894: ホワイトベアー :2022/05/20(金) 09:14:49 HOST:sp1-72-1-245.msc.spmode.ne.jp
日米枢軸ルート 外伝 東アジアの人口国家の誕生

朝鮮戦争終結後、朝鮮半島全土は日米連合軍の占領下におかれ、連合軍のもとで軍政が敷かれる事になった。この統治は日米の代表から構成される朝鮮委員会を最高機関としたものであり、その下に連合軍総司令部がおかれ、この連合軍総司令部が統治に関わる全業務をおこなう史実GHQ形式が採用される。

この連合軍総司令部(後に連合軍朝鮮駐留軍総司令部に改編)と言う組織は1種の政治的欺瞞であった。何せその主導権は占領軍の九割以上を占めていた日本軍が握っており、アメリカ人は連絡将校が数人いた程度であった。
これは朝鮮戦争において事実上日本軍のみで行われた事が大きな要員であった。ホワイトハウスは日本が血を流して確保した利権に無理に手を突っ込んだ結果、日本の不興を買うのを避けることを優先したのだ。


日本の意向が強く反映される連合軍総司令部が始めに行った事は、いままで日清ともに大きな迷惑をかけた朝鮮半島原住民、朝鮮で大量に発生していた戦争難民を含めた可能な限り全ての、を福岡条約に則って清国に輸送すると言う事業であった。
この事業は戦後すぐの西暦1895年4月から始められ、朝鮮難民達は次々と仁川や釜山等の難民キャンプから清国がチャーターした艦船を使い海路で大連まで輸送されていく。
この時、清国は輸送にかかる資金を下げるために艦船の数や行き来を削った為、難民は輸送船に限界まで乗せられ、まるで現代の奴隷船とも言うべき粗悪な環境で大連まで運ばれていくことになになり、後々、日米が欧州各国から非難されると言う事がおきたりする。
しかし、いままで原住民のせいで莫大な負担をかけられていた日米は、こうした反応に対して難民の移動は全て清国の管轄だとして無視を決め込み、もくもくと朝鮮人を清国本土に送り混んでいった。

この難民輸送事業が一段落すると、連合軍総司令部は朝鮮の復興をはかるために日本やアメリカから移民を募集する事を計画し、より多くの移民を募集するために南部の農業に適した土地を移民へ無償で譲渡するを決定する。

譲渡する土地の確保や鉱山など確保等のために連合軍総司令部は朝鮮全土を総司令部の所有地とすることを発表し、難民として清国に運ばれた朝鮮人の土地は無償で接収、さらに朝鮮半島に残った邪魔な朝鮮人は彼らの土地を僅か1セントという極めて低い金額で徴収していき、土地を奪われた朝鮮人は半島北部に造られた朝鮮人居留地に強制連行されていった。

当然ながらこの政策に抵抗する朝鮮人も多くいたが、半自動小銃や短機関銃、機関銃といった装備で武装し、正規の訓練を受け正規兵で構成される日本陸軍の朝鮮駐留部隊に時には容赦のない銃撃を浴びせ、また時には区画ごと重砲で粉砕されるなどして鎮圧され、次々と殺害されるか清国に国外追放されていく。最終的には朝鮮半島全土の国有化と朝鮮原住民の朝鮮人居留地での保護という政策は順調に実行されていった。

土地の無償譲渡と言う条件は大日本帝国やアメリカ合衆国の貧民層や一発当てようと考えていた人々にとっては非常に魅力的であり、連合軍による軍政下であったため国籍の離脱が必要ないことも合わさって両国から移民の応募が殺到する事になる。その数は連合軍総司令部が当初予定していた数を大きく上回り、担当部署に嬉しい悲鳴を挙げさせるほどであった。

もっとも、この時の移民のもともと朝鮮戦争開戦前の朝鮮半島の人口よりかは圧倒的に少なく、譲渡する土地の面積には問題はなかかったことから連合軍総司令部民政局の局員が残業および休日返上をおこなうことによって問題は解決していく。

彼ら(移民者)の話は新聞を通してアメリカ本国にも伝わり始めると、アメリカ本国では「明白なる使命」を刺激される人々が増加し、この流れに乗り遅れるなと言わんばかりに朝鮮南部への移民希望者や投資が増加していった。
投資や移民の増加はさらなる経済的発展を朝鮮半島南部にもたらし、清国の焦土作戦で見るも無惨な惨状となっていた朝鮮半島南部は連合軍総司令部民政局の予想より早く復興していく。

朝鮮半島の復興は経済的に正のスパイラルを発生させ、半島南部は史上最大の好景気を迎え、アメリカや日本からの移民は増加の一途を辿っていった。これをうけた連合軍総司令部は移民からの要求もあり段階的にではあるが自治権を強化していく事を決定、地方レベルでの自治権が段階的に強化されていく。
この自治権の拡大によって、二十世紀初頭には仁川や釜山(軍港として使われている)などや漢城(連合軍総司令部がおかれている)等の重要拠点を除いた地域においては、独立した行政府、立法府、司法府から構成され、朝鮮委員会の承認をうけた連合軍総司令部による命令への服従義務を除いてはアメリカ合衆国の州に匹敵するレベルの自治権を保有する南朝鮮自治政府(※1)が釜山に誕生する程までになっていった。

