745: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:01:17 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
<敷島>型戦艦
 ・ 性能諸元
    基準排水量 : 176,000 t
    満載排水量 : 198,000 t
          全長 : 346.5 m
        水線長 : 339.0 m
          全幅 : 54.0 m
          兵装 : 60口径51cm三連装磁気火薬複合加速方式両用砲 - 4基12門
              65口径130mm連装両用速射砲 - 4基8門
              65口径130mm単装両用速射砲 - 10基10門
              70口径57mm単装両用速射砲 - 20基20門
              90口径25mm単装自動機銃 - 32基
              近接防護用80口径25mm多銃身自動機銃 - 8基
              近接防護用二十連装艦対空誘導弾発射機 - 4基
              近接防護用戦術収束光線照射装置 - 6基
              誘導弾垂直発射装置 - 4基224セル
              三連装短魚雷発射管 - 5基
      電子兵装 : 五号電波探信儀七型 - 4面1基(多機能)
              五号電波探信儀六型改一 - 4面1基(多機能)
              一号電波探信儀三〇型 - 4面1基(超水平線対空捜索用)
              二号電波探信儀九型改四 - 4基(低空警戒及び対水上捜索、航海用)
              三号電波探信儀一〇型 - 2基(主砲射撃指揮用)
              三号電波探信儀一〇型改一 - 4基(主砲射撃指揮用)
              四号電波標定儀一一型改三 - 8基(対空終末誘導用)
             三八式電波探妨機改三 - 2基
      光測兵装 : 20m複合光学検知照準器 - 1基
              15m複合光学検知照準器 - 5基
      水測兵装 : 四八式水中探信儀 - 1基
              四八式水中聴音機 - 2基
              五〇式水中光波標定儀 - 2基
         C4I2 : 艦隊戦闘情報統制システームⅢ型(VloICS III)
              "草薙"艦艇戦闘制御システーム(KSCS)
              "海神"統合水中戦闘指揮システーム(WOCS)
        艦載機 : 哨戒旋翼機 - 4機(常備、必要に応じて増備可能)
              無人戦域観測機 - 8機(常備、必要に応じて増備可能)
              他、若干数の垂直離着陸戦闘攻撃機の搭載と限定的な運用も可能
          装甲 : 舷側 - 内殻装甲帯500mm + 複合装甲帯500mm + 外殻装甲帯250mm + 外装式弾片防護装甲(最大)
              艦首及び艦尾部 - 内殻装甲帯450mm + 複合装甲帯500mm + 外殻装甲帯250mm + 外装式弾片防護装甲(最大)
              甲板部 - 内殻装甲帯500mm + 複合装甲帯500mm + 外殻装甲帯200mm + 上甲板兼用弾片防護装甲帯(最大)
              主砲塔前楯 - 主装甲帯800mm + 複合装甲帯500mm + 外装式弾片防護装甲(最大)
              主砲塔天蓋 - 主装甲帯500mm + 複合装甲帯500mm + 外装式弾片防護装甲(最大)
              塔筒部 - 主装甲帯600mm + 複合装甲帯500mm + 外装式弾片防護装甲(最大)
              垂直発射装置天蓋防護 - 75mm(破裂板兼用、天蓋板とは別途)
              垂直発射装置側面防護 - 200mm(傾斜、主要装甲とは別途)
              垂直発射装置底部防護 - 200mm(甲板部外殻装甲帯と兼用)
          機関 : 瓦斯翼車式電気推進=瓦斯翼車式推進複合方式、4軸推進
              瓦斯翼車式発動主機 - 4基(580,000hp)
              電動機 - 4基
          電源 : 瓦斯翼車式発電主機 - 4基
              ディーゼル発電補機 - 複数
              爆薬式電磁流体予備即応発電機 - 2基
      航続距離 : 9,500 zmi(18kn時)
          速力 : 31.0 kn(最大)
        同型艦 : 敷島 - KJM Shikishima(英:IJN Shikishima)
              八島 - KJM Yashima(英:IJN Yasima)
      準同型艦 : デ=ゼーヴェン=プロヴィンシェン - Zr.Ms.De Zeven Provincien(英:HNLMS De Zeven Provincien)
              アイザライク - Zr.Ms.Ijzerijk(英:HNLMS Ijzerijk)

746: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:02:00 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
   <敷島>型戦艦(蘭:Shikishimaklasse Slagschip / 英:Shikishima class Battleship)は、大日本帝国海軍が保有する戦艦の艦級。
   1980年代に大日本帝国及びネーデルラント連合帝国が共同で行った次世代型戦艦に関する研究を経て、1990年代初めに大戦型戦艦である<大和>型戦艦の後継艦として建造された。
   蘭帝本土有事に際し、"太平洋から海上機動要塞たる戦艦をその沿岸まで万難を廃して到達させる"という基本戦略に立ち返る形での設計が行われており、フランス連邦共和国海軍が保有する改<リシュリュー>級戦艦と並び、現代型戦艦の先鞭とされる。
   なお20万トンに迫る満載排水量は就役当時、戦闘艦艇として世界最大を誇り、日蘭が保有する本型4隻と英仏伊墺が保有する他の5隻を合わせて"偉大なる九隻(グロート=ネーヘンもしくはビッグナイン)"と称された。
   同型艦として<敷島>と<八島>があり、いずれも日本の雅称に因む。
   また準同型艦としては、ネーデルラント連合帝国海軍の<デ=ゼーヴェン=プロヴィンシェン>と<アイザライク>があり、こちらも"七州連合"と"鉄血帝国"を意味する同国の雅称から因んでいる。


