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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その103 各世界の戦後のアレコレ・その1


ゼルネームとの接触は、当然ながら大きな波紋を呼んだ。
ティ連とはまた違う銀河系の異星人国家と言うのもさる事ながら、その傲慢な姿勢にはかなりの反発を呼ぶ事になった。
当然だろう。自身がばら撒いたナノマシーンが暴走したのを把握しておきながらそれを放置し、一つの星の種族を滅ぼすばかりか他の星にまで大きな損害を与え、
それでいて悪びれる事無く通信を入れてきたりしているのだ。好感を持てと言われても無理だろう。
ただ、国家元首でもあるタラダック本人は今のゼルネームの有り方に疑問と危機感を抱いており、何とか変えようとしているのがその言葉や態度からも感じ取れていた事も有ってか、
どことなく板挟みにあう中間管理職を思わせる物を感じた人達も、少なからず存在していたが。
とはいえ、今すぐ国交がどうこうという話でも無く、それ以前に本格的な戦後復興に乗り出さないといけない事も有り、問題は先送りされる事となった。
再接触が何時になるかは分からないが、その時には少しでも改善・・・まで行かなくてもマシになっている事を願うばかりだ。

さて、漸く戦争が終わりを迎えた訳だが、超大陸世界や甲世界は戦死者家族等の当事者以外には影響が少なかったが、乙世界はそうはいかなかった。
順に見ていこう。

まず戦死者数だが・・・第二次世界大戦以来の全世界規模の戦争であるだけでなく、ワームホールを経由して別の惑星まで行かねばならなかった戦いという事も有り、
戦争期間自体が長期化。99年の開戦から足掛け6年程続いたこの戦争で、第二次世界大戦の十倍以上となる8億もの命が失われた。
初期の大規模奇襲やその後の大攻勢、一部避難民すら巻き込んだ大規模核攻撃。それ等による汚染や貿易・流通網への壊滅的な打撃と言った要因が、この夥しい死者数を記録する事となった。
特に戦争初期の人口密集地域への集中的な攻撃と陥落が、その傾向に拍車をかける事となった。
対象をトラー・ゲルトナーの犠牲者にまで広げると、その数は10倍近い78億人にまで激増する。そう、アクアリス人類70億のほぼ全てだ。
環境改善用ナノマシーンが、知的生命体と言う自然環境の産物を破壊する。皮肉と言うには余りにも犠牲が大き過ぎたと言えよう。

それに付随する経済的損失に至っては、具体的な数字は不明ながら天文学的数字を記録しているのは確かであり、一説には数十~数百兆ドルに上るのではと言われている。
ティ連による好意も有って、地球の各都市は戦前と変わらない姿に戻ったとはいえ、人の方はそうはいかない。
戦争には勝てた物の、大規模な経済的後退は避けられなかった。もし超大陸世界や甲世界の支援が無かったら、仮に戦争に勝利出来たとしても、間違いなく経済そのものが破綻。
各種資源や食料・薬や生活物資等を奪い合う、血で血を洗う人類同士の大規模戦争が発生していた危険があったと指摘されている。
そう言う意味では、福島沖に開通したゲートは乙世界にとっては福音であり、未来への希望そのものだった。さもなくば

「どう足掻いても絶望」

という末路しかなかったと言って良いのだから。
とはいえ、戦時国債が堆く積み重なっており、戦後暫くの間は引き続き超大陸世界やティ連の支援を受けなければならなかった。
更に両世界から流入する機械類等が、乙世界の同業者を圧迫した。ティ連製の量子通信機器でなくとも、例えば旧来のスマホや薄型携帯電話ですら、乙世界にとっては革新的なツールである。
当然ながら、旧式の通信機器(PHS・ポケベル等)は早々に駆逐されてしまう。
両世界もその辺りは考慮しており、合弁会社を作る等の対策は行っていたが、それでも失業者が出るのは避けられなかった。
それ等が是正されていくのは、終戦から10年前後・ゼルネームが残していった技術の解析が進み、それ等が民間技術に反映され始めてからだった。

