601:陣龍:2022/08/08(月) 20:50:29 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
【ソ連本土絶対防衛線 スターリン・ライン】…東部戦線に集結した国際連盟軍の調整が終わり、改めてソ連軍と向き合ったドイツ軍であったが、正直に言ってそれなりに慢心をしていた。
総統閣下による諫めが有っても、軍隊の根幹である将校の殆どと大多数の佐官、一定数の熟練兵士が包囲網を逃れていたと言っても、結局は『第二次ヴィスワ川会戦はドイツ軍の大勝利』と言う意識は強く有った。空の方はもう少し酷く、対フランス・ベルギー空軍を文字通り一蹴し、ポーランドに攻め込んで来たソ連軍も旧式機の割合が多かった事も有って多数の『エース』をこの時点で出して居た程に活躍していた。慢心と言うより驕りを出しても、人間の心理としては致し方ない面も有るだろう。
そして特に、この時点でのドイツ空軍の驕りを裏付けた要因として、戦闘機が新鋭の『Fw190D』への更新が完了していた事も大きかった。旧式化が進んだBf109
シリーズは退役や供与向けへと格落ちし、前代のFw190Aも性能の陳腐化が見えつつある時に現れたこの改良機は、歴戦のドイツ空軍パイロットたちを満足させる性能を発揮していた。『ソ連空軍何するものぞ、例え如何なる【新型レシプロ戦闘機】が出て来ようとも、全て撃墜してくれるわ』と言う、ポーランドの酒場にて若手パイロットが酔っぱらいつつ大言壮語を語っていたと言う逸話が、この時のドイツ空軍の現場の雰囲気を分かり易く語っているだろう。尚、この大言壮語のパイロットはソ連空軍の【新型ジェット戦闘機】により呆気なく撃墜され、墜落時に額を装置に叩き付けて流血するも何とかそれ以上の大怪我も無く帰還していたが、その後全ての事柄に置いて大口を叩く事は一生無かったと言う。
そしてこの若手パイロットの様に、何処かソ連空軍を侮った心理を抱えつつも始まった、『スターリン・ライン』への攻撃に置いて、中央部へ勇んで飛び込んだドイツ空軍のFw190D部隊は、【未知の新型機】に真っ先に遭遇し、一航過にておおよそ二割近くが反撃もままならず撃墜・撃破されると言う大損害を被った。
慌てて【未知の新型機】を追いかけようとしたフォッケウルフも、あっと言う間も無く掛け離れた空域へ離脱して行った為に歯がゆくも見送るしか無く、それ以前に空から逆落としを仕掛けて来たソ連空軍の新鋭レシプロ戦闘機『ラボーチキン La-5』『ヤコブレフ Yak-7』が強襲を仕掛けて来た事で、それどころでは無くなっていた。純粋なカタログスペックでは『Fw190D』に劣る
両ソ連機であったが、ソ連お得意である局所的物量差に加えて、低空から中空域が主であった実際の空戦に置いては劣位は劣位でも完全に手も足も出ない圧倒的劣位と言う程の性能差では無かった事で、局所的数の優位も活かしてドイツ空軍へ次々と食らい付き、想定外の苦戦を強いる奮闘を見せた。
この時のソ連空軍のパイロットの練度も、促成栽培の低練度パイロットが激増する以前の頃で平均的に高く、彼ら熟練パイロットやソ連空軍のエースがかき乱した隙に促成栽培のパイロットが数を頼んで圧し潰しに掛かる戦闘形式が成立していた事も、傍目からでは少し分かり辛い事柄ながらに大きく戦局を左右していた。
602:陣龍:2022/08/08(月) 20:52:11 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
無論ドイツ空軍側も唯無様に撃墜されて行くだけでは無く、【未知の新型機】の正体をジェット戦闘機と即座に看破して後方へ情報を伝え、そして直ちに本腰を入れて空戦へ突入したのだが、戦闘初期段階の主導権をソ連側に奪われてしまった失点は少なくなく、また返す刀で再び戦闘空域へ突入して来た【未知の新型機】こと『Mig-13』戦闘機の戦闘力は、整備兵が『このブルジョワ戦闘機が』と揶揄するだけの『ワガママ高貴』な機体で有るが故に、最善のパフォーマンスを発揮した場合は全期間の大戦機の中でも屈指の高性能を、如何なる状況であろうとも発揮していた。
