707: 194 :2022/07/19(火) 19:05:31 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その84 墓守の救出その2
レイとレイ・ゲルトナー。数奇な運命に導かれて出会った、瓜二つの少女達。
その二人が、それぞれの得物を手に激しくぶつかり合っていた。
片やオーバーブーストを、もう一方はチャージ・アクセルを。名前こそ違う物の、同じ性能を持つ機能をフルに発揮し、激しく切り結ぶ。
リミッターを解除し、巨大なレーザーブレードを形成して斬りかかるレイ・ゲルトナー。一方のレイも、時に往なし、時に回避しながら反撃の一太刀を叩きこむ。
一歩も引かない互角の勝負を繰り広げている内に、お互いの刀が一時使用不可能となる。
限界を超えたダメージに耐え切れずに斬邪丸が破損。止めを刺そうとしたその時、ブレードの基盤が融解。リミッター解除の欠点である、ブレード基盤の限界が露見する形となった。
R・G「ああああああアアアアアア!??!?!」
だが、怒りと混乱で正気を失いつつあるレイ・ゲルトナーは引こうとしない。銃火器を形成する手間も惜しいとばかりに、肉弾戦を挑んでくる。
レイも果敢に反撃。まるで鏡に映る自分自身を殴るかのような展開となった。
ボディーブローがレイのお腹に叩き込まれたと思いきや、レイがレイ・ゲルトナーの頭部を掴んで反撃の膝蹴りを顔面に叩き込む。
レイ・ゲルトナーが回し蹴りを叩きこめば、レイも反撃でミドルキックをレイ・ゲルトナーの脇腹に叩き込む。
互いの闘争本能をぶつけあう、原始的な戦い。互いに血みどろになり、息も荒くなっていく。
だが、どちらも引かない。一方は自身の心を乱す存在を消す為に、もう一方はその彼女を救う為に。
708: 194 :2022/07/19(火) 19:06:02 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
レイ「・・・フゥ・・・ハァ・・・!!・・・まだ、まだ本当の記憶から、逃げ続けるつもり?」
R・G「・・・ゼェ・・・ハァ・・・!!黙れ!黙れ黙れ黙れ!!私の心を、これ以上かき乱すな!!」
レイ「・・・確かに、貴女は強い。でも・・・今の貴女は、誰よりも弱い存在だ!!」
R・G「・・・何!?」
レイ「・・・自分の辛い記憶から逃げて・・・死んでいった人達の想いを踏み躙って・・・それが正しい事だと信じて疑わない。そんな貴女は・・・悲しいまでに弱い存在だ!!」
R・G「黙れ!!貴様に、貴様に私の何が分かる!!あの戦いで、私がどれだけの物を失っていったか・・・何も分からない癖に、偉そうな事を言うなぁ!!」
レイ「分かるよ!!私も・・・私も貴女達、蒼空邪軍の攻撃で・・・両親と弟を失って・・・天涯孤独になった!!」
レイ「・・・そして、貴女と同じ様に・・・憎しみを糧に生きていた時も有った!!・・・でも、私はそれを・・・乗り越える事が出来た」
レイ「同じ戦娘の仲間達や並行世界の人達。そして・・・誰よりも愛する平文さんが傍にいてくれた。だから、憎しみを乗り越える事が出来た!!」
レイ「貴女も、私と同じ存在と言って良い存在!!必ず、憎しみを乗り越えられる!!誰も居ないというのなら、私達が、貴女の新しい大切な存在になる!!」
レイ「だから・・・偽りの記憶に逃げないで!!自分の弱さと戦って、打ち勝って!!」
R・G「・・・・グァォッ!??!??!?!?!」
これで三度目となる脳内のノイズと激しい頭痛。そして・・・存在しない筈の記憶。
自分と同じ境遇の戦友達が、一人、また一人と撃墜され、それでも奮戦するも弾薬切れを起こし、それに気を取られた一瞬の隙を突かれて被弾。撃墜された記憶。
瀕死の重傷を負い、それでもパイロットとしての本能で、辛うじて愛機を不時着させた記憶。
『自身が信じていた記憶とはまるで違う記憶』に、とうとう正気を失い半狂乱状態で暴れ始めるレイ・ゲルトナー。
その常軌を逸した暴れ振りに、さしものレイも呼びかけをする余裕をなくしていく。
戦いの場は、人型特重機動戦艦・大和付近へと移って行った。
709: 194 :2022/07/19(火) 19:06:33 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
R・G「ガアアアアアアアアアア!??!?!?!?!」
