820: 194 :2022/07/24(日) 18:50:30 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その87 塔への侵入
惑星アクアリスに聳え立つ塔。
トラー・ゲルトナーの根城であり、アクアリス支配の象徴ともいえるこの建造物への侵入だが・・・麗華の情報によると、中々に難儀な物だという事が分かった。
この塔の外壁は複合装甲で出来ており(複合装甲壁と呼ばれている)、その厚さはなんと25mにも達する。
また、塔全周を覆う大出力ナノマシン・バリアで守られており、外部からの攻撃を受け付けない。
更に、仮に損傷を受けたとしても、ナノマシンによる自己修復機能で損傷個所を修復してしまうとの事だ。
ナノマシン・バリアに関しては、パーソナルシールドの出力を最大にした上で、短時間で突き抜ければ突破は可能という試算が出たが・・・問題は、複合装甲壁だ。
戦娘達や通常兵器の武器では、この分厚過ぎる壁を突破する事が出来ない。逆に人型特重機動戦艦・大和の様な大規模な兵器では、威力が過剰過ぎる。
塔自体を破壊出来ても、肝心のトラー・ゲルトナーを破壊する事が出来ない。麗華の証言から、奴は地下に潜伏している物と推測された為、有効打にならない。
そして、塔の崩壊のどさくさに紛れて逃げられたら、厄介極まりない。そうなると、別の手段でとなるが・・・突破口となったのは、麗華の存在だった。
横手「壁を月光と月明で破壊する?」
麗華「はい。私が使用するこの二振りの武器は、奴が先駆文明と呼んでいる存在のテクノロジーが使用されています。タキオンキャノンに関しても同様です」
レイ「奴は、自身の創造主の技術の習得を目論んでいるの!?」
レイの言葉に、麗華が頷く。
麗華「月光と月明は、リミッターを解除する事で短時間の間、先駆文明の武器に匹敵する破壊力を得る事が出来ます。その威力で複合装甲壁を破壊、内部へと侵入します」
柏木「成程。塔を崩壊させる事無く侵入し、奴を討ち取ると言う訳だね」
麗華「はい。自己修復機能が有るとはいえ、修復その物には時間が掛かります。侵入自体は、十分に可能です」
神崎「退路が無いのは難点だが・・・そこはティ連の転送装置を活用すれば、万が一の事が有っても安心だな」
麗華「はい。あと・・・最初に浸入するのは、最上階の私の生活施設にしたいと考えていますが」
フェル「何故デス?」
麗華「そこに、私の予備の艤装が保管されています。最終決戦前に入手出来れば、この後の戦いにおいて大きな助けになるかと」
イッチ「でも、大丈夫なのー?」
レイ「何がです?先輩」
イッチ「麗華がトラー・ゲルトナーの支配から解放された事は、奴も知ってる訳だしー。艤装に細工を施している可能性も有るよー?」
麗華「それは・・・」
821: 194 :2022/07/24(日) 18:51:00 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
普通にありうる事だけに、言い淀む麗華。
動かないだけとかならまだいいが・・・最悪同士討ち等をする事になったら、目も当てられない。
そんな彼女に、シビアが声を掛ける。
シビア「麗華生体」
麗華「あ、はい。何でしょう?」
シビア「パージされた麗華生体の艤装の残骸を調査したのだが、損傷が激しく、修復は出来なかった。だが」
麗華「だが?」
シビア「奇跡的に、機体制御等のプログラムのサルベージに成功した。そのプログラムをベースに、このゼル端子を用意した」
そう言って、麗華にゼル端子を渡すシビア。
シビア「このゼル端子は、そちらで言う所のウイルスバスターみたいな物で、後から追加されたプログラム等を見つけて排除する機能を持つ。艤装の装着前に、使用せよ」
麗華「・・・有難うございます!」
横手「・・・話は纏まったな。まずは塔の最上階から空戦戦娘達が侵入し、麗華の予備の艤装を回収。その後に地上に戻り、待機している他の戦娘達と合流した後に、塔内部に再び侵入」
横手「地下に潜伏している物と思われるトラー・ゲルトナーを見つけ出して、これを破壊する。以上が、ここからの動きの流れだ」
横手「これが奴との最終決戦となる。各員、任務を果たすと共に必ず生還せよ!!」
横手の激に、敬礼を返す戦娘達。横手も答礼する。
この戦争の元凶、トラー・ゲルトナーとの決戦が始まった。
822: 194 :2022/07/24(日) 18:51:30 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
