23: 奥羽人 :2022/05/23(月) 19:33:42 HOST:sp49-98-172-180.msd.spmode.ne.jp
近似世界 第二次世界大戦
1939年 開戦



ポーランド分割

1939年9月1日
ドイツ軍がポーランドに侵攻を開始。
2日後、英仏がポーランドとの相互援助条約に基づきドイツに宣戦布告。
後に「第二次世界大戦」と呼ばれる大きな戦争が幕を開けた。


開戦の前日、ドイツ・ポーランド国境地帯に存在するグライヴィッツ市のラジオ局が襲撃されるという事件が起こっていた。

ラジオ局を占領した犯人グループは、放送設備を利用してドイツ国内のポーランド人にストライキをはじめとする反ドイツ的扇動放送を実行。
後の現場にはポーランド軍服を着用した男の死体が残されており、ナチス幹部はこの事件をポーランドによる国家的なテロ行為と断定。
自衛の為としてポーランド進攻を始めたのであった。

勿論、これらは全てドイツ……ナチス親衛隊による、ポーランド侵攻を正当化する為の偽旗作戦「ヒムラー作戦」による自作自演である。

元々ドイツでは、ヒトラーの考案した東方生存圏の実現の為に、足掛かりとしてポーランドの国土を欲していた。
尚且つ、世界の殆どを覆った大恐慌の影響に対してはオーストリアの経済植民地化でもまだ足りず、軍拡による公共投資で凌いでいたドイツには、新たに収奪できる“植民地”が必要だった。



対するポーランドは、史実と同じく第一次大戦後の革命による混乱の際に独立したことは同じであるが、史実と比較するとプロイセンやシレジア地方がドイツ領のままである為、西側の国土はその分小さかった。
しかし東側では、1919年のポーランド・ソビエト戦争にて史実よりも弱体化しているソビエト共産勢力を打ち破り、バルト三国やベラルーシの殆どとウクライナの半分を併合し、かつてのポーランド・リトアニア連合に近い領域を支配することに成功していた。
しかし、この戦争はソ連の強い敵意を買うこととなり、独ソ不可侵条約と秘密議定書“ポーランド分割”の合意締結の大きな一因になったとされる。

とはいえ、広大な新領土の統治に大きく労力を割かれたポーランドは、その副作用として軍備の近代化が顕著に遅延。
元々農業国であり、近代的な工業力の育成がまだ始まったばかりである為に、書類の上では100万人以上の軍隊を有していたものの、開戦時にはその半分程度しか動員できず、保有する兵器も質、量共に独ソと比較的して圧倒的に劣位だった。

24: 奥羽人 :2022/05/23(月) 19:34:37 HOST:sp49-98-172-180.msd.spmode.ne.jp


午前4時45分
ドイツ軍ポーランド侵攻計画「白作戦」発動。

ドイツ海軍の超ド級戦艦ビスマルク、ティルピッツがリガを始めとするバルト海沿岸を襲撃。
同時に、国境部に集結した2000両の戦車、1500機の航空機を有するドイツ陸軍が西ポーランドの西南北3方から一斉に進撃を開始した。

3日には、英仏がドイツへと宣戦布告したものの、散発的な戦闘が起こった以外は両軍共に大規模な攻撃は行わず、にらみ合うだけの「まやかし戦争」と呼ばれた。

その間、東プロイセンから侵攻したドイツ第3軍は、9月8日までにナレフ川のワルシャワ前面まで到達。
それに連携する第4軍と第8軍がヴィスワ川まで進出し、ワルシャワ南方を占領した。
ナレフ川を渡河した一部の部隊は、首都を包囲するようにワルシャワから東方のブーク川方面への攻勢を実行。

シレジア地方から侵攻した第10軍は素早くクラクフを占領すると、ヴィスワ川を下るようにサンドミュエシュ市まで進出。
第14軍はポーランド南部を奥深くまで侵攻し、サン川を渡河しようとしていた。

ドイツ軍の素早く圧倒的な攻撃の前にポーランド軍はいとも容易く寸断され、連携の取れないまま壊滅していった。

9月9日、包囲したワルシャワに対してドイツ軍が一斉に攻撃を開始。
13日には、南方のドイツ軍前線はリヴィウにまで到達していた。

14日、ラドム近郊でポーランド軍二個軍団がドイツ第8軍の側面に対して反撃を敢行。
ポーランド戦において最大の戦いとなったこの「ラドムの戦い」は、初めこそポーランド側が圧していたものの、物量に勝るドイツ軍の本格的な反撃により最終的には敗走。
この敗北によってポーランドは、本戦争の主導権を完全に失うこととなった。


9月17日、ポーランド東方国境にてソ連赤軍80万が突如として侵攻を開始。
西方に戦力の大部分を割いていたポーランド軍はこれに対応できず、また、各地の共産主義者の反乱もあり、バルト地域やベラルーシなどの東部地域は、速やかにソ連の手に落ちることとなった。
このソ連の侵攻を受けてポーランド政府は独ソの共謀を確信すると共に対抗を断念。残存戦力をルーマニア経由で脱出させ始めた。

9月26日に、残存ポーランド軍が立て籠り抵抗を続けていたワルシャワが遂に陥落。
翌10月の6日に、リガに立て籠っていた最後のポーランド軍部隊が投降したことによって、独ソによるポーランド侵攻は全て完了した。

