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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その57 蒼空邪軍の戦力配置の現状と強行偵察
レイ達が何だかんだありつつも休暇を満喫している頃、蒼空邪軍の総大将であるトラ―・ゲルトナーは、呪詛の言葉を紡ぎながら戦力の立て直しと再配置に明け暮れていた。
元より豪州に配置されていた戦力はどちらかと言うと二線級な戦力が主であり、ニューギニア島の人類側の戦力と航空撃滅戦を行っていたのだが、人類側が巻き返すのに比例して
空襲の頻度は減り、最近では豪州と新西蘭(ニュージーランド)に逼塞している状態だった。
何せ新鋭戦力は北米や欧州・ロシア戦線に優先的に配備される一方で、こちらにはそういった戦力がこれまで殆ど回ってこなかったからだ。
だが、ユーラシア大陸から撤収してきた兵力を中心に戦力の再配置が行われ、その結果として多数の新鋭戦力が配備されて戦力密度は大きく上昇。俄かに要塞染みた状態と化しつつあった。
その一方で南米の方はと言うと、端から時間稼ぎの為の捨て石として扱われており、最早第一線では到底戦えない旧式兵器が配置されている有様だった。具体的なラインナップを見ると
レシプロ戦闘機イ級
直線翼ジェット戦闘機ロ級
後退翼ジェット戦闘機ハ級
超音速ジェット戦闘機ニ級
レシプロ攻撃機ホ級
ジェット爆撃機へ級
超重爆撃機ト級
ジェット超重爆撃機チ級
歩兵イ級
主力戦車ハ級
砲撃フリゲートイ級
ミサイルフリゲートロ級
どれも初期の頃に配備されていた代物であり、第一線ではとても戦えない戦力ばかりである。
一応フォローするなら、全ての兵器が一応の強化を受けた後期型に属しており、性能の低下に目を瞑って装甲を強化。生存性は高まっている。
更に言うと、密林が多い南米地域では最新鋭兵器を持ってきても稼働率の維持がかなり難しい。寧ろ旧式兵器の方が確実に動かす事が可能、という事情も有る。
しかしながら、貧弱な装備のレジスタンス辺りならまだしも、正規軍相手では勝ち目は皆無なのも確かである。
教祖達は悲鳴を上げたが、新たに交渉役をやる事になった地中突撃姫は
「状況ガ改善スレバ、新タナ戦力ヲ送ル。ソレマデハ、現有戦力デ遣リ繰リシロ」
とだけ告げ、以降は交渉自体を行わないようになった。
蒼空邪軍にしてみれば滅ぼす対象である事に変わりはなく、そんな連中に貴重な戦力を割く訳にはいかない。お情けで蒼空邪蒼黒霧は配備しているが、これとて各兵器の保守用の部品を
届ける為に置いているのであって、戦力を送り込む為の物では無い。大規模攻勢が確認された場合、いの一番に引き上げる予定だ。
92: 194 :2022/05/10(火) 21:16:01 HOST:ai126248131019.9.tss.access-internet.ne.jp
捨てゴマな連中の事はさて置き、トラー・ゲルトナーは今の現状に怒り狂っていた。
開戦から二年目までは、知的有機生命体の殲滅を順調に行えていた。大規模核攻撃は予想の範囲外だったが、それとて一時的な停滞。それ等の汚染地帯を突破出来る様になりさえすれば、
疲弊した汚物共を殲滅出来る。いまや自身の本拠地と化したこの惑星・アクアリスの様に。
だが・・・日本近海・福島東方沖での戦いから、雲行きが怪しくなりだした。見た事も無い兵器を駆使する正体不明の勢力に、こちらの技術を応用したらしい存在・戦娘。
どちらも今までの戦力とは比較にならない存在だった。特に正体不明の勢力との技術格差は致命的な程に開いており、残念ながら現時点での対抗は困難だと結論せざるを得なかった。
制空戦闘姫のコア深層部で遭遇した生命体、それも明らかに外見が違う種族共が複数いた事から、他の星の異星人が手を貸していると推測されたが、この星に訪れた痕跡がどこにも無い。
その前に接触に成功していた宗教狂いの汚物共が、正体不明の勢力の事を
「並行世界からやって来た軍勢」
と言っていた。最初こそ狂人の戯言と考慮していなかったが・・・
その後の戦いで、最初に遭遇した物とはまた違う勢力まで確認された以上、事実だと認めざるを得なかった。
だが、どうやって並行世界からやって来たのか?それだけがどうしても分からない。怪しいのは、日本の福島沖に出現した謎の黒い穴。特に害が無かった為放置していたが・・・。
今になって思うと、あの黒い穴の出現時期と正体不明の勢力が出現した時期がほぼ重なっている。ならば詳細を調べようとしたが、異常なまでの警戒網が敷かれており、潜水艦ですら近づく事もままならない。
ならば偵察衛星で宇宙から観察しようとしたが、どういう訳か打ち上げた傍から人工衛星のリンクが断たれてしまい、宇宙からの偵察も不可能。