全力発揮可能な時間が僅か20分と言う欠陥と言うか欠点も、混合動力型の特徴の一つでも有るもう一つの搭載レシプロエンジンによって、空戦中にジェットエンジンの駆動可能時間が切れたとしても、ドイツ側が投入していた『Fw190D』相手でも戦えるだけの性能を『Mig-13』へ与えていた。
もし仮にこの時のドイツ空軍の主力戦闘機が、メッサーシュミット『Bf109』系統のままで更新が未了だったとしたら、『Mig-13』による初撃と他ソ連戦闘機による追撃で、更にドイツ空軍が被る被害は甚大となっていただろう。
想定外のソ連空軍による力戦敢闘にて存外に苦戦し、自ずと対地支援の為の襲撃機や爆撃機の出撃を、制空権が確保出来ないが為に及び腰になっていた頃、同じくドイツ陸軍もソ連赤軍による『後手の一撃』によって大きな被害を被っていた。開戦後からの戦果と快進撃にて能天気だったドイツ空軍を他所に、ドイツ陸軍はソ連戦車の『T-34』『KV-2』によって、ドイツ自慢の主力戦車である『Ⅴ号戦車パンター』『Ⅵ号戦車ティーガー』が集中射撃にて撃破された事例を重く見ており、それへの解答として更に強化した『Ⅴ号戦車パンターⅡ』『Ⅵ号戦車ティーガーⅡ』を投入する予定であったが、偵察の結果ソ連軍が構築した『スターリン・ライン』は思いの外強固であり、その為馬鹿正直に真正面から吶喊するのではなく、電撃戦での常套手段にして鉄則である『強固な地点は迂回して迅速に進撃・包囲』する為に迂回機動を試みた。
ソ連の誇る人的資源の量に任せた人海戦術も想定して、随伴車両には旧式化したⅢ号戦車、Ⅳ号戦車の車体を流用した対空戦車も複数存在していた為、今回も苦戦はしても突破は可能だと思われていた。
そして迂回機動を仕掛けたドイツ軍機甲軍は、カウンターを仕掛けて来たソ連軍の別機動隊と遭遇。
直ちに戦車戦に突入するも、既に見慣れたも同然だった『T-34』『KV-2』に加えて、【未知の重戦車】と遭遇。
出会い頭の一発にて『パンターⅡ』の側面装甲を難なく叩き割り、続けざまに『T-34』の改良型『T-34-85』を引き連れてドイツ軍の前に現れたのは、余りの重装甲と変貌ぶりからドイツ兵に【新型重戦車】と本気で誤認された『KV-3』重戦車だった。元々『KV-2』『T-34』の時点でソ連工業が生んだ最優秀戦車であったが、その最優秀戦車であってもドイツの新鋭戦車に劣勢であった衝撃は、その昔『KV-1ショック』の恐怖で暴走した日本と殆ど同質であった。そして恐怖に駆られるがままに『二式戦車』と言う怪物を生み出した日本と同じように急いで新型戦車を開発しようとしたソ連であったが、日本にはドイツとイギリスと言う頼もしい友人が居た事と、開発開始時期が冬戦争後からのスタートだったのに対して、ソ連は戦争中での開発に時間的余裕は少なく、そして日本にとってのドイツやイギリスと言う『頼もしい友人』は、ソ連には存在しなかった。
厄災ばかり擦り付けて来る
アメリカは『利用するべき相手』であり、その他の傀儡カナダや離反した旧英連邦二か国は『禿山の枯れ木』に過ぎなかった。要は眼中に無かった。
603:陣龍:2022/08/08(月) 20:54:03 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
無い物ねだりしても欲しいモノが地から湧いて出て来る訳でも無いので頭を抱えたソ連の戦車開発陣であったが、不幸中の幸いな事に、その『利用すべき相手』から少数が入国していたアメリカ人の戦車技師の存在と、半ば強引に実用化された重野砲級の口径を誇る『ZiS-6 107mm砲』の存在によって【戦時急造の間に合わせ戦車】の開発立案が立てられた。本命の、後に『JS-2』と名付けられる新時代の重戦車の開発は未だ先の話であるが、その本命が開発されるまでの間に合わせとして考案されたのが、既存の『KV-2』の生産ラインを流用し、そして極限まで重装甲を施した【移動トーチカ戦車】だった。
