155:194:2022/08/08(月) 22:05:30 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その97 三つの世界の人々の思い


レイが撃破され、奴に取り込まれる様を目撃してしまった戦娘達。当然ながら、皆大きく動揺してしまう。


イッチ「レイ!?レイ―――――!?!?」

いちご「そんな!?レイが・・・!?」

麗華「皆!!動揺しちゃ駄目!!・・・っ!?」


一瞬動きを止めた麗華に、指向性バーストチャージが襲い掛かる。
皆と同様に大きく動揺していた事も有り、回避が遅れてしまう。
クリーンヒットこそ免れたが、艤装は大きく損傷。修復も出来そうになかった。


麗華「クッ!?・・・残存するナノマシーンを私に移譲!艤装をパージする!」


ナノマシーンを委譲して、艤装をパージする麗華。更なる戦闘力低下は避けられなかった。
さて、レイを取り込んだ触手だが・・・本体に飲み込まれる事は無かった。
理由は不明だが、


「取り込んだら、何か拙い事が起こりかねない」


と、本能レベルで察知した様だ。
その変わりと言わんばかりに、その触手を盾代わりに使用するトラー・ゲルトナー。これでは、下手に撃つとレイまで巻き込んでしまいかねない。

そんな様子も生放送で流れており、人々に絶望の感情を与える。
ネット上でも・・・


234: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

もうだめだぁ・・・おしまいだぁ・・・

235: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

反則過ぎるぞ!こんなチート!!

236: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

どうやったら倒せるんだよ・・・

156:194:2022/08/08(月) 22:06:00 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
予想通り、絶望的なコメントで溢れていた。
それ故、宇宙でナノマシンケーブルを迎撃している艦艇の内、やまとが辛く、そして非情な決断をしようとしていた。


やまと『・・・柏木長官。神崎提督。・・・特殊戦略砲の使用を、具申します・・・』

柏木「やまとちゃん!?正気かい!?」

やまと『・・・これ以上、犠牲を増やす訳にはいきません。横手司令・・・残りの戦娘の皆と地上の部隊、水上艦隊に退避命令を』

やまと『特殊戦略砲を中心に大和お姉ちゃんとふじちゃん、人型特重機動戦艦・大和の最大火力で、この星ごと吹き飛ばします!!』


今にも泣きそうな顔をしながら、それでもハッキリと最大火力でアクアリスごと葬り去るべきだと具申するやまと。
親友が目の前で死ぬ様を見せられた以上、これ以上の犠牲は看過出来ない。胸が締め付けられる思いだった。
だが・・・それに待ったをかけた人物がいた。大郷寺博士だ。


大郷寺「待ってくれ!まだレイ君が死んだとは決まっておらん!まずはその確認が、先決じゃ!」

フェル「・・・そうデス!!PVMCGが生きてイレバ、量子通信でバイタルデータが確認出来るデスヨ!!」


フェルの言葉に、大郷寺博士が自らコンソールを操作して、レイの現状を確認する。
そして・・・まだレイは生きており、コアとの同調率も保たれたままだという事が分かった。


横手「・・・レイ!」

柏木「・・・彼女がまだ生きている以上、さっきの案は採用出来ないな」

やまと『・・・ハイ!!』

オペレーター「し、しかし・・・ここからどうするのデス?彼女は触手に飲み込まれたまま・・・しかもその触手を盾代わりに使用しているのデスヨ!?」

大郷寺「通信機器はまだ生きておるのじゃろう?ならば、とにかく呼びかけを絶やさぬ事じゃ!」

オペレーターB「よ、呼びかけ・・・・デスカ!?そんな方法で!?」

大郷寺「どんな事じゃろうと、やれる事をやるだけじゃ!!通信を維持し、レイ君に呼びかけ続けるんじゃ!ワシは彼女の様子に変化が無いか、チェックを続ける!!」



大郷寺博士の言葉で、やるべき事が決まった。
彼女への思い、それを言葉にして送り続ける事。彼女が・・・レイが、再び覚醒する事を信じて。

157:194:2022/08/08(月) 22:06:30 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
一方その頃、肝心のレイ本人はと言うと・・・
その意識は、現実とは違う場所に有った。オブラートに包まずに言うと、此岸と彼岸の境に居たのだ。


