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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その101 とある銀河の文明との接触・その2


タラダック「さて、そんな中でこの世界の地球人類が開発した『戦娘技術』。そのコンセプトに、我々は大きな衝撃を受けた。君達の世界の言葉で言うなら、『その発想は無かった』という奴だ」

タラダック「その衝撃とインスピレーションは、今も我々の頭脳を素晴らしい程に刺激してくれているよ」

タラダック「『人機一体』のコンセプトの下で、ナノマシンを使用して人体と兵器との積極的な融合を図る。これまでの我々の発想では、パワードスーツが当たり前の答えだったから、尚の事衝撃的だった」

タラダック「やはり新たな技術革新を起こすきっかけには、我々以外の存在も必要不可欠だという事を痛感したよ。ティ連が『発達過程文明』を観測しているのと全く同じだという事だ」

タラダック「君達の研究データは、我々の研究の参考にさせて貰っているよ。君達と言う先駆者のお陰も有り、新たな技術の開発も順調だ」


技術者の集団の長という事も有ってか、これまでとは全く違う思想の技術に興奮を隠せないでいるタラダック。
パワードスーツを始めとした近未来的兵器を実用化するだけの技術が無かった事からくる、一種の苦肉の策に近い物だったのだが、それ故に今までにそう言う技術の開発どころか、
そう言うコンセプト自体を思い付かなかったらしい。
内々だけでは開発や発展に限界が生じる。その辺りは、彼等も地球人類やティ連の人々と変わりがない様だ。


タラダック「君達に最大限の敬意を払う為に、太陽系及びエスコバ星系への進出は正式に取りやめる事にした」

タラダック「君達が星の世界へと飛び出し、一人前になった時に改めて『隣人』として君達に会いに行こう。その時を楽しみにしている」


そう纏めるタラダック。
つまりは数百年後に、改めてコンタクトを取りに来ると明言したという事だ。その時の彼等がどういう状態か。
友好関係を結ぶか敵対関係となってしまうか。それはその時にならないと、分からないだろう。

365:194:2022/08/17(水) 21:16:01 HOST:ai126250003253.11.tss.access-internet.ne.jp
タラダック「ああ、それとは別に我々の技術の一部を敢えて残して行ってあげよう。壊れ物が建てた塔の跡地に、奴が作り上げた演算設備群と同じ物を置いておいた」

タラダック「本来なら原始文明の者達に見せて良い物では無いが、予定していた環境修復や戦後復興の手伝いといった物は、既にティ連が大々的に行っているからね」

タラダック「星の世界に旅立つ前の、ちょっとしたカンニングペーパーを君達にあげよう。残した技術データをどう活用するか、或いはどう応用を利かせるか」

タラダック「その辺りも、そちらに干渉する事無く観測させてもらおう。これはティ連へのお礼と詫び賃といった物も兼ねている」

フェル「・・・どういう事デス?」

タラダック「ティ連の物とは全く違うテクノロジーによる発展。それは君達の『発達過程文明の観測』という思想に、丁度良くマッチしている」

タラダック「それ等によって得られるだろう知見が、ティ連へのお礼と詫び賃と言う訳だ」

シエ「・・・成程」

タラダック「・・・まぁ、本音を言うとティ連とは正式に国交開設や研究条約等といった物の締結を、我々も真剣に望んでいたのだがね」

タラダック「だが・・・多くの国民達や政府・軍関係者達が『霊的存在を使役する様な連中と友好関係を結ぶ等、言語道断だ』と主張していてね」

タラダック「残念ながら、今回はそれ等を取りやめざるを得なかった。・・・私やウク=マ軍事委員長は、本気で頭を抱えているがね」

タラダック「『シュラウドの脅威が未だ解決出来ていないというのに、作らなくてもいい敵を自分から作るんじゃない』と言うのが、我々の偽らざる感想だ」


忌々しそうに語るタラダック。ウク=マ軍事委員長も同じ表情だ。
その表情からも、かの二か国では少数派な穏健派の苦労が伺えた。


タラダック「っと、失礼。ついつい感情的になってしまった。申し訳ない」

タラダック「さて・・・最後に、我々が特に注目している人物が二人いる。それは・・・レイと麗華だ」

レイ「・・・はい!?」

麗華「・・・何で私達が!?」

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突然の指名に困惑する二人。
戦娘である事を除けば、ごく普通の女性に過ぎない自分達の何に注目をしているというのか?