 1.開発と建造
   1980年代初頭、大日本帝国海軍は依然として多数の戦艦を有しており、<伊吹>型戦艦と<大和>型戦艦、そして<相模>型戦艦の合わせて10隻もの戦艦が運用されていた。
   しかしながら、これらの大戦型戦艦群は適宜近代化改修が施されていたものの、ほぼ全てが就役から40年以上が経過しており、艦艇としての延命限界が迫っていると見做されていた。
   そのため、大日本帝国海軍はブラジル内戦の終結を契機とした<相模>型戦艦の退役を皮切りに保有する大戦型戦艦群の段階的な削減を決定。
   さらに日本と同様に保有する<ネーデルラント>級戦艦などが老朽化しつつあったネーデルラント連合帝国海軍と共同で隻数の減少を補いうる次世代型戦艦の開発と建造を取り決めた。

   当初、日本側では57SS型と称されたこの戦艦の計画は<伊吹>型戦艦を基としており、当時最大であった<大和>型戦艦よりも規模を縮小したものであった。
   これは<大和>型戦艦が実質的に日本独自のものであった51cm主砲を装備していたのに対し、<伊吹>型戦艦と<ネーデルラント>級戦艦は共通する46cm主砲を装備していたことから規格や設備の統一が容易であるという経済性の観点からの選択であった。
   また1970年代末から英仏の戦艦群も日蘭同様に延命限界問題が生じており、活動が不活発となっていた状況も経済性を優先させる一因となった。

   しかし、この経済性を重視した初期の計画は早々に中止と変更を余儀なくされる。
   フランス連邦共和国海軍が"条文上の海戦に勝利(※1)"する形で保有する<リシュリュー>の未曾有の近代化改装をもぎ取ったためであった。
   事実上の新造とさえ言われたこの近代化改装は、事前に日蘭を中心とした旧同盟諸国海軍備監視委員会とフランス連邦共和国との間で数次に渡る協議の末、いくつかの条件を付ける形で認められており、日蘭側でも事前にある程度は改装後の<リシュリュー>の規模を推定することが可能だった。
   その結果、改<リシュリュー>級戦艦の基準排水量は10万トンを超えるとされ、主砲口径を除いて<伊吹>型戦艦を上回り、<大和>型戦艦に迫るものになると考えられたのだ。
   加えて同時期、英連邦条約機構軍が強化型徹甲弾頭を装備する地対艦弾道弾の発射実験に成功し、新たな脅威と見做されたことも拍車を掛けた。
   こうした情勢の変化もあり、最終的に日蘭両国は<伊吹>型戦艦を基とした57SS型戦艦の計画を中止。
   これら新たな脅威に対応できる<大和>型戦艦に準じた規模を持つ59SS型戦艦に変更し、その設計が完了した1990年代初めより<敷島>型戦艦として建造を開始したのであった。

747: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:02:53 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 2.艦形と構造
   <敷島>型戦艦は基本的な艦形として、改良ユルケヴィッチ船型を採用している。
   その上で全体を三重船殻構造、艦底部に至っては四重船殻構造とする堅牢な設計に取り纏められていた。
   主な艦上構造物は艦首から順に第一主砲塔、第二主砲塔。電探檣を兼ねる第一(前部)艦橋構造物。
   第一及び第二煙突、第二(後部)艦橋構造物、第三主砲塔、第四主砲塔。
   最後に航空甲板の順で配置する形となった。
   なお主砲を除く小中口径砲の熕兵装群は、第一艦橋から第二艦橋までを取り巻くように設けられた。
   艦上構造物、また砲熕兵装群はいずれも可能な限り電探反射断面積の低減を図る設計が成され、規模は<大和>型と同等以上ではあるものの、電探上は装甲巡洋艦程度の反応に抑えられている。
   また副次効果として、視覚的な印象も重厚さを備えつつもすっきりとしたものになった。

   防御構造については<大和>型などの大戦型戦艦を踏襲する全体防御方式である。
   ただし設計技術の向上により戦前に比べ効率的な配置が可能となり、極端な排水量増大は回避している。
   一方で大戦型戦艦から変化した部分として、艦体内側に950~1,000mmの内殻及び複合装甲帯。
   そこから小中口径砲熕兵装群の弾薬庫及び揚弾薬機などが収まる中間空間を挟み、その外側に250mmの外殻装甲帯、そして外装式弾片防護装甲(※2)を設けた点が挙げられる。
   これは戦闘によって生じる損傷の修繕を含んだ整備性を考慮した結果であり、被る確率の高い41cm以下の艦砲による砲撃や対艦誘導弾による被弾を外殻装甲帯で抗堪(※3)し、修繕の際は外殻装甲帯と外装式弾片防護装甲の交換のみを行い、短期間での戦線復帰を可能とする工夫である。
   そして内殻及び複合装甲帯は次世代型戦艦に相応しく、自艦の砲撃、つまり後述する60口径51cm磁気火薬複合加速方式両用砲の砲撃を防ぐ厚さが確保された。

