329: 194 :2022/05/21(土) 18:40:30 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その60 福島沖ゲート攻防戦その3


新たな姫級の出現に加え、アーティの姉が巡行核ミサイルのコアとして使用されているのが確認されるという厄介極まりない現状に、さしもの戦娘達にも動揺が走る。
迂闊に迎撃しようものなら、誤ってアーティの姉も殺してしまいかねないからだ。


こんごう「アーティ、何とかお姉さんがドノ位置に居るカ分かりまセンカ?」

アーティ「・・・何トカ、感知シテ見マス!」


動揺する気持ちを必死に抑えながら、姉の位置を必死に探るアーティ。その努力は報われ、凡そながら位置が分かった。


アーティ「・・・見ツケマシタ!一番中央ノ巡航ミサイルニ、姉ノ気配ガシマス!」

きりしま「・・・困難ですが、やるしかありませんね。レイ達空戦組は、新型姫級を抑え込んで!ミサイルの方は、こちらで何とかします!」


そう指示を出すきりしまだったが、流石に極超音速で飛行する巡航ミサイルをどうにかする術は思いつかない。
だが、少しでも可能性があるならばやるしかない。必死に頭を働かせながら、対策を練るきりしま。ティ連にも急ぎ助力を願い出る事としたのだった。

一方の蒼空邪軍だったが、蒼空制圧姫は巡行核ミサイルラ級を制御下に置きつつ、福島沖のゲートへと向かっていた。
正直な所、水爆でゲートが破壊可能かは未知数だったが、あの厄介な異世界の軍勢を止める手段が他に無い以上、これに賭けるしかない。
最低でもゲート付近を守る敵の拠点だけでも破壊出来れば、以後の攻撃がそれだけやりやすくなる。
その様な事を考えながら進撃する蒼空制圧姫。それ故に・・・1発のミサイルに異変が生じている事に気付く事が無かった。

さて、その58で一日も早い攻撃の必要性からコアの製造手順が簡略化された事は既に述べたが・・・その影響がピンポイントで現れていた。
具体的には、一基のラ級のコアの感情排除の処置が不十分で、その一基だけ感情が残ってしまっていたのだ。それが、アーティの姉だったのだ。
ご都合主義にも程が有ると思われるだろうが、もし感情排除の処置が完璧だったら、さしものアーティも姉の気配を感知する事は出来なかった。
つまり粗製乱造の結果、ワンチャン助かる可能性が出てきていたのだが・・・肝心の本人はパニックになりそうなのを堪えるのに必死な状態だった。
無理もない。何せこのラ級の場合は一度発射されたら最後、回避不能な死が待っているのだ。パニックを起こしても何らおかしくなく、寧ろ抑え込めているだけでも大した物だ。
もし感情が残っているのがバレたら、蒼空制圧姫に粛清されていたであろう。万が一の作戦失敗の要因となり兼ねない物を、そのままにしておくはずも無いからだ。
だがそれ故に、恐怖心を抑え込むのが精一杯な状態であり、そんな精神状態で妹の気配を感じ取る事等出来よう筈も無かった。彼女は唯々、迫りくる死の恐怖に怯えるしかなかった。

330: 194 :2022/05/21(土) 18:41:00 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
ティ連も交えて急ぎ協議した結果、臨時製造した特製ゼル端子・・・極超音速の衝撃にも耐えられる耐久性を持たせた物・・・をアーティの姉であるミサイルに撃ち込み、リンクが断たれた所を
ヴァルメのトラクタービームで回収するという作戦となった。
かなり無茶な作戦だが、現状ではこれ以上の作戦は出なかった。ゼル端子の撃ち込み無しでの回収は、万が一自爆された場合の被害を考えると不採用にせざるを得ないからだ。
そして、誰が特製ゼル端子を撃ち込むかだが・・・やはりというか、アーティが自ら志願した。