人型特重機動戦艦・大和から次々と出撃する戦娘達。
パーソナルシールドの出力を最大にし、ナノマシン・バリアを強引に突破する。
地上組はそのまま待機。レイ達空戦組は、高度10500mに位置する塔の102階・・・かつての麗華の居住施設に向かう。
ここも複合装甲壁で封鎖されていたが、月光と月明のリミッターを解除し、最大出力で切り裂いた結果、大きな破孔が穿たれる。
その破孔からレイ達は塔内部へと侵入。居住施設に辿り着く。
レイ「ここが麗華ちゃんの、かつての居住施設か・・・」
いちご「・・・流石に殺風景だね。ベッド以外碌に家具も無い」
イッチ「まぁファンシーな部屋だったら、逆に驚くよー」
口々にそんな事を言い合うレイ達。
部屋の内容はさて置き、お目当ての物・・・麗華の予備の艤装は直ぐに見つかった。
麗華「有った。破壊はされてなかったみたいね」
レイ「それをやられてたら、流石にお手上げだったね。あ、シビアサンから貰ったゼル端子を使用しないと」
レイに促されて、ゼル端子を使用する。説明によると、10分程度でプログラムのクリーニングが終わるとの事。
少し余裕をもって20分程経った所で、艤装を装着・起動させる。おかしなプログラムとかは一切なく、通常通りに機動出来た。
麗華「うん、問題無し!凄いね、異星人の人達のテクノロジーって!」
レイ「うん。私達も、随分と助けられたしね」
イッチ「あ、どうせだったらPVMCGにデータを読み込ませて、何時でも複製出来るようにしたらいいと思うよー」
麗華「・・・そんな事も出来るの?」
いちご「出鱈目染みた技術だけど、その凄さは確かな物だよ」
823: 194 :2022/07/24(日) 18:52:00 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
まるで魔法の様なテクノロジーに触れて、今更ながら戦局があっと言う間に逆転した理由を理解する麗華。
もしあの時、このテクノロジーがアクアリスに有ったら・・・とも思ったが、詮無い事だ。
過ぎてしまった過去はどうしようもない。だからこそ、死んでいった人達に報いる為に、未来を勝ち取らなければならない。麗華は心の中でそう誓ったのだった。
いちご「よし、艤装も無事回収出来たし、外に戻r」
麗華「あっ、その前に・・・皆に、見ておいて欲しい物が有るの」
レイ「見て欲しい物?」
麗華「案内するわ。付いて来て」
皆を連れて、エアロック式のエレベーターに乗り込む麗華。
200m下に有る、101階・・・麗華がレイ・ゲルトナーだった頃に、よく祈りを捧げていた場所・・・アクアリス人類の慰霊碑のあるフロアへ、レイ達を連れて訪れた。
レイ「これは・・・?」
いちご「夥しい数の数字が、所狭しと記載されてるわね」
イッチ「麗華ー、これって何なのー?」
麗華「ここは・・・死んでいったアクアリスの人々の慰霊碑。中央の巨大モニュメントと壁一面には、死んだアクアリスの人達の名前が刻み込まれているの」
いちご「・・・て事は、ここに書かれている数字が全部!?」
いちごの言葉に、麗華は頷く。
824: 194 :2022/07/24(日) 18:52:30 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
麗華「かつての私は、毎日ここで祈りを捧げていたの。死んでいった、アクアリスの人達に・・・」
レイ「麗華ちゃん・・・」
麗華「・・・そんな悲しそうな顔をしないで、レイ。人々への思いと祈りは・・・記憶の改変に関係なく、私の・・・偽りの無い心だったから・・・」
イッチ「・・・そっかー。あ、でももし、奴が大暴れしてこの塔が崩れたら・・・」
麗華「・・・大丈夫。死んでいった人達の名前は・・・全て、私の記憶の中に有るから。とはいっても、名前を奪われて数字だけとなっているけど・・・」
レイ「・・・必ず奴を倒して、本当の意味でこの人達が眠りに付ける様にしないと、だね!」
レイの言葉に、皆が頷く。ここに有る限り、人々の魂はトラー・ゲルトナーに囚われたままなのだ。
本当の意味で眠りに付けるよう、奴を葬り去らなければならない。改めて、決意を新たにするレイ達だった。
再び102階へと戻り、壁に穴を開けて塔から脱出して地上部分へと向かう。
地上でナナ達と合流し、塔に穴を穿ち内部へと侵入。トラー・ゲルトナーが潜伏する地下を目指す事となったのだった。
825: 194 :2022/07/24(日) 18:53:00 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