『T-34』で実用化された傾斜装甲も、一刻も早い量産が求められる状況の為に諦めて古臭い垂直装甲となり、そしてその古臭い設計を補う為に装甲を極端に厚くし、機動性は重戦車と言う事で殆ど最初から放棄すると言う割り切って開き直った設計の重戦車だったが、いざ製作して見ると確かに今では鋳潰されたり練習用に回される様な、旧世代戦車並に低速で有るのは事実だったが、思ったより足回りの動きは良く、足を止めての撃ち合いでは滅法強いと言う、今のソ連軍が最も求めていた戦車に昇華していた。
視察したソ連赤軍の高官は喜びの余り開発者の手を取って振り回す位に、豪快な握手を交わしたと言う逸話が残された程である。
本来足回りが脆弱である筈の重戦車でありながら、予想外の機動力を保有する事になった主な要因として、『利用すべき相手』の国から来た『客人』ことアメリカ人戦車技師たちであったが、彼らは元々本国で航空機部門と同じく、極端な戦艦傾注の政府姿勢の煽りを受けて冷遇されており、その為少人数ながら所属企業の命を受けたり、又はソ連側からの要請を受けて新型戦車開発の為にソ連に入国していた。明け透けに言えば航空機と同じく、ソ連のカネで技術開発するつもりだったのだ。ただ航空機と違い、ソ連技術の結晶でも有る戦車開発に関してはそこまで深く関わる事は出来なかったが、それでも自動車大国にして耐久性の有る機械製品に知見の深いアメリカ人技術者の存在は、多数輸入されたアメリカ製工作機械と共に珍重された。
正しこのソ連戦車開発で得られた知見は、当のアメリカでは日本の攻勢による敗退にて荒れ狂う混乱によって長期間活かされなかったと言う皮肉な結果になったが。
開発に関する経緯は兎も角、後に『JS-2』と命名される最新鋭戦車の開発にソ連戦車技術の過半が回され、残った人員による『KV-3』の開発では様々なすったもんだとロシア戦車開発時の半ば伝統芸能となった、開発者たちによるウオッカの飲み合いと酒瓶のド付き合いを経て、最終的にスターリン書記長の目の前でお披露目された量産型の『KV-3』は、先の『KV-2』の改良型と聞いていた書記長の両眼を丸くさせ、そして久しぶりの喜びによる微笑みと拍手を以て歓迎された。改良型と言いつつ『KV-2』の面影は大して残っていない程に巨体化と重装甲の塊とされたが、それだけしただけの甲斐は有り、ソ連戦車特有の居住性を無視した内部構造も、巨大化とアメリカ人戦車技師の助言にて多少は改良され、重戦車に共通する足回りの弱さも、アメリカ製工作機械を用い、アメリカ規格の部品を多用した事で想定以上の堅固さで機動力が発揮出来た様に、アメリカ由来の影響は随所に見え隠れしていた事がどうでも良くなる位に、『KV-3』は速度を殆ど放棄した代償に、既存戦車より一段上の攻撃力と、ソ連最強の重防御を誇る新型戦車となっていた。足を止めた撃ち合いに置いて、ドイツが誇る重戦車と渡り合えたのも当然であった。
604:陣龍:2022/08/08(月) 20:55:45 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
量産するのは生産ラインの強化や工員の習熟度等により多少時間が掛かったが、
元々の基本設計が既に生産が行われていた『KV-2』であった事から大きなトラブルも無く順調に進み、今回ドイツ軍の迂回した機動部隊に殴りかかった『KV-3』は先行量産型等は混ざっていない全て制式採用された戦車であり、ドイツ軍へ叩き付けられた破壊力と衝突力を大きくさせる結果を呼び込んだ。
『中身』の練度も、対仏・対白、そしてポーランド戦役にて経験を積んだドイツ機甲部隊にこそ若干劣るも、十分に訓練を積んだソ連戦車兵が揃っていた事から、この点でのドイツ側の優位もそこまで大きくは無かった。
