949：モントゴメリー：2022/08/19(金) 21:52:12 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
無幻世界支援SS——M4 Special ——
車体長：5.89m
全幅：2.62m
全高：2.74m
重量：約32t
エンジン：410馬力
最高速度：48km/h
主砲：50口径90mm砲
副武装：12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919×2
車体最大装甲64㎜（垂直から47度傾斜）
砲塔89㎜
【概要】
アメリカ合衆国で開発されたM4中戦車、その派生型である。
主砲を50口径90mm砲に換装に攻撃力を飛躍的に向上させている。
【計画】
開戦時、合衆国陸軍は自国のM4中戦車に対し絶対の自信を持っていた。
中砲身７５㎜砲と厚さ50mmの傾斜装甲の組み合わせは正に革命的であり、「最高のパートナー」でかつ陸軍大国であるソ連の新型戦車T-34と比較しても遜色ないものであった。
しかし、その自信はイベリア半島で粉砕されることになる。
英国軍のセンチュリオン歩兵戦車はM4の75mm砲を意に返さず、その17ポンド砲は2000mの距離からでもM4の正面装甲を貫通してきた。
しかし、現場からの悲鳴に等しい報告に対して本国の陸軍地上軍管理本部（AGF）は冷淡であった。
敵戦車の相手をするのはタンクデストロイヤー（戦車駆逐車）の任務であるからM4中戦車が敵戦車と交戦・撃破されたのは現場の運用が悪い。
彼らの主張は上記の通りである。
それでも流石に無策では不味いと判断したのか、ドイツ軍によるマジノ線突破戦の戦訓を調査した結果としてM4中戦車の主砲をM4 22.5口径105㎜榴弾砲に換装すると発表した。
「マジノ線のような要塞線を突破するには75㎜砲では力不足」という考察であった。
この105mm榴弾砲は、成形炸薬弾を使用すれば約100mmの装甲版を貫通できるので一応は対戦車火力も強化されたことになる。
さらに、50口径90mm砲を搭載したタンクデストロイヤーの開発を決定しセンチュリオン歩兵戦車への対策としている。
しかし、イベリア半島の生き残りたちは納得しなかった。
タンクデストロイヤーと戦車による役割分担など机上の空論、それを彼らは戦友の命を授業料として学んでいたからだ。
彼らはM4中戦車に90mm砲を搭載してタンクデストロイヤー分の生産力も振り向けろ、とAGFに怒鳴り込んだ。
しかし、AGF側は「戦車の任務は陣地攻撃、90mm砲は不適格」だと取り付く島もない。
激昂する戦車兵たちが拳で語ろうとした寸前、彼らを率いてきた士官がそれを押しとどめ「今日のところは」失礼すると引き下がった。
そして後日、膨大な実験データを携えてまたやって来た。
そのデータによると
- 長砲身90mm砲は短砲身105mm砲に対してコンクリートの貫徹長さで優越している。
- 榴弾火力の低さを鑑みても、対陣地攻撃力はほぼ同等である。
- そして、1車両に搭載できる砲弾数は90mm砲の方が多い
- 高初速であるため遠距離から敵陣地をアウトレンジすることも可能である
その士官はこれらのデータを基に
「対陣地用としても長砲身90mm砲は適している」
と主張した。
AGF側も自分たちの論理で攻められると反論するすべを持たず、この提案を受け入れるしかなかった。
こうしてM4 Specialの開発は決定された。
950：モントゴメリー：2022/08/19(金) 21:52:45 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
基本的には通常型M4と変化はない。
ただし、90㎜砲を搭載するため砲塔に変更が加えられている。
具体的には長砲身によるスペースの狭隘化とノーズヘビー化を是正するため、砲塔外後部にカウンターウェイト兼用の装甲ボックスが溶接された。元の75mm砲に付属していたジャイロスタビライザーは適合しないため撤去された。砲の駐退復座機の後座距離が大きくなり、装填手が砲塔右側のハッチから入って左側に回り込めなくなったため、左側にも専用の四角いハッチが追加された。
【運用】
本車両は、基本的構造は従来のM4とほぼ変わらないので早期量産が可能であった。
そのため部隊配備も滞りなく行われ順次南部戦線（メキシコ戦線）へと投入された。
また、北部戦線（アラスカ・カナダ戦線）やハワイ方面軍にも配備され日英同盟軍と死闘を繰り広げることになる。
しかし、90㎜砲の生産が間に合わず、105㎜榴弾砲やM1A1/A2 52口径76㎜戦車砲を搭載した従来型M4も並行して生産されることになる。
本車両はM4中戦車の優れた発展性を示す好例である。
951：モントゴメリー：2022/08/19(金) 21:53:58 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
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M4だってやればできる子なんです!!
実際、イスラエルのスーパーシャーマンなんて105㎜戦車砲搭載したんだから90㎜砲もいけるやろ？
と思い調べたら実際に試作されたことがあり、「Ｍ26ができるから要らない」とされたそうです。
最終更新：2022年08月26日 12:47
