798: 635 :2022/05/01(日) 09:00:28 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその八十一



銀河連合日本へと到着して数日、ゲート世界の柏木は銀連日本の柏木は民間人であるのにゲート日本政府からの仕事をこなし疲労困憊であった。
同じ世界の白木や大見、フェルらもサポートに入っているが彼らは彼らで別の仕事もあるのでいつも一緒に居るわけではないのが辛い。
ゲートのフェルに至っては色々と複雑極まりない関係なので心安くあれる訳でもないし。

しかしそれ以上に環境の激変というのが疲労の原因であった。
信任状奉呈式とその後の銀連日本のやんごとなき方との会話やらレッツパアァァァァリイィィィィな日本国総理との懇談やらはまだ良い方、疲れたけど。
この日本、人里離れれば海や山には龍等幻獣とか言われる類のが徘徊するのを目撃し街中には異星人おろか西洋土着の妖精やら妖怪の類が大手を振って歩き回る。
挙げ句自分の娘が仲良くなったと、とある神社に祀られているという巨大な百足を連れて来て玄関で目が合った時など妻と共に泡を吹いて失神した。
まあその百足様は人間に危害加える様な存在でなかったのが幸いだったが、気絶から回復したら目の前に柏木を心配した百足様の顔があって再度気絶したが。

そしてこちらに来て初めて与えられた休みにゲート柏木は神崎島を初めて訪れた。
やはり気になったのだ、マシュ・キリエライトのことが。
艦娘になると言ったが果たしてそんなことが出来るのか、自ら望んで人外と成り果てるとは如何なる気持ちなのだろうか、と。



神崎市の鎮守府海軍工廠の小型艦艇用ドックでは今日も妖精さんやら日本人やら他にも多種族の工員達が忙しなく動き回る。
その姿をゲートの柏木は高い所から見下ろす。
工廠妖精さんが指示を飛ばし日本人がリベットを打ち込むその脇ではドワーフが金属の塊運んだり、翅の生えた妖精がイゼイラ人と図面と睨めっこしてたりする。

そんな柏木から見ればある種異様とも言える光景、そこで建造されてるのはイージス艦どころか宇宙戦艦などではなく古式ゆかしいというか最早古臭いとも言える大正期に計画が開始された存在。
まだ名前は存在しない。建造中止や計画中止などではない。
そもそも旧帝国海軍にこの艦艇、特型二十五番艦若しくは暁型五番艦と呼ぶべきこの艦は存在しなかったのだ。


「大日本帝国海軍甲型駆逐艦の末妹、令和の時代に産まれる最後の大日本帝国海軍の軍艦…か…。」


現代、令和という時代に建造される旧帝国海軍最後の車曳き(駆逐艦)こそが『彼女』の新たな艦体(からだ)だ。


「うわあこれが軍艦のドックかぁ…何建造してるんだろ?。」

「私も現代のドック見るのは初めてだねえ。」

「ダ・ヴィンチ、現代人の私でも造船ドックとか見る機会ないわよ?」



聞き慣れぬけど聞いたことある声に振り向けば男1に女2。
男は明るい茶色の髪に柔和な表情のポニーテールの男どう見てもドクターの声。
女性らは長い銀髪の少し感情の起伏の激しそうな女性、服装からどう見ても前所長、黒髪ロングな美女についてはどう見ても英霊のコスプレ…と言えないのがこの世界の恐ろしさ。
どう見てもロマニ、オルガマリー、ダ・ヴィンチちゃんである。
しかし納得もするこの世界消えた筈の異聞帯の住民や死んだと思われてたクリプターとか存在するからだ。
そんな中、男…声がどう聞いてもロマニにしか聞こえない人物に声を掛けられる。


「すみません。ここでは何を建造しているんでしょう?」


ドクター(仮定)の言葉に柏木は驚く。
『彼女』と関係が深かい彼の人物ならば知ってて当然だろうし銀河連合側では広く知られていることだ。


「えっと、知らないんですか?ニュースにもなりましたが…それで貴方方は?」

「いや、えっとあははは。」

「全く君は…私達はずっと穴蔵で研究生活してねえ世情には疎いのでね。教えてくれると助かるよ。」


柏木の言葉に慌てるロマニ(仮定)の反応にダ・ヴィンチちゃん(仮定)が補足するが何者かは名乗らない。
穴蔵、その言葉で柏木の頭に思い浮かぶのは南極の狂気山脈にある天文台であるが、この世界だとあり得るから困る。


「この艦は新規に建造された暁型五番艦ですよ。」

「え、暁型?暁型は四番艦までしかないんじゃ…それに新規って…。」

「…よくご存知ですね?」

「まあこれでも提督業してたから…。」

「提督!?ドクターロマンが!?」


ロマニ(仮定)が提督だったという事実に驚く柏木そしてドクターロマンの言葉に反応しアチャーという顔をするオルガマリー(仮定)。

799: 635 :2022/05/01(日) 09:01:00 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp


