302: モントゴメリー :2022/05/09(月) 00:03:34 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日本連合支援ネタ——「列島日本再軍備計画」——
「…まず、北部方面隊の2個旅団を個総合近代化師団に格上げしまして、第2師団を機動師団から総合近代化師団(機甲型)に改変することで、2個師団・2個旅団体制から4個師団体制に変更。ロシアが本土上陸をした際には総合近代化師団を金床、機動師団と総合近代化師団を金槌とした迎撃体制を構築。
次に中国や朝鮮半島が近い西部方面隊は第8師団を機動師団から金槌役を担う打撃戦力として総合近代化師団(機甲型)に改変、新たに地域配備師団である第17師団を配置することで3個師団体制に増強し、中国の九州侵攻の際には2個地域配備師団が金床、第8師団を金槌とした体制を構築。
北部方面隊の後詰めを担う東北部方面隊は2個師団のまま。
中部方面隊は第13旅団を地域配備師団に、第14旅団を機動師団に格上することで2個旅団・2個師団体制から4個師団体制に変更。第14師団は西日本全体の戦略予備としての性質も持たせます。
東部方面隊は第1師団の役割を首都防衛戦略予備に限定。第1師団や第1空中強襲師団に取り込まれた旧第12旅団に変わる機動師団として第12師団と第16師団を新設することで3個師団体制に増強。
そして陸上総隊隷下に即応戦力として第1空中強襲師団と第1水陸機動師団を配置。駐屯場所は第1空中強襲師団が全体の即応部隊として関東、第1水陸機動師団が南西有事に備えて九州。
第15旅団は沖縄防衛。
以上、『18個師団1個旅団体制』を想定しています。」
会議室に第14並列世界の担当者の声が響く。
現在、ここでは日本連合による『列島日本再軍備計画』の話し合いが行われているのだ。
会議には各並列世界の担当者の他に、列島日本関係者として総理大臣と統合幕僚長および各幕僚長とスタッフたちが参加していた。
なお、列島日本の財務省からも参加者がいるが、彼には発言権はなかった。
「兵員数約21万人主力戦車数は約2820両、機動戦闘車数は約950両程度を予定しています。
以上、ご清聴ありがとうございました」
第14並列世界のプレゼンを聞いて列島関係者は顔を歪めた。
主力戦車だけを見ても現在の陸自の9倍以上なのだ。負担を考えただけで胃が痛くなる。
特に財務省関係者の顔は真っ青だ。
「ありがとうございました。
次に、第7並列世界の担当者さんお願いします」
議長から促され、第7並列世界の担当者が壇上に上がる。
列島関係者は緊張を改めた。
第7並列世界は第14並列世界と並んで「武闘派」と評される。
その「鉄の血の忠誠」という特異な思想から「鉄血アプリ内蔵の皆さん」と連合内では言われているが、列島関係者にはそんな茶目っ気を発揮する余裕は無い。
303: モントゴメリー :2022/05/09(月) 00:04:05 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「まず、現在の日本国の経済力では我々が求める総力戦体制の構築は不可能であります」
そこで、と第7並列世界の担当者は手元の端末を操作しつつ話続ける。
「大まかな路線としては、当面は自衛隊の総兵力を『人口の0.5%』という最低限の数字で抑え、数の少なさを火力で補うという方向で検討を重ねました」
『人口の0.5%』とはどのくらいだろうか、と参加者たちは頭の中で計算を始めたがそれが終わる前にプロジェクターに日本列島の地図が映る。
「まず、陸上自衛隊の戦力は『13個師団』体制に2個旅団を加えたものを基幹戦力とします。
これは、陸自の伝統である13個師団体制に敬意を表すと同時に師団長たる中将…こちらでは『陸将』ですな。そのクラスの将官を短期に揃えることは難しいという判断からです」
地図に師団と旅団を表す記号が自衛隊関係者には馴染み深い位置に配される。
それを見た陸幕長以下陸自関係者と財務省関係者は内心安堵した。
13個師団+2個旅団は彼らの言う通り陸上自衛隊がかつて実現できた規模だ、それを成しえた時と今では少子高齢化や何やらの条件が異なるが何とかなる。
少なくとも先ほどの第14並列世界の素案だった18個師団1旅団体制よりは負担が減るだろう、と。
しかし、彼らは見誤っていた。第7並列世界が、「鉄血アプリ」が求める『最低限の兵力』というものを……。
「兵力の詳細ですが、第7師団を除く全ての師団は原則として同じ編制とし、兵員数は約1万5000人とします」
室内がざわめき出す。1個師団が1万5000人というのは第14並列世界案の地域配備師団と同数であるが、あちらは18個中7個師団だけだった。
対してこちらは13個中12個。これだけで兵員数は18万人となり、現状の陸自隊員総数を超えてしまう…!
