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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦 幕間 財務省、その顛末
対馬より数ヶ月、BOBも始まる前の銀河連合日本改め、大日本帝国帝都東京内閣総理大臣官邸。
そこで現代の宰相となった二藤部は目の下に隈を作りならが執務室のソファに座り書類に目を通す。
その対面には三島も座り同じく書類に目を通すがこちらも目の下に隈を作っている。
対馬からこっち、東西両戦線で侵攻が激化した欧州へと追加を送るべく問題ありながらも寝る間も惜しみ準備を続けていたが更に問題が発生し増援の規模を縮小せざるを得ず。
問題への対処するためにさらなる徹夜を余儀なくされたからだ。
「そういえば神崎提督は大丈夫でしょうか…。」
「ああ、艦娘達は実働で動けねえから侍女長の武蔵さんに浅間の巫女さん辺りが看病してるって話だ。」
二藤部は激務で倒れたと聞いた神崎のことがふと頭に浮かび心配の声を漏らし、三島はその疑問に答える。
その会話を聞きながらコーヒー用意している二藤部の秘書は年齢考え自分達の心配をしろと言いたかったが状況が許さないのでその言葉を飲み込んだ。
そして三島はその原因の一つとなった自分の部下達への文句を口にする。
「たく…財務省のバカ役人共め、何も言わずさっさと補正予算組んでりゃいいのによお…邪魔しやがって。」
「お陰で神崎島が予算を拠出し流しそこから欧州派遣部隊などにという二度手間をする羽目になりましたからねえ…。」
「それが原因で財務省そのもの機能を強制停止する羽目になったんだから世話ねえし、更に提督に負担かけちまったんだぞ。」
三島はそれも神崎が倒れた原因だろうと言う。
それもこれも始まりは対馬戦後、財務省は戦争状態にある中独との即時停戦を主張したからだ。
戦争とは国のリソースを無駄に消費する、対馬が終わったのだからここで手打ちにすべきというのが彼らの主張であった。
そしてそれは防衛省背広組や他省庁の一部、この時まだ生き残っていた野党や所謂マスゴミと称されるマスメディアや痴呆としか思えない自称知識人などにも存在する意見であった。
成る程確かに一理ある意見であったが、逆に言えば一理しかない意見でもあった。
既にこの戦争は生存競争の色を帯びてきているというのが日本政府、そしてその上のティ連上層部の意見であった。
悍ましい核兵器の製造と実戦使用、神という存在を弄ぶという狂気。
ドイツという国家は既に同じ人類という箍が外れている、いや最早同じ人類が治めている国なのかも疑わしい。
それは東部戦線で存在が確認されたエンゲルンパケット、日本語で天使の小箱と呼称される人の脳髄を用いた制御ユニットの存在、
そして早期終結をするために行った機神アルテミスによる軌道砲撃、無人機動兵器によるベルリン空襲などの斬首作戦が尽く防がれたことからも明らかだった。
しかしそれを知っても尚、彼らが首を縦にふることはなかった。
防衛省背広組は自分達の立場安泰の為、自衛隊の組織保全の為に追加の派遣を拒んだ他、
それまでは評価点となっていた予算の縮小をすべく派遣部隊の撤退や規模縮小すら提案してきた。
財務省に至っては公然とこれ以上の戦争は意味がないと批判、補正予算を編成を遅らせる為、遵法闘争による牛歩戦術へ移行。
各省庁に対し教化と称し予算の縮小による脅迫までちらつかせる程であった。
加え戦後復興の為と来年度予算縮小と増税を謳う程であった。
そしてそれらを称賛するマスメディアた痴識人、彼らの頭の中はもう戦後だったとしか思えない状況だった。
しかし彼らは忘れていた。彼らは国を運営するものであったが主権者ではないということを。
「しかしまあその後のことに関してはあまり言いたくはないですがざまあみろと思ってしまいましたよ。」
「まあその後処理で頭痛かったが俺も同じ気分だった。」
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そんな主張を続けていたある日、財務省始め各マスメディアはその顔色を変えることとなった。
霞ヶ関を埋め尽くす人人人人々、人の山。皆その瞳に怒りを浮かべていた。
財務省を始めとする者たちの行いにキレた日本国民であった。
あの対馬の儀式、日本を一つに纏め上げたその時に一時的ではあるが国民は一つに繋がった。
そして祈りを捧げた者達だけでなく対馬にいた者達や対馬で理不尽にその命を奪われた者達とも繋がったのだ。
故に感覚で理解した此度の戦争は負けてはならない不退転の戦(ゆっさ)なのだと。
負ければ主権はおろか魂されも奪われる戦いの邪魔をする者などこの国に不要なものと国民は断じたのだ。
そしてそのまま行けば暴動に発展していたであろう、その場には対馬で日本人の家族を理不尽に奪われたイゼイラ人や日本人も居たのだから。
だがそうはならなかった。
その時、二頭の白い馬が彼らの前で止まり、乗る二人の男性を見て全員が鎮まりかえったらだ。
この場にいる全員が分かる千代田の城から参られた方とその先代であると。
後先代の御召馬黄金船じゃね?あっち麦昆じゃね?とか一部で声が漏れたり。
そして二人は全員の前で声を発せられた。思い留まって欲しいと必ず何とかなるから信じて欲しいと。
政治を語ることを戒められているので多くを語ることは敵わないが何とかなるのだと信じられた。
対馬の奇跡を起こされた方達なのだから。
そしてその場は万歳三唱が響き渡り迎えに来た柏木御大共に去る御二人を見送りその姿が見えなくなるまで声が止むことなくその場は締めとなった。
その後のことを言うならば日本政府に加えティ連連合議会の裁可の下で即時に財務省はその権限を剥奪され機能は凍結、
職員は監視下に置かれその多くが復職すること叶わなかった。
また防衛省制服組の一部も更迭、若しくは閑職に回されることとなる。
そして財務省の機能と権限は後継機関設立まで臨時に神崎島大蔵省が代行、ティ連より派遣されたハイクァーン管理省及び対外貨幣財務処理を担う部署職員の補助で動かすこととなった。
何もそこまでしなくてもという意見も存在したが国民が許さず、何より今後こんな馬鹿をしでかさないよう見せしめも必要だったので黙殺された。
加え野党やマスメディア、自称知識人の的を得ない政治的主張や利敵行為も問題視されその多くが処罰された。
対馬での蛮行に加担したと見做された者は最大で内乱罪による死刑が適用された上に伊耶那美命により死後の世界も転生も許されず。
それ以外も破防法やマスコミ規制法の対象になり多くの者が裁かれることとなった。
これを『平成の大獄』、『大粛清』と呼ぶ者もいそうなものだがアレなマスメディアが尽く根切りにされた為にそんなことはなかった。
そんなことを話す二人に二藤部の秘書がコーヒーを持ってきた。
それを飲んで一息つくと会話を切り上げた。
「ま、あれだもう終わったことはどうでもいいからさっさと仕事終わらせようぜ。」
「ですね。これが終われば一休み出来ますし。」
そして二人は再び机に向かった。
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以上になります。転載はご自由にどうぞ。
最終更新:2022年06月12日 18:55