「ロマン…バレちゃってるじゃないの…。」

「いやだって僕らこの世界でゲームになってるんだよ?バレてもしょうがない、というかダ・ヴィンチとマリーの格好がそのまま…。」


話し始めるロマニ(確定)とオルガマリー(確定)、そして残りはやはりダ・ヴィンチであった。
そんな二人を他所にダ・ヴィンチが柏木に話しかける。


「私達のこと知ってるなら話は早い、まあ私達は見ての通りこの世界に着いたばかりでね。日本国総理や神崎提督の招きでココにいるんだよ。それで暁型だったかな?そんな旧式艦なんで建造しているんだい?」

「近い近い!顔が近い!」

「おっとすまない。美人というのも罪なものだね。」


ズイズイと迫ってくるダ・ヴィンチ、なまじ美人な分気後れしてし焦る。
ダ・ヴィンチから距離を取り一呼吸置くと説明を始める。


「この駆逐艦はある女の子の為に建造されてるんです…。」

「ある女の子…艦娘かい?」

「いえ、その子人間なんですが色々ありまして人間のままでは生きていけないと艦娘に生まれ変わることになったんです。その為の艦がこの暁型です。」

「艦娘に転生…。」


その話にロマニが食い付く。


「艦娘になるだって!!まさかの陽抜設定!?艤装背負うのかい!?」

「違いますから!設定違うから!陽抜じゃないから!神様に産み直しして貰った上でこの艦に転生するんです!」

「ロマニ、貴方何に食い付いてるの…というか神!?」


呆れるオルガマリーであったが無視できない言葉に驚く。
カルデアの人間達は全てを知ってる訳では無い、この世界のことはまだ概要しか知らず対馬のあの出来事も並行宇宙の存在もまだ知らないのだ。
そこへさらなる爆弾を柏木は投下する。


「ティアマト様の子として産み直して貰い艦娘に転生するんですよ!貴方達も良く知るカルデアのデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライトちゃんは!!」


場が凍った。

800: 635 :2022/05/01(日) 09:02:48 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp




日も落ち、宵闇、常世の闇が島を覆う頃、忌火より移された篝火の焚かれた蛭子の神域奥深く。
二人の女が火に照らされる。銀の髪を後ろで纏めた剣士とくすんだ金髪の無表情の魔女か冷酷な女王かという女、そんな二人の前には重々しい扉が一つ。


「いやはやさてはてここはどこなんでしょうね。私はあの始原の大機神相手に切った張ったして零に至って消え去った筈…なのだけどねえ…。何か知ってる?」

「…分かる訳ないでしょう。私と貴女は初対面…私とて部下に寝首を掻かれ気付いたらここにいたのですから。」

「そりゃすみませんね。ま、ちと周囲を調べてみますか…。」


周囲を調べてみるが眼前の扉以外出口は存在しない。


「結局この扉だけかあ…。」

「他は空中含め空間が歪み過ぎて脱出は不可能…ですね。」

「でも開かないんだけど?」

「私に言われても困ります。」


そんな二人の目の前で扉が独りでに開く。


「来いってことかしら…?」

「恐らくは…。」


二人は扉の向こうへと歩みを進め、姿が消えると扉が再び独りでにがちゃりと閉まる。




篝火が等間隔で並ぶ回廊を二人の女が歩く。


「何処まで続いてるのかしら。さっきから随分歩いたけど。」

「さあ?」

「さっきから蛋白すぎない?」


剣士の問に魔女は感情を喪失したかの様な声で答える。
そして暫し同じ景色を見ながら歩みを進めた後、二人は己の得物を構える。
その視線の先にはいつの間にか黒い面覆いをした巫女が二人、だが実体を感じず、そこに本当にいるのかも分からない。
二人の巫女は女達に深々と頭を下げる。

801: 635 :2022/05/01(日) 09:03:23 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp


『お待ちしておりました。新免武蔵守藤原玄信様、そして楽園の妖精ヴィヴィアン様。』

『これより皆様をご案内する御方をお呼び致します故少々お待ち下さい…。』

「あんたち一体…。」


巫女は言葉を言い終えると再度深々と頭を下げると剣士の言葉に答えることなくその姿を消す。
後には篝火の揺れる灯りに照らされた女が二人。


「…妖の類…?」

「分かりませんね。魔術や幻術の反応はなかった上、心も見えなかった…。」


その刹那、遠くよりコツコツと床を叩く音が回廊に響き渡り、その音は段々と二人に近づいてくる。
回廊の遥か彼方を二人は見つめる。
暗い暗い闇の中、微かに二つの人影が二人の瞳に映る。
そして足音は二人の直ぐ側にまで来るとその歩みを止めた。


