676: 194 :2022/07/17(日) 21:30:32 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その82 So wie
驚いたのは戦娘達だけでは無かった。当然ながら、柏木達や神崎提督達も驚愕していた。
肌の色こそ戦娘型の蒼空邪軍コアと同じ白い肌であったが、顔の造形は双子と言われても違和感が無い程だったからだ。
横手「れ、レイと瓜二つ・・・」
フェル「こ、こんな事ッテ・・・」
柏木「もしや・・・クローンか!?」
横手「自分もそう思いましたが・・・、その可能性は低いかもしれません」
シエ「何故ダ?」
横手「クローンみたいなのは、既に制空戦闘鬼級等の量産型で確認されています。もしクローンだったら、艤装はともかく本体の方はこれまでの戦いで投入されてても、おかしくない筈です」
神崎「そうなると・・・・・考えられるのは、レイ君の同位体では無いだろうか?」
横手「同位体?」
神崎「『世の中には、自分と瓜二つな人間が三人は居る』というのは、よく聞くだろう?恐らく・・・アクアリスに居たレイ君の同位体、そう考えた方が自然だ」
神崎の推測を聞き、改めてレイ・ゲルトナーを見るメンバー達。
今ここにいる者達へと向けた、全てを憎むかの様なその瞳に、戦娘達も息を呑む。中でも、一番ショックを受けていたのがレイだった。
レイは直感で理解した。理解出来てしまっていた。彼女は、もう一人の自分であり・・・『有りえたかもしれない別の未来の自分』その物だと。
もし、並行世界の人達の助力が無かったら
もし、憎しみを捨てる事が出来なかったら
もし、仲間や愛する人達が居なかったら
677: 194 :2022/07/17(日) 21:31:02 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
ほんのちょっとの違いで、十分にあり得た未来の自分の姿を、まざまざと見せられたのだ。ショックを受けるなと言われても、到底無理だろう。
二本のレーザーブレード・・・「月光」及び「月明」・・・を構えたまま、レイ達を睨みつけるレイ・ゲルトナー。刹那。
目にも止まらない超高速で、レイに斬りかかる。間一髪で回避し、斬邪丸を振り払うレイ。それを月光で受け止めるレイ・ゲルトナー。何と、レーザーブレード同士が反発し合い、鍔迫り合い状態となった。
レイ「クッ!?レーザーブレード同士が反発を!?」
レイ・ゲルトナー(以下R・G)「・・・・・許さない!」
レイ「!?」
R・G「沢山の人々が死に・・・沢山の人達が眠るこの星を汚す愚か者共!『奴等を殲滅して平和を取り戻した』この惑星に、新たな戦いを持ち込む屑共め!生かしては帰さない!」
レイ「!?・・・な、何を言っているの!?」
R・G「終わらせたあの戦争をもう一度始めて、此処をまた戦場にした。それだけで、お前達を掃滅する万の理由になる!」
レイ「待って!貴女達は、奴等に殺されてコアにされて!」
R・G「手前勝手な戯言を垂れ流すな、耳が腐る!」
レイ「・・・まさか、偽りの記憶を!?お願い、私達の話を聞いて!!」
R・G「私は対話を求めていない。お前等の速やかな死滅が・・・唯一にして絶対の要求だ!!」
そう叫びながら、左手の月明を突き刺そうとするレイ・ゲルトナー。
セン「させませんわ!!」
レツ「やらせるか!!」
センとレツがレイ・ゲルトナーに襲い掛かる。流石に形勢不利と見たか、鍔迫り合いをやめて大きく距離を取る。
そこに地上の戦娘達や艦娘・深海棲艦達からの対空砲火が襲い掛かる。だがレイ・ゲルトナーは、チャージ・アクセルを多用した絶え間ない超高機動を行っており、攻撃どころか照準に捉える事もままならない。FCSが捉え切れないのだ。
678: 194 :2022/07/17(日) 21:31:32 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
一方、空の方では・・・
レツ「レイ、大丈夫か!?」
レイ「は、はい。有難うございます」
セン「しっかりしなさい、レイ!下手をすると、貴女が殺されてしまいますわよ!!」
レイ「・・・すいません。でも・・・あの娘を殺すのは、・・・私には出来ません!・・・何とかして、救います!」
レツ「なっ!?何を言って?」
イッチ「無茶だよ、レイ―!アレは、話を聞かないタイプだよー!?」※PVMCGの医療キットで応急処置済み
いちご「そうだよ!それで加減してこっちがやられちゃ、本末転倒じゃない!」※PVMCGで破損個所を応急修理済み
メンバー達は口々にレイに翻意を促す。
記憶を書き換えられ、人類と戦娘達を心から憎悪する相手に、その様な事は不可能だと。
だが、レイは譲らない。
レイ「・・・あの娘は、あり得たかもしれない未来の私。あの娘はきっと、家族も、友達も、仲間も、全て無くして・・・平文さんの様な、支えてくれる人も居ないまま・・・憎しみだけを糧に戦い続けて・・・」
レイ「・・・死んでからも、偽物の記憶を植え付けられて、唯々憎しみだけで戦い続けさせられてる」
