485: 194 :2022/05/28(土) 15:05:29 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その64 悲しき愚者達の最後


レイ達がミサイルの迎撃を行うと同時に、対潜攻撃能力を持つ戦娘達がヴィクトリーに攻撃を仕掛ける。
SLBMを発射している最中は、激しい回避機動を取る事は出来ない。あわよくばそのまま撃沈、無理でも損傷を与えようとしたのだが・・・
ヴィクトリー側も必死であり、大量のデコイをばら撒くと共にVLSから対空・対艦双方の迎撃ドローンを射出。戦娘達を妨害する。
それでも複数の対潜ミサイルが直撃したのだが・・・満載排水量が100万トンを超えるヴィクトリーにとってはあまり有効なダメージにならない。
とはいえ損傷は損傷なのは間違いなく、徐々に浸水が増えていく。辛うじてSLBM用VLSへの被弾は免れてたが、余り浸水し過ぎては核砲撃が出来なくなる。
ジョナソンは決断した。


ジョナソン「SLBMはあと何発残っている?」

砲雷員「あと四発です!」

ジョナソン「それを撃ち切り次第、急速浮上。長距離核砲撃に移行する!」

砲雷員「宜候!」


それから間もなくSLBMを打ち尽くしたヴィクトリー。
100万トンを超える巨体が、海中から躍り出て来た。
すかさず取り囲み、攻撃を開始しようとする戦娘達。成層圏近くまで上がりながらも、どうにかSLBMを食い止めたレイ達も急降下しつつ攻撃に加わる。
だが、ヴィクトリーも激しく抵抗。残っていた迎撃ドローンを全て射出すると共に、VLSからミサイルを発射。更に127㎜レールガンが激しい射撃を加えて来る。
それ等が時間を稼いでいる間に、レールキャノン砲撃の準備を進めるヴィクトリー。砲撃の時間は、刻一刻と迫る。
何とかレールキャノンに取りつこうとするレイ達だが、欧州で交戦した戦略砲撃潜水艦鬼級に匹敵する戦闘力とドローンを連携させる戦闘方法に苦戦。
特に、弾薬を打ち尽くしたドローンが体当たりを仕掛けてくる事も有り、中々取り付けずにいた。

486: 194 :2022/05/28(土) 15:06:00 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
レイ「アルコーン中将!!何故・・・何故死ななくてもいい人達を、殺そうとするのですか!!」

ジョナソン「今更言葉を重ねようと、無意味だと気付かんか?小娘!!これは我々の使命!!我々だけの、誰にも侵す事の出来ないたった一つの権利という物だ!!」

こんごう「馬鹿な事ヲ!!どう言い繕うと、南極への核攻撃ナンテ許される物デハナイ!!貴方の家族は、そんな事を望んでなんかイナイ!!」

ジョナソン「知った様な事を言うな!!家族を目の前で奪われ!!その敵を討つ為に、我々が再び前を向く為に心血を注ぎこんできた攻撃計画を、『無用の長物』呼ばわりして我々毎捨てられた時の気持ちを!!」

ジョナソン「家族の敵を討つ為に!人類を救う為に!我々が再び前を向いて歩く為に!悪魔に全てを捧げてまで成し遂げようとしてきた事を、狂った愚者の産物と否定された!!」

ジョナソン「分かるか!?オペレーション・ジャッジメントが否定されたあの日、我々はもう一度死んだ!!否!!殺されたのだ!!」

ジョナソン「分かるまい!!敵討ちを否定され!!イカれた狂人とレッテルを張られ!!仇討ちを貴様等に委ねて、ただ生きているだけの血肉の塊となって果てろと宣告された絶望を!!」

ジョナソン「そんな残酷な結末など、我々は認めない!!我々の家族の仇は、他ならぬ我々の手で討つ!!誰にも邪魔はさせない!!誰にも!!誰にも!!」

レイ「・・・・・ッふざけるなぁぁぁ!!」


狂気に満ちた言い分に、あらん限りの声で叫ぶレイ。
家族を失ったのはこいつ等だけではない。自分自身もそうであるし、世界中の多くの人達も沢山の人間を失ったのだ。
その上に更に犠牲者を積み上げる愚行等、許せる筈も無かった。


レイ「家族を失ったのは、貴方達だけじゃない!世界中で、沢山の人が死んだ!なのに・・・その上まだ犠牲者を出そうなんて!!」

レイ「ただ自分達が満足したいが為に他人に平然と犠牲を強いる貴方達に、家族の敵討ちなんて・・・言う資格はない!!」

ジョナソン「分からんか?これはレクイエムなのだ!我々の家族の!死んでいった全ての人間達の!狂人と言うレッテルを張られて殺された我々の!」

ジョナソン「全ての生きる者達を導く救済のレクイエム!これが為された時、我々は!生き残った人類は!新たな道を進む!まさに死と再生の為の儀式なのだよ!!」

ジョナソン「それを間違いだと否定するなら止めて見せろ!いつ再び核攻撃をしてくるか分からない連中を相手に、生き残る為に死に物狂いになれない小娘共よ!!」

レイ「・・・ッ!!」

487: 194 :2022/05/28(土) 15:06:32 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
何とか阻止すべく、強引に接近するレイ。
だが、レールキャノンは既に所戟準備を終え、今にも発射されようとしている。


ジョナソン「あと十秒!もう誰にも止められん!終わりと始まりが、間もなく訪れる!!」

ジョナソン「レミリア!アイリス!やっとだ・・・!やっと、お前達の仇を!!」


ドローンを強引に跳ね除けながら迫るレイ。だが、間に合わない!


