132: 陣龍 :2022/05/12(木) 15:33:22 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

『紡がれる血』

「そう言えば、皆って血統の事とか全然気にして居ないんだね」


 ウマ娘が集い、学び、強くなる此処トレセン学園。そのカフェテリアの一角にて、行き成り変な事を言い出すウマ娘がいた。


「……行き成り何突拍子も無い事言い出すんや?」
「血統って……家族の事?」


 栗毛に少々の白髪が混じるウマ娘が言葉に、怪訝そうな表情を向ける相席のウマ娘が二人。


「この前、バクシンオー学級委員長がキタサンに運命的な縁を感じますって言っていたから。血統を見たらサクラバクシンオーと
キタサンブラックって祖父と孫の関係になるんだけど」
「いや競走馬とウマ娘は全然ちゃうがな、何いっとんねん」
「そうだね。前世の血縁がどうであっても、今世の人間関係とは関係無いと思う」
「そっかー。私今のところそう言う【ウマ娘との運命的な縁】とか感じた事無いからちょっと気になってた。
まぁ子供とかでは縁結びがなる事は無いけど」
「シレっと重い事言うんやないってそこは……」


 共通点としては三者共に凱旋門賞勝利した前世を持ち、そしてその記憶を持ったままウマ娘へと転生した者達。
【令和の神馬】ゴーストウィニング、【ど根性レジェンドホース】カナリハヤイネン、【新世界の開拓者】トリプルターボの三名は、
なんとなしに集まって昼食を取っていた。



「…あぁでも、一応全弟と全姉が居るって話だった。競走馬としては全く鳴かず飛ばずだったけど、今どうなってるんだろう。
お相手さんの候補は割と増えたそうだけど」
「……気に成らんのか、そう言うゴーストの方は」
「なるかならないかと言われたら気には成るけど、まぁ今会いに行っても牧場に迷惑だろうし、それに向こうが分かるかどうかだしね。
冷たいかな?」
「そんな事無いよ。ゴーストが今やるべき事はお風呂上りにそのまま出ていこうとしない努力を刷る事だし」
「いやぁー……気を抜くとどうしてもね?」


 途轍もなくあっけらかんとしたゴーストウィニングだが、このウマ娘の前世である競走馬時代に発生した有る事件によって、
国民的関心や世論、そもそも以前戦争が勃発して大被害を受けた事で日本人その物の血気が盛んになっていた背景その他諸々により、
道路交通法の改正や警察官の増勢であったり、牧場や競走馬等の経済動物、そしてウマ娘であったり艦娘・アイドル等の一種過激な程に
人気や注視を得る様な人物に対する保護が強力に推し進められた事により、一時はウマ娘らの行動制限が強く掛けられる羽目になっていた。
現在はウマ娘らへの過剰な護衛等は撤廃されたが、牧場や競走馬等への保護は継続中である。ティ連技術を用いた防護網により、
例え米軍一個大隊(テラーバイト付き)が突然襲撃して来ても競走馬には全く無音で何時も通り過ごせる程であったり、
艦娘達の呪詛返し術により呪詛を仕掛ける様な馬鹿には縁切り神であるコトワリ様があの鋏を以て下手人の下へ突撃し【縁切り】する
システムになっているとか。一応世間にはぼやかして報道されている。



「……因みに、そう言うゴーストウィニングの血統はどうなんや?」
「正直近年での有名勝利馬は皆無な有様なんだよねぇ」


 『まぁそうでないとアッコまで騒がれんわな』と思いつつココアを啜るカナリハヤイネンと『血統…お姉ちゃん、今日の模擬レース大丈夫かな…』と、
半分別の方向に意識を持って行って緑茶を啜っているトリプルターボ。




「遡りに遡って、【ゴーストウィニング】の血統に置ける著名な勝利馬って【セントライト】と【シンザン】の二頭ぐらいなものだったしね」





――――尚、その突然の爆弾発言が、カフェテリアに居て食事をしていた全てのウマ娘が食べていたモノや飲んでいたモノを噴出させ、
各所で被害()を齎す事になったのであるが、カナリハヤイネンのココアとトリプルターボの緑茶を顔面に被弾したゴーストウィニングには関係無い話である。

133: 陣龍 :2022/05/12(木) 15:36:29 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
GW休日一日記念(未勝利戦)

昼間寿司食べてた時に以前トゥ!ヘァ!氏がゴーストウィニングの血統断絶嘆いていた記憶が(何故か)出て来て、
そうしたらどういう訳か出来ました。何で出来たのかは自分にも分かりません()

…あ、トキノミノル忘れた

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最終更新:2022年05月22日 23:08