これは宇宙に展開したティ連のヴァルメ等が、偵察衛星の打ち上げを確認次第軌道に急行して回収・無力化していたのだが、そんな事は知る由もない。
いずれにせよ、敵はあのゲートの事を隠したがっている。そう確信したトラー・ゲルトナーは有る兵器を作成して、強行偵察を行う事を決定した。
用意したのは、極超音速で飛行する大型偵察機(後に極超音速偵察機ナ級と命名)。この機体のスピードを持って敵の警戒網を強引に突破。例の黒い穴を偵察する。
発進した3機のナ級は、一度豪州西部に出て高度を30000mにまで上げ、その後にゲートの方向へと変針。最大速度でゲート目掛けて進んでいった。
一方の人類側だが、最初にインド洋に出た事も有りやや対応が遅れた。それでもフィリピン等のレーダー基地から緊急警報が送られ、急遽迎撃態勢を取る事に。
だが、今回は蒼空邪軍の方が一枚上手だった。探知されるや否や、機体強度がギリギリ耐えられる角度での降下で一気に超低空へと遷移したのだ。
緊急発進で高高度へと向かいつつあった戦闘機隊は虚を突かれる事となり、慌てて降下して攻撃をかけようとした時にはゲートまであと少しにまで接近していた。
ゲートのすぐ近くに設置された浮遊基地や水上艦艇から対空砲火が放たれ、追い縋った戦闘機隊が攻撃を仕掛ける。
三機の内二機がたちまち撃墜され、最後の一機も火に包まれる。だが、最後の一機は目撃した。丁度ゲートを通過してこちら側に入ってきている最中の輸送船の姿を。
急ぎモノアイに仕込んだ高性能カメラでその光景を収めると共にデータ化して友軍基地に転送する。画質は荒いが構わない。あの謎の黒い穴が並行世界を繋ぐ物だという事実さえ送れれば。
各種データ類を送った直後に機体は爆散。破片は深い海の底へと沈んでいった。
この三機の犠牲は無駄では無く、データを受信したトラー・ゲルトナーはこの黒い穴こそが、並行世界を繋ぐワームホールの様な物であると確信。
この穴を破壊して並行世界の軍勢の補給を絶つべく、大急ぎで新兵器の生産を始める。
一方の人類側も、今回の敵の強行偵察の結果、ゲートその物に攻撃をかけてくる可能性が高まった事から、迎撃体制の強化を大車輪で進めていく。
福島東方沖で、再び両軍がぶつかろうとしていた。
93: 194 :2022/05/10(火) 21:16:31 HOST:ai126248131019.9.tss.access-internet.ne.jp
オマケ
極超音速偵察機ナ級
蒼空邪軍が新たに開発した、極超音速で飛行する戦略偵察機。機体外観はSR-71ブラックバードに酷似しているが、機首が更に1m程伸びている。
名前の通り、極超音速での飛行を可能といており、その速度を生かしての偵察任務を主任務としている。
極超音速での飛行の場合、衝撃波以外にも空力加熱等の様々な問題が存在するが、機体表面を特殊なナノマシン粒子で覆う事で、強引に解決している。
一方で武装や装甲といった物は一切施されておらず、万が一迎撃に有った際の生存性は低い。だが敵の重要情報を得る事さえ出来れば、収支はプラスになるとしているらしい。
機首の下に各種カメラ及びセンサーの機能を持たせた新型コアを搭載しており、かなりの精度での情報収集能力を持つ。
そのコアのコストはかなり高く、一個のコアで超音速巡行ステルス戦闘機レ級が二機製造出来る程の高さとなっているとか。最大速度はマッハ9。
94: 194 :2022/05/10(火) 21:17:02 HOST:ai126248131019.9.tss.access-internet.ne.jp
以上です。蒼空邪軍側の戦力配備事情と、ゲートその物を探る為の強行偵察の回でした。
今後の防衛とあわよくば反攻の拠点として、豪州と新西蘭が要塞と化しつつあります。一方で、人類側の戦力移動はまだ途上です(超大陸世界の日本やティ連はともかく)
そんな中で、福島沖のゲートの正体を探るべく新型偵察機を投入。全機失われた物の、ゲートの正体を掴む事に成功しました。
これを受けて、蒼空邪軍はゲートの破壊を目標とした攻撃を画策。人類側も大わらわで迎撃体制の増強を図ります。
次回、以前開発しているのが示唆されていたB-2モドキやXB-70モドキ・そして原案者のクローサー様にのみ公表している新兵器がゲート破壊の為に投入されます。お楽しみに。
wiki掲載は、自由です。
100: 194 :2022/05/11(水) 07:01:29 HOST:ai126248131019.9.tss.access-internet.ne.jp
おはようございます。コメ返しの前に、誤字の修正を。
91
- 誤 レイ達が何だかんだありつつもキュウかを満喫している頃
↓
- 正 レイ達が何だかんだありつつも休暇を満喫している頃
wiki掲載時に、修正をお願いします。
最終更新:2022年05月22日 21:43