414: 194 :2022/05/25(水) 23:25:31 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その62 過激派の暴走を阻止せよ!


既に死に体状態だった核攻撃派。その中でも特に厄介な過激派がクーデター紛いの行動をやらかしたという事実に、乙世界の関係者達は揃って頭を抱えた。
何せ強奪した物が、よりにもよって運用中止と解体が決まっていた戦略原潜・ヴィクトリーだったからだ。
性能に関しては後述するが、オペレーション・ジャッジメントの発動時にその力を発揮する筈だったこの艦が、今やこの世界の地球に甚大な被害を齎しかねない災厄と化している。
関係者でなくても、頭を抱える状況だ。
一方の超大陸世界と甲世界の関係者達も、予想外の事態に困惑していた。しかし、過激派のクーデターでは無い。
今回強奪された潜水艦を調べた所、異常なまでの核の投射能力が持たされている艦である事が分かったからだ。こういう艦が作られていたという事実に、関係者達は


「一体どういう使用状況を想定していたのか?」


という疑問を抱いた。今回強奪された潜水艦は、それ程までの過剰な核攻撃能力が持たされているのだ。
しかも、今回行動を起こした過激派の事を調べた結果、「50億人救済計画」とかいう物騒極まりない単語すら出て来たのだ。
そんな訳で、両世界の関係者達は最も付き合いが長い横手司令に、かの潜水艦や敵の首謀者の事等を直接聞く事にした。


横手「ジョナソン・アルコーンですか・・・。私自身も、幕僚長の付き添いで合同作戦司令部に行った際に少しだけ話した程度ですが・・・」


そう前置きした上で、彼について知る限りの事を話す。
蒼空大戦初期の頃に、目の前で家族を殺された事。その為、蒼空邪軍への恨みは以前のレイに匹敵する物を持っている事。かつての大規模核攻撃の提案者であった事。
戦娘達へは敵意に近い感情を抱いている事。そして・・・オペレーション・ジャッジメント推進の中心人物だった事を話す。


柏木「・・・ちょっと待って下さい。何です?その『オペレーション・ジャッジメント』とかいう物は?」

横手「これは我々の世界の最高軍事機密の一つですが・・・この様な展開となった以上、話さねばなりませんね。知っている限りですが、お話します」


そう言って、オペレーション・ジャッジメントの内容を知る限り話す横手。
全世界規模で蒼空邪蒼黒雲・蒼空邪蒼黒霧・蒼空邪蒼黒孔といった敵戦力を生み出している物や対空迎撃姫級、それ以外の姫級及び鬼級や敵の大規模部隊に対する全力核攻撃。
攻撃後の汚染や一般市民への被害を一切考慮しない、唯々蒼空邪軍の完全殲滅だけを目的にした狂気の作戦内容に、超大陸世界と甲世界の関係者達は開いた口が塞がらない状態だった。
そんな中、どうにか再起動に成功した神崎提督が、搾りだす様な声で問いかける。

415: 194 :2022/05/25(水) 23:26:01 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
神崎「・・・すまない、横手君。冗談だよな?・・・冗談だと言ってくれ」

