたった2009年2月にはアフガニスタン第二の都市であり、タリバンの本拠地でもあったカンダハールにおいて北部同盟軍所属兵士による強姦殺人事件が発生したことを景気として同都市でついに暴動が発生。その暴動の犠牲者を弔う集会が、死者を40日ごとに弔うイスラム教の習慣と相まって、雪だるま式に拡大し、カンダハール各地で反国連デモと暴動が多発する事態まで事態は悪化してしまう。
カンダハールを占領する国連軍は同都市に駐屯する北部同盟軍の部隊に暴動の鎮圧を命令。彼らは実弾射撃をもちいた治安維持戦を開始した。
しかし、これは火に油を注ぐ効果しかなかった。こうした治安戦はそれまで諦観していたカンダハールの住民たちも暴徒へと変えていくなど、北部同盟軍の鎮圧活動は暴徒の拡大を招き最終的には北部同盟軍の駐屯地が占領され、保管されていた武器が暴徒たちの手に渡ってしまう。
さらに、アフガニスタンの武装勢力がこの機を逃すわけもなく、約2000の戦闘員が暴徒と合流。カンダハールの国連軍(北部同盟軍)は一時的にカンダハールの放棄を決定した。
これを受けた国連軍司令部はカンダハールに対して戦略爆撃機を用いた無差別爆撃による対応を計画するが、北部同盟軍高官が国連軍に「うちも大規模な兵力を投入するので何卒ご慈悲を!!」と見事なジャニーズ土下座を行い慈悲を乞い、何とか通常戦力による奪還作戦に舵を切ってもらった。
北部同盟軍からの要請を受けた国連軍は冷戦後に借金の方としてイギリスから日本に引き渡されたディエゴガルシア空軍基地に待機するB-15の出撃を取りやめ、ドイツ陸軍第1親衛装甲師団と第1降下猟兵師団、ソ連軍第15親衛自動車化狙撃師団から抽出された2万8200名と北部同盟軍3個大隊をカンダハール周辺に派遣する。
国連軍部隊はカンダハールにつながる全ての街道を封鎖することで市内全域を包囲し、カンダハール空軍基地を拠点とした攻撃機およびヘリコプターの支援の下にカンダハール市街地の奪還を目的とした『不朽の秩序作戦』を開始する。
『不朽の秩序作戦』は航空機による事前攻撃の後に約3個連隊からなる国連軍先遣部隊がカンダハールを通る主要街道を制圧、補給路を確保する。
その後、カンダハール空軍基地に待機させている本隊を送り込み市街地を一家屋ずつ掃討することでカンダハールを奪還しようとする作戦であった
333: ホワイトベアー :2022/05/09(月) 14:22:38 HOST:sp1-75-2-215.msc.spmode.ne.jp
2月3日、国連軍は作戦大綱に則り、暴動発生から2日目に大日本帝国空軍のガンシップであるAC-13とアメリカ合衆国空軍のA-20(米製Su-25)を用いて、カンダハル市街地全域への空爆を開始した。
航空部隊の攻撃目標となったのは、タリバーン・アルカイダ連合軍の陣地および陣地に使用されると面倒な病院・学校・役所、さらに爆弾が仕掛けられている可能性がある路上の車両で、それらの施設を使用する住民や患者、子供ごと施設や車両を破壊し、侵攻部隊の障害となりうるものに攻撃を実施する。
この攻撃でカンダハールの住民に2000名近い死者負傷者を出したものの、突入部隊の障害物を排除した。
航空部隊の攻撃完了後、ドイツ陸軍第100装甲偵察大隊および第1降下猟兵連隊、ソ連軍第224親衛自動車化狙撃連隊、北部同盟軍3個大隊が市街地に突入。国道37号と国道39号、カンダハールを横断する国道101号を確保に乗り出す。
これに対してカンダハールの武装勢力はカンダハール住民と一体となって徹底した抵抗を見せていく。
時には降伏する姿勢を見せて国連軍に近づいたところで攻撃をしたり、死んだふりをして国連軍が近づいたところで攻撃する、果てには民間人に紛れて国連軍を攻撃する、子供に爆弾を括りつけて自爆攻撃を行うなどの行為を行い、ありとあらゆる行動で抵抗を続け、国連軍と北部同盟軍は国道を確保するまでに80名近い死傷者を出してしまう。
無論、国連軍も黙ってやられるわけではない。対策として目に付く国連軍以外の人間すべてに容赦のない銃弾を食らわす事になったが、老若男女とわずカンダハールに住む全員を敵とした戦闘は兵士たちの心を蝕んでいき、死傷者の3倍近い兵士たちがPTSDで後送されるなど国連軍は作戦の第一段階で大きな被害を受けてしまう。
それでも目標の主要街道の確保に成功した国連軍は待機させていた独第1親衛装甲擲弾兵連隊とソ連軍第15独立親衛自動車化狙撃旅団をカンダハールに投入。市街地での掃討戦を開始。合わせて先遣隊の一部と北部同盟軍4個大隊がカンダハールのライフライン施設への攻撃を開始。電気、水道などを停止させることに成功する。一方、タリバーン・アルカイダ連合軍の反撃により国連軍に20名の死傷者が、北部同盟軍46名の死傷者が発生し、さらに戦車・装甲車あわせて6両が破壊される。