開戦当初は準備不足と生産力の兼ね合いで、無線を搭載した戦車が少なかったソ連軍も、この頃にはある程度の無線の量産が進み、『KV-3』の全車両には安定のアメリカ規格の無線が搭載され、集団戦と足を止めた殴り合いに置いては、ソ連戦車はドイツ軍に引けを取らない戦いぶりを見せつけた。
そして性能が凡そ同格となれば後は数の潰し合いであり、物量戦はソ連軍の真骨頂であった。
余談だが、『KV-3』を緊急投入している間に開発される予定であった『JS-2』の開発進捗についてだが、ポーランド戦役にて首都ワルシャワの包囲が解かれ、そしてソ連軍が決死の脱出を遮二無二遂行して居る最中に、後の『JS-2』の原型となる『JS-1』の試作型が開発され、一部が実戦試験に投入されたのが救いとなった。
投入された『JS-1』は数が少ないのに加えて、射撃戦をする前に『Ⅵ号戦車ティーガーⅠ』に射程外から撃破された事で量産は見送られたが、基本設計を流用する形での開発にて『Ⅵ号戦車ティーガーⅠ』と互角、乃至優位に戦える重戦車開発の目算は付けられた。後に『Ⅵ号戦車ティーガーⅠ』を超える改良型の『Ⅵ号戦車ティーガーⅡ』の出現で開発に混乱が発生して量産開始が更に後ろ倒しにずれ込むも、その分各種戦訓を盛り込み、ソ連技術を基盤にアメリカ由来の工業技術、そして戦場で鹵獲し一部リバースエンジニアリングに成功した国際連盟側の英独伊ら各国戦車技術も次ぎ込まれた、第二次世界大戦最強戦車候補の一角にのし上がって来るのであるが、それは未だ先の話である。
想定外の大苦戦を強いられたドイツ軍であったが、増援として国際連盟側の二カ国の軍隊が派遣されており、ドイツ軍苦戦の情報を聞く成り援軍として戦場に突撃して来た事で、状況は更なる回天を始めた。
戦域中央部でソ連空軍と乱戦に巻き込まれたドイツ空軍に対して、未だ後方基地に屯っていたイタリア空軍が横合いから突入。自国産の最新鋭機『マッキ MC.205V ヴェルトロ』と共に、また日本から支援として送られて来た『三式戦闘機 飛燕』が雪崩れ込んだ事で、空域は完全に混沌の渦と化した。『三式戦闘機 飛燕』に関しては最早説明も不要だが、フィリピンに逃れた旧アメリカ系航空企業と航空技師達の多大な影響や技術も有り、生産が簡便(工数がWW2型戦闘機で最も少ない)なのに反比例するように高性能を誇っており、後にオスマン帝国にてライセンス生産された程に世界各地で使用された『国際連盟空軍標準戦闘機』であり、イタリア国産の『マッキ MC.205V ヴェルトロ』は、日英独から流れて来た各種技術をイタリア成りに纏め上げて開発された戦闘機であり、戦後この『ヴェルトロ』に搭乗した歴戦の日本海軍パイロットが「これ程までに操って飛ぶ事が楽しく、思い通りに機動出来る戦闘機に乗ったのは96艦戦以来だ」と、興奮のあまり呂律が変に成りつつも熱弁した程に優秀な戦闘機で、後世イタリア最優秀戦闘機と評されるのも当然の優秀機だった。そんな両機種が殴り掛かって来たのだから、ソ連空軍に取って溜まったものではなかった。
605:陣龍:2022/08/08(月) 20:58:07 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
間の悪い事に、つい先程圧倒的戦闘力を示した『Mig-13』も、既にジェットエンジンの駆動可能時間は切れ、また弾薬欠乏や燃料切れ、若しくは巧みに建て直したドイツ側戦闘機により少数機が撃墜される等して既に撤退しており、その他のレシプロ戦闘機勢もドイツ空軍との戦闘で疲労していた所に新鋭の戦闘機が横合いから強襲して来た為、応戦もそこそこに撤収。イタリア機もドイツ空軍の救援を最優先事項としていた為に深追いはしなかった為、ソ連側の一部が命令無視して交戦を継続してイタリア人に撃墜機数を献上した以外はあっけなく終結した。そして撤収後に被害を纏めると、新鋭の『Fw190D』に更新済みであったがかなりの被弾機や帰投後修理不可能とされた廃棄機、そして未帰還機を出しており、開戦前散々侮っていたドイツ空軍の面々は揃ってお通夜の如き心持ちだった。