レイ「・・・ここは?」


辺りを見渡すレイ。どこまでも続く広大な花畑。
さっきまで居た筈のアクアリスとも違う、不思議な光景。足を見ると、薄く消えかかっている状態だった。
それで理解した。自分は・・・死んだのだと。


(そっか・・・。私、死んじゃったんだ・・・。平文さん・・・皆・・・ゴメンナサイ・・・)


涙が頬を伝う。大切な仲間達を、愛する人を残したまま死んでしまった事実に、レイは打ちひしがれてしまう。
声も無く泣き続けるレイ。一頻り泣いた後、レイは当て所無く歩き始める。
どれ位歩き続けただろう・・・。ふと目の前を見ると、そこには大きな川が。これが俗にいう、三途の川という奴だろうか。
対岸には、沢山の人達が居る。皆穏やかで、とても満ち足りた表情をしている。彼等が、死んでいった人達の霊だろうか。
ならば・・・必ず居る筈。そう思って対岸を探すと・・・居た!
蒼空邪軍の空襲で死んだ、彼女の家族。両親と、弟のユウの姿が。
二度と会えないと思っていた家族。その家族が、川を越えた先に居るのだ。


レイ「お父さん・・・お母さん・・・ユウ・・・」


涙が後から後から溢れ出す。これからは・・・これからは、ずっと一緒なのだ。
川へと駆け寄るレイ。家族の方も、レイの姿を確認する。だが・・・
家族が掛けてきた言葉は、思っていたのとは真逆な物だった。


父「来るな!麗子!・・・まだ、まだこっちに来るんじゃない!!」

レイ「・・・え!?」

母「まだ貴女は、こっちに来てはいけないの!!元居た場所に、戻りなさい!!」

レイ「お父さん・・・?お母さん・・・?何で・・・?」

ユウ「お姉ちゃん!!こっちに来ちゃ駄目だよ!!まだやるべき事が、残ってるじゃないか!!」

レイ「・・・やるべき事?」

158:194:2022/08/08(月) 22:07:00 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
ポカンとするレイに、ユウは尚も続ける。


ユウ「そうだよ!悪い奴をやっつけて、皆を救うって!まだ悪い奴を、やっつけていないじゃないか!!」

レイ「ユウ・・・・・。でも、私は・・・・・」

父「お前の帰りを、沢山の人達が待っているんだ!!だから・・・元居た場所に返りなさい!!」

レイ「待っている・・・人達・・・?」

母「・・・見なさい。あっちの世界の様子を」


そう言って、指をさすレイの母親。
その指が差す所を見ると・・・今なお闘いながら、懸命にレイ達に呼びかける皆の姿が有った。


イッチ「レイー!アンタ、言ってたでしょー!『平文さんとの赤ちゃんを産むんだ』ってー!こんな所で死んだら、死んでも許さないからー!!」

いちご「レイ!私はまだまだ、貴女と一緒に生きていきたい!お願いだから、最後まで諦めないで!!」

カイ「レイ!貴女達ハ、私達アクアリス人類ニ希望ヲクレタ!貴女ハ、私達アクアリス人類ノ希望ソノ物ナノ!ダカラ・・・モウ一度、私達ノ所ニ戻ッテキテ!!」

キュウ「・・・一人だけ先に逝くなんて、絶対に許さないから!!」

ヒト「そうです!!貴女は、皆の憧れ!皆の希望なんです!!レイさん!!」

ミオ「セヤ!!オ前ハコレカラモ、皆ノ希望デ有リ続ケントアカンノヤ!!レイ!!」

ミヨ「・・・戻ッテコイ!!」

麗華「貴女と私は一心同体!だからこそ、一緒に生きないといけないの!お願い!戻ってきて!!」

バード1「君は俺達を、絶望から救ったヒーローなんだ!!こんな所で死んじゃ駄目だ!!戻ってこい!!」

柏木「俺達大人を差し置いて、若い君が逝くんじゃない!!戻って来るんだ!!」

フェル「諦めたら、そこで試合終了だと言うデショウ!!最後まで諦めたら、駄目デスヨ!!」

やまと「約束したよね!戦争が終わったら、大和お姉ちゃんと一緒に超大陸世界を案内するって!レイちゃん達と一緒に、色んな所を回りたい!だから・・・戻ってきて!!」

大和「レイちゃん!沢山の人達が、貴女の帰還を望んでいるの!!だから・・・もう一度戻ってきて!!」

横手「レイ・・・。あの日、一緒に誓ったじゃないか。『新しい家庭を、皆と一緒に作るんだ』って。レイが居ない戦後なんて、到底考えられない。だから・・・戻って来てくれ!!」

