562:194:2022/08/27(土) 18:25:34 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?番外編その7 メフェム帝国とのやり取りと驚愕の事実


レイ達へのスカウトと、その提案内容に激昂したレイ達への謝罪という流れを経て、やや落ち着きを見せる会談。
その一方で、柏木はシュラウドという存在の事が気になっていた。
技術レベルを見るに、ティ連に匹敵・一部では上回る存在とも言うべきにも拘らず、その脅威に大いに手を焼いているという。
連合防衛総省長官という地位についている以上、どういう存在なのかを知る必要が有った。
そこで、このタイミングでシュラウドの事を聞く事に。


柏木「すいません、タラダック閣下。一つお聞きしたいのですが」

タラダック「・・・貴殿は、地球人でありながらティ連の連合防衛総省長官を務めているという、『突撃馬鹿』こと柏木長官・・・だったかな。何かね?」


まさかアチラの国にまで『突撃馬鹿』という異名が知られているという事実に内心頭を抱えつつも、シュラウドの事を質問する。


柏木「貴方方が手を焼いているという『シュラウド』という存在なのですが・・・よろしければ、どういう存在なのかをお教え願えないでしょうか?」

タラダック「・・・それを知って、どうしようというのだね?知っても意味が無いと思うが?」

柏木「普通ならそうでしょうが・・・仮にもティ連の連合防衛総省長官という役職についている以上、安全保障の点からも知っておくのが賢明と思いますので」

タラダック「・・・だが、アレは異質なる存在だ。余り首を突っ込まない方が・・・」

柏木「・・その辺りは覚悟の上です。もし似た様な存在と遭遇した際に、何も知らずに交戦する羽目となるよりは、そう言う存在の事を知識だけでも知った状態で戦うのと、雲泥の差が出ます」

タラダック「・・・」

柏木「あと・・・苦言を申しますなら、覚悟した上で知ろうとしている人に教えないというのは、貴方方の国の国是にも反する行いになるのでは?」

タラダック「・・・どういう事かな?」

柏木「貴方方は科学技術を何よりも重視しておりますが・・・技術の開発は、つまる所『それがどういう物なのか、何が出来るのか、その先にはどんな技術が有るのか』というのを知る為の行為とも取れます」

タラダック「・・・」

柏木「にも拘らず、私の頼みを断るというのは、自らの『知りたいという行為』の否定にも繋がりかねませんよ?」

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そう言って、一旦口を噤む柏木。しばし二人は視線を交わす。
やがて・・・我慢出来なくなったのか、タラダックが笑い出した。


タラダック「・・・クックック。ハッハッハッハッハ。成程、これは一本取られたな」


破顔しながら、そう語るタラダック。


タラダック「確かに、知るという事を希求している我々が、他の種族が覚悟を決めた上で知ろうとしているのを止める事は出来ないな」

タラダック「分かった。君に免じて、シュラウドに関して分かっている事と、オマケとして我々が辿って来た歴史・その中でもシュラウドに関わる出来事を教えよう」

柏木「・・・有難うございます」


そんな訳で、タラダックによるシュラウド及びそれに関する出来事の講義と言うべき物が始まった。


タラダック「さて、まずシュラウドとはどういう存在かという事だが・・・実を言うと、我々の技術をもってしても殆どの事が謎に包まれている」

柏木「そうなのですか?」

タラダック「ああ。分かっている事は、シュラウドの本体は『異常な程の未解析エネルギーに満ちた霊的存在であり、空間であり、世界』だという事だ」

横手「・・・いきなり、哲学染みてきましたね」

タラダック「ああ。果たして科学的に説明出来る存在なのか、それすらも分かっていないのだ」

タラダック「時折現次元に出現する奴等の軍勢は、末端も末端に過ぎないが・・・弱い物でも巡洋艦を主体とした小艦隊、大規模な物では1個艦隊以上の戦力を動員しないと仕留める事が出来ない程だ」

564:194:2022/08/27(土) 18:26:34 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
柏木「・・・相当な戦闘力を誇る存在、ですか。ですが、そんな存在が何故閣下たちの銀河に出現する様になったのですか?」