タラダック「君達のこれまでの戦いは、本当に素晴らしい物だった。君達の能力は、我々から見ても類稀なる物だった」

タラダック「麗華は壊れ物が作った未完成品を、人と言う身でありながら見事に使いこなして見せた」

タラダック「そしてレイは、ナノマシンを使用した人体と兵器との積極的な融合。その果てに有る新たな可能性。その一端を、我々に見せてくれた」

タラダック「軍部の方も、原始文明基準から遥かに逸脱した君達の戦闘能力に、強い興味を抱いている。そんな君達が、この戦争を乗り越えて今も生きているという事実は、何よりも喜ばしい事だ」

レイ・麗華「「・・・・・」」

タラダック「是非君達には、我々の下に来て欲しい。我々は君達が欲しい。君達の全てを解明したい。君達の持つ力は、君達が思う以上に素晴らしく、そして我々の探求心を刺激し続けている」

タラダック「勿論、タダでなんて言わない。君達が受け入れてくれるなら、我々はその対価を用意する。君達を得る為なら、どんな物だろうと用意して見せよう」

タラダック「元の肉体が欲しいなら元の肉体を。更なる力が欲しいなら、新たなる力を。技術が欲しいなら技術を。不老が欲しいなら不老を。土地が欲しいなら土地を」

タラダック「星が欲しいというのなら、君達の為だけに完璧なインフラを整えたガイア型惑星を用意する」

レイ・麗華「「・・・・・」」

タラダック「それと、犠牲になった人たちの遺伝子もキチンと回収しているから、君達の家族や友人達だって用意出来る。それこそアクアリスの時計の針を、絶滅戦争前に撒き戻す事も可能だ」

レイ・麗華「「!?」」


その一言に、レイ達は驚愕する。
死んだ人間達を再生出来るだと?彼等は、本気で神とでもいうのか!?
ネット上も、騒然としており


831: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日:~

ファッ!?
ヒトを甦らせれるだと!?

832: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日:~

ままま待て待て待て!?
ドッペルさんとかスワンプマンとかな代物かも知れんぞ!?

833: 名無しさん@未知との遭遇 投稿日:~

ティ連もチートその物だが・・・
宇宙は広いな・・・

367:194:2022/08/17(水) 21:17:01 HOST:ai126250003253.11.tss.access-internet.ne.jp
と、かなりの混乱が起こっており、お約束通りにサーバーが落ちた。


タラダック「心配はいらない、これは我々が普遍的にやっている事だ」

タラダック「「ドッペルゲンガー」や「スワンプマン」と言った代物では無く、君達が望む『本物の家族や友人』である事を」

タラダック「『正真正銘のアクアリス人類と地球人類』である事を、我々の面子と技術に掛けて保障すると共に、責任を持って生み出そう。我々にはそれを成せる技術と経験がある。」

タラダック「もしそれを望むのなら、全てを元通りにしよう。惑星環境を大陸型へと再テラフォーミングし、全ての都市や町・村を再建し、絶滅戦争前の記憶を完璧に保持したアクアリス人類70億人を生み出そう」

タラダック「蒼空戦娘達全員にも回帰施術を施し、全てを元通りにしよう。地球上で死んでいった人達も、同じ様に生み出そう。反乱行為を起こした者達も、その家族共々生み出そう」

