192: モントゴメリー :2022/05/07(土) 15:27:04 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
漆黒の合衆国強化プラン ——戦争中期以降の防空戦術——
日英同盟軍が投入してきたRemora(コバンザメ)により、合衆国の防空体制は大いに混乱した。
何せ、傍から見れば爆撃機の一部を「囮」として自ら犠牲にしているようにしか見えないのであるから。
ついに彼らも「備品」を採用したのか?と当初は考えられたが、撃墜した敵機の残骸を入手し、合衆国のお家芸である解析能力を駆使した結果正解へとたどり着いた。
「囮」は無人機…というよりもグライダーであったのだ。
これを知った合衆国軍上層部は精神的には安堵したものの、対抗策を考えるのに苦労することとなる。
グライダーの中身はともかく外見は通常の爆撃機を模して造られており、「備品」にこれらの識別能力を付与するのは非常に困難であったからだ。
さらに言うならレーダー反応もほぼ同じであるため対空砲も同様である。
八方塞がりな状況の上層部に、前線のある指揮官から意見具申がなされた。
その内容を精査した上層部は他に案が無いのもありそれを許可、その指揮官の部隊で試されることとなった。
その戦術の内容を一言で言うならば、「見分けられないなら見分けられるようにすればいい」である。
まず、同盟軍爆撃部隊の予想進路上に小規模部隊を展開。
そこで5機程度のM1特殊高射砲を発射する。ただし、「誘導装置」を搭載したものは1機のみである。
そこに可能であれば高射砲の射撃も加える。これは130㎜高射砲でなくても90㎜高射砲で十分である。
攻撃を受けた爆撃隊はそこで「囮」の牽引を中止して切り離すはずである。
そうでなければ母機は回避行動もとれないし、高射砲弾の炸裂で不安定化した気流を乗り越えられない。
さらに、「囮」が近ければその爆発に巻き込まれてしまう危険性もある。
そして切り離された「囮」はエンジン出力の関係で徐々に落伍していく。勝手に墜落してくれるのが一番だがそこまでは望まない。
そうして本命の防空圏に突入してくる頃にははっきりと識別できるほどに両者の集団は隔離される。
それに対し、M1130㎜高射砲で「落伍している」集団に砲撃を集中させて粉砕。
残った本物の爆撃機集団にM1特殊高射砲を叩きつけるのである。
実戦テストの結果は良好であり、戦争中期以降の防空戦術はこれを基に設定されるようになった。
193: モントゴメリー :2022/05/07(土) 15:28:41 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
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弥次郎お父様の「コバンザメ」に対する私からの回答でございます。
最終更新:2022年05月09日 22:12