タラダック「・・・今から凡そ300年前の事だ。当時、我が国に匹敵する速度で発展しつつ周辺国家に侵略行為を続けていた『大罪国』という国家が有った」

柏木「『大罪国』?」

神崎「・・・えらく物騒な名前ですね。正式な国名とかは?」

タラダック「・・・残念ながら、元から交流が殆ど無かった上にある日いきなり崩壊してしまってね。今となっては、彼等の事は記録に残っていないのだよ」

柏木「崩壊!?一体、何が有ったんです!?」

タラダック「・・・ある日、我々が『シュラウド・アバター』と呼んでいるシュラウドの軍勢が、かの国の領土に突然出現して、かの国を僅か三日で滅ぼしてしまったのだ」

フェル「エエッ!?」

シエ「・・・出現スル予兆トカハ無カッタノカ?」

タラダック「その様な物は一切無かった。その結果、我々の銀河の2割に相当する面積が奴等の軍勢によって封鎖されてしまい、侵入不可能領域と化したのだ」

タラダック「その余波として、メフェム帝国・・・当時はメフェム共和国と呼ばれていたが・・・との国交も途絶。我々は、同国は壊滅した物と見なしていた」

横手「領域の奪回とかは?」

タラダック「勿論、我々も手をこまねいていた訳では無い。シュラウドの研究を進めつつ、シュラウド・アバターに対する攻撃も行っていた」

タラダック「だが・・・先程も言った通り、撃破に多くの戦力が必要となる上に損害も非常に大きかった事から、領域の解放は直ぐに下火になって行ったのだ」

横手「・・・貴方方程の文明が大苦戦するとは」

柏木「え!?でもメフェム帝国の国家主席であるウク=マ軍事委員長がここに居るという事は・・・」

タラダック「うむ。彼等は滅びてはいなかった。領域封鎖から凡そ120年後、シュラウドの包囲網を突破して我々と再コンタクトをしてきたのだ」

メンバー達「「「「「ええ!?」」」」」

ウク=マ軍事委員長(以下ウク=マ)「ここからは、私が話そう」

565:194:2022/08/27(土) 18:27:04 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
これまで黙っていたウク=マ軍事委員長が口を開く。
再接触まで何が有ったのかと、どうやって侵入不可能領域を突破したのかを。


ウク=マ「我々の国家は、シュラウドが出現した事件・『シュラウド顕現事変』の結果として、他の国々と完全に断絶状態に置かれてしまった」

ウク=マ「その結果として、既存の貿易や安全保障が完全に破綻し、国内は混乱状態に陥った」

ウク=マ「不足する各種資源や食糧等を巡って一時期内乱状態に陥り、少なくない犠牲を出す羽目となってしまった」

ウク=マ「そこで我々・・・『救国軍事委員』の面々を中心とする軍事政権を発足させ、どうにか内乱の終結と再統一を果たす事に成功した」


周りをシュラウドに包囲され、国家存亡の危機に陥りながらもどうにか立て直したというメフェム。
その手腕に驚嘆すると共に、その後どうやって再接触にまで持っていったのか。その手腕が気になった。


柏木「成程・・・。で、再接触にまで至ったとの事ですが、一体どうやって?」

ウク=マ「うむ。我々はシュラウドの研究を行いながら、生存領域を拡大する為に『対シュラウド兵器群』の開発に邁進。実用化に成功した」

柏木「対シュラウド兵器群!?」

ウク=マ「うむ。開発に成功したのは全部で三つ。宇宙に無限に存在する隕石を船体構造に組み込んだ簡易戦闘艦『メナス艦』」

ウク=マ「大出力レーザーで星系の恒星を破壊し、そのエネルギーでシュラウド・アバターを消滅させる特殊戦略艦『スターイーター』」

ウク=マ「そして・・・シュラウドの世界と現次元の壁を突破して奴等の世界を完全に吹き飛ばす巨大建造物『エーテル位相機関』」

ウク=マ「まずはメナス艦で侵入不可能領域を突破して、ゼルネームとの再接触を果たし、その後はスターイーターでシュラウドを吹き飛ばしつつエーテル位相機関の燃料となるダークマターの収集」

ウク=マ「そして最後に、エーテル位相機関の爆発によってシュラウド世界を吹き飛ばす、という計画だった」

柏木「ちょ、ちょっと待って下さい!?!?」

566:194:2022/08/27(土) 18:27:34 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
聞いた事のある単語が次々出てきて驚愕する柏木。同じ頃、神崎島の神崎提督も驚愕していた。


ウク=マ「うん?一体どうしたというのかね?」

柏木「そ、その・・・今言った兵器群の映像を、見せて貰えないでしょうか!?」

ウク=マ「・・・え?何をそんなに慌てているのかね?」

柏木「もしかしたら、知っている物かもしれないんです!早く!」

ウク=マ「あ、ああ・・・」


柏木の凄い剣幕の前に、半ばポカンとしながらも了承するウク=マ。
空中投影式の端末を操作して、それ等の画像を映し出す。


柏木・神崎「「ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!??!?!?!??!?!?」」


映像を見た瞬間、盛大に噴出す二人。
それはそうだ。それは、とあるゲームで見た物と全く同じ外観をしていたからだ。
そんな事を知らないフェル達は、会談の場でいきなり噴出した二人に苦言を述べる。