アーティ「私自身ノ手デ、姉ヲ救イタインデス!!オ願イシマス!!」

横手(通信)『・・・分かった、アーティに任せる。だがその一発しか用意出来なかった以上、外す訳にはいかない。きりしま、スポット要員としてサポートしてやってくれ』

きりしま「分かりました!アーティ、一緒に貴女のお姉さんを救いましょう!」

アーティ「・・・ハイ」


ゲートの直ぐ傍で、準備を始める二人。果たして、無事に姉を救えるのか・・・。

ゲートまで残り400㎞、もうすぐゲートが見えようかという空域でレイ達戦娘達が蒼空制圧姫とミサイル群を発見。ミサイルから引き剝がすべく、レイ達が蒼空制圧姫に襲い掛かる。


いちご「ゲートに攻撃なんて、させないよ!」

レイ「貴女をミサイルから、引き剥がす!」

セン「核なんて無粋な物を使用するとは、許せませんわ!」

蒼空「・・・フンッ!止メレル物ナラ、止メテミロッ!」


速度を上げて振り切ろうとした蒼空制圧姫だったが、複数のレーザーが機体を掠めた為、止む無く巡行形態から戦闘形態へと変化。ミサイルを撃墜されないようにカバーしつつ、レイ達を相手取る。
やはり厄介だったのは対レーザー粒子だった。レイが使用する斬邪丸・極のレーザーカッターやセンが、装備している空対空レーザーも無効化されてしまう。
ならば実弾はと言うと、地底突撃姫級同様に効果が無く、弾丸が突き抜けるか硬化したボディに阻まれてダメージが与えられない。
だが今回はこの敵を倒すのが目的では無く、ゲートへの核攻撃を阻止する事。そして、海上からのミサイル撃墜とアーティの姉の回収さえ成し遂げれば、敵の意図を頓挫出来る。
とにかくミサイルをフォロー出来ない様にしてしまえばよい。激しい攻撃に苦戦しながらも、必死で敵の気を引くレイ達。


レツ「・・・にしても、ミサイルランチャーに散弾砲に拡散レーザーとか化け物か!?」

セン「あれと似た様なタイプの敵と交戦したナナさんとランさんが苦戦したのも、納得ですわ」

331: 194 :2022/05/21(土) 18:41:30 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
そうこうしている内に、戦闘空域が遂にゲートの直ぐ傍にまで推移。だが、此処から激しい迎撃が加わる。
直ぐ近くの浮遊島や海上に展開したこんごう達、同じく展開した艦娘達や国防海軍「しなの」から実弾・レーザーを問わない激しい迎撃が加えられる。
その一方で、アーティがきりしまの支援を受けながら、ゼル端子を装填したスナイパーライフルを構えていた。
次々と撃墜されていくラ級。だが、奇跡的に中央付近にいた1発の巡航ミサイルが迎撃の突破に成功した。
攻撃の成功を確信する蒼空制圧姫だったが・・・狙撃銃らしき何かを構えている蒼空戦娘の姿を確認。嫌な予感を覚えた彼女は、即座に攻撃を加えた。しかも、、姉がコアとなっているラ級をまさに狙撃しようとしたタイミングで。
攻撃そのものは直撃せず至近弾で済んだが・・・その衝撃で体制が崩れ、狙撃ポイントより少し上に撃ってしまったのだ。


アーティ「アアッ!?」


絶望の表情を浮かべるアーティ。と同時に、今度こそ攻撃成功を確信する蒼空制圧姫。だが、その時ミサイルに異変が起こった。

その時のアーティの姉だが、今まさに直前に迫った死の恐怖を前に限界を迎えつつあった。
目の前に迫りつつある、今回の攻撃目標であるゲート。そして、機首に装備された大威力の水爆。これが炸裂した瞬間、自らの命が終わる。

だが、彼女は抗った。


『嫌ダ・・・死ニタクナイ・・・・・死ニタクナイッ!!!』


残った力を振り絞って水爆の起爆を抑え込む。そして、起爆の阻止に全力を向けた結果か、姿勢を崩して機首を上にあげる形となってしまう。
そして機首を上にあげた結果、辛うじてゼル端子が突き刺さりトラー・ゲルトナーとのリンクが断たれる。
全ての力が抜けていくような感覚を覚えながらアーティの姉は気絶。すかさずトラクタービームで回収されたのだった。