レイ「ほんのちょっと未来が違っていたら・・・、私がああなっていた。だから・・・だからこそあの娘を、憎しみだけを抱いた状態で、死なせたくない!」
レイ「甘いと言われようが、無茶だと言われようが、私は・・・あの娘の事を、絶対に救ってみせる!!」
涙すら浮かべながらそう叫ぶレイ。
彼女の偽らざる言葉に、他のメンバー達も腹を括る。
イッチ「・・・レイ―、貸し1だよー?」
いちご「・・・まぁ、これまで沢山の蒼空戦娘の皆を救ってきたからね。あの娘だけ仲間外れは、可哀そうか」
レツ「・・・まーた、厄介な戦闘になるな。まっ、いつもの事か」
セン「・・・今まで共に戦ってきた戦友の、心からの願い。叶えない訳には、いきませんわね」
レイ「・・・みんな」
仲間達の言葉と覚悟に、レイは皆に頭を下げる。
かくして・・・最も過酷な戦いが始まろうとしていた。
679: 194 :2022/07/17(日) 21:32:25 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
オマケ
レイ・ゲルトナー
蒼空装甲姫のコア。
マシンマキシマム構想に基づいた強化手術を施された事によって、文字通り単体での戦闘を可能とした、唯一無二の「コア戦闘体」。
大型艤装に格納する都合上、装甲は一切装備されていない。ブースターユニットなどが背部を中心に体内から飛び出ているが、防御には全く機能しない。
防御として機能するのは、大型艤装から多量のナノマシンを継承して、性能を大幅に引き上げられたナノマシン・バリアのみ。これが突破された後は、極限に改造された生体の身体のみしか存在しない。
その代わり機動力は蒼空装甲姫以上であり、背部の固有ブースターユニットと、膝部及び脚部をナノマシン性生体金属置換によって形成されたブースターユニットによる有機的な戦闘機動を実施し、
チャージ・アクセルを多用して絶え間ない超高機動戦闘を行う事が可能。
武装と防御力以外は、蒼空装甲姫としての基本機能を受け継いでいると言っていい。更に生前より培われてきた類稀なる戦闘センスに加え、トラー・ゲルトナーによって全蒼空戦娘の戦闘データがインストールされている。
大型艤装(蒼空装甲姫)の性能も合わさって、正に「最強」の蒼空戦娘と言っても過言ではない。
「光波」射出機能を搭載した刀型超高出力レーザーブレード「月光」及び「月明」の二刀を専用武装としている。
通常のレーザーブレードとしても範囲10m以上を一閃可能な攻撃範囲と、多くの物理装甲を瞬間的に融解させる威力を持つ。
更にレーザーブレードを「光波」として射出する機能もある。これを利用して発射間隔が長く射程が短いレーザーライフルとして運用したり、一閃の範囲を数百メートル先にまで届かせたりする事も可能。
全安全装置を解除、月光もしくは月明に二刀分の多大なエネルギーを集中投入すれば、一時的に刀身は数十メートルにまで拡大。威力を更に増大させ、「先駆文明」テクノロジーの一端を完全に開放する事も可能。
但し一定時間その状態を継続すると、ブレードの基盤が耐えられず融解。修復が終わるまで使用不可能となる。
サブウェポンとして両腕のナノマシン性生体金属を変換し、近接武装や銃火器の展開を可能としている他、月光と月明の修復も行う事が出来る。但し、体内のジェネレーターのナノマシン生産量は大型艤装と比べて少ない為、修復を連発する事は出来ない。
680: 194 :2022/07/17(日) 21:32:55 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
コアの正体は、アクアリス世界に於けるレイの同位体。
彼女が抱えていた蒼空邪軍への憎しみを共に受け止め、支えてくれる人はアクアリス世界には存在しなかった。彼女はただひたすらに蒼空邪軍への憎しみを糧に、CFA-44のパイロットとして幾多の戦場で戦い続ける。最終決戦に於いても多数の蒼空邪軍を撃滅するが、
最終的に圧倒的な物量によって撃墜され、死亡する。しかし、単体としては異常な程に蒼空邪軍に損害を与えていた事により、トラー・ゲルトナーにその戦闘価値を見出され、奇跡的に原型を幾らか留めていた彼女の肉体は回収されて修復される。
その後は「塔」の守護者として身体に必要な「改良」が施され、大型艤装(蒼空装甲姫)と共に配置される事となる。尚、CFA-44の残骸は制空戦闘姫の生産に利用されている。
「改良」の際、彼女の類稀なる戦闘センスが失われぬような形で施された。彼女の記憶と人格は根本から改変され、「蒼空邪軍への憎しみ」は「人類と戦娘への絶対的な殺意と憎悪」と「アクアリスに侵入する全生物に対する狂信的排他思想」に変換された。
これにより彼女は人類及び戦娘への会話は一切受け付けておらず、アクアリスに侵入した人類と戦娘に対して望むのは、迅速かつ徹底的な絶滅のみ。「改良」によって改変された記憶の矛盾が発生しないよう、記憶の削除は殆ど実行されていない。
その為、蒼空邪軍のコアの中でも最も人間性を持っているが、同時に記憶改変によって本来の人間性は大きく歪まされ、失われている。今現在の彼女が持っているそれは、最早人間だった頃の「残滓」でしかない。