獣の様な雄たけびを上げながら、両手に保持した月光と月明のリミッターを解除。一直線にレイへと迫る。
その時のレイが居た位置だが、人型特重機動戦艦・大和の頭部艦橋の前におり、回避する訳にはいかない。出力の差から、受け止めるという事は出来ない。
ならばこちらも突っ込んで倒すべきか。だが・・・やはり、刃を向けられない。意を決したレイは斬邪丸を放り投げ、大の字の体勢で無防備な状態を曝け出す。
レイ「貴女と私が殺し合う理由なんて、どこにも無い!!私は諦めない!!だから、貴女も最後まで諦めないでぇぇ!!!」
横手「レイ!無茶だぁぁぁ!!!」
レイの無謀な行動に、顔を青くしながら横手が叫ぶ。そのまま刺し貫かれてしまうかと思われた、その時。
今までで一番のノイズと頭痛が、レイ・ゲルトナーを襲う。
不時着に成功した物の、既に致命傷を負っており、薄れていく意識。
最後に見た光景は・・・最後まで奮闘していた隊長機が弾薬切れを起こし、敵重爆撃機(超重爆撃機ト級)に特攻して散華したシーン。
意識が薄れ、視界が黒くなっていく中で、最後に彼女は思った。
『・・・私達は・・・負けたんだ・・・』
と。
激しい痛みと精神の異常に襲われた結果、月光と月明のスイッチがオフになってしまい、レーザーブレードが消失。
更に姿勢が崩れた結果、レイから見て左側へと突入コースがずれてしまう。頭痛から回復したその時、彼女の目の前に人型特重機動戦艦・大和の左肩アーマーが迫って来ていた。
ドガァァァァァァァン
チャージ・アクセルを使用しての無理矢理な制動を行うどころか、声を上げる事すら出来ないまま左肩アーマーに激突。
極限まで強化されているとはいえ、やはり生身。激突のダメージは、許容範囲を遥かに超えていた。
そのまま力無く地面へと落下し、大地に倒れるレイ・ゲルトナー。墓守は・・・地に伏したのだった。
710: 194 :2022/07/19(火) 19:07:04 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
オマケ
人類連合軍第9飛行群「ヴォールス」
生前のレイ・ゲルトナーが所属していた航空部隊。
アクアリス人類の中でも最高峰の人員と兵器を集結させる最終反攻計画「マルスナーレ」の立案に合わせて編成された精鋭部隊であり、4個飛行中隊 全20機が決戦兵器のひとつであるCFA-44で構成されている。
初陣からレイ・ゲルトナーを筆頭に蒼空邪空軍に対して一定以上の打撃を与える戦果を与え続け、アクアリス人類のプロパガンダにも登場することになる。
しかし、圧倒的な蒼空邪軍の物量にアクアリス人類は勝利以上の敗北を重ねていく。ヴォールスも疲弊を重ねていき、最終決戦時には1飛行隊6機にまでその戦力を漸減されていた。
それでもヴォールスは士気を落とす事なく交戦し続ける。例え僚機が撃墜され、飛行場を制圧されて帰還不能となっても、蒼空邪軍に猛撃を続行。レイ・ゲルトナーが撃墜された後、残された最後の一機は
尚も弾薬が尽きるまで奮戦。最期に超重爆撃機ト級に特攻した事により、人類連合軍第9飛行隊 ヴォールスは消滅した。
711: 194 :2022/07/19(火) 19:07:34 HOST:ai126164229123.72.access-internet.ne.jp
以上です。レイとレイ・ゲルトナーの一騎討にガチの殴り合い。そして、決着と相成りました。それと、レイ・ゲルトナーの本当の記憶の元ネタ(これもクローサー様が製作)の紹介となります。
血とかあるの?って言われそうですが、そこは言葉のあやと言うか演出の問題ですので(汗)
最終的に半狂乱になりながら突撃するも、激しいノイズと激痛の末に頭の中で再生された「本当の記憶と、生前の自身の末路」を見せられた事で姿勢が大きく崩れ、最後は事実上の自滅と言う形で幕となりました。
そしてオマケのヴォールスですが、「極端に質に特化した三四三航空隊または第44戦闘団(ガーランド航空団)」といった所ですね。目を見張る様な戦果を挙げながらも、最後は物量に押し潰されて敗北。
彼等の敗北は、アクアリス人類その物の敗北と同義でした。
次回は、レイ・ゲルトナーの救出・その最終章となります。お楽しみに。
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最終更新:2022年07月29日 09:48