465:194:2022/08/22(月) 18:36:06 HOST:ai126146089167.53.access-internet.ne.jp
続いては、乙世界各国の様子を見ていこう。
まずは日本から。両世界及びティ連の支援をいち早く、そして最も手厚く受けていた事も有って、戦争の傷痕は最も小さかったとも言える。
だがそれでも、戦争初期の東京への空襲だけでなく、暫くの間は中国沿岸及び朝鮮半島からの圧力を受け続けており、対馬の陥落や九州北部への上陸の阻止を目的とした「福岡揚陸阻止戦」
といった戦いを経験しており、福岡一帯が焼野原一歩手前な状態になる等の多大な損失を受けていた。
貿易の途絶による困窮も深刻であり、明日をも知れない状態に悲観して自殺する者が続出していた程だ。
パーガトリー教が浸透しなかったのは、オ〇ムによる地下鉄サリン事件等の影響からカルト宗教への警戒心が高かったからに過ぎない。
そんな乙世界の我が国だったが、戦後も暫くの間は輸出が振るわなかった。当然だ。何せ世界の半分が焼けて8億もの人口が消滅。生き残った国々も自分達が生き残るのが精一杯な状況であり、
とてもではないが大規模な貿易は難しかったからだ。
それ故、和泉首相は自国の生き残りをかけてティ連への加盟を進めると共に、世界各国に従来の国連に変わる新たな国際組織の創設と運営を呼びかける事となる。
組織名は、国際地球連合。生き残っている全ての国の参加と宇宙開発。それに伴う新技術の開発・運用と世界規模での安全保障体制の形成を目的とする。
生き残った各国・特に常任理事国は難色を示したが、超大陸世界の国際連邦やティ連・そしてゼルネームとの接触を上げて


和泉「異星人の存在が明らかとなった今、従来の国連では今後の世界・宇宙情勢には対応出来ない!我々の世界の地球が独立を保ち続けるには、国家の垣根を越えて一丸となり、複雑化する世界に対応しなければならない!」


そう力説する和泉。
今後の復興や技術解析、その後の本格的な宇宙開発を考えると、各国がバラバラな状態では不効率極まりないのも確かであり、この主張は徐々に支持を集めて行く事となる。
その一方で、超大陸世界の好意も有って石油等の各種資源が格安で売却されており、それ等は戦後の日本に対する大きな助けとなっていた。
産油国の多く(主に中東北部の国々)が戦争中に壊滅してしまっている関係も有り、輸入先の確保が難しかった事も有って、順調に輸入量が伸びている。
無論、超大陸世界との連絡が途絶するような緊急事態に備え、石油の備蓄を強力に推進すると共に石油に依存しない燃料技術の開発にも、余念が無かった。
ティ連技術を導入した危険性皆無の新型原発を皮切りに、同じくティ連の手によって建造された巨大浮遊島に、ゼルネームの技術の解析の結果実用化された大規模マイクロウェーブ発電所が建造される等、
徐々にだが新技術によるエネルギー確保等が為され、従来より安全かつ大出力なのも相まって電気料金が大幅に下がり、日本の内需拡大を後押しする一因となっている。
次回は、米国等の国外の様子を見ていこうと思う。

466:194:2022/08/22(月) 18:36:36 HOST:ai126146089167.53.access-internet.ne.jp
以上です。ゼルネームとの接触の反響と、戦争の総決算。そして、戦後の我が国の復興の様子と相成りました。
戦死者数ですが、相変わらずの大雑把などんぶり勘定状態となりましたが、億単位の人間が死亡する羽目となりました(汗)
もし50億人救済計画が完遂されてしまっていたら、実に10億人を突破してしまう所でした(白目)。まぁそれでも、70億のほぼ全てが死亡したアクアリス人類に比べたらマシですが(白目)
ナノマシーンの暴走とその放置のツケは、とんでもない物となりました(白目)
      • 白目ばかり剥いていても仕方が無いので、戦後の様子を。
世界の半分が焼けて、8億もの人口が犠牲になった影響はやはり大きく、戦後暫くは各国とも自身の復興で手一杯な状態です。戦時国債?・・・とても想像が付きません(グルグルお目目)
しかも超大陸世界や甲世界から入って来る製品が、乙世界の同業者に打撃を与える事に(汗)。旧式のスマホやガラケーでも、乙世界にとっては先進的な機器ですしね。
これは通信機器のみならず、様々な業種にも及んでいます。なので、ゼルネームの技術の解析が進むまではかなりの苦労をする事に。・・・技術者の皆さんには、寝る間を惜しんで頑張って貰わないと(酷い)
それ等も見越して、和泉首相は国際地球連合の創設を世界に訴えます。直ぐには無理でも、各国共に手を取り合って行く事となります。そうしないと生き残れそうにないし。
組織名の元ネタは、言うまでも無くス〇ラリスにデフォで用意されている奴ですね。お約束みたいな物ですから←殴
一方、ゲート越しとはいえ安価な資源や食料等を多数購入出来るのは、戦後復興におけるアドバンテージの一つとなっています。産油国の多くが戦争で壊滅して、復興に躍起になってて石油を売る所では無いのも大きいかと。
そして何気に、マイクロウェーブ発電所が実用化されています。あ、ミラーにレーザー攻撃能力は備わってませんよ(マテ)
次回は、日本以外の国々の様子となりますので、お楽しみに。
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最終更新:2022年09月04日 21:10