他にも、先に軽く記述した内容だが、徹底的なマシンマキシマム構想に基づいて、彼女の体内には直接ジェネレーター、各種ブースター、ナノマシン制御装置等が肉体に癒着する形で埋め込まれ、細胞強化、強化骨格、人工神経、ナノマシン性生体金属置換等による強化手術が施されている。
この時、彼女の体内から多くの内臓が摘出されており、免疫力など、本来生存に必要な機能の殆どが機能出来ていない。その為、彼女の生命維持は大型艤装の生命維持装置と、トラー・ゲルトナーのテラフォーミングによって完璧に調整されたアクアリスのガイア環境に完全依存している。
大型艤装から離脱もしくは破棄後、一部のナノマシンが体内の保全に即時機能する。アクアリスの通常環境ならば十分に活動可能だが、アクアリス以外の環境の場合は6時間以内に専用の生命維持装置に接続出来なければ、
複数の深刻な細菌感染等によって身体が蝕まれていき、最終的に死亡してしまう。
しかし生命維持の問題に関しては、そもそも蒼空装甲姫(レイ・ゲルトナー)がアクアリス…トラー・ゲルトナーの本拠地(「塔」)専門の防衛兵器であると最初から割り切っている為、一切問題視されていない。
681: 194 :2022/07/17(日) 21:33:25 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
イメージ描写等
懐かしい、夢を見ている。
私にとって、何よりも忌まわしい記憶の夢を。余りにも長過ぎた、悪夢の夢を。だけれど◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎、◼︎◼︎な夢を。
◼︎◼︎◼︎前のあの日、奴等は現れた。
何の前触れも無く現れた◼︎◼︎の天敵に、◼︎◼︎◼︎◼︎と◼︎◼︎◼︎◼︎が殺された。
あの日から◼︎◼︎と奴等との壮絶な絶滅戦争が始まった。
沢山の◼︎◼︎が死んだ。
沢山の街々が死んだ。
沢山の国々が死んだ。
沢山の自然が死んだ。
沢山の文明が死んだ。
沢山の◼︎◼︎が死んだ。
沢山の◼︎◼︎が死んだ。
沢山の◼︎◼︎が死んだ。
だけれどそのお陰で、◼︎◼︎は奴等に勝利した。
けど、支払った犠牲は余りにも多かった。かつての姿を取り戻すには、余りにも長い時を必要とすることは分かりきっている程に。
だけど私達は確かに、勝利した。奴等をこの世界から絶滅させる事に成功した。
そして、あの戦争の果てに残された平和と静寂を護るのが、生き残った私の役目。
だからこそ、この平和と静寂を壊す存在は全て、滅ぼさなきゃ。
◼︎◼︎◼︎◼︎や◼︎◼︎◼︎◼︎、◼︎◼︎◼︎が眠っているこの地を汚す奴は、皆死んでしまえば良い。
682: 194 :2022/07/17(日) 21:33:55 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
以上です。タイトルはドイツ語で「瓜二つ」と言う意味です(そのまんま)
レイ・ゲルトナーとの戦いと、彼女に対するレイの想い。
その思いを何とか実現させようと、腹を括る他のメンバー達の描写と、オマケでクローサー様が直々に描かれた、レイ・ゲルトナーの設定とイメージ描写となりました。
最初にこの設定を頂いた際、とんでもなく凶悪で凶暴で、それでいて何て悲し過ぎる悲しい存在なんだという感想を抱き、同時に
「例えチープな内容になろうと、何としてでも救う」
と覚悟した次第。因みにクローサー様曰く
「生存は想定していないキャラ」
だったので、難易度が爆上がりに(滝汗)。とはいえ、結構な数の蒼空戦娘達を救ってきた以上、彼女だけ救わないという道は有りませんからね。・・・何とか頑張って行きます!
そしてレイ・ゲルトナーの設定ですが・・・何というか、「惑星アクアリスと言う名の牢獄に囚われてしまった悲しき墓守」と言う感じなんですよね。
しかも記憶を書き換えられ、『あの戦争で勝利して、死んでいった人達の魂に報いる事が出来た』と心から信じ切っている状態なんですよね。
- その洗脳(そう言い切っても構わないかと)を解くのは、ある意味普通に倒すよりも遥かに残酷じゃないか、と言う意見も出るでしょうが・・・
自分としては
「例え辛く残酷な現実だろうと偽りの記憶に逃げずに立ち向かい、諸悪の根源を倒す事で克服して未来を勝ち取って欲しい」
と願っておりますので、そう言う路線で行きます。
あ、因みにイメージ描写の■ですが、特に何か決まっているというのは無いとの事なので、各々で脳内補完して頂けると助かります。
では、また次回。
wiki掲載は、自由です。
704: 194 :2022/07/19(火) 18:21:25 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
誤字が有ったので、修正を。
677
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7/30 ちょっとおかしかった所を修正
↓
最終更新:2022年07月30日 07:42