53: 635 :2022/06/18(土) 13:18:28 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦その三 女とパリを留守にした。その結果がコレよ
「やっぱり、神なれど世界は違えど同位体。近似の存在になりつつあるのね…。」
何だこれはというパーシヴァルとトトロット二人の言葉に嘆息するリシュリュー。
しかしとリシュリューは言うこのケルヌンノス自身が世界を害することはないと言う。
「このケルヌンノスは世界を呪っている訳でないわ。寧ろ世界を護り続けているのよ。呪いからね…。」
リシュリューはパリ奪還後、このケルヌンノスと接触した時、刹那の間だが会話が出来たその神が語ったこと語る。
このケルヌンノスは元々フランス…ガリアで広く信仰されていたケルトの冥界神にして豊穣神であった。
しかし十字の教えの広まりと共に段々と信仰は減り、最終的に他の神々と共に祀られていたシテ島に存在した祭祀場が破壊され祀られていたケルヌンノス諸共土中に埋め立てられ封じられた。
ケルヌンノスはそれも時代の流れ人の子の選択と受け入れていた。
そして祭祀場と共に永き眠りに就くこともアレがなければ出来た。
恐ろしい血によって心和む者、祭壇を染める生贄の血で心を休める者そして黄昏の死の女神。
ケルヌンノスと共に封じられたそれらの神々は祭壇を染め上げた死者の血により和む、即ち鎮まる為に常日頃生贄を求める荒ぶる神であり、封印されてなお人の命を求め続けた。
そして封じられて後、満たされることなき渇きから互いを生贄として貪り貪られ神としての形すら失い果てた末に神の蠱毒、犠牲者を求めるだけの現象、呪いの厄災と成り果てた。
ケルヌンノスは決意した、この者達を世に再び出してはならない。それが形を保つケルトの神としての責務であるとしこの呪いの厄災を封じ続けた。
また、祭祀場の上に大聖堂が建設されたことでケルヌンノスによる封印が補強されたことで永きに渡り厄災が表に出ることはなかった。
だが、近世に入り厄災の一部が現世に流出した。封印を担うケルヌンノスの祭祀場の一部が掘り起こされたからであった。
そして厄災は血を求め、命を求め人を動かし罪なき大勢の命を奪う、人の世でフランス革命と呼ばれた狂乱。
その後も第一次、第二次大戦を通じた呪詛と悪意の蓄積や姦淫によるノートルダム大聖堂と祭祀場のケルヌンノスの封印の汚染と弱体化、
革命派から現代の難民やイエロージャケットまでの狼藉によるパリの霊的防衛機構の弱体化により呪いによるケルヌンノス自身の汚染も急激に進んで行った。
そしてトドメとなったのがドイツによる侵攻によるパリでの大量の死者による穢れと極東での同じ冥界神の伊邪那美命の怒りや対州要塞姫の悲嘆。
お陰で現在ではケルヌンノスとの会話は完全に不可能となった上に何時祟り神と成り果ててもおかしくないとリシュリューは言う。
「リシュリュー達には穢を祓うことも出来るんだろ?何とかならないの?」
この世界でも、妖精國でも、このままでは余りにもケルヌンノスが不憫だとトトロットは訴えるがリシュリューはもう出来ることはしていると首を横に振る。
リシュリューは現在ケルトの神を日本の神と同一視することで日本式の神降ろしで無理やり降ろしケルヌンノスの穢を祓い続けていた。
リシュリューに降りたその神の名はセクァナ、セーヌの由来ともなった川と癒やしの女神、即ち祓戸にも繋がる神格の持ち主。
しかしその力と信仰は失われて久しく、その源泉である聖流セーヌの流れは長年の人による汚染が原因で穢きっていた。
急遽ハイクァーンも投入し水質を浄化しシテ島に神としての祭祀の場を整えたが衰えた信仰と力ではケルヌンノスに蓄積された呪いと穢を祓いきるには至らず、聖女ジャンヌ・ダルクの祈りも加わったが、そもそも霊的機構が完全に破壊され、地下の開発で地脈がズタズタにされているパリでは現状維持が関の山。
「もしこれ以上何かあれば危ういバランスの上にある現状は崩れ、ケルヌンノスは完全に祟り神と化すでしょうね。」
リシュリューはそう言う、そしてそうなった時の事をケルヌンノスに頼まれているとも。