レイ「・・・間に合わないッ!!」

イッチ「だぁりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

レイ「先輩!ッ!?」


思わずイッチの方を見るレイ。
強引に海面ギリギリまで降下したイッチが、自身の格闘戦用の武器・グングニルをレールキャノン目掛けて投げつけたのだ。
強化外骨格の出力を最大まで上げ、凄まじい力と共に投げられたグングニルはレールキャノンの砲身に直撃。
それと同時に核砲弾が放たれたが・・・グングニルの直撃で砲身が跳ね上がり、尚且つ砲身そのものが激しく揺れた為、南極まで届かず。
途中で失速した核砲弾はタスマン海のほぼど真ん中に落下して炸裂した。


砲雷員「砲弾は南極まで届かず!タスマン海に落着しました!」

いちご「もう終わりだよ、中将!大人しく投降」

ジョナソン「まだだ!!まだ核砲弾はもう一発ある!!ここまで来たのだ!!我々は、最後まで諦めない!!」

砲雷員「中将!先程の被弾でFCSが故障!砲の仰角を修正する事が出来ません!!」

イッチ「もう諦めなよー!!正確に狙えない以上、攻撃する意味h」

ジョナソン「いいや!まだ諦めん!砲身のズレはどうなっている!?」

砲雷員「左に五度。上に七度の誤差が有ります」

ジョナソン「左右のズレはサイドスラスターで修正しろ!更に前部タンクに注水!艦前部を沈めて仰角を修正する!!」

いちご「何でそこまでして戦おうとするの!?いい加減諦めなさい!!」

ジョナソン「一つ教えてやる、小娘共!真に人を殺すのは諦めだ!諦めこそが、人をただの血肉の固まりへと変えてしまうのだ!!」

ジョナソン「だから私は!我々は!最後まで諦めない!!家族の為!人々の為!地球の為!そして・・・自分が自分であり続ける為に!!」

ジョナソン「自らの手で仇を取る事が出来る貴様等小娘共とは違う、たった一つの方法に全てを捧げてきた我々の!我々だけのこの攻撃を!誰にも否定はさせない!!」

レイ「・・・うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

488: 194 :2022/05/28(土) 15:07:04 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
斬邪丸・極を手に最大速度で突貫するレイ。
僅かな数となった迎撃ドローンが阻止しようとするが、体当たりで強引に突破。レールキャノンの基部に斬りかかる。
再充電が完了し、今まさに発射されようとしていた所にレイの一太刀が炸裂した。
この致命的な損傷でレールガンに充電されていた電流が逆流。大量のリチウム電池が爆発し、次々と誘爆を引き起こす。最早ヴィクトリーが助からないのは、誰の目にも明らかだった。

そのヴィクトリー艦内のCICだが・・・ジョナソンはまだ生きていた。とはいえ、既に全身に深い切り傷を負い、出血も止まらない。助からないのは目に見えていた。他のクルー達は、既に息絶えている。


ジョナソン「・・・クソッ、忌々しい小娘共め」


悔しそうにそう呟くジョナソン。と、CIC内にレイの声が響き渡る。どうやら、通信機器は奇跡的に無事だったらしい。


レイ「ジョナソン中将!そちらに向かいます!貴方を・・・軍法会議に掛けなければいけません!」

ジョナソン「・・・余計なお世話だ、小娘。既に血を失い過ぎている、どのみち助からん。自分の死にざま位・・・こちらの好きにさせろ」

レイ「何を無責任な事を言っているんですか!そんな逃げ・・・私は絶対に許しません!」

ジョナソン「・・・許す許さないは、私が決める事だ。・・・小娘が口を出すんじゃない。・・・それに、ヴィクトリーの自爆装置が作動している。・・・確実に巻き込まれるのがオチだ」