タラダック「そうすれば、君達は長過ぎた悪夢を見ていただけになる。誰もが幸せになれる結末だと、我々は思うのだがどうだろう?」

タラダック「勿論、君達が帰るのも自由意志だ。時々、我々の元に訪問してくれるだけで良い」

レイ・麗華「「・・・・・」」


自然の在り方を冒涜するかのような提案に、レイと麗華は微かに体を震わせている。
それに気づいているのかいないのか、タラダックは続ける。


タラダック「君達がこれに応じてくれるなら、一言了承の言葉を言ってくれ。直ぐに君の元に送迎船がジャンプドライブで飛んでくる。我々の元に丁重に迎え、そして君達が望むままの報酬を用意しよう」

タラダック「時間はいくら掛けてもいいから、ゆっくり考えてみて欲しい。良い返事を待ってるよ」


そう締めくくるタラダック。
肝心のレイと麗華だが・・・数秒程顔を伏せていたかと思うと、顔を上げて互いに視線を向ける。
そして・・・何かを決心したかの様に頷き合う。どうやら、結論が出たようだ。

368:194:2022/08/17(水) 21:17:31 HOST:ai126250003253.11.tss.access-internet.ne.jp
レイ「・・・タラダック閣下。時間なんて必要有りません。今、私達の結論を述べます」

タラダック「・・・ほう。で、答えは?」

レイ「・・・と、その前に。皆・・・特に蒼空戦娘の皆。先に謝っておくね。ゴメン」

カイ「エッ!?突然ドウシタノ?」

レイ「私と麗華ちゃんは既に結論を出しているけど・・・もしかしたら、他の皆の気持ちを無視した物になるかもしれない」

レイ「だから・・・先に謝っておいたの」

ラン「・・・気ニスル必要ナンテネーヨ、レイ」

レイ「え!?」

ラクシャ「貴女ハ私達戦娘ノリーダート言ウベキ存在。ソンナ貴女ガ私達ノ意ニ反スル決断ハシナイッテ、信ジテイルワ」

イッチ「そうだよー。レイの事は、私が一番知っているしー。間違った事は言わないって、知っているから―」

ミオ「セヤセヤ!レイト麗華ノ想イ。イケ好カンアノ連中ニ、ガツント叩キツケタレヤ!」

レイ「・・・皆、有難う」


皆の言葉に、深々と頭を下げるレイと麗華。
改めて、通信機の映像に映るタラダックを見据える。
この戦乱が無ければ、恐らく出会う事すらなかっただろう二人。
果たして彼女達は、どの様な決断を下すのか。

369:194:2022/08/17(水) 21:18:01 HOST:ai126250003253.11.tss.access-internet.ne.jp
オマケ

「先駆文明」
トラー・ゲルトナー…正確に言えばその暴走前のナノマシン群を誕生させた存在。
トラー・ゲルトナーの最終形態を倒した後、突如「先駆文明」から惑星アクアリスに存在している蒼空戦娘のナノマシン、乙世界の通信機器、艦娘及び深海棲艦を除く全ての超世界大陸世界に甲世界、ティ連の通信機器に対して強制介入通信を行った。
これにより、乙世界及び超大陸世界と甲世界は初めてこの存在を認識する。
詳細は不明ながらも、その技術力はティ連にも劣らない、寧ろ優れている部分さえあるのではないのかと一部の科学者は分析している。
それを証明するかのように、トラー・ゲルトナーが大戦末期にて生産した超技術の全てが「先駆文明」テクノロジーの再発見であるという事が、彼等が残した演算装置の研究演算ログ解析により判明した。
その他にも研究演算ログに一部「先駆文明」テクノロジーのフルスペック情報が残され、トラー・ゲルトナー最終形態の多くの兵装は「未完成」の状態で形成されていたという事が判明している。