159:194:2022/08/08(月) 22:07:30 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
皆が戦いながら、レイに必死に呼びかけている光景を目にするレイ。
そして・・・彼女の帰還を望んでいるのは、彼等だけでは無かった。
小さな神社に人々が集まり、神に祈りを捧げている。レイ達への思いを胸に。
三世界の各宗教の関係者達が、宗派も何もかもを超えてレイに・・・戦娘達に祈りを捧げる。レイの帰還と、戦娘達の勝利。ただそれだけを願って。
ティ連の人々も、創造主ナヨクァラグヤに祈りを捧げる。生まれも種族も違う人々が、たった一人の少女の帰還とこの戦いの勝利を願い続ける。
更にネット上では・・・


894: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

お前等!彼女の・・・レイちゃんのイラストを描きまくるんだ!!
俺は描いた!今から二枚目に突入する!!

ttps://tbyaitter.com/〇〇〇・・・・・

895: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

ファッ!?何でイラストを!?

896: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

描けば出るって言うじゃないか!!ならば描きまくれば、レイちゃんが復活するやろ!!

896: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

おま!?艦これとちゃうねんぞ!?

897: 名無しさん@アクアリス最終決戦 投稿日:~

お前等が何と言おうと、俺は描き続けるぞ!!
彼女達への思いを、絵に込めて投稿する事で送り続けるんだ!!


その書き込みが拡散され、触発された他の者達もレイの絵を描き始める。その数は短時間で加速度的に増えていき、三世界合計で10万単位処か100万の大台に達し、膨大な数のレイのイラストがネット上に投稿されていく。
日本の津々浦々、地球世界の各地、遠く離れたティ連の各地で、皆が思いを一つにして祈っていた。

160:194:2022/08/08(月) 22:08:00 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
レイ「みんな・・・・・」


レイは泣いていた。
三つの世界の、生まれも宗教も種族の違いすら超えて、沢山の人達がレイ達を信じて祈り続けているのだ。
涙を流すレイに、家族は尚も叫ぶ。


父「お前が居るべき場所は、ここなんかじゃない!!皆が居る場所へと、戻りなさい!!」

母「貴女はもう、独りぼっちじゃない!!だから・・・貴女が居るべき場所へと戻りなさい!!」

ユウ「お姉ちゃん!!信じているから!!悪い奴をやっつけて、平和な日常を取り戻してくれるって!!だから、頑張って!!」

レイ「お父さん・・・お母さん・・・ユウ・・・」


涙が止まらない。
皆が望んでいるのだ。
皆が待っているのだ。
もう一度・・・自分が、仲間達の元へと戻って来るのを。
再び戻る決意を固めたレイ。彼女は、家族に向かって叫ぶ。


レイ「お父さん!!お母さん!!ユウ!!・・・私、もう一度だけ頑張って来る!!・・・皆の為に、大切な人達の為に!!」


彼女の言葉に、両親は涙を浮かべながら頷く。
そして、ユウは


ユウ「お姉ちゃん!!元気でね!!」


ユウの言葉に、レイは静かに頷く。
そして・・・再び元来た道を引き返していく。もう二度と、振り返る事は無かった。

161:194:2022/08/08(月) 22:08:30 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
その変化に最初に気付いたのは、大郷寺博士だった。
各バイタルが急速に正常値へと戻ると共に、コアの同調率が凄まじい勢いで上昇を始めたのだ。
それも・・・マリアージュシステムによる婚姻で実現可能な200%すら超えて、更に上昇を続けている。