   なお小中口径砲熕兵装群の弾薬庫及び揚弾薬機が内殻と外殻の間に設けられたのは、これら砲熕兵装群の砲塔までを完全に装甲化するのは難しいと考えられたためである。
   砲戦時の被弾損傷、そこから生じる誘爆の可能性を考慮し、内殻装甲帯より外側に配置することで内殻装甲帯内側での誘爆による被害拡大を極力防ぐ意図があった。
   これは後述する誘導弾垂直発射装置も同様であり、内殻装甲帯から外側に配置した上で誘爆時の衝撃波を上方に逃がす逆台形型の特殊な装甲配置が行われている。
   こうした方針により、内殻装甲帯より内側の弾薬庫は主砲用と予備弾薬用のものしか存在していない。

   この他、水中防御は先述した三重から四重の船殻構造を利用する形で多層型液層防御方式を取り入れている。
   液層には燃料油や海水などが用いられ、水雷の直撃や水中衝撃波に対する抗堪性を確保している。

   機動性能に関しては巨大な排水量故に設計段階から懸念事項とされ、如何に是正、改善するかに焦点が当てられていた。そこでその改善を目的とし、これまで大型戦闘艦艇での採用が見送られていた改良魚形舵(英:Schilling rudder)を採用。
   4軸ある推進軸のうち、2推進軸上に設け、その同軸上に別途副舵も追加する工夫を行った。
   これによって<敷島>型は二重主副舵構成となり、整備性はやや煩雑化してしまったが、初期の計画で検討された全方位推進器(英:Azimuth thruster)や可動翼付き主舵(英:Flap rudder)などに比べれば水中可動部も少なく、技術的にも安定しているとして許容の範囲に収まったと考えられた。
   またその効果は劇的であり、操縦性、保針性共に<大和>型から大きく向上。
   以降、二重構成型の改良魚形舵が大型戦闘艦艇でも採用されていく契機ともなった。
   この他、抗堪性を保つため、<大和>型や<伊吹>型で採用されていた艦前部の格納式平衡舵が引き続き採用されており、後部の舵群が損傷しても致命的な操舵喪失に繋がらないよう設計されている。

748: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:03:29 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 3.機関と電源
   瓦斯翼車式電気推進=瓦斯翼車複合推進方式(英:COGLAG)(※4)を採用し、推進軸は4軸螺旋式である。
   これは低速及び巡航時は瓦斯翼車発電主機と電動機を利用した電気推進を使用し、高速時は4基合計で58万馬力を誇る瓦斯翼車発動主機による直接駆動を使用することで出力を効率化すると共に燃費の問題を改善し、航続距離を確保する目的があった。
   また軽量な瓦斯翼車機関を採用したことで生じた排水量の余裕は本型が要求する様々な電力需要に対応させるべく設けられた多数の蓄電器に振り分けられる形で相殺されており、結果として<大和>型と比べても重心の上昇は抑えられている。

   なお蓄電器に問題が生じた状況下での主砲戦にも対応できるように瞬間的な大電力の発電を可能とする爆薬式電磁流体予備即応発電機(※5)も設けられた。
   加えてその他非常用に複数のディーゼル発電補機が備えられており、必要に応じて稼働させることもできる。


 4.砲熕兵装
  4-1.主砲
   主砲として、五四式六〇口径五十一糎(60口径51cm)三連装磁気火薬複合加速方式両用砲(※6)を背負い式に前部2基、後部2基の合わせて4基12門搭載している。
   当砲は59SS型戦艦の計画当時、北海道や蘭豪などで建造が進んでいた<天梔 / マウリッツカノン>の動作機構の一部を艦砲向けに応用したものであり、従来の装薬による一次加速を用いた発砲に加えて、電磁気による二次加速を併用することで、従来艦砲を遥かに上回る高初速を得る方式である。
   この他の構造的な特徴として、整備性向上を目的とした内外筒の二重構造砲身が維持された一方、電磁気加速を効率良く行うために従来の艦砲に施されていた施条が廃止され、所謂滑腔砲の形となった。
   また砲口には発砲時の反動軽減を目的とした砲口制退器(英:Compensator)と電狐による砲身の摩耗腐食を低減させる砲口電狐防止器を兼用する多機能砲口制御器を有し、該当部を除いた砲身は電探反射断面積の低減を目的とした菱形の覆いに包まれている。

   推進装薬には炸薬と同様のヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(英:HNIW)(※7)を採用し、純火薬発砲のみでも砲口初速1,020m毎秒という大口径砲としては高い初速を持つ。
   この純火薬発砲は主に中長距離以下の連続射撃時での使用を想定しており、超長距離射撃時は先述した磁気火薬併用発砲を行い、その砲口初速4,800m毎秒(※8)に達する。
   有効射程は公称で純火薬発砲時72km、磁気火薬併用発砲400kmとなっているが、後述する四川事変において、公称の有効射程を遥かに上回る1,000km超の艦対地砲撃の実施が確認されている。
   ただし"公称は公称である"として、この数値を改める動きは無い。

   砲弾は被帽付重質量徹甲弾、同榴弾、対空用の曳火霰弾、対地用の地中貫通砲弾などが用いられるが、いずれも誘導機構と展開式前部安定翼が備わった仮帽が取り付けられており、砲弾後部に設けられた展開式後部操舵翼と合わせて、滑腔砲化に伴う飛翔中の安定性を保つようになっている。
   なおこれら以外にも特殊な砲弾を装備しているとの説はあるが、現在に至るまで情報は公開されていない。