スライドが変わり、浮足立つ彼らに対しさらに追撃が加わる。
「師団編制の細目は後ほど配布する資料でご確認願いますが、大まかに言いますと3個歩兵、失礼普通科連隊を基幹としそこに戦車連隊と戦闘偵察連隊、砲…特科連隊を加えさらに各種支援部隊を付属させます」
説明は続く。
「普通科連隊の編制は6個中隊を中心に1個戦車大隊と戦闘偵察大隊を含み、かつ連隊砲兵として105㎜自走砲を保有します」
スライドには普通科連隊の説明に『戦車・機動戦闘車各40両、105㎜自走砲18門』と書かれている。
そこに質問が飛ぶ。他の世界線に属するものであり列島関係者ではなかったが。
(列島関係者はあまりの衝撃に頭の回転が追い付いていない)
「連隊砲というなら、120㎜迫撃砲の方が使い勝手が良いのではないですか?」
「ああ、このスライドには載せていませんがそちらは『重迫撃砲中隊』として別途編制されております」
「なるほど、承知しました」
なるほどじゃねえよ、これは普通科連隊ではなく機甲旅団と言うんだよ!?
陸自関係者の声なき叫びを無視して会議は進行していく。
304: モントゴメリー :2022/05/09(月) 00:05:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「戦車連隊は1個中隊18両としてこれを6個で108両、これに本部小隊を加えて112両で編制します。
戦闘偵察連隊も同様に、こちらは4個中隊を基幹として本部小隊合わせて76両となります。
特科連隊は155㎜榴弾砲36門、203㎜榴弾砲18門、多連装ロケット18両を基本とします」
112両の戦車!
最盛期の第11戦車大隊が定数110両だったのでそれを超える。そして第11戦車大隊は特殊事例だったのに、これは全ての師団に配備されるというのか——!!
プロジェクターに示される数字を見て列島関係者は戦慄した。
1個師団火力:戦車=40*3+112=232両
機動戦闘車=40*3+76=196両
105㎜砲=54門
155㎜*36門+203㎜*18門 +多連装ロケット18門
これが「歩兵」師団だというのか!!
陸自唯一の「機甲」師団と言われる第7師団の最盛期と戦車数が全く同じだぞ。
列島関係者はもちろん各世界線の者たちも平静ではなくなっていた。
「そして先ほど例外といたしました第7師団ですが、こちらも自衛隊の伝統に則り重量編制師団、つまりは機甲師団とします」
やはりそう来るか。歩兵師団で戦車が200両以上だから300両…もしかしたら400両を超えるか?人員の方は1万人程度だろうけど。
しかし、そんな予想を容易く粉砕するのが鉄血アプリである。
「編制は普通科連隊と戦車連隊、『各4個』を基幹とし特科部隊を旅団規模に増強。さらに、師団航空隊も旅団規模に拡充し総兵力は『約2万5000人』とします」
室内の空気が凍る。もはやざわめきも出すことが出来なかった。
プロジェクターに示された数字は以下の通り。
第7師団火力:戦車=160+112*4=608両
機動戦闘車=160+76=236両
105㎜砲=72両
(155㎜*36+203㎜*18 +多連装ロケット18)*2
戦車数で最盛期第7師団の3倍弱、兵員数で4倍強である。最早「師団」という単位で語っていいレベルではないのではないか?
