384: 弥次郎 :2022/05/18(水) 22:55:23 HOST:softbank126041244105.bbtec.net
憂鬱SRW アポカリプス 星暦恒星戦役編証言録「フラグメント・スクランブル」2
「準備は?」
「私の持ち出せる資料とサンプルは全部用意した……」
「そう。ほかには?」
「現在進行中の計画と実験についても情報を集めて持ち出したわ。越権も同然だけど」
「わかったわ。あとはここに迎えが来ることになっているから、暫く待っていて」
「……」
「大丈夫よ、連合なら『適切』に対処してくれるわ」
「簡単に言ってくれるわね」
「貴方は私以上の重要参考人だもの。無下に扱うことはないわ」
- サンマグノリア共和国グラン・ミュール内某所にて、レーナとアネットの会話。その日を以て、アンリエッタ・ペンローズは地球連合に亡命した。
「ショーレイ・ノウゼン……ショーレイ・ノウゼン……いたわね」
「レギオンの支配域の奥に引きこもっているね…」
「けど、どこに隠れようとノウゼン少尉に執着し、痕跡を残している以上、発見できるわ。
ノウゼン少尉のアストラル・パターンに類似する個体を探せば、自然と絞り込めるしね」
「どうするんだい、見つけたはいいけど」
「まだ行動には移さないわ。ノウゼン少尉は兄をレギオンから解放することを目的に行動している。
けど、それを失ったら?理由もなく戦場に出続けていたら、いつか死ぬわよ。希死観念自体がなくなったわけじゃないもの」
「しばらくは様子見、か」
「彼をこの世にとどめる楔や錨のようなもの、あるいは存在が現れてくれれば……けど、彼は天涯孤独なのよね」
- シンの依頼でオカルト方面の技術でレイを特定したブレンヒルト。しかし、諸般の事情から伝えるのは遅らせることに。
「どうです、ノウゼン少尉。ナースホルンはジャガーノートと雲泥の差でしょう!」
「はい。ただ、もっと……速く動けませんか?敵の攻撃を受け止められるのはわかりましたけど、性に合わないので」
「まあ、ジャガーノートに慣れている少尉ならF237型……いや、もっと上の機体でもいいかもしれないな。
少尉の乗ったナースホルン、量産型でも追従が難しいみたいだし」
「じゃあ、そっちでお願いします」
「了解した。ただ、ナースホルンの操縦についてのレポートは書くように」
「……はい」
- 訓練基地にて。一般的な量産型機であるナースホルンでは満足できないシンのため、イッソスやアレクサンドロスの用意が決定する。
『大丈夫ですか、ミリーゼ少佐?』
「え、ええ。なん、とか……ううう……」
『エチケットバックを口に当てておくことをお勧めしますよ。
しかし、やはりというかミリーゼ少佐は体が成長途中で、耐G適正などがまだ低いですね』
「そ、そうです、か……」
『少佐の希望するポジションではパイロットとしての技能は最低限身に着けてもらわないとなりませんから、これからも要訓練ですね。
ただ、こちらでも何らかの対策を考えてみます』
「は、はい……うぅ……」
- パイロットしての訓練も受けるレーナ。残念ながら、まだ成長期の彼女の適正値は低く、補う必要に迫られた。
「こ、これを全部……」
「遺憾ではありますが、肉体を鍛え、パイロットとなってもらうためには食事からと言いますので。
正直なところ、合成食は栄養は取れますが…最低限の栄養でしかない。成長にはより多くの栄養が必要です。まあ、いきなりは厳しいでしょうから…」
「……食べます!」
「え?」
「食べきってみせます!」
「ま、待った!少佐!落ち着いて!」
- 肉体改造のため、食事から改善されることになるレーナ。なお、後年この努力が実って「色々」大きく成長することになる。
「エイティシックス達の耐G適正とかとんでもないな…」
「あの駄作機だと、戦うには機動戦闘しかないからな…それに適応できないパイロットから死んでいった結果だろう」
「……攻撃をかわさないと死ぬ。背後や側面をとらないと死ぬ。敵の射線やキルゾーンを理解しないと死ぬ、か。
実戦に勝る訓練無しとかいうが、これは話が別だろう」
「保護機能もない機体であの動きだし、身体への負担も大きいしな…」
- エイティシックス達の身体データを計測して連合の教官達。高い能力を持っているが決して喜べるものではなかった。
「エイティシックス間でのトラブル、ねぇ?」
「差別される側も、さらにその中で差別する相手を作り出すことで不満を回避する。
人類史上においては良く繰り返された行為ですな」
「話によれば、国外の血統や絶対数として少ない人種が差別される傾向にあるそうです」
「……徒に隔離していも意味はない。なら、こちらからの視線もある程度厳しくしないとならないか」
「ですね」
- 訓練施設でのエイティシックス間のトラブルについての話し合い。エイティシックスだからといって、前任とは限らなかった。
385: 弥次郎 :2022/05/18(水) 22:56:13 HOST:softbank126041244105.bbtec.net
「もうあの駄作には乗れないね」
「ジャガーノートに比べると天国だよこいつは」
「こういうの作れないのってほんと白豚はクソだね」
「先に逝った連中には悪い気がする」
「しかし、地球型惑星だから人口もかなり大きくて、逃がすのは苦労しそうだな…」
「同感。レギオンとの戦争で人が減っているとはいえ、それも多くの人類が生き残っている。
エクソダスをやるとしたら、どうしても時間はかかりそうだな」
「最悪レギオンは放置してもいいかもしれないが…」
「サンマグノリア共和国の存在が問題になるな、確実に」
「あんな国でも救わなきゃならんのが辛いところだな……」
- 宇宙怪獣襲来とその最悪の事態に備えたエクソダス・プランを練る地球連合の人員の会話。
「こんなものを10年足らずで作り上げた!?しかも全くそうとも知らず!?