   装填機構は基本的に自動化されており、射撃速度は1門あたり最大で毎分6発となっている。
   この装填機構の自動化によって砲塔内要員の大幅な省人化が図られたが、非常用として砲塔個別の射撃指揮装置、及び従来の測距儀や照準鏡に代わる複合光学検知照準器が維持され、緊急時には人力装填の選択肢も取れるようになっており、完全な無人化は行われていない。

749: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:04:27 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
  4-2.両用砲
   副砲に相当する中口径砲は前型である<大和>型に引き続き採用されておらず、両用砲として五〇式六五口径十三糎(65口径13cm)両用速射砲を
   連装砲塔式に4基8門、単装砲塔式に10基10門の合わせて18門。
   そして四八式七〇口径五十七粍(70口径57mm)単装両用速射砲を20基20門を搭載している。
   いずれの砲塔も電探反射断面積の低減を図った多面構造形状である。

   五〇式六五口径十三糎両用速射砲は対水上及び対地砲戦時40km、対空砲戦時18kmという従来の小口径砲を大きく上回り、中口径砲にも比肩する有効射程を持つ。
   新炸薬の採用による威力増大と合わせ、副砲の復活が行われなかった理由の一つとなった。
   発射速度については単装砲塔で最大毎分42発、連装砲塔で最大毎分78発である。

   四八式七〇口径五十七粍単装両用速射砲は従来採用されてきた二四式改二の改良型であったが、水雷阻止射撃用の超貫通体弾に対応するための砲俯角の増大。
   発射速度向上を目的とした揚弾薬機、推進装薬の変更に伴う砲身や駐退復座機の強化など多岐かつ大規模なものとなったため、新たな採用年式が付与された。
   有効射程は対水上及び対地砲戦時21.8km、対空砲戦時10.2kmであり、発射速度は二四式改二の最大毎分240発を上回り、最大毎分300発となっている。


  4-3.機銃
   二七式九〇口径二十五粍(90口径25mm)自動機銃改二を片舷あたり16基、合計32基。
   そして二五式八〇口径二十五粍(80口径25mm)多銃身自動機銃改三を8基搭載する。
   これらの機銃は必要に応じて増備が可能であり、檣楼や甲板に搭載のための予備空間が複数設けられている。

   二七式九〇口径二十五粍自動機銃改二は二系統の給弾機構を持つ鏈動式機銃(英:Chain gun)であり、対空の他、対舟艇、対水雷迎撃も兼ねる両用砲的性格の運用目的から搭載が選択された。
   搭載にあたり、第一系統が対空、対舟艇用の装弾筒付焼夷徹甲榴弾。
   第二系統が対水雷迎撃用の超貫通体弾に割り振られており、目標に応じて撃ち分けが可能となった。
   有効射程は4km、発射速度は最大毎分660発だが動作機構上、一定の範囲で発射速度の調整ができる。

   一方で二五式八〇口径二十五粍(80口径25mm)多銃身自動機銃改三は大日本帝国海軍では対空近接防護を目的(※9)に多くの艦に搭載されているものである。
   給弾系統は単一で装弾筒付焼夷徹甲榴弾を用いる他、また先述した二七式改二と比較し、砲身長が若干短いために有効射程は3.4kmに減じている。
   しかしながら固有の捜索追尾電探と予備蓄電器を持つことから抗堪性に優れ、適宜実施された改良と最大毎分5,000発という圧倒的な発射速度が依然高度な迎撃能力を有させている。


  4-4.誘導弾発射機
   誘導弾垂直発射装置を第一主砲塔の前方に8×10配列型を2基、合わせて160セル。
   第二艦橋と第三主砲塔の間、その両舷に8×4配列型を1基ずつ、合わせて64セル。
   艦全体で合わせて224セルを搭載している。
   垂直発射装置には艦対空、艦対艦、艦対潜、艦対地等の各種誘導弾を選択して装填可能であるが、平時は主に艦対空、艦対潜誘導弾が装填されており、若干数の超長距離巡航誘導弾を除いて、艦対艦、艦対地攻撃は主砲撃に頼る形となった。
   なお艦体規模に対し、垂直発射装置の搭載数量が控え目だという見方もあるが、あくまで砲戦艦艇であることから搭載数量よりも相応の防護力を優先した結果とされる。
   事実、防護力を確保するため、これら垂直発射装置群は構造の項で触れた通りに側面防護装甲、底面防護装甲で逆台形状に装甲化された上、破裂板を兼ねる天蓋弾片防護装甲で覆われ、万一誘爆が生じても爆圧を上方に逃がして艦体への損害を抑える試みが取られている。

   この他、対空近接防護を目的に三三式二十連装艦対空誘導弾発射機改二を艦の四方に合計4基備えた。
   同誘導弾は高い機動性と撃ち放し能力を持ち、有効射程は20km、飛翔速度はマッハ7に達する。

750: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:05:13 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 5.光学兵装
   対空近接防護用として、五二式戦術収束光線(レーザー)照射装置を各部に合わせて6基搭載する。
   従来の四〇式が用いた連続波発振動作型化学収束光線(英:Continuous wave chemical laser)方式に変わり、五二式はチタニウムサフィアを用いる超短律動発振動作型固体収束光線(英:Ultrashort pulse laser)方式を採用。
   新方式を採用した五二式は四〇式と比較して瞬間的に高い出力を発揮することができ、誘導弾に施せる程度の収束光線防護被膜では蒸発による熱遮蔽が追い付かず、撃破率が大きく向上した。
   一方、要求電力量は増加したため、大きな発電量を誇る<敷島>型であっても6基が同時運用限度とされた。
   なお有効射程は6kmと四〇式の1.5倍に達するが他の兵器同様に公称値であり、実態は判然としない。