895: ホワイトベアー :2022/05/20(金) 09:15:26 HOST:sp1-72-1-245.msc.spmode.ne.jp
南部の復興が連合軍総司令部の予想より早く進んでいく一方、半島北部はそうはいかなかった。半島北部は狼林山脈等の山地や蓋馬高原が存在しているために農業には不向きで、移民があまり集まらなかったのだ。また、清国やロシアとの間にある高い緊張もその傾向を後押していた。

それでも、駐留している部隊に対して商売をおこなうものや少数ながら入ってきた移民たちや半島北部の鉱物資源を知っている転生者が主導する日系企業の投資等によって緩やかながら復興していくことになるが、そんな朝鮮半島北部に移民が殺到する一大ニュースが西暦1899年に発表される。日本企業が威鏡北道の金山を発見して開発権を獲得したことが大々的に発表されたのだ。
この発表後はそれまで余り移民の集まらなかった朝鮮半島北部に鉱物資源目当ての移民が大量に押し寄せ、一気に復興が進んでいった。(ちなみにこのゴールドラッシュによってアメリカの目が金銀に向いているうちに、日本企業はその他の鉱山を買い占めていった)

移民の数が増えた為、半島北部でも自治権の獲得が声高に叫ばれ、一定の自治権こそ与えられたが、こちらは半島南部とは違い清国やロシアとの国境が近い事を理由に連合軍総司令部はそれ以上の自治権を認めようとしなかった。
とは言っても、先に述べた様にある程度の自治権が認められた事や元々の税金が安かった事、連合軍朝鮮駐留軍総司令部が移民の自由を日米で認められている範囲は認めた為に反発は少なかったが。

閑話休符
話は少し変わり、朝鮮半島での治安維持に関して語らせていただく。連合軍によって朝鮮半島が占領さされ始めた頃、朝鮮半島の行政機能は清国によって完全に崩壊させられており、治安は日本陸軍軍警察(憲兵)が維持するはめになっていた。これは連合軍総司令部による軍政下におかれたあとも同様であり、あくまでも警察権を持つのは日本陸軍軍警察に限定されていた。

しかし、移民の増加とそれに比例する諸問題の急増により軍警察だけでは人手が足りなくなってくると、朝鮮駐留軍総司令部(史上米西戦争の開戦と同時に連合軍総司令部から改名)はこの問題の解決案を考え始めた。当初は日本本国からの軍警察の増員や通常の部隊を治安維持に投入することなども構想されたが、これ等ではは根本的な解決を望めないとしてきゃ自治権の拡大の要求もあり、各自治体に警察組織の編成を認める案が急浮上、統治費用を浮かせたい朝鮮委員会からの許可もあり、各自治体に警察権が与えられる運びになった。

しかし、当初予定されていたアメリカの警察をモデルとした自治体警察では予算や規模などの問題が解決できないと言う意見が保安局より噴出したため、警察権の付与は延期、日本警察をモデルとした組織案(連合軍総司令部が中央警察を管理し、各知事が地方警察を直接管理するという体制)に改編される。

こうした紆余曲折もあり、各自治体への警察権の付与は当初予定されていた1900年から1902年まで延期されたが、無事に各知事の下で地方警察が編成される事になった。

なお、1900年には義和団事件とそれに連動した清露戦争の勃発で、朝鮮半島駐留軍の大半が北部に展開したため治安が連合軍総司令部はもちろん、日米本国でも問題視される程悪化してしまう。さらに朝鮮の一部ではショットガンなどの銃器で武装した野盗が出現し始めた。この状況で日本本国はこれ以上の治安悪化を防ぐため、4000人近い武装警官を増援として派遣、治安維持にあたらせた。

この時の教訓から朝鮮駐留軍総司令部は各警察の重装備化を決定、拳銃等の軽装備の他に一部部隊に55式小銃や67式短機関銃(MP28をモデルとした短機関銃)、88式短機関銃(トンプソンサブマシンガンをモデルとした短機関銃)等の軍用装備や本国でも配備されている4輪型警邏用自動車や警察用装甲車が供与されていった。
また、史実機動隊に準じた集団警備力も合わせて整備されていき、こうした部隊は歩兵火力や機動力は正規軍に匹敵するものを有していく。また、日本本土からマニュアルや教官が送られ、彼らの教育にあたった事から、練度も運用に足りるものであった。

こういった事もあり、地方警察は南朝鮮の治安の回復に大きく貢献し、予算こそかかったものの、連合軍軍警察の仕事を減らし、治安を回復することに成功する。

治安の回復や義和団事件の終息によって一時期は停滞していた朝鮮の復興もまた加速的に進み、1910年までには日清戦争以前より豊かになり、朝鮮駐留軍総司令部から朝鮮自治政府に権限が順次移転され、1911年に世界で最も新しい人工国家たる朝鮮連邦共和国の建国が宣言され、朝鮮半島を統治する新しい国家が産声を上げた。

896: ホワイトベアー :2022/05/20(金) 09:17:15 HOST:sp1-72-1-245.msc.spmode.ne.jp
以上、朝鮮半島の新たなな国家にして日米のアジアおける舎弟一号くんな朝鮮連邦共和国君のお話でした。
wikiへの転載はOKです。

朝鮮半島の夜明けぜよ!

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最終更新:2022年05月31日 00:50