860: モントゴメリー :2022/07/11(月) 21:37:47 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
FFRの社会インフラ②——Durance système——

Durance systèmeとは、フランス連邦共和国(以下、FFR)で20世紀末期に実用化された水循環システムである。
名前は、初めて同システムが搭載されたデュランス級補給艦に由来する。
(さらに遡ればデュランヌ川に由来する)

FFRの衛生観念は高次元を誇ることは以前述べた。
それを実現するための習慣(手洗い・入浴など)を維持するために海水の淡水化技術を磨き上げたことも同様である。
しかし、「水の確保」という課題を克服したもFFRの苦難は終わらなかったのである。
まず「供給」
真水を精製できたとしても、消費地まで持っていけなければ意味がない。
そのためには水道網の強化が必須であるが、文字通り全国規模の大工事であるため一朝一夕で成し遂げられるものではない。
(これを達成できるには「我らが指揮官」第二次再構築改装時にまつわる「謀将大統領の初戦果」を待たなくてはならない)
そして「排水」
使った水は蒸発して消えるわけではない。「下水」となり処理の必要がある。そしてこれが意外に難事なのである。
例えば人間1人が1回シャワーを浴びるには50ℓの水が必要とされる。これだけでも1ℓペットボトル50本であるからその量は想像できるであろう。
そして、これが100人になれば5000ℓ、1000人になれば50000ℓである。これだけの排水の処理をしなければならない。
繰り返すが「シャワー1回」のみの計算でである。
手洗いの場合も同様だ。
1回の手洗いに必要とされる水は約2ℓ、1000人で2000ℓである。
これほどの下水を何も考えずに廃棄した場合、国内の河川を汚染は深刻なものとなる。
そんなことをしては「我らが指揮官」と「元帥」に合わせる顔が無い。
そもそも、Hexagone(六角形=FFRヨーロッパ州)のみならともかく、アフリカ州の隅々までこれほどの量の水を供給することは困難であった。
(まずは飲料水が最優先である)
この状況への起死回生の一手として研究・開発されたのがDurance systèmeである。

861: モントゴメリー :2022/07/11(月) 21:38:27 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
Durance systèmeの特徴は「循環率の高さ」と「独立性」である。
3つのフィルターを組み合わせることにより、ウイルスや不純物を除去して水をろ過、循環することができる。
さらにセンサーと連動したAIが、水質・システムを常時監視・制御することで水質を保つのである。
そのろ過性能は、コーヒーを流したら真水とコーヒー成分とほぼ完全に分離された状態で出てきた実験映像で世界に知れ渡った。
これにより水の消費量を98%削減することに成功した。すなわち、従来の1/50の量の水があればよいのである。
具体的数字をあげるならば、20リットルの水で手洗いが500回、100リットルで100人がシャワーを浴びられるのである。
そして上下水網と接続する必要が無く、電源と水があればどこへでも輸送・設置が可能である。
これの登場によりFFRの各都市はHexagoneやアフリカ州を問わず街中に多数の手洗い場を設置することが可能となった。
またパリのアパートでもアフリカ州の野戦病院でも変わらずシャワーを浴びることが可能となった。
宇宙開発でも威力を発揮したことは言うまでもない。

さらに、このシステムは言うなれば「持ち運び可能な超小型浄水場」である。
これが多数あれば浄水場が破壊ないし連絡線が遮断されたとしてもFFR各都市の水インフラは一定期間の自活が可能となった。
つまり、都市の持久力向上にも寄与したのである。

862: モントゴメリー :2022/07/11(月) 21:40:15 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。

以前ちょこっと触れたFFRの水循環システムでございます。
こっちだと2020年頃に実用化されたので
日蘭世界のFFRなら1990年代にはものに出来ますて。

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最終更新:2022年07月29日 09:05