 6.水雷兵装
   三連装短魚雷発射管を片舷あたり2基、さらに艦後尾に1基の合わせて5基搭載している。
   この短魚雷発射管は専ら水雷迎撃用途に用いられ、普段は複数の超貫通体子弾が充填された水中炸裂弾頭を持つ噴進短魚雷が装填されている。

751: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:05:46 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 7.電子及び光測、水測兵装
  7-1.電子兵装
   本型のC4I2の中核となっているのは、戦術級の"草薙"艦艇戦闘制御システーム(蘭:KSCS)。
   そして準作戦級である艦隊戦闘情報統制システームⅢ型こと"フロイセスⅢ"(蘭:VloICS III)である。
   また対水中戦闘指揮を補完する交戦級の"海神"統合水中戦闘指揮システーム(蘭:WOCS)も装備されている。

   "草薙"艦艇戦闘制御システームは1950年代末から1960年代初頭に掛けて、防空戦闘に重点を置く艦載戦闘システムとして、大日本帝国海軍の主導で開発が行われたものである。
   しかし度重なる改良で他の射撃指揮装置と連接され、現在では総合的な艦載戦闘システームとなった。
   日蘭両海軍では共同開発の汎用兵装システーム"ユニウス"(蘭:UniWS)と並び、事実上の標準に位置付けられる。

   システームの主軸となる多用途電波探信儀として、五三式五号電波探信儀七型(57号電探)を主系に採用し、固定式4面1組の能動形位相配列(英:AESA)方式半導体アンテナを第一艦橋構造物周囲に装備している。
   57号電探は従来の多用途電波探信儀から発展しており、対砲兵電探の技術を応用して組み込むことで高速で飛来する艦砲弾の追尾及び弾道解析、その発射点の特定も可能となった。
   使用する周波数帯域は遠方への電波伝搬性に優れるフェルディナント帯(英:S-band)を用いており、その探知距離は公称値で最大800kmとされ、超遠距離砲戦への対応能力が大きく向上している。

   また従系には同じく多用途の五〇式五号電波探信儀六型改一(56号電探改1)が採用されており、固定式4面1組の能動形位相配列方式半導体アンテナを第一、第二艦橋構造物にそれぞれ2面ずつ装備する。
   56号電探改1はヘラルト帯(英:C-band)の周波数帯域を用いる関係で先述した57号電探よりは探知距離がやや劣るものの、他の電探との電波干渉を避ける目的で選択が行われた。

   そして57号電探、ないし56号電探改1の探知距離以遠の超水平線対空捜索を補完する目的から最大で2,400kmの探知距離を誇る五二式一号電波探信儀三〇型(130号電探)も合わせて採用されている。
   この130号電探は超水平線対空捜索にあたって電離層反射を利用しており、使用周波数帯域は短波帯から超短波帯(※10)にかけての広い帯域を用いる。
   また周波数掃引妨害などに対抗できる周波数跳躍(英:Frequency hopping)機能(※11)も有することから超広帯域の送受信に対応した変形近似自己補対双極子(英:MSCDA)アンテナが固定式4面1組の能動形位相配列方式で第一艦橋最上部、二〇米複合光学検知照準器の上方に2面、第二艦橋上部両側に2面という形で電探反射断面積低減用の覆いが取り付けられた上で装備されている。

   加えて多用途電波探信儀が捜索、追尾する標的への艦対空誘導弾などの射撃に際する終末誘導を担うべく、四号電波標定儀一一型改三(411号電標改3)を艦各部に主系6基と従系2基、合わせて8基を装備する。
   これらは従来の411号電標改2からさらなる改修が施されており、従来の艦対空誘導弾に加え、主砲曳火霰弾の終末誘導機能を新たに獲得している。

   低空警戒及び水上捜索、並びに平時航海用の電波探信儀として、イザーク帯(英:X-band)の周波数帯域を用いる一四式二号電波探信儀九型改五(29号電探改5)を採用。
   能動形回転素子位相配列(英:AREESA)方式アンテナが主系と従系の合計4基を艦の各部に分散装備している。

   この他、主砲射撃管制用電波探信儀として、三号電波探信儀一〇型(310号電探)が主系に採用。
   同電探用の能動形回転素子位相配列方式アンテナを第一、第二艦橋頂点部に装備している。
   さらに砲側射撃指揮装置用の従系として、規模を縮小した三号電波探信儀一〇型改一(310号電探改1)が主砲塔ごとに個別で設けられ、後述する一五米複合光学検知照準器と合わせ、状況に応じて主砲塔各個照準と射撃が可能となっている。

   電子支援及び対抗手段としては、三八式電波探妨機改三が主系と従系合わせて2基装備する。
   電波探妨機は従来の電波探知機や電波探知妨害機、電子攻撃装置を統合した装置であり、その最新型である同機は個艦用(自艦用)のみならず、僚艦級の大規模な電子戦を可能としている。