「ほぉ…蛭子神の直臣のヤソマガツ達に頼まれ来てみれば天元の花と冬の女王の二人組とは…。」

「多分あの子との因果に引かれ座礁したんだろう…繋がりは決して薄くないのだし…。」

「うむ、そうだろうな。そしてここに居るのは蛭子神の計らいであろう。」


篝火の灯りに浮かび上がるのは長身、金の長髪の女。もう一人はその女に比べれば背が低いがまだ姿が見えない。
その背に何かの機械を背負い一部を右腕側に広げながら粋な計らいだなと呟きうむうむと頷いている。
そして何より目を引くのは機械を背負うその背。


「竜の翼…?」


魔女がぽつりと呟く。そう剣士の眼前の女の背には白い竜の翼があった。
それはそれは大層立派な翼であった。
そして魔女はその瞳で眼前の女の中を見ると動揺し、トトロット…と言葉をが漏れる。


「それで貴方は何処の何方?」


剣士は女に問いかける。


「うむ名乗りが遅れたな。宮本武蔵それに妖精國の女王モルガン、いやトネリコの方が良かったか?」


うーむと暫し悩む女であるがまあいいかと悩みを投げ捨てる。


「余の名前はネルソン級戦艦一番艦ネルソン!覚えておくがいいぞ。」


剣士の耳に余ォォォォォという幻聴が聞こえ翼を羽ばたかせて女、戦艦ネルソンは名乗りを上げた。
そしてもう一人、歩みだし篝火の灯りにその姿が照らされる。
長い銀の髪に背はそれほど高くない少女と言える容姿、しかしその身から発する気配に剣士の頭の中で警鐘がなり続ける。
その銀の髪の少女の纏う気配は常人ではなく龍のそれ。


「私の名は【アルビオン】、始原の女神ティアマトの子にして機神兵団が一機、【龍機アルビオン】…。」

「メリュジーヌ…。」


魔女は言葉を零し更に狼狽える。そうアルビオンと名乗った者の容姿。
それは魔女、冬の女王モルガンのよく知る妖精騎士ランスロット…境界竜アルビオンの端末【メリュジーヌ】に瓜二つだった。

802: 635 :2022/05/01(日) 09:04:09 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

803: 635 :2022/05/01(日) 09:06:36 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp
後現時点での機神兵団周りの設定

機神兵団

機神及び大具足の模倣及び新技術採用を目的した試作機群


壱号機 試験艦ヘスティア 元オリュンポス計画艦、対馬後に完成
弐号機 惑星工作艦デメテル 元オリュンポス計画艦、対馬後に完成
参号機 アルビオン アルトリアが使用、見た目と可変機構がエスカフローネ、第二次BOB世界蛇戦に投入
肆号機 人型機動戦艦アレス・ローマ オリュンポス計画艦のパーツを戦艦ローマに流用、人型機動艦艇のオリジナル、戦後完成 
伍号機 機動砲艦アルテミス(改装後) オリュンポス計画艦、改装完了は戦後
陸号機 神崎式大具足『暁』 電の摂津式大具足熊野の純粋コピー、戦後完成し同型艦の暁が使用、ゲート日本配備され奈良土蜘蛛戦に投入
漆号機 神崎式大具足『響』 響が使用
捌号機 神崎式大具足『雷』 雷が使用
玖号機 神崎式大具足『未命名』 マシュが使用 
拾号機 特大型機動兵器ムシュマッヘ ナヨガイガー、戦後完成し京都土蜘蛛戦に投入
拾壱号機 機動兵器参式旭龍 巨大化した旭龍というかEVAコラボメカゴジラ、多川夫妻専用機、戦後完成
拾弐号機 機動兵器アルテクレー メルフェリアが使用、アル○○ンの影響を受けた騎士型、ARX作ろうとしていた連中執念のマスタースレイブ方式、ASというかガイメレフ
拾参号機 超大型潜水艦りゅうぐう 元機神ポセイドン真体、運用には潜水艦艦娘複数が必要、海上自衛隊配備

略、戦中未完成若しくは計画中止

拾漆号機 大型機動兵器Siebzehn(ドイツ語で17) 試作小型超重力砲搭載型、人格が生存、志願したエンゲルンパケット(ドイツ人女性)を搭載し東部戦線へ投入、東欧小国にて志願者の夫のエンゲルンパケットを搭載した独機と交戦


番外 

電子情報戦闘艦アフロディーテ(元オリュンポス計画艦、第二次BOB時に顕現)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年05月10日 09:30