259: 635 :2022/06/26(日) 15:47:41 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦幕間 ご昭和下さい。彼女の名を・表



「今日はここまでにしておきましょうか…。」


頼光が嘆息し見つめる先には床に伸びた柏木が倒れていた。
その柏木に駆け寄るフェルさん。


「痛てててて!」

「アアもうマサトサン動かないでクダサイ!!」

「フェル…もうちょっと優しく!!消毒液が染みるうぅぅぅぅぅぅっ!!」


神崎島、その軍事施設の武道場に柏木の悲鳴が木霊する。





「精が出るな、柏木センセ。」

「茶化すな白木。」


訓練施設の休憩所で声を掛けてきた白木に包帯と湿布(どちらもナノマシン入)だらけにされた柏木はぶっきらぼうに返す。


「鍛錬か?ご苦労なこった。」

「ま、俺も英国に行くことになってるしな…。流石に今回は加護得てるのじゃないとキツイから銃だけ持ってく訳にいかんからな。」

「で何で実戦剣術なんぞ習ってんだよ?お前、島で貰った戦前のFG42あったろ?。」

「それも持ってくぞ。ま、歴史が長いほど宿りやりやすいからなあ。剣術はなあ天照様から行けない自分の代わりにって渡されたコレのせいだよ…。」


そう言って柏木は傍らの袋からに入れられたFG42を白木に渡し自分の腰についてるベルトをコンコンと叩く。
そのどっかで見た太陽光で復活した様なベルト見て白木はビミョーな表情すると最早原型を留めていない渡されたFG42を白木はしげしげと見渡す。


「斥力バッファ付きのストックにレールシステムにレーザーポインター。あれまVMCモニターまで付けたんかい。」

「機関部の部品も新品に交換してあるぞ。」

「それってほぼ新造って言わね?」

「海兵隊のMEUピストル、話聞いただけだが並行宇宙のリシュリューって例もある。日本的に言えば式年遷宮をしても神宮は神宮だしこの銃だって戦前のものに違いはねえ。」

「テセウスの船かよ…。」


そうぼやく白木に柏木は何か用事かと尋ねる。

260: 635 :2022/06/26(日) 15:48:17 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


「ああ、制圧完了した上海の要塞化が完了で儀式も終了間近。で、現在、北京を消滅させた蚩尤が上海に向かって来てる。」

「それで間に合いそうなのか?」

「何とかするしかねえよ。天照サマ達の力を大陸で全力発揮するにゃ中華王朝なんかの儀式完了せにゃならん。
日本に根づいてた旧大陸系の術者や文革後もなんとか生き残ってたの掻き集めて進めてる所だ。
後、自衛隊とティ連に加えコッチに付いた張元主席派の人民解放軍も死物狂いで遅滞戦闘行ってる。」


それを聞いて息を吐く柏木。
現在、元々欧州に増援予定であった日本の自衛隊の主力は大陸に展開していた。
それもこれも原因は張元国家主席を幽閉実権を握った共産党と人民解放軍急進派が霊的国防兵器を求めある場所を掘り起こしたからだ。
山東省蚩尤塚、かつて古代中華伝説の五帝の一人黄帝に敗れた軍神蚩尤の墓所。
そこで眠っていた蚩尤であるが天を脅かす程の反逆者であり、風雨煙霧を操り魑魅魍魎を率い、
死んだその血は中華の大地に武威を示す赤き旗として空を覆う程にたなびく程の神威を持ち得る存在だ。
そして現代でもその墓が新たに作られる程の信仰があるそれが己の墓を暴かればどうなるか想像に難くない。
しかも己を兵器として利用するなど言語道断であろうましてやその暴いた者がかつての怨讐の相手を継ぐ者達であるのだから。