解析と推測によれば、「先駆文明」はナノマシン技術が特に優れ、ナノマシンの量さえ確保できれば、トーラルシステムのように様々な物体を生成する事も極めて容易なのは蒼空邪軍が証明している。
そしてナノマシンによって生成した物体で、更なるナノマシンの生産が可能なのも箱型ナノマシン生成装置が証明している。つまり、「先駆文明」はナノマシンさえあれば資源の生産も、消費も、何もかも気にする必要は無い。
ナノマシンと、エネルギーと、テクノロジー。この三つさえあれば、彼等には十分だ。
だからこそ技術と経験によって裏付けされた、「神の如き」と言わんばかりの傲慢たる彼等の思想に、3つの世界の人類が彼等に好意を抱く事は、決してあり得ない。

国家名は「ゼルネーム技術連盟」。
一応は民主主義体制だが、研究者によって構成される「科学総裁政府」による寡頭体制を敷いている。
ゼルネーム技術連盟にとって領土とは「広大な実験場」であり、政治とは「研究予算獲得の過程」であり、内政とは「研究設備の整備」であり、戦争とは「技術の現地実験」であり、探査とは「まだ見ぬ未知の発見」でしかない。
全てが「技術の更なる研磨と発展」の為に行われ、その為に幾つもの惑星と文明を実験に巻き込んで、天文学的な数の生命を弄んできた狂気の星間科学国家。
その圧倒的な技術力による彼等の覇権体制に下り、必要最低限の資源と自由が保証された代わりに、彼等の実験の為にあらゆる内政に干渉され続ける37の哀れな属国を従え、友好国のメフェム帝国と共にとある銀河の全域を完全に支配。
そして別銀河への進出及び探査を行なっている。

各勢力の認識
トラー・ゲルトナー
壊れ物。気づいた時はすぐに直そうと思っていたが、これはこれで新しいデータの収集に使えるとして観察を行っていた。

アクアリス人類
原始文明の観察対象。それ以上でもそれ以外でもない。

乙世界地球人類
原始文明でありながら、壊れ物の技術をリバースエンジニアリングして新発想の技術を開発した、素晴らしい文明。十分な対価を用意しておこう。

ティエルクマスカ連合
我々と比べてもあまり遜色ない技術を持っている異次元存在。何も変な事がなければ国交開設と研究条約を結ぶ事も考慮していたが、霊的存在を使役している事が判明して外交態度–100。
受容主義にも程があるんじゃない君ら?

レイ・ゲルトナー
原始文明生まれとは思えない程の戦闘能力を見せた、探究心を擽られる存在であり特異点。
どうしてそこまで強くなれた?どうしてそこまで戦い抜く事が出来る?
それを全て解き明かしたい。その為に君が欲しい。君が来る為ならばなんだって用意してあげよう。
断られたら断られたで、君への消極的観測は続けるが。

メフェム帝国
かつては敵だったが、今はシュラウド撃滅の同志。我々には彼等の力が必要で、彼等も我々の力が必要だ。

シュラウド(霊的存在)
死ね。

艦娘&深海棲艦
君達も霊的存在?ならば死ね。

370:194:2022/08/17(水) 21:18:31 HOST:ai126250003253.11.tss.access-internet.ne.jp
以上です。これからと言う所ですが、かなり長くなっているのでここで一旦切ります(汗)
ゼルネームによる戦娘技術の手放しでの絶賛と、それに敬意を示しての各種決定(詫び賃替わり)。そして、レイと麗華への熱烈なラブコールと相成りました。
因みに原文ではレイ・ゲルトナー・・・つまり麗華のみへの言及でしたが、あれだけの活躍と一種の奇跡を見せたレイをスルーするのもあり得んよなと思い、レイも追加しました。
そしてオマケで、ゼルネームの設定を投下。なお、これは本編で必要ない部分を削った簡易版の方だったりします。
カットされた部分及びメフェム帝国の設定等は、本編終了後に書く番外編にてお送りしますので、お楽しみに。
次回はゼルネームのラブコールに対するレイ達の返答ですが・・・まぁ、どう答えるかは予想が付くかなと思います(汗)。では、また次回。
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最終更新:2022年09月04日 13:22