まさかの予想外の展開の発生の末に作戦失敗。勝利を確信していただけに、一瞬呆然とし・・・次の瞬間、蒼空制圧姫は激怒した。


蒼空「・・・フ、フザケルナァァァァ!!!!!」


怒りの言葉を吼える蒼空制圧姫。だが、結果は覆る事は無い。
作戦失敗という事実に歯噛みしながら、豪州へと引き返さざるを得なかった。

かくして、総力を挙げたゲート破壊作戦は失敗。上げた戦果はラ級の自爆によるJF-4の喪失1機のみ。
反対に数多くの爆撃機をこの1戦で喪失。陽動作戦で少なくない戦闘機等も失っている事も有り、このような大規模攻撃は二度と実施出来なくなった。

332: 194 :2022/05/21(土) 18:42:00 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
所変わって、地球とアクアリスを結ぶワームホールを見つける為に探索を続けている1機のヴァルメ。既にかなりの箇所を詳細に探索していたが、未だに発見出来ていなかった。
まだ未探索な地域は南米やオセアニア地域、そして南極だ。
その残りの地域だが、まず南米は否定された。南米が本拠地なら、戦力の出し渋りは考えにくい。主に旧式兵器が配備されているのが、その証拠だ。
オセアニアも考えにくい。それならばもっと早い段階で東南アジア地域も攻め落とせた筈だ。となると・・・残りは南極のみだった。
一見、何かを隠す事は出来そうになかったが・・・南極中心部が吹雪いているのが気にかかった。
一応関係各所に確認を取ると共に、南極の上空へと向かう。勿論探知偽装は万全にした上でだ。


パイロットA「・・・関係各所からの連絡は?」

パイロットB「・・・特に変わった所はないそうです」

パイロットA「何か、どんな些細な事でもいい。何か無いか?」

パイロットB「・・・強いて言うと、中心部付近が断続的に吹雪いているそうです。まぁこの寒さ的に無理は無いと思いますが・・・」

パイロットA「・・・念には念をだ。探索してみよう」


そこに何かがある、と言うよりも何もないという事を確認する意味合いで、その吹雪いている地域の上空へと向かう。
早速探知を開始するヴァルメ。何も無いかと思われたが・・・


パイロットB「・・・た、大変です!この地域の中心に、高エネルギー反応が!」

パイロットA「何だと!?」

パイロットB「空間に穴を開けれる程のエネルギーが観測されています!」

パイロットA「・・・間違いない!ここにワームホールがある!!見つからない様に、すぐさま離脱。離脱出来次第、大至急知らせるぞ!」


見つからない様に、慎重に離脱するヴァルメ。
そこの知らせと、敵が核攻撃を仕掛けようとしてきたという事実。この事が、後に予想外の事態を招く事となる。

333: 194 :2022/05/21(土) 18:42:30 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
以上です。核攻撃の顛末と、アーティの姉の救出劇でした。
ご都合主義過ぎると思われるかもしれませんが、どうかご容赦の程をorz
蒼空制圧姫との戦闘シーンはあっさりとした形となりましたが、今回は倒すのが目的でない為、こういう形となりました。
そして、遂にワームホールの位置が判明。とはいえいきなりダイレクトアタックと言う無謀な事はせず、南米に巣食う裏切り者共の殲滅とオセアニアの奪還を先に進めていきます。
地球全土の奪還は、乙世界の人類の悲願でもありますので。それに南米の攻略は、コアの素となる人間の供給を絶つという目的も有ります。もっとも、生贄を捧げているのが知れるのは
もう少し後となりますが。
さて次回ですが、アーティと姉の再開に、核攻撃の事実に対する乙世界の人類側の反応。それ等にワームホール発見の報告が入った結果として、厄介極まりない事態が発生します。お楽しみに。
wiki掲載は、自由です。

334: 194 :2022/05/21(土) 18:43:46 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
誤字を見つけたので、修正を。

332
  • 誤 パイロットB「・・・強いて言うと、中心部付近が単族的に吹雪いているそうです。まぁこの寒さ的に無理は無いと思いますが・・・」
  • 正 パイロットB「・・・強いて言うと、中心部付近が断続的に吹雪いているそうです。まぁこの寒さ的に無理は無いと思いますが・・・」

wiki掲載時に、修正をお願いします。

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最終更新:2022年05月22日 21:57