蚩尤は己の墓所のある山東省に荒ぶる神、神話上の四目六臂で人の身体に角の生えた牛の頭と鳥の蹄を持つ姿と数十メートルの巨体で覚醒し顕現。
等が封禅の儀式をしたせいで黄帝の子孫判定受けてるとは知らない中国共産党に襲いかかった。
結果、共産党上層部ごと北京は歴史上の存在へと成り果てた。
なお紫禁城にあった文化財等は生き残っていた張前主席の依頼で日本が【保護】していたりする。
そして蚩尤は己の兵主神としての権能と反乱を起こす神としての権能により、大陸中の弾圧されている者らに中共の近代・最新兵器を与え一斉に蜂起させた。
各地で少数民族や農民による反乱に加え、各軍管区が中共の後釜を狙い独自の行動を開始し大陸は混沌の坩堝となった。
反乱を起こさせた蚩尤自身は北京を消滅させた後は現在中共で唯一生き残った高官である張前主席のいる上海を目指し行動を開始している。


「とりあえずは何とかなりそうか。」

「まあ、何とかでしかねえけどな。何より蚩尤に兵器が何度も効かないのが痛い所だ。ホントなんだよあいつ…。」

「流石は大陸の兵器を生み出したという存在だな。一度受けた兵器は二度と効かず模倣して生み出すとか…。」

「お陰で重力子兵器やディスラプターとか投入出来ねえっていうな。」


そう言うと白木はゼルモニターを造成する。
モニターには蚩尤に抵抗する人民解放軍の姿があり、音声も入っている。
そこには頭部が吹き飛んだ蚩尤の姿があったが。


『ははやったぜ!!あの化け物の頭、空軍の吹き飛ばしたぜ!!』

『これでやつもお陀仏、って頭が再生してる!?』

『本当だ!もう一度空軍の攻撃で!!』


そう言うと蚩尤の頭部で爆発が起きるが黒煙が無くなると傷一つない蚩尤の姿があった。


『なんで………(ザ――――。)』


その直後に映像は途切れ、ソレを見た柏木はあいつはヘラクレスかとため息をつく。
蚩尤は全ての兵器の祖、ならばそれへの対処も一度受ければ出来てしまうのではという柏木らの予想通りであった。

261: 635 :2022/06/26(日) 15:49:54 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


「予想できたことだがな…。」

「一応お前の言う通り自衛隊や神崎島、人民解放軍が手を変え品を変えて遅滞戦闘続けてるぜ。」


そう言うとリアルタイムの映像を映す。
爆薬満載した高速鉄道が蚩尤の足元に突っ込み転倒させるとそこへ同じく爆薬満載した在来線が突っ込み起き上がろうとする蚩尤の絡みつき炸裂する。
或いは遠距離に設置されたどっから持ってきたんだと言いたくなる柏木垂涎の的の80cm列車砲が火を吹く。


「「………。」」


蚩尤が起き上がると今度は空自が運用する柏木が以前ヤル研で見掛けた趣味のジェットVTOLや超鷹一号と名付けられた戦闘機が爆弾やミサイル放ち、
同じくヤル研で見掛けた趣味の戦艦用飛行ユニット(艦首回転衝角付)を装備した戦艦武蔵が空飛んで光線放ち衝角をギュンギュン回転させ突撃している。
続きどっかで見たような上下に分離するロボやら旭龍以上に恐竜(昭和の図鑑)ぽいぽいヤル研製試作ロボ群が奮戦、頭抱える柏木だけど何となく嬉しそう。
しかし自衛隊、鎮守府や人民解放軍の奮戦虚しく段々と上海に近づく蚩尤、最早映画の世界である。


「白木…俺は何を見せられてるんだ…?というか武蔵さんなんでアレ付けてんだ?」

「大規模修理する暇なかったからそのヤル研で埃被ってたの流用でな?いやまあほら、実際効果的だから…あ、ほら儀式終わってティアマト様が出て来るぞ!!」


話を逸らす白木であったがそのティアマトが蚩尤の前に巨神化して現れる。
両手を握りしめ右手を高く突き上げ左手は胸元に寄せ顔を空を向き巨神化し、そして巨大な蚩尤に相対すると両方の掌を開き構え少々前傾姿勢で戦闘体勢を取る。
柏木と白木の耳には何処からともなくとなくヘァ!という声が聞こえ、人の顔に白と青という色なのにその姿に光るレンズの目と赤と白の身体の【彼】の姿を重ねる。


「「空想特撮シリーズだこれ!!」」


休憩室に柏木と白木の喜びが混じった声が部屋に木霊した。

262: 635 :2022/06/26(日) 15:50:26 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
裏はシリアス予定。

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最終更新:2022年07月29日 09:57