横手「・・・残念ながら一時期本気で検討され、戦況次第で本当に実施される予定だった作戦です」

シエ「・・・ソノ計画ヲ立テタ連中ハ、後ノ事ヲ考エラレナイドゥスナノカ?」

横手「・・・ドゥスとは?」

フェル「・・・日本語で言う所の『馬鹿』という意味デスヨ」

横手「・・・そう言いたい気持ちは分かります。ですが・・・支援が来る前の我々は、そこまで追い詰められていた訳なのです」


横手の言葉に一斉に頭を抱える関係者達。幾ら追い詰められているとはいえ、最悪共倒れになり兼ねない作戦内容だ。これを聞いて頭を抱えない方がどうかしている。


柏木「・・・そうなると、連中がやらかそうとしている『50億人救済計画』というのは」

横手「・・・恐らくですが、強奪した潜水艦で南極に有るワームホールに、核攻撃を仕掛ける気でしょう」

多川「何を考えているんだ。仮に南極を核攻撃しようものなら、地球規模で気象変動が起こるぞ!犠牲者の数が想像付かないぞ!」

柏木「それにワームホールを破壊出来ても、そもそもの首謀者であるトラー・ゲルトナーを倒す事は出来ない。放っておいたら、何時かまた攻めて来るぞ!」

シビア「何より、この攻撃でワームホールを破壊出来るとは限らない。最悪、無駄撃ちに終わる危険性も有る。以後の事を考慮するならば、今回の攻撃を阻止する必要があると、確信する」

神崎「そうなると、どこから攻撃を仕掛けるかだが・・・攻撃は南極のみになるのだろうか?」

横手「・・・最終目標が蒼空邪軍の殲滅である以上、南極のみの攻撃で終わるとは考え辛いですね。そうなると・・・」

多川「・・・オセアニアや南米にも、核攻撃を仕掛ける可能性も有るか」

柏木「そうなると、それ等三か所を攻撃可能でかつ対潜哨戒機が届きにくい海域に逃げ込みそうですね・・・」


柏木の呟きを聞きながら、海図を見る神崎。頭の中で様々な可能性を考慮し、確率の低い物を排除していく。

416: 194 :2022/05/25(水) 23:26:33 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
神崎「横手君。件の潜水艦は出航後、どの方向へ逃走したかね?」

横手「・・・確か、南東方向へと向かったそうですが」

神崎「・・・・・恐らくだが」

柏木「・・・もしかして、逃げ込んだ先が!?」

神崎「・・・あくまで推測だが、南極・オセアニア・南米を攻撃範囲に収めると共に、陸地から可能な限り遠い所となると・・・恐らく、この海域に向かっている可能性がある」


そう言って、海図の一点を指さす神崎。
その地点はピトケアン諸島・イースター諸島・南極のメイハ―島から最も離れた海域だった。


多川「・・・ポイント・ネモですか!」

フェル「ポイント・ネモ?」

柏木「この海域は、各陸地から約2700㎞離れた海域で、別名『人工衛星の墓場』と呼ばれている海域なんだよ、フェル」

フェル「ホエ~、ソンナ海域があるデスカ。マサトサン、物知りデス」

神崎「それぞれの地域からは距離は有るが、対潜哨戒機の妨害を受けにくい海域だ。恐らくこの海域辺りから、長距離核攻撃を仕掛けようと目論んでいるのかもしれない」

横手「・・・逃げた方向から考えると、それが最も可能性が高いでしょうね。かの潜水艦は、単艦での戦闘力も高いと聞いています。戦娘達を派遣する事を提案します」

柏木「ティ連や、せめて艦娘の皆さんによる助力は?」

横手「・・・今回のこの事件は、我々の世界の人類の手で決着を付けねばなりません。他の方々には、各種サポートをお願いします」

フェル「分かりマシタ。デハ、該当海域までデロニカで輸送するデスヨ!」

横手「・・・よろしくお願いします」


方針が決定し、過激派の暴走を止めるべく行動に移るメンバー達。
かくして、乙世界の人類同士が相打つ戦いが始まろうとしていた。

417: 194 :2022/05/25(水) 23:27:04 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
オマケ

超弩級戦略型潜水艦「ヴィクトリー」(最終仕様)