オマケ
「塔」
装甲装甲姫(レイ・ゲルトナー)の第二最重要防衛目標。
直径1075m、全高10500mの巨大施設で、内部は102階層に分けて構成され、入口は1階層、102階層に設置。尚、1階層の出入り口はエアロック式となっており、「塔」内外で役割が異なるナノマシンの混合を防いでいる。
各進入口はナノマシン認証のセキュリティが設置されており、リアルタイムで変動するナノマシンキーに対応可能(ナノマシン生産が可能)なトラー・ゲルトナーとレイ・ゲルトナーのみしか進入する事が出来ない。
1階層~100階層までは塔の内周に沿って作られた階段で行き来可能。セキュリティや環境保全の関係で、101階層を行き来するエレベーターを除き、階段以外の移動手段は一切設置されていない。
25mもの分厚さによる複合装甲壁、最近「塔」を覆う方で増設された大出力ナノマシン・バリアによって完璧な防御力を保持しており、「塔」外部からの攻撃は受け付けない。例え損傷したとしても、ナノマシンによって直ちに損傷部分の修復が行われる。
下部100階層は自然階層となっており、トラー・ゲルトナーによる収集された情報、レイ・ゲルトナーの生前の記憶から抽出された情報を元に、テラフォーミング前のアクアリスの各所の環境がテラフォーミング・ナノマシンによって再現。壁面は一体型の巨大ホログラムスクリーンで自然の景観を損なわないようにされている。
再現後はテラフォーミング・ナノマシンによる環境安定によって完璧に保管されている。環境再現は自然のみならず、各都市や各町の一区画なども再現されている。
環境再現の為、「塔」外のガイア環境とは異なり、多種多様なウイルスの根絶などは一切行われていない。その為、レイ・ゲルトナーが自然階層に長期滞在する際は、大型艤装と共に進入する事が必要不可欠となる。
101階層はアクアリス人類の慰霊碑。
テラフォーミング・ナノマシンによって完全無菌化、分厚い防音装甲壁によって完全無音となっている階層中心部に巨大モニュメントが設置され、それを中心として戦争で死亡したアクアリス人類の氏名が所狭しと書かれたモニュメントが大量に設置され、壁面一杯にも氏名が記載されている。
尚、101階層は100階層から200m上に設置されており、移動にはエアロック構造のエレベーターを使用する。100階層から101階層に移動中、エレベーター内にテラフォーミング・ナノマシンが放出、充満。エレベーター内を完全無菌化が完了後、101階層に到着する設計となっている。
102階層はレイ・トラゲナーの生活施設。彼女が生活するに十分な設備が整えられており、予備大型艤装が保管。複数の進入用入口と、出撃用カタパルトが12方向、合計24箇所に設置されている。
空気抵抗が少ない 10500mの超高空から出撃する事により、アクアリスの各所に極めて迅速に到達する事を実現している。
102階層は101階層から200m上に設置されており、101階層と102階層を結んでいるのと同機能が搭載されているエレベーターが接続され、これによって完全無菌化をしつつ101階層に移動する。
本来の「塔」は100階層…全高10000mで建造予定だったが、レイ・ゲルトナーの配置を決定した事により、改変した記憶の整合性を補完する為に101及び102階層を増設して建造された。
826: 194 :2022/07/24(日) 18:53:30 HOST:ai126197005130.18.access-internet.ne.jp
以上です。いよいよ本拠地である塔内部への侵攻を開始しました。
塔内部への侵入ですが、麗華の武器である月光及び月明のリミッター解除のフルパワーによる斬撃で強引に突破しました。差し詰め「マスターキー(物理)」といった所でしょうか(ヲイ)
そして予備の艤装の回収と、レイ達にアクアリス人類の慰霊碑を見て貰うイベントと相成りました。このイベントは、書いておきたいイベントの一つだったので。
オマケは、クローサー様による本拠地の塔の設定(地上部分)となります。この設定の素案自体は、まだ地球上での戦いが繰り広げられている頃に頂いた物でして、以後数度の改定を繰り返しながら
完成に至りました。いつもながら、素敵なアイデアの数々には本当に脱帽物です。この場を借りて、お礼申し上げます。
次回はいよいよ地下へと侵入。トラー・ゲルトナー本体の他に、幾つかの重要な機械等が置かれています。その辺の設定も頂いておりますので、次回以降後悔していこうと思います。お楽しみに。
wiki掲載は、自由です。
最終更新:2022年07月29日 09:53