大郷寺「こ、これは・・・コアの同調率が・・・」

横手「何が有ったんですか!?」

大郷寺「コアの同調率が、200%を超えて更に上昇を続けておる!こんなのは・・・全くの想定外じゃ!」

柏木「何ですって!?どういう事です!?」

大郷寺「コアの同調率は、通常で最大100%。マリアージュシステムによる限界突破が為されても、最大で200%までなんじゃ」

フェル「ジャア、何で更に同調率ガ・・・?」

大郷寺「・・・横手君。最初に指輪を渡したのは、レイ君で間違いないかな?」

横手「え、ええ」

大郷寺「・・・もしかしたら、何かの手違いで競合試作品が渡ってしまったのか・・・?」

横手「競合試作品?一体どういう事です!?」

大郷寺「・・・マリアージュシステム用の指輪なのだが、実は二つの試作品が存在していたのじゃ」

柏木「二つ?」

大郷寺「ウム。一つは正式採用品でもある、レアメタルをふんだんに使用した特殊合金製の物。もう一つは・・・無害化したナノマシンで作られた物だったんじゃ」

神崎「何で二種類も?」

大郷寺「同調率の限界突破を実現する手段を確立する為に、二つの素材の内どちらがより確実にそれを成しえるかと言うのを模索する為に、二つの種類を製造してみたのじゃ」

大郷寺「じゃが・・・検査した結果、『どちらも大差無し』と言う結果が出た為、最終的により安全に量産可能な特殊合金製の物が採用されたんじゃ」

横手「不採用になったもう一つの方は・・・?」

大郷寺「廃棄する予定だったのじゃが・・・何かの手違いで、そちらに渡ってしまったのかもしれん」

162:194:2022/08/08(月) 22:09:00 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
そう結ぶ大郷寺博士。
だが、同調率の異常な上昇は大きな問題だった。下手をすると、蒼空邪軍化してしまいかねないからだ。


横手「・・・ですが、これはマズすぎる事態では!?このままじゃ、レイが蒼空邪軍化して」

大郷寺「いや、その兆候は無い。人間が蒼空邪軍化してしまう場合、特徴的な脳波が検出されるのじゃが・・・そう言った脳波が、全く検出されておらん。唯々同調率が、上昇を続けておるのだ」


蒼空邪軍化する事無く、コアの同調率が上がり続けている。
全くの想定外な事態を前に、一堂は困惑する。
何が起きているのかを確認すべく、地上へとセンサーを向ける。すると・・・信じられない出来事が起こっていた。

一方、地上では・・・不思議な事が起こっていた。
腹に触手が突き刺さったまま、触手の内部に囚われている状態のレイ。その体が・・・黄金に光輝きだしたのだ。
その彼女は、意識の無い状態で何かを呟いていた。


レイ「・・・誓ったんだ。・・・この戦争を終わらせて・・・平文さんとの赤ちゃんを産んで・・・平文さんと・・・皆と・・・新しい家族を作るんだって・・・」


輝きが増していく。
突き刺さっていた触手が塵も残さず消滅し、その傷も急速に塞がっていく。
虚ろだった目に光が戻る。内から湧き上がる力を感じながら、彼女は叫んだ。


レイ「私は・・・誓った!!」


BGM・燃えあがれ闘志 忌まわしき宿命を越えて


光のオーラが彼女を包み込み、彼女を飲み込んでいた触手が跡形も無く消滅する。
そして、それに呼応するかの様に斬邪丸がその形状を変える。それは、全長実に200mに達する巨大なレーザーの刃を形成する。

斬邪丸・望(のぞみ)

全ての希望を照らし、全ての絶望を断ち切る光の武器。

それを手に、トラー・ゲルトナーを睨みつけるレイ。
この戦争の行く末、一つの歴史の結末が、間もなく訪れようとしていた。

163:194:2022/08/08(月) 22:09:30 HOST:ai126146107014.53.access-internet.ne.jp
以上です。一話に纏めようとしたら、これまた長くなってしまったでゴザルorz
絶望的な状況ですが、それでも仲間達は諦めませんでした。レイに必死に呼びかけを続けます。
一方のレイは、此岸と彼岸の境におり、三途の川にて家族と再会します。
      • ですが、家族はこっちに来るなと叫びます。そして、皆がレイの帰還を望んでいる事を見せ、もう一度戻りなさいと激励します。
それ等に勇気を貰ったレイは、今一度元の世界へ。そして、手違いで渡ってしまっていた競争試作品の指輪と、レイの思いが、一つの奇跡を起こします。
なお処刑用・・・ゲフンゲフン(コラ)、戦いの最後を締めくくるのは、G〇ンダムの奴になりました。
「我が心 明鏡止水~されどこの掌は烈火の如く」とどちらにするかで迷いましたが、ややシリアスよりな此方にしました。
何ともありがちな展開ですが、本作のコンセプトは

「愛と勇気とお約束の物語」

ですのでw←殴
次回、遂に決着となります。お楽しみに。
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最終更新:2022年09月04日 12:40