全長:668m
全幅:145m
基準排水量:758000t
満載排水量:1157600t

主砲:680㎜レールキャノン 単装一基1門
副砲:127㎜レールガン   単装四基4門

その他の兵装

VLS(SLBM)72セル
VLS(各種ミサイル及び迎撃ドローン用)144セル
30㎜CIWS×8基

搭載機:対空迎撃ドローン及び対艦迎撃ドローン×48機

機関:高出力原子炉×4基

速力:水上40ノット
   水中50ノット

乗員数:240名


オペレーション・ジャッジメントの遂行する為の戦力の一つとして、当時の人類の技術の全てを投入して建造された潜水艦。建造はハワイ・オアフ島に作られた、秘密の地下ドックにて行われた。
当初は艦の前後に72セルずつのSLBM用VLSを搭載し、全部で144セルにも及ぶ大量の核ミサイルを搭載した、一種のミサイルキャリアー的な艦が想定されていた。
だが、超大陸世界とゲートで繋がり各種援助が得られた結果、設計は変更を余儀なくされる。この時点ではまだ戦局は予断を許さない状態であった事から、通常ミサイル用のVLSや30㎜CIWSの追加程度に
留まっていた。だが、超大陸世界の介入と援助により戦局が予想を超えるスピードで好転していった結果、またもや設計の変更を余儀無くされ、建造開始が大幅に遅れてしまった。
核ミサイル以外の核の投射手段を模索した結果、超大陸世界の技術に触れた事で知見を得たレールガン系統の技術を採用する事となり、前部SLBM用VLSが撤去。空いた箇所を転用する形で
680㎜レールカノンを搭載。また、近接防御用に127㎜レールガンを計4基追加で搭載している。これ等の砲は、新たに開発された水爆砲弾を発射可能としている。
その他にも、200㎜対空散弾を搭載した対空迎撃ドローンやハープーンを装備した対艦迎撃ドローンといった物も開発され、本艦の防御用兵器として搭載されている。
そしてこれ等の兵器を動かす為の電力を確保する為、極めて高出力な原子炉を4基も搭載。更にレールキャノン用に、大量のリチウム電池も搭載されている。
建造が遅れに遅れたのを取り戻すべく関係各所が尽力した結果驚くべきスピードで建造が進み、どうにか完成。万が一に備えて核ミサイル及び水爆砲弾が搭載される。
が、その頃には蒼空邪軍はユーラシア大陸から完全に撤退。主にオセアニアと南米に展開するのみとなってしまう。
急速に存在意義を失う本艦へのトドメとなったのは、オペレーション・ジャッジメントの無期延期・事実上の凍結だった。
その結果、核攻撃に殆どのリソースを振り分けていた本艦は無用の長物と化してしまい、運用中止と解体が決定される。
以後は退役と解体を待つのみとなっていたのだが・・・地球とアクアリスを繋ぐワームホールの位置が判明した結果、暴走した過激派の手で強奪されてしまう。
その為、人類の切り札となる筈だった本艦は、一転して災厄を齎しかねない破滅の使者と化してしまう。その為、過激派の暴走を止めるべく戦娘達が出撃。乙世界の人類同士が相打つ展開となってしまったのだった。

418: 194 :2022/05/25(水) 23:27:35 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
以上です。オペレーション・ジャッジメントの詳細を知って呆気にとられる並行世界の面々の様子と、攻撃の為に向かった海域の推測。
そして、エ〇コン7のア〇コーンを超える大きさを誇る化け物潜水艦のスペック、と言う流れとなりました。
南極・オセアニア・南米を攻撃範囲に収められる場所という想定の元、行けそうな海域を探した結果、衛星の墓場であるポイント・ネモが選ばれました。
探せば他にも有りそうですが、ハワイから近くて対潜哨戒機の妨害を出来うる限り排除しようとした結果、この海域になりました。
そして潜水艦ヴィクトリーですが、元ネタが元ネタだけに似通った感じになってしまいましたが、ご容赦の程を。全く新しいのを思いつくのはなかなか大変ですorz
そんな艦ですが、周りの状況に振り回された挙句、完成した頃には無用の長物と化してしまうという悲劇に。そう考えると、この艦も悲運の艦と言えます。
ですが過激派は見捨てられたこの艦を自らの切り札として強奪します。果たして、過激派の暴走を止められるのか?その辺りはまた次回以降に。それでは。
wiki掲載は、自由です。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年06月12日 18:09