「次に旅団編制についてご説明いたします。
旅団は2個普通科連隊を基幹とし全体的に師団編制を縮小したものとします。詳細は資料をご参考願いますが、兵員数は約9000名を想定しております。
この旅団を四国・沖縄にそれぞれ配置します」
旅団と言いつつ、第14並列世界案の総合近代化師団に匹敵する規模である。
「以上、13個師団2個旅団基幹体制を早急に整備すべきであると我々は提言いたします」
その言葉と共に映し出された数字がまた強烈であった。
師団合計兵員数:20万5000名
2個旅団兵員数:1万8000名
『小計』:22万3000名
師団合計:戦車3392両
機動戦闘車2588両
105㎜砲720門
155㎜砲504門 203㎜252門 多連装ロケット252門
305: モントゴメリー :2022/05/09(月) 00:06:14 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
兵員数こそ第14並列世界とほとんど変わらないが、主力戦車の数で約2割、機動戦闘車に至っては3倍弱である。
「続きましてその他の部隊について——」
「お待ちください!!」
陸幕長が叫ぶ。
「我が国の国土は、このような大規模部隊の運用には不向きです。同じ『日本』と言っても、こちらの面積は狭く山岳部が多い。それに、非対称戦闘にはこれほどの重装備は必要ないのでは?」
「おっしゃる通りです」
担当者は話を遮られた形であるのに気分を害さず、むしろ我が意を得たり、という顔で応じていく。
「部隊が大規模になるほど展開に時間がかかるのは済む世界が違えど同じです。その点に抜かりはありません。対応策として——」
地図に記号が追加される。
「機動戦力として『各方面隊に』2個旅団を増強します」
「!!」
「確認したところ方面隊とは『軍』規模の編制とありました。それなのに隷下部隊が師団規模というのが無理を生じている理由です。軍団規模の部隊がいるのが自然ですから」
なので2個旅団というのもあくまで応急処置ですが、と恐ろしいことを言いつつも担当官の説明は続いていく。
「この他にも『小規模な』直轄部隊をいくつか加えて方面隊を組織いたします。災害派遣や即応予備などに活躍してくれるでしょう」
方面隊直轄予備:3個普通科連隊
1個戦闘偵察連隊
1個戦車連隊
2個砲兵旅団
どこが「小規模」なんだよ。普通に一個師団編成できる部隊数じゃねえか……。
陸幕長は燃え尽きるように席に着いた。
だがまだ終わりではないのだ。
「最後に陸上総隊直轄予備についてご説明いたします。」
そうだった。まだ総隊予備があったんだ……。
最早列島関係者の顔に生気は見られなかった。
「いまだ暫定案ですが、次のような編制を考えております」
陸上総隊直轄:2個空中強襲旅団
5個水陸機動旅団
「……水陸機動旅団が5つは過剰では?」
「確かに離島奪還や逆上陸任務ならば2個や3個旅団で十分でしょう。5個旅団としたのは『敵港湾部への上陸・占領』を想定したものであります。
戦争を終わらせるためには、防御だけではいけません。『攻撃』が必須です」
陸幕長の意識はそこで途絶えた。
「以上の部隊を持ちまして陸軍を編制。これに支援部隊と海・空、そして新設の宇宙軍とを合計して総兵力『65万人』。人口の約0.5%を第一目標といたします」
総合計:戦車5728両
機動戦闘車5660両
105㎜自走砲1422門
155㎜砲 1720門
203㎜砲 612門
多連装ロケット612門
「次に第二目標についてですが——」
「お待ちください」
列島関係者の中で唯一行動可能だった総理大臣が挙手をした。「妖怪の孫」と言われた彼は鋼の意志でこう提案する。
「そろそろ休憩にしませんか?時間も時間ですし」
見れば時計は12時を回ろうとしていた。
「…そうですね。『腹が減っては戦はできない』と申しますし」
こうして会議は昼休憩と相成った。
306: モントゴメリー :2022/05/09(月) 00:08:00 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
ようやくできました鉄血アプリ式再軍備計画。
第14世界(
日米枢軸世界)案は、以前ホワイトベアー氏が出したのをそのまま使いました。
ホワイトベアー氏ごめんなさい。
詳しい説明は明日でお願いします。
最終更新:2022年05月09日 22:06