908: 635 :2022/05/05(木) 09:58:21 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ サセボ異界紀行前日譚・銀河連合日蘭日本



注:続きを余り期待しないで下さい。



「二藤部総理は?」

「現場で天戸作戦を見守ると東伊豆町へ行ったよ。」

「まあ、しかしこんな突飛な作戦思いつくなんて…流石は陸の大見や外務省の白木が言う所の突撃バカか?」


そんな話が交わされる会議室の画面に映る六角板状の物体が二層構造の物体。
机の最奥に座る人物達が呟く。


「おおよそ千年振りだな…。」

「ああ、【聖イゼイラ大皇国】だ…。」




大日本帝国静岡県東伊豆町。現在、伊豆大島に面したその自治体の沿岸部には誰もいなかった。
いや正確に言うならば地元住民"は"誰もいない。

市街地ではPSを纏った歩兵や迷彩服を着た軍人ばかりが行き交い大型の重PSや装甲車が巡回し、戦車が街中を走り回り、空には常に戦闘機や攻撃ヘリが飛び交う。
沿岸部の道路という道路には地対艦・対空ミサイル、榴弾砲に加え伊豆急行線を使い列車砲まで動員、
海を見れば敷島型ばかりか蘭帝のデ=ゼーヴェン=プロヴィンシェンとアイザライクまで存在しそれらの砲は全てある一点に向けられる。

そしてマスメディアのカメラであるがとある世界(現実)より理知的な彼らは山間部や禁止空域外から撮影している。
真実を伝えるべきは自分達の仕事であるが優先すべきものを分かっているのだ。
そしてことあれば最後まで情報を伝え続けることが指名であることも。
リポーターの声がカメラを通して全世界へと流れる。


「現在、帝国及びオランダ軍は24時間体制で監視を続けています。そしてOCU加盟各国からは元よりBC、FFR及びCISも即応体制に移行、
FFR旗艦戦艦リシュリュー及びBC旗艦戦艦プリンス・オブ・ウェールズが支那植民地に展開、有事の際には助力を惜しまないという声明が発表されています。」


各国ともに分かっているのだ。"それ"が人類の認識の、常識の埒外の存在であると、そしてことあらば団結も必要であると常識的な判断が出来た。
かつての中華と呼ばれた大地でのように。
そして"それ"がどの様に認識されているか、それは少し前に日本の宰相が語っていた。




一週間前、大日本帝国内閣総理大臣、二藤部新蔵の会見。


「相模湾に存在する物体は我々人類の認識する全ての主権体とは全く関係ない存在であることは間違いありません。
しかし、現時点でそれが我々にとって未知の知的生命体が運用しているのか、はたまた無人機械であるのか判断はついておりません。
ですが我々の科学技術水準を遥かに凌駕する存在であることは明白であり、敵対的であることも否定できません。
よって我が大日本帝国は本日〇〇時を持ちまして準戦時体制、陸海空宇宙軍は全軍即応体制に移行します。」

「それは弾道ミサイル原潜や戦略爆撃機も含むという認識で宜しいでしょうか?」

「はい、場合によっては終末を齎し刺し違えてでも止める覚悟であります。」

909: 635 :2022/05/05(木) 09:59:37 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp


会見場がざわつく。
今まで日本と蘭帝のみが保有する終末兵器まで持ち出すなどなかった。
日本がをその鉄と血を以て止めようとする程の存在であると世界が認識した。
日本がその様な判断を下した。それは何故か…?




"それ"の来訪より数日後。
その日二藤部はとある人物達より召喚を受けていた。
こんな忙しい時にと思う二藤部であったが拒否することなど出来なかった。
日本の重鎮にして千年、いやそれ以上に渡り日本を陰から支配、導いてきた存在。
それがいつから存在するのか、何処まで彼らの手が延びているのか二藤部も知らない。
それこそ夢幻(ゆめまぼろし)の様な存在なのだ。彼ら夢幻会は。


「これは本当なのですか…?」

「ええ間違いありません。彼らはおおよそ千年前に日本へ来訪、当時の朝廷と交戦した異星人国家【聖イゼイラ大皇国】です。
まあ、国号は代わり【イゼイラ星間共和国】であるらしいですが…何か政変でもあったのでしょう。
当時と違いいきなり高圧的な態度で臨んでいませんし。」


目の前の人物の言葉に目を白黒させる二藤部、さもありなん。
いきなり"それ"が千年前に日本へ来て交戦した国家の存在などと言われても納得出来る訳ない。
だが当時の書物や記録、そして"それ"の表面に書かれた言語の訳語などなど出されれば信じるしかない。
しかし二藤部に疑念が起きる何故当時日本に異星人が来訪し交戦したのか、それには驚愕の返答があった。


「竹取物語は知っていますね?彼らは当時のやんごとなき方が保護していたそのかぐや姫を強制的に連れ戻しに来たんですよ。」




そして現在、東伊豆町の現場を訪れた二藤部は夢幻会より言われたそんなことを思い出していた。
その視線の先には"それ"への接触作戦、天戸作戦を考案した人物の姿が見える。
技術力が上回る以上戦いとなれば負けるの必須、だがもし夢幻会の言うようにかつてと違うのならば…戦争にならないならばそれに越したことはない。
緊張で震える手を二藤部は握りしめた。

そしてそんな二藤部を見ていた別の人物、海軍との?ぎ役は顔を"それ"に向ける。宰相として少々頼りないな、と考えながら
二藤部が総理として悪い訳ではない。だが比べてしまうのだ。あの時の宰相を務めた海軍の【悪友】と。










「全く、日本がこんな時にお前は何処にいるんだ?『嶋田』…。」









かつて山本五十六と呼ばれた男はポツリと言葉を零す。

910: 635 :2022/05/05(木) 10:00:11 HOST:119-171-248-237.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2022年05月10日 09:50