752: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:06:51 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
  7-2.光測兵装
   最も巨大なものとして、第一艦橋最上部に二〇米複合光学検知照準器を装備している。
   これは旧来の光学視差式測距儀に光波及び赤外線を用いる複合検知器などを組み込んでおり、光学視差式に限っても主砲の純火薬発砲時の公称射程である70kmを見通すことが可能(※12)である。
   電子攻撃とその対抗手段の鼬ごっこが発展的に続く昨今においては、こうした旧来の観測手段が効果を発揮することも少なくなく、抗堪性確保の一環として本型にも引き続き採用される運びとなった。

   これに加えて、予備として一五米複合光学検知照準器を第二艦橋最上部に1基。
   さらに主砲塔ごとに1基、全主砲塔で合わせて4基を装備している。
   こちらの最大見通し距離は二〇米に対しては当然劣るものの、装備位置がいずれも第一艦橋最上部よりも低く、物理的な見通し限界が存在することから問題とされていない。

   この他の光測兵装として、艦底部に五〇式水中光波標定儀を2基有しているが、これについては水測兵装の一群として扱う形で後述する。


  7-3.水測兵装
   艦首に送受波器を円筒配列式とした四八式水中探信儀を1基。
   艦底両側面それぞれに受波器を並列式とした四八式水中聴音機を合わせて2基装備している。
   なお砲戦艦艇であることから巡洋艦や駆逐艦などが装備している曳航式水中聴音機は省かれており、代わりに五〇式水中光波標定儀を装備することで対水雷迎撃戦での処理能力に秀でた
   五二式水中戦闘指揮装置を構築し、"海神"統合水中戦闘指揮システームに連接されている。
   故に潜水艦の探知及び戦闘も可能ではあるものの、独力での探知には重きは置いておらず、僚艦や哨戒旋翼機との"フロイセスⅢ"を介した共同交戦による対処を主としている。

   五〇式水中光波標定儀については先述した対水雷迎撃戦への対応を目的に艦底前方と後方に1基ずつ、合わせて2基を装備している。
   同水中光波標定儀は水中透過性の高い緑色の収束光線を利用して、中距離以内での水中照準を補完し、1基あたり120度程度の範囲内での迎撃の精度を大きく向上させている。

753: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:08:19 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 8.航空兵装
   本型は艦尾付近に航空甲板と電磁式射出機2基が設けられ、その下部に艦内格納庫が設けられている。
   艦載機として哨戒旋翼機"撫子"4機と無人戦域観測機"紫雲"6機が常備されることとなった。

   哨戒旋翼機"撫子"は日蘭共同開発の多用途旋翼機"撫子 / アンヤー"の対潜哨戒型で、並行調達機である"紫苑"と共に従来機である"桔梗"を更新する形で配備が進んでいる機体である。
   二重反転旋翼方式によって全体が小型化されている"紫苑"と比較し、全高を除き大きな機体ではあるものの、機室や積載量などに余裕があることから汎用性が高く、本型では常備搭載機として選択された。

   無人戦域観測機"紫雲"は本型及び<妙高>型装甲巡洋艦や<金剛>型装甲巡洋艦向けの早期警戒及び砲戦観測用として開発された新型の無人垂直離着陸戦域観測機であり、砲戦艦艇の前進観測に必要な各種検知器、電探類(※13)が搭載されている。
   <妙高>型で常備1機、<金剛>型でも常備2機の中、本型は6機と倍以上の常備搭載数を誇り、独力で艦隊周辺警戒線を構築することが可能となっている。
   なお垂直離着陸機であるものの、燃料搭載量の関係で通常発艦時は原則、電磁式射出機が用いられる。

   また有事等の必要に応じ、搭載機を変更する形で垂直離着陸戦闘攻撃機などを限定的に運用可能である他、艦内格納庫を居住空間や貨物空間に転用することも想定されている。

754: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:08:57 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
 9.運用
   1990年代に相次いで就役した<敷島>及び<八島>は、それぞれ<信濃>及び<甲斐>と交代する形で第一艦隊第一戦隊第二小隊に編入され、横須賀に配備された。
   第一小隊の<大和>及び<武蔵>の予備役編入は<敷島>型戦艦の完全習熟をもって行われることとなり、以降数年の間、第一戦隊は<大和>、<武蔵>、<敷島>、<八島>の4隻体制となった。
   この期間が大日本帝国海軍において、大戦型戦艦と現代型戦艦が共に在った貴重な時期とされる。

   2004年7月、蘭カーペンタリアス=ポスト貨物機撃墜未遂事件(※14)に端を発した四川事変を受け、<敷島>と<八島>の第一戦隊第二小隊は第一艦隊を一時離れ、臨時編成された遣支艦隊に編入。
   準同型艦である<デ=ゼーヴェン=プロヴィンシェン>及び<アイザライク>と共にトンキン湾へ展開し、重慶などの当時の四川軍閥の軍事的要衝、及び策源地に対する報復の超長距離砲撃を実施した。
   一週間に渡る砲撃によって屋台骨となる要地が次々と灰燼に帰した四川軍閥は組織的な抵抗能力を喪失。
   英国を中心とする国際連盟四川鎮定任務軍が徹底的な掃討戦を展開するにあたり、文字通りに消滅するに至った。
   この四川事変終結後、<敷島>と<八島>は第一艦隊第一戦隊に再編入されたが、同時に<大和>と<武蔵>の予備役編入が実施され、所属は第一小隊へと変更されている。

