230: 影真似 :2022/07/23(土) 14:58:55 HOST:182-165-183-108f1.osk2.eonet.ne.jp
投下無し確認。やり残した小ネタは無いかと探してたら以前チリを話題にしていたので形にしてみました。これにてホントのネタ切れです。
夢幻世界 小ネタ 「世渡り上手の風見鶏」
南米において太平洋とアルゼンチンの間に挟まれた国チリ。トロツキスト勢力によって中南米で革命による団結が大いに叫ばれていた頃、この国は早くも革命の熱から冷めきり始めていた。
理由は何かと言えば、アルゼンチンと日本の繋がりそのものと言える。日露戦争以降、交流を活発化させていた両国だが、地理的要員によってチリを挟んだ経済交流を行っていた。
チリからすればアルゼンチンとはビーグル水道の領土問題で度々対立しており、そのアルゼンチンと関りを強めてる日本にも思うことがあったのだが、経済活動のおこぼれと言うには大きな富を得られることから、政府高官を中心に黙認状態となっていた。そして、中南米で雪崩のように起きたトロツキスト勢力の革命によって、日本ーアルゼンチン間の経済活動に多大な影響がでる……………と思われたのだがそんな事は無かった。
理由は主に二つ。一つは、バルパライソやイキケと言った港やその周辺地域の商業・娯楽施設、積荷を輸送する業者など経済活動から間接的に長年おこぼれを得ていた事で生活が向上した労働者や港周辺を中心とした地域住人にとって大きな生命線となっていたこと。
二つ目は、経済活動に関わる中で日本の事を調べていくうちにその強大さを知ってしまったことで日本を敵に回すことを極力避けたいという思いが強くなっていたからである。また、革命以前よりアルゼンチンの次に繁栄していたこともあり、トロツキストのなかでも現実的な視点を持つ人々(熱が冷めかけていたともいう)がチリに流れてくる、或いは厄介払いと言う形で追放されて来たこともあって、チリでは以前と変わらず資本獲得のために抜け穴をせこせこを作りながらも周辺国には都合のいい言い訳を何とかすることでのらりくらりと追及を躱し続けたことで溝を発生させるものの、対ソ連のために表面上は団結していた。
231: 影真似 :2022/07/23(土) 15:00:56 HOST:182-165-183-108f1.osk2.eonet.ne.jp
しかし、そうしたチリの状況を良しとし最後の避難場所とする人々もいた。それは主に1930年代の時点で本国に遅くも危機感を感じ始めた
アメリカ、フランス人であった。自分の国が国際的に針の筵となっていく中で、自分たちが比較的直ぐに移民でき、日本とも一応中立的な関係を保っているチリはまさにうってつけであった。アメリカに関してはフィリピン大移動のタイミングを逃した人々が最後のチャンスとして「自由革命戦士の一員として南米における日本の障壁であるチリへの知見を高めたい」などの耳障りの言いでっち上げによってチリへ移動でき、フランスではポーランドやバルカン諸国に対して各種工作を行っていたトロツキストのコンタクトを取ることで多くのフランス人がチリに渡ることが出来たものの、ここでフランスとトロツキストの交流が出来てしまったことで後にトロツキストの一部がフランス本土にまで渡ってフランスの一部対独強硬派と接触したことによってソ連が全く身に覚えのない『密約』が勝手にフランスの中で作られていくことになった。
こうしてチリに渡って来た人々は、ワインや果物の生産経験のあるものは農産業、あるいは高度な教育を受けていたものは日本とアルゼンチン間での交渉を行う商社などへと職を得ていったが、その多くはチリの外人部隊へとなることで食い扶持を稼ぐこととなった。丁度、来るWW2に備えるための戦力強化が必要という状況にあったため外人部隊の需要は意外と高く、アメリカとフランス人の一部では陸軍装備の技術関係者が多かったこともあり、狭い国土でも運用可能な戦車の開発を目指し始めていた。
232: 影真似 :2022/07/23(土) 15:02:37 HOST:182-165-183-108f1.osk2.eonet.ne.jp
だが、ドミノ倒しのようにWW2が勃発しいざ対アルゼンチンとなると、日本を相手にしたくないチリは及び腰であり、アルゼンチン政府と裏交渉を独自に開始。
この時点で国際連合を後ろから刺す機会を伺っていたチリはそのまま口裏合わせの戦闘を行いつつも、チリと技術交流を開始し、日本の技術習得を行っていたアルゼンチンと、フランス、アメリカ、そして国際連合の中ではまだ現実が見えているとして派遣されて来たソ連技術者の技術ノウハウを吸収を行っていたチリは協力して戦車や野砲と言った陸軍関連装備の急速な更新を行っていった。
そして、『珊瑚海海戦』にて絶対と思われたUS級の敗北が知れ渡ると、日英の援軍が見込めると確信し動揺するトロツキスト周辺国へアルゼンチンと共に新装備を携えて殴り込みを結構し、アンデス山脈を自然の防壁としながら太平洋に沿って一気に北上しそれに合わせてメキシコ、英及び蘭領ギアナ連合軍もコロンビアでの合流を目指して一気に仕掛け、トロツキスト側は総崩れとなりコロンビアでの合流が実現した。
その後は戦勝国としてボリビア、ペルー、エクアドルの太平洋側海岸・アンデス山脈周辺を中心とした領土を割譲させたことで、テロ組織と化した残存トロツキストの激しい恨みを買っていたものの、監視の名目上で受け入れた国際連盟治安維持軍によって鎮圧されていったことで難を逃れ、その後も残存勢力との様々ないざこざを得ながらも、現在もアルゼンチンに次ぐ南米の雄として君臨している。
233: 影真似 :2022/07/23(土) 15:04:40 HOST:182-165-183-108f1.osk2.eonet.ne.jp
以上です。
影の薄かった南米ではチリが迫真の蝙蝠ムーブしながら国際連合側の技術使った戦車で暴れて大勝利したと言う話です。
最終更新:2022年07月29日 08:35