トトロットは疑問を呈する。
54: 635 :2022/06/18(土) 13:19:08 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「その時のこと?」
「祟り神と化したケルヌンノスを殺すことよ。」
「そんな…。」
トトロットは悲しい表情し、リシュリューは嘆息する。
しかしそのケルヌンノスの要望もどこまで出来るか、確実にケルヌンノスを殺せるモノは奢った中共の失策による蚩尤の祟り神として復活と国家崩壊いう大陸情勢から日本国外に持ち出せず。
浮遊大陸アトランティスからひたち型を持ち出しリシュリューの艤装と物理的に接続、艤装外殻ユニット(注1)として英仏海峡にリシュリュー本体と共に浮かび、
パリにその照準を合わせてはいるがそれも何処まで通用するか、
そしてもしもの為に日本で鍛造が開始され始めあるたものを主砲弾として転用が決定しているがその時までに揃えられるか定かではない。
今度はパーシヴァルが問いかける。
「楽園の要塞の12基のロンゴミニアドは?妖精國のケルヌンノスの外皮を吹き飛ばしたというあれならば。」
「ロンゴミニアド…アヴァロン要塞の複合加速砲ロンのことね。あれは艦娘用ではなく神器や魔術的な兵奏でもない純粋な物理兵器だからケルヌンノスには通用しないわ。
砲身そのものに魔術込めれば別だけどそんなこと出来る人物は現在いないわ。」
現在日本に於ける最高の術者もまた大陸の騒乱への対処に駆り出され此方に来れずそういった運用も不可能。
ないない尽くしの中でするしかないのだ。
まあ、その中でも数少ない希望はあったが。
「一応、希望はまだあるわ…ドイツの連中が探してたもの見つかったから。」
「え?」
「クレルモン・フェラン近郊の集落でドイツの略奪した物資の中からローマがデュランダルや他のと一緒にアロンダイトを見つけたわ。」
その言葉に驚く二人。
「何で探してた物が物資の中から…?」
「そいつら頭妖精國か?」
「そっちの意味で驚くのね…まあ使い手が見つか【コ"ア"ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!】、何!?。」
リシュリューの言葉を遮るようにナニかが叫ぶ。
その内に込められたのは悲嘆、憤怒、怨恨。それらが大地を揺さぶる。
リシュリューが振り向けば穴の内より吹き上がる黒い灰。
55: 635 :2022/06/18(土) 13:19:57 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「まさか…。」
リシュリューが呟いたその瞬間緊急を告げる通信が繋がる。
『リシュリュー!聞こえるかしら!』
『リシュリュー!緊急よ!!』
「ローマにウォースパイト、何かあったのね…!」
『ええ、そちらでも…じゃなかった兎に角ヴルステルのやつら三発目使いやがったわ!!』
「三発目…まさか…!」
『そのまさかよ…クレルモン・フェランで使用され同市を解放したした米軍とフランス軍に甚大な被害が出てる…それと貴方の副官も巻き込まれたわ。
どうにか息はしてるけど呪いによる汚染が酷い。』
「そんな…。」
『気を確かにしてリシュリュー。こっちからもだけどクラウツによる空襲が始まったわ。
現在海軍主力は超巨大艦艇群を追って出撃して不在、見事に隙を付かれた形ね…後、軌道上の艦艇からの連絡で空挺を狙ってることが確認出来たわ。
碌でもないものも運んでるようだけど…それからそっちで何かあった?』
もう一度穴をも見ると先ほどよりは収まったがそれでもなお吹き出る続ける黒い灰。
リシュリューは覚悟を決めた声で告げる。
「ウォースパイト、ローマ…覚悟して頂戴。私達の手で、信仰も神秘も薄れたこの大地(ヨーロッパ)でもう一度対馬をやることを。」
56: 635 :2022/06/18(土) 13:20:33 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります転載はご自由にどうぞ。
次回漸くBOB本編突入予定。
最終更新:2022年06月23日 22:08