   2010年代初め、先述の四川事変の影響で棚上げされていたアムステルダム条約内の海軍備制限条項の改定協議再開に前後し、<八島>、<敷島>の順で近代化改装が実施。
   兵装や蓄電器の更新など、マル十三計画艦群が就役する2020年代まで第一線に留まれる改装が行われた。

   2016年2月、バングラデシュで生じた革命に端を発する動乱(※15)の警戒を目的に同盟ネーデルラント連合帝国欧州本土訪問からの帰路にあった<八島>が随伴していた僚艦及び在セイロンのネーデルラント連合帝国海軍、隣国のビルマ王国連邦海軍などと共にベンガル湾上、ビルマ王国連邦領ラムリ島の沖合いに緊急展開。
   後に<敷島>が編成された国際連盟バングラデシュ強制介入軍の一翼として<八島>と交代する形で展開し、2018年初めの海上任務群解散までの間、参加した大洋連合諸国軍の海上作戦司令部として機能していた。

   その後、2019年からは後継となる<扶桑>型戦艦の順次就役が開始され、全艦の習熟が完了すると思われる2024年頃には七尾湾海軍艦艇保管所(※16)にて耐劣化処理を施した上での予備役保管が決定されている。

755: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:09:48 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
   ※1 : ただし大洋連合側もフランス連邦共和国側に艦体再構築規模の"大改装"は一般的な軍艦の運用寿命に基づき、一度実施した場合は以降30年間再実施を禁ずることや"大改装"時の全長や全幅に応じ、一度の"大改装"での拡張限界となる割合に関する事項などを受諾させた。
        これは後に英国の<プリンス=オブ=ウェールズ>の"大改装"でも準用されることとなり、結果的に最大の敗者は<リシュリュー>を超えることが不可能となった英国とする見方もある。

   ※2 : 当初は弾片防護や衝撃波軽減を目的とする中空装甲に近い代物であったが、後の近代化改装で高出力レーザーに対応した防護層を備えた代物に換装されている。

   ※3 : 当時は装甲材料学の発展により装薬方式の41cm主砲であれば、250mm程度の装甲で抗堪可能とされた。
        しかし後に電磁投射方式などの発展に追い付かれ、対大口径艦砲用としては陳腐化してしまっている。

   ※4 : 史実におけるガスタービンエレクトリック=ガスタービン複合推進方式のこと。

   ※5 : 希瓦斯を爆薬に起爆によって圧縮し、発生させた高温高密度のプラズマを発電装置に送り込んで発電を行う。
        電磁投射機構が要求する瞬間的な大電力を発電可能であるが、その機構上、一度でも稼働させて以降の発電機の寿命は短く、早期の交換が必要となる。

   ※6 : 防諜の観点から<敷島>への搭載時は試製扱いであったが、<八島>への搭載に前後して制式化された。

   ※7 : この時点で多窒素化合爆薬は安定化に難渋し、電子励起爆薬は一定の目途が立った程度であり、同爆薬が現実的に安定かつ大量生産可能な爆薬の中で最も高性能であった。
        後に日蘭はいくつか特許取得していた多窒素化合爆薬のうち、トリニトロトルエン比で五倍の威力を持つ完全無煙爆薬であるオクタアザキュバンの安定化に成功したため、これに絞って生産を進めることを決定。
        それ以上の高威力を求める場合、多窒素化合爆薬ではなく電子励起爆薬である金属ヘリウム爆薬や電子励起炭化水素爆薬などから選択する方針を取った。
        一方、フランス連邦共和国は高威力爆薬として多窒素化合爆薬の一種であり、日蘭が実質的に放棄したヘキサニトロヘキサアザプリズマンに目を付け、ある程度の安定化に成功。
        本体の特許切れを待ち、工業的な生産を開始している。

   ※8 : 標準負荷時の公称砲口初速であり、過負荷時の砲口初速は秘匿されている。

   ※9 : 複合光学検知照準器などによる対舟艇、対水雷迎撃射撃も必要に応じて可能となっている。

   ※10 : 短波帯と異なり電離層を透過する帯域であり、こちらは主に低軌道域の捜索警戒に用いられる。

756: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:10:38 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
   ※11 : 57号電探及び56号電探改1も同一の機能を有するが、130号電探に比べると狭帯域である。
       ただし主系と従系であることを利用し、疑似的に広帯域の周波数跳躍機能を発揮することは可能。

   ※12 : あくまで性能上可能という意味合いであり、装備位置である第一艦橋最上部から実際に見通せる水平線の限界距離は30km程度である。
       そのため、性能通りの能力を発揮できる相手は高地に存在する地上目標や高層の艦橋を持つ戦艦や装甲巡洋艦といった艦艇に限られる。