100名を超える死傷者をだした国連軍はあらためて戦略爆撃機による掃討の検討を開始。今度は北部同盟軍もカンダハールの住民を庇えず、国連軍は不朽の秩序作戦の内容を大幅に修正。カンダハールに展開する部隊を市の郊外まで退却させ、あらためてカンダハールを包囲。戦略爆撃機による無差別絨毯爆撃による焦土化でカンダハールに立てこもる武装勢力を壊滅させようとした。
だが、この案は市ヶ谷(大日本帝国国国防総省)から横やりが入りストップした。当時の大日本帝国軍では無人自律兵器群の主力兵器化から化学兵器に再び目を付けており、様々な化学兵器を新規に開発していた。しかし、当然ながらこれらの化学兵器は実際に使用された事はなく、国防総省では「実地での運用データが欲しい。凄く欲しい」といった形で実戦での使用データを欲していた。最も、強い毒性と汚染能力の高さから「どこで使用するんだよこの馬鹿どもが!!」と政府に止められていたが。
そんな状況でカンダハールの事を知った市ヶ谷の高官は同地で化学兵器の実戦データを得るために三宅坂(陸軍参謀本部)、赤レンガ(海軍軍令部)、牛込区(空軍参謀本部)と共同して国連軍司令部に圧力を加えたのだ。
日本本国からの圧力を受けた国連軍司令部は再び作戦を変更する羽目になり、カンダハール攻略は日本本国から化学兵器が空輸されるまでの間延期が決定。
さらカンダハールを包囲する部隊およびカンダハール空軍基地部隊を化学兵器を投入する事から独ソ軍と北部同盟軍など人間主体の部隊から自動人形を主体とした第24歩兵旅団と第36歩兵旅団、第1レンジャー連隊第三大隊など日本帝国軍の部隊に交代させ、そして、シーア派のアフガン人を日本人が直接化学兵器で殺すのは対面が悪すぎる為に付近にシーア派諸国と呼ばれるオスマン帝国、エジプト、リヤド首長国軍砲兵隊を展開させる。
334: ホワイトベアー :2022/05/09(月) 14:27:42 HOST:sp1-75-2-215.msc.spmode.ne.jp
そして、2008年3月18日、大日本帝国本土から化学兵器弾頭を満載した大型戦略輸送機群がカンダハール空軍基地に到着する。してしまう。
同年3月20日、シーア派における預言者生誕祭の日に国連軍は未だ200,000人近い老若男女がいる大都市であるカンダハールに対して再度の奪還作戦であるOperation Infinite Justice、無限の正義作戦を実施を命令した。
これを受け日本帝国軍の化学兵器管理士官立会のもとでオスマン帝国陸軍およびリヤド首長国軍、エジプト軍砲兵隊が市街地全域に天文学的な数の化学兵器弾頭弾をまる1週間撃ち込み続け、マトモなシェルターも化学兵器防護装備も持たない人々であふれる都市は危険域をはっきりさせるために黄色く着色された致死性の毒性化学物質により文字通り覆い尽くされた。
作戦開始から2週間後、化学兵器がある程度霧散したのを見計らって自動人形化された日本陸軍部隊からなる国連軍地上部隊が突入した時には既にカンダハールで動くものはなく、
都市にいた生き物は人間もそれ以外も、男も女も、老人も赤子も、富裕層も乞食も、戦闘員も一般市民も、皆等しくももがき苦しんで死んだ事があり ありと判る死体へと変貌し、カブールについでアフガニスタン第2の大都市だったカンダハールは、風の音が支配する死の街に変貌していた。
その有様はUAVや自動人形からの映像を見ていた司令部要員が吐き気を催す程であり、人間と言う種がいかに邪悪な存在かをありありと示すものであった。
映像というワンクッションおいていた司令部要員ですらこれである。科学物資の除染後に後処理の為に派遣された欧州連合やイギリス連邦軍の人間が受けた衝撃は言葉で表せないほど大きく、後に砲撃を実施した砲兵達の多くが自殺を選択するなど多くの人間に決して癒やされることのない深い傷を残した。
しかし、国連軍が引き起こす悲劇はこれが最後ではなく、以後の国連軍は化学兵器による殲滅という手段を徐々に解禁していくことになる。
- そして、後世の歴史家はこう示す。この作戦から本当のアフガニスタン戦争が始まったと。
335: ホワイトベアー :2022/05/09(月) 14:29:31 HOST:sp1-75-2-215.msc.spmode.ne.jp
以上、以前セリフ集として少しお見せしたカンダハール奪還作戦となります。
wikiへの転載はOKです。
最終更新:2024年02月24日 23:37