【自主規制】、【削除済み】!【見せられないよ!】!」
「特級の霊地だな、悪い意味で……」
「うえぇぇぇ……もう気分が悪い」
「内部はもっとひどいことが確認されているわよ……」
「シルト中佐、本当ですか…?」
「見えている以上に内部は濃縮されているわ……東洋でいうところの蠱毒と言う奴ね」
「ヒェッ……」
- 大洋連合系のオカルト関係者、サンマグノリア共和国のグラン・ミュールを見て。
『こんな大規模術式を施すなんて、露呈しません?』
『そのリスクを背負ってでもやらないといけないくらいやばいってことだろ』
『建前的にはサンマグノリア共和国からの攻撃に備えた陣地の形成ってことですしね』
『とはいえ、グラン・ミュール自体が障壁となっているので、外側から働きかけてどれほど効果があるか……』
『内部の状況把握と内部への潜入者への援助も兼ねているって話だし、全く無駄じゃないさ。
少しでも和らげないと、内部への潜入が危険どころじゃないし』
- グラン・ミュールの外側に建築されつつある地球連合の建造物を利用した、大規模浄化儀式の準備を進めるオカルト関係者。
「グラン・ミュールの外に……86区に出たとはどういうことだ、ミリーゼ少佐!」
『その言葉の通りです。地球連合からの戦力供出要請に応じ、86区での戦闘戦力となる人材を集め、出向しました。
正式な要請ということで政府にも軍にも報告は行っていることです』
「だが、少佐の任務は……」
『そちらはリモートで参加するので問題ありません。それに、私がこれまでにまとめたレポートがどれほど読まれ、評価されているか分かったものでもありませんし』
「……ッ!」
『それに、いつまでも要請を拒否し続けていれば、戦後のサンマグノリア共和国の立場は悪くなる一方です。
私は戦犯として裁かれたくはありませんので、申し訳ありません。一応そちらに戻るときは連絡いたしますので。
それでは、カールシュタール准将。またお会いできる機会に…』
「戦犯……!?待っ、レーナ!……切られた、か」
- 連合からの要請に合わせる形で事実上出奔したレーナと、それに慌てたカールシュタールの通信。
「アンリエッタ・ペンローズの処遇は?」
「現在のところ、取り調べ中です。ミリーゼ少佐から得られた情報の裏取りの最中ですね」
「彼女とその父が、エイティシックス達に強制されているパラレイドデバイス施術の研究の第一人者。
これ以上になく、戦犯となりうるものですな。あるいは山羊か」
「そうですね。この時点で亡命を受け入れたのは大きいかと。
彼女の知識と技術は、あの有機デバイスの処理を行うには必要です。
さすがに迂闊に手を突っ込んで、被験者に問題が出ては溜まりませんからね」
「彼女の持ちだした資料の精査も急ぎましょう。流石主任研究員、彼女が持ち出せるものは一級品ばかりです」
- アネットの処遇を話し合う場にて。共和国が他国にスケープゴートとして差し出しかねない人物の保護は願ったりかなったりでさえあった。
386: 弥次郎 :2022/05/18(水) 22:57:13 HOST:softbank126041244105.bbtec.net
以上、wiki転載はご自由に。
色々と動きはあるんだよって感じです。
387: 弥次郎 :2022/05/18(水) 23:05:39 HOST:softbank126041244105.bbtec.net
誤字修正をお願いします。
384
×「レギオンの支配記憶に引きこもっているね…」
〇「レギオンの支配域の奥に引きこもっているね…」
最終更新:2023年08月23日 23:18