   ※13 : 対水上、地上目標用の合成開口電探と対空警戒用の能動形位相配列方式電探などを持つ。

   ※14 : 国際連盟支那内陸監視機構軍の駐留兵に対する郵便物輸送を委託されていた民間郵便会社の機体が地対空誘導弾による攻撃に晒され、作動した民間航空機防護装置のフレアによって撃墜を免れた事件。
       並びにその後に生じた四川軍閥による周辺内陸諸勢力への侵攻から鎮定までの一連の出来事を差す。
       発射地点と思しき地点から英国製の旧型携帯式地対空誘導弾"スターライト"が発見され、一時は英国による支那内陸への先進技術輸出規制違反が疑われ、国際的に緊張が高まった。
       しかし詳細な調査の結果、ローデシア製改修型の"アリゼ"であることが判明。
       アフリカ一帯での英仏衝突が小康気味となったために、実験機会を失って兵器開発面に立ち遅れつつあったSRIG社(サウスローデシア=インダストリー=グループ、旧南ローデシア国営兵器産業廠)が輸出規制違反を犯して現地の四川軍閥を利用する形で各種兵器の実験機会を作ろうとし、結果として四川軍閥の暴走を招いた事実が明るみとなった。
       事実の露見に前後し、四川軍閥が中華統一を掲げて周辺の内陸諸勢力への侵攻を試みたが、最終的に編成された国際連盟四川鎮定任務軍の攻撃に晒され、勢力として崩壊した。
       なおフランス連邦共和国やローデシア王国の各地に存在したSRIG社施設も仏楼の合同軍によって制圧され、その管理下に置かれることとなった。

   ※15 : バングラデシュ保安軍による当時の政府へのクーデター、及びバングラデシュ国防軍との衝突。
       その後の国際連盟バングラデシュ強制介入軍による鎮定までの一連の出来事を差す。
       2004年に発生した四川事変の時、旧SRIG社が四川軍閥支配地域への兵器密輸経路として中立国であったバングラデシュ、ブータン、チベットを経由する空輸網を構築しており、バングラデシュ国防軍の一部が飛行場を提供する代わりに見返りを得ていたことが明るみとなった。
       これによって生じた海外からの圧力を錦の御旗とし、同国内で政治勢力の側面もあった国防軍の勢力を減衰させるべく、当時の政府が一部のみならず軍全体に対する苛烈な粛清を断行。
       国防軍の勢力を最盛期の1/4まで減じさせ、各国の矛を収めさせつつ、国内での政治的優位を確立した。
       この過程で国防軍に代わる治安維持戦力として警察機構や国境警備隊、沿岸警備隊を糾合する形で内務省下に急遽新編されたのがバングラデシュ保安軍であったが、元々国防軍以上に警察の腐敗度が高かった中で国防軍に優越すべく急造されたことが災いし、2016年2月の保安軍による政府へのクーデター、並びに国防軍勢力への攻撃に繋がった。
       これによって隣接していたインド連邦やビルマ王国連邦などに難民が押し寄せる事態となり、バングラデシュ共和国政府が統治能力を喪失したとして、国際連盟バングラデシュ強制介入軍が編制。
       比較的良識派と見做された国防軍勢力を援護する形で保安軍勢力の鎮定が行われ、2018年半ばに完了。
       202X年現在、バングラデシュ共和国政府による統治は凍結された状態となっており、国際連盟によって組織された暫定統治委員会がバングラデシュ一帯の統治を行っている。

   ※16 : 対劣化処理を施した第二予備艦を係留保管する海軍施設。
       七尾湾の他、陸奥湾や大村湾などにも同様の施設が存在している。

757: NEDER.Y :2022/04/29(金) 22:12:58 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
以上12レスになります。ありがとうございました。

781: NEDER.Y :2022/04/30(土) 12:35:44 HOST:FL1-110-233-27-75.myg.mesh.ad.jp
続いて誤植を訂正します
昨日は失念しておりましたが、wikiへの保管はご自由にお願いいたします


747
誤:修繕の際は外殻装甲帯と外装式弾片防護装甲の交換のみを行い、短期間での戦線復帰を可能に工夫とされた。
正:修繕の際は外殻装甲帯と外装式弾片防護装甲の交換のみを行い、短期間での戦線復帰を可能とする工夫である。

誤:引き続き採用されており、後部の舵群が損傷しても致命的な操舵喪失に繋がらないように設計されている。
正:引き続き採用されており、後部の舵群が損傷しても致命的な操舵喪失に繋がらないよう設計されている。


748
誤:電磁気による二次加速を併用した発砲を行うことで、従来艦砲を遥かに上回る高初速を得る方式である。
正:電磁気による二次加速を併用することで、従来艦砲を遥かに上回る高初速を得る方式である。


749
誤:最大毎分5,000発と圧倒的な発射速度は適宜実施された改良と合わせ、高度な迎撃能力を有している。
正:適宜実施された改良と最大毎分5,000発という圧倒的な発射速度が依然高度な迎撃能力を有させている。


751
誤:また周波数掃引妨害などに対抗できる周波数跳躍(英:frequency hopping)機能(※11)も有することから
正:また周波数掃引妨害などに対抗できる周波数跳躍(英:Frequency hopping)機能(※11)も有することから


752
誤:最も巨大なものとして、第一艦橋最上部に二〇米複合光学測距儀を装備している。
正:最も巨大なものとして、第一艦橋最上部に二〇米複合光学検知照準器を装備している。


754
誤:ベンガル湾上、ビルマ王国領ラムリ島の沖合いに緊急展開。
正:ベンガル湾上、ビルマ王国連邦領ラムリ島の沖合いに緊急展開。


755
誤:一般的な軍艦の運用寿命に基づき、一度実施した場合は以降30年間は再実施を禁ずることや
正:一般的な軍艦の運用寿命に基づき、一度実施した場合は以降30年間再実施を禁ずることや

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最終更新:2022年05月09日 23:22