こうしてポーランドの国土は独ソによって分割され、フランスに逃れたポーランド政府は亡命政府を樹立して抵抗を続けていくこととなる。

25: 奥羽人 :2022/05/23(月) 19:36:53 HOST:sp49-98-172-180.msd.spmode.ne.jp


冬戦争

1939年11月26日
ソ連・フィンランド国境付近にあるマイニラ村にて、突然の砲撃によってソ連軍将兵13人が死傷する「マイニラ村砲撃事件」が発生。
ソ連政府はこれをフィンランドによる挑発と激しく非難し、29日には一方的に国交断絶を発表した。

勿論、この事件はソ連内務人民委員部(NKVD)による自作自演であり、フィンランド侵攻を正当化する為の偽装だった。

11月30日
ソ連軍23個師団45万人が、国境全域で一斉に侵攻を開始し、後に言う「冬戦争」が始まる。
翌月1日には、ソ連のお膳立てでフィンランド民主共和国が樹立された。

12月11日、国際連盟はソ連に対してフィンランドからの撤兵を要求したものの、ソ連外相モロトフはこれを拒否。
14日には満場一致で、ソ連が国際連盟から除名されることとなった。

それに構わず圧倒的な大戦力を以てフィンランドの防衛線を突破しようとするソ連軍だったが、各地で根強い抵抗を受けることとなる。

カレリアのマンネルヘイム線突破を試みたソ連第7軍は、フィンランド軍の反撃によって甚大な被害を受けて突破に失敗。
ラドガ湖北方に進出したソ連第8軍も、一部師団がフィンランド軍に包囲されて敗走。
コッラー川を渡河した部隊も、フィンランド軍のコッラ防衛陣地の強靭な反撃により停止。
国境中部から侵攻したソ連第9軍も、ラーテ街道にて一部部隊が包囲され孤立していた。

12月16日
フィンランド軍の果敢な反撃によって停止させられている状況を打開しようと、ソ連軍がマンネルヘイム線に対して総攻撃を実行。
しかし、フィンランド軍の防衛陣地の前に攻撃失敗を繰り返して損害が増大。
スオムッサルミでの戦いにおいてもフィンランド軍の攻撃によってソ連軍は完敗を喫し、第9軍は甚大な被害を負うこととなった。

しかし、2月11日にソ連軍は再度の総攻撃を実行してマンネルヘイム線を突破。

3月11日
フィンランドは国土の約10%をソ連に割譲して講和。
独立は守り通したものの、フィンランドにとっては過酷な結果となった。
一方、ソ連でも圧倒的だったはずの自軍が小規模なフィンランド軍の前に予想外の大被害を受けたことに驚愕することとなった。

26: 奥羽人 :2022/05/23(月) 19:38:17 HOST:sp49-98-172-180.msd.spmode.ne.jp


ウェーザー演習作戦

1940年4月9日
英仏による中立侵犯の予防を名目に、ドイツ軍がデンマークおよびノルウェーに侵攻を開始。
ドイツと直接国境を接する小国であるデンマークは、開戦から僅か数時間で降伏した。

ノルウェーは、開戦を受けて英仏に救援を要請したものの、状況の錯綜と混乱もあり、断片的な情報しか受けとれなかった英仏政府は対応に苦悩することとなった。

4月13日
戦艦ウォースパイトを中心として戦艦1、駆逐艦9隻で固めたイギリス艦隊が、ナルヴィクにて上陸を援護しているドイツ海軍部隊を撃破する為、オフォトフィヨルドに投入された。
対するドイツ軍は、仮称H39として建造されたウルリヒ・フォン・フッテン級戦艦のネームシップ「ウルリヒ・フォン・フッテン」が旗艦の戦艦1、駆逐艦8隻の戦力でこれを迎え撃った。

ドイツ海軍が有力な戦艦を投入してくるとは考えていなかったイギリス艦隊は多少動揺するものの、そのままフィヨルド内での両戦艦による砲撃戦へと突入した。

主砲においては38.1cm砲のウォースパイトに対して、40.6cm砲を持つフッテンが有利だった。
しかし、フッテンの装甲防御力が16インチクラスの戦艦としては低めなのと、ドイツ海軍自体の練度や経験値の低さによって、戦況はほぼ互角に推移。
先にフッテンが中破して攻撃能力を喪失。しかし、同時にウォースパイトも駆逐艦の魚雷を受けて右舷後方を損傷。
これ以上の損害の拡大を厭ったイギリス艦隊が退却したことで、この海戦はナルヴィクの防御に成功したドイツの戦略的勝利となったのだった。

14日には連合軍がトロンヘイムに上陸を試みたものの、ドイツ軍の猛反撃に遭い失敗。
ノルウェーでの戦いの主導権は、完全にドイツに握られてしまったといっても過言ではなかった。




そして5月。
ついに、ドイツ・フランス・ベネルクス国境にて大きな動きが始まる。

27: 奥羽人 :2022/05/23(月) 19:40:28 HOST:sp49-98-172-180.msd.spmode.ne.jp
ひとまずは以上となります。

日本が関わらないと多少ドイツがハッスルしてる以外は殆ど史実みたいなものになりますね……。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年05月31日 01:21