レイ「自爆装置!?」

ジョナソン「・・・この艦が致命的な損傷を負った時に、自動で作動する物だ。・・・止める事は不可能、無理に止めようとしたらその瞬間爆発する代物だ」

レイ「・・・中将」

ジョナソン「・・・これでよかったのだ。自分の生き方を変える事が出来なかった、愚かな我々の・・・最後は・・・」

レイ「・・・それでも、私は諦めません!直ぐにそこn」

ジョナソン「来るなと言っている!!・・・こうなった以上、心の底から忌々しいが・・・貴様達に、家族の仇討ちを頼まねばならん。・・・本当に、忌々しいがな」

レイ「・・・・・」

ジョナソン「さぁ、行け!!貴様までこの艦に自爆に巻き込まれたら、家族の敵討ちが果たせない!そうなれば、我々は犬死だ!我々の行いを間違いだと断じた以上、その言葉を、貫き通して見せろ!!」

ジョナソン「・・・貴様達の行く末を、地獄の底からのんびり見させてもらおう。・・・さらばだ」


そう言って、通信機のスイッチを切るジョナソン。
通信が切れたのを確認したレイは、唇を嚙み締めながら海域を離脱していった。

艦内に残されたジョナソン。彼はポケットに手を入れ、家族の写真を取り出す。


ジョナソン「・・・レミリア・・・アイリス。・・・すまないが、お前達の所には行けない。・・・・・さようなら・・・だ・・・」

489: 194 :2022/05/28(土) 15:07:34 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
そう呟いてこと切れるジョナソン。それから間もなく自爆装置のカウントがゼロとなり、艦中央で大爆発を起こす。
船体が真っ二つに割れたヴィクトリーは狭間に没し、水中で大爆発。多くの人工衛星が眠るこの海域で、最後の希望と望まれながらも最終的に無用な長物として終わる筈だったこの艦は、
最後まで彼女を見捨てなかった、自分自身の生き方を変える事の出来なかった哀れな愚者達と共に、永遠の眠りについたのだった・・・。


全てを終え、日本へと帰還するデロニカ。
その艦内で、レイは何をするでもなく、ただただ青い空を見つめていた。


こんごう「・・・ここにいまシタカ、レイ」

レイ「・・・こんごうさん」

こんごう「・・・ヤッパリ、まだ気にしてイマスカ」

レイ「・・・あの人達の事は、やっぱり間違っている。それは、今も断言出来ます。ただ・・・」

こんごう「ただ?」

レイ「あの人達の結末は・・・道を間違えてしまった、別の世界の私の未来を、写しているような気がしてならないんです」

こんごう「・・・」

レイ「・・・幸い、私には隊長や先輩・いちごちゃんやこんごうさん達が居ました。並行世界の人達も居てくれました。・・・でも、あの人達にはそういう人達が居なかった」

レイ「ただひたすら、蒼空邪軍への憎しみだけで突き進み・・・憎しみの炎で、その身を焼いてしまった」

レイ「ほんの少しだけ運命が違ったばっかりに、こういう結果を招いてしまったんだって・・・」

こんごう「・・・レイ。・・・彼等の気持ちが分かり、その上で間違ってイル。そう思っているのは、確かデスネ」

レイ「・・・はい」

こんごう「・・・なら、彼等の事を決して忘れナイデ。彼等ノ過ちと悲劇を真摯に受け止め、それを覚え続ける事。それが、彼等への何よりの鎮魂デス」

レイ「こんごうさん・・・」

こんごう「今この時だけデモ、彼等の為に祈りマショウ。彼等の悲劇を、繰り返さない為ニモ」

レイ「・・・はい。こんごうさん、ありがとうございます。・・・それはそうと」

こんごう「何デス?」

レイ「何か知らせを持って来たんじゃ?」

こんごう「そうデシタ。・・・南米の連中デスガ、とんでもない事をやってるトノ知らせが」

レイ「とんでもない事?」

こんごう「入り込んでるスパイの知らせデ・・・連中が、コア製造用の生贄を蒼空邪軍に捧げてイルトカ」

レイ「ええっ!?」


予想外の言葉に、思わず驚きの声を上げるレイ。このご時世に生贄とか言う言葉を聞くとは思わなかったからだ。
だが、それが事実なら止めなければならない。かくして、休む間もなく南米の解放作戦に参加する事となるのだった。

490: 194 :2022/05/28(土) 15:08:04 HOST:ai126213181139.77.access-internet.ne.jp
以上です。過激派の連中とヴィクトリーとの戦い。そして、彼等の最後の様子でした。
名文句ですが、勢いのままに書いたはいいですが、自分の力量ではこれが精一杯でしたorz。他の方々の表現力が心底羨ましく思っております(涙)
さてこの戦いですが、此処で時間が取られた事で後の戦いにてヤバい奴が出てくる事になります。原案者であるクローサー様から設定を頂いた物です。
詳細は・・・今も細々とした修正をなさっている事も有るので此処では明かさず、後日詳細な設定と共にご紹介します。
今後のタイムスパンですが、南米解放→オセアニア上陸作戦→エアーズロックにて決戦→南極ワームホール攻防戦→アクアリスで最終決戦となっています。
↑で言っているのはアクアリスで出てきます。お楽しみに。
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最終更新:2022年06月12日 18:11