ヒトラー総統の演説にて感化・再認識され、自軍の驕慢具合に警告を発していたドイツ空軍の将軍たちも、後方から補充が来るとは言え無視できない損害を受けた事に胃痛の日々が来たるのであった。
一方ドイツ陸軍別機動隊とソ連赤軍による激戦の方だが、『Mig-13』はエンジン等の備蓄部品や整備された飛行場、航続距離等の関係で此方の戦場には来ていなかったが、その代わりのソ連空軍による襲撃機や戦闘機はそれなりに飛来しており、兎に角足が遅い『KV-3』の支援を『T-34-85』と共に行っていた。
ソ連軍恐怖の象徴であった『ティーガー』戦車の主砲も平然と弾き返す化け物戦車も、余りにも足が遅すぎる為に錬達のドイツ戦車兵に速度の差で後ろに回り込まれて爆砕される事例が既にみられており、空からの目で補う事を目論んでいた。そんな戦場にもドイツ側の同盟軍が救援にやってきており、此方にはイギリス空軍部隊が多数到来。対地爆撃の優秀さが最大のアピールポイントである『ランカスター』重爆撃機を主体とした長距離爆撃部隊は、御供にこちらも日本から来た『三式戦闘機 飛燕』と共に、イギリス最新鋭長距離戦闘機である『ホーカー テンペスト』と、基礎設計を同じくしつつも此方は対地襲撃向けに改修された『ホーカー タイフーン』を投入。機動性は良くとも根本的に低速である『KV-3』に取って、豊富な搭載量を誇る重爆撃機による絨毯爆撃は相性が悪く、またソ連空軍の『シュトルモビク』とはまた趣が違う襲撃機の『ホーカー タイフーン』の攻撃力も高く、濁流の如く射撃される弾幕はソ連戦車のみならず、立ち向かったソ連空軍の戦闘機も射竦めた。対戦闘機戦闘が本職である『ホーカー テンペスト』と『三式戦闘機 飛燕』は言うまでもなく、ソ連空軍の戦闘機を相手取って活躍した。
イギリス空軍に混じり、ドイツ空軍の使用する『一式艦上爆撃機 彗星』も複数機対地襲撃にて活躍し、その中に『彗星』の開発者チームが「これを運用できるパイロットは天才的な狂人」と呆れ顔で言ったほどに、設計上の限界を超えるハードポイントを戦地改造にて爆弾と共に搭載し、被撃墜されるその瞬間までソ連戦車を狩りまくった挙句ソ連の対空砲火で撃墜されても五体満足の無傷でドイツ陸軍兵士と共に基地に帰還し、翌日当たり前に牛乳を飲んで体操して再出撃した『ソ連人民最大の敵』にして『東部戦線の魔王』が暴れ回った末に両者撤退したが、結果的には戦車の撃破台数が独ソ共に互角に近くは有ったが、戦略目標を達成出来ずに引き下がったドイツ側の歴然たる敗北が印象付けられてしまった。
付け加えると、この撃破台数には空襲によるものも加算されている為、純粋な戦車戦では、圧倒的重装甲を誇る『KV-3』に過剰にドイツ側戦車の攻撃が吸い取られ、その隙に撃たれている側の
『KV-3』による反撃の一射や、集団戦で回り込んだ『T-34-85』の集中射撃にて撃破されたドイツ戦車の方が多かった。
勿論圧倒的な差では無いし総合的に見るとドイツ側優位な面が多い事に変わりは無いが、憂慮の種としては無視できない問題であった。アメリカ製の無線機を搭載したソ連戦車の連携能力は、歴戦のドイツ戦車部隊でも無視出来ない領域にまで昇華されていたのだ。
606:陣龍:2022/08/08(月) 21:01:58 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) と言う事でソ連側の戦略的奇襲効果で色々酷い目に遭ったドイツ軍でした。まぁ損害補充は十分短時間で出来る程度ですが
|д゚) 飛燕がマスタング染みた戦闘機になってたり、テンペストとタイフーンが兄弟機っぽい仕様になってたりしますが、大陸日本付き転生者なしルートだとちょっとイギリスの方は挑戦してる感が有りますが大丈夫じゃろ多分
|д゚) 改修は大丈夫だと思いますが表現等にズレが生じておりましたら気にしないでください()
最終更新:2022年08月26日 12:56