781 :YVH:2012/02/15(水) 22:05:04
   =大日本帝国領・某所=

今、この宙域には新型艦艇の開発・配備に伴い、お役御免になった物の内、諸事情で他国に売却等ができない艦艇群が
集められていた。

 -島級航母・シラミネ-

「坂東級・星風級、配置に付きました」

オペレーターからの報告を聞いた今村大将は、配置についた艦艇群に対し砲撃を下命した。
其々の艦艇から二千万キロ離れた標的艦群に向けて火線がのびていった。

「標的艦群に着弾を確認。損傷はあれど、軽微」

それを聞いた、参謀長の草鹿少将は司令官に話しかけた

「二百年前のロートルですが、さすがに頑丈ですな。艦隊をもう少し近づけますか?」

参謀長の問いに今村大将は首肯し、艦隊に前進しつつ砲撃するよう命じた。
命令を受けた艦艇群は砲撃をしつつ前進し、一千万キロの地点で比較的小型の旧鎮守府級の撃沈を成し遂げた。

続いて、種子島級の砲撃が開始された。

艦首が横に展開し、その間に発生させた力場内で光が一定の規模を超えると、
先の艦艇群とは比較にならない規模の光の奔流が、標的艦群にのびていった。

「着弾を確認。旧鎮守府級二隻消滅、周辺の自動砲台も十数基の破壊を確認」

この結果に司令部は喧騒に包まれた。
そんな中、今村大将はシラミネから標的艦群の間に展開している部隊に退避勧告を出させた。
退避を確認した今村大将は、次のように命じた。

「要塞主砲、エネルギー充填。目標、前方標的艦群」

その命令に、オペレーター達が慌しくなる。

「タケミカヅチ、エネルギー充填を開始します」

「安全装置、一番から十番、解除を確認。続いて
 安定サーキット作動・・・作動を確認」

「タケミカヅチ、発射シークエンスに入ります。
 スクリーン、入光量を制限します。続いて総員に対ショック・対閃光防御を勧告」

こうした作業の間にも、シラミネ正面にある主砲の砲口には光が集まりつつあった。
そして、時は訪れた。

「エネルギー充填完了。狙点固定」

そのオペレータの声に、司令官は無言で上げた腕を振り下ろした。

次の瞬間、百キロ近い主砲口から莫大なエネルギーが放たれ、標的艦群は元より、
その周辺に遊弋していた直径五十キロほどの小惑星もその流れに飲み込まれ、宇宙から消滅した。


【あとがき】
ふと、思いついたものです。
回廊会戦では、大っぴらには出来なかったので
人目を避けて(笑)

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最終更新:2012年02月18日 21:54