フェル「チョ!?真人サン!イキナリどうしたデスカ?会談ノ最中に突然噴き出すナンテ!」

吹雪「司令官も、いきなりどうしたんですか!?ビックリするじゃ無いですか!」


だが、周りの苦言も二人には届いていない。
二人の様子に、この場にいた全員が訝しがる。と


柏木・神崎「「・・・・・ス」」

メンバー達「「「「「ス?」」」」」

柏木・神崎「「・・・・・ス〇ラリスだこれぇぇぇぇぇ!??!??!?!?!」」


二人の絶叫が、通信機を介して三つの世界に響き渡ったのだった。

567:194:2022/08/27(土) 18:28:04 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
オマケ

天上戦争
ゼルネーム技術連盟に於いて、戦争とは「実地実験」であり、決して国家の命運を賭けるような出来事ですら無い。
しかし彼等を以って「国家の命運を賭ける戦い」と認識する戦争が存在した。それが『天上戦争』
一度目は、遥か過去の栄光に縋り付く停滞した者達を屈服させる為に。二度目は、絶望の果てに霊的存在を宇宙と共に滅ぼそうとした者達を止める為に。
三度目は、異次元霊的空間/世界/存在 シュラウドを滅ぼす為に。

シュラウド顕現事変
およそ300年前に発生した、シュラウドによる次元間侵攻であり、ゼルネーム技術連盟が初めてシュラウドを認識した事変。
当時、ゼルネーム技術連盟に匹敵する速度で発展を遂げつつ、周辺国家に侵略戦争を続けていた「大罪国」の領土に、後に「シュラウド・アバター」と呼ばれるシュラウドの軍勢が顕現。
僅か3日で「大罪国」を壊滅させ、銀河の2割の面積がシュラウドの軍勢によって封鎖、侵入不可能領域となる。
これにより、シュラウドの災厄から逃れられたメフェム帝国の国交は完全に途絶。以降120年の間、メフェム帝国は「大罪国」と共に壊滅したと判断されていた。
ゼルネーム技術連盟はシュラウドの研究を進めつつ、シュラウドの軍勢に対して攻撃を行なっていた。しかし一体一体が既存のリヴァイアサンを遥かに超越した戦力を保有しており、
それに伴う損害及び艦隊再建の手間などを考慮すると、侵入不可能領域の解放は直ぐに下火となっていった。

568:194:2022/08/27(土) 18:28:34 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
以上です。ゼルネームとメフェムの両国が辿った歴史と、包囲下に置かれたメフェム帝国が開発した対シュラウド兵器群。
そしてその映像を見て盛大に噴出した柏木と神崎提督というお話となりました(ヲイ)
それとオマケで、ゼルネームが経験した国家存亡の為の戦いである『天上戦争』と、そもそもの始まりである『シュラウド顕現事変』の設定をお送りしました。
いや、頂いたこの設定を見た時に思わず

「このネタやらなきゃ(使命感)」

と確信しましたので←殴
なお噴き出したのは二人だけではなく、超大陸世界と甲世界のス〇ラリスプレイヤーも同じ様に盛大に噴出しています(ヲイ)
え、その後?プレイヤーたちは祭り状態となる一方、全くの偶然の一致のせいで、彼等との関係を問われる羽目となったパ〇ドが涙目になりながら

「ちゃうねん(何故か関西弁)」

と必死に弁明したり等、大騒ぎになったりしています←殴
ゼルネームとメフェムも、まさか自分達が辿った歴史が『ゲームのイベント・ユニット・巨大建造物』として実装されているという事実にガチで驚愕する一方で
大罪国が崩壊した原因を知って、本気で頭を抱える羽目となります。その辺りは、次回に描写していきます。
いやはや、この手のネタ話は書いていて楽しいわ←殴 ではまた次回。
wiki掲載は、自由です。

569:194:2022/08/27(土) 18:32:01 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
誤字修正を。
564
  • 誤 ウク=マ軍事委員長(以下ウク=マ)「ここからは、我々が話そう」
  • 正 ウク=マ軍事委員長(以下ウク=マ)「ここからは、私が話そう」

wiki掲載時に、修正をお願いします。

570:194:2022/08/27(土) 18:35:24 HOST:ai126215150141.78.access-internet.ne.jp
もう一つ誤字を発見。おおもう・・・orz

566
  • 誤 そんな事を知らないフェル達は、階段の場でいきなり噴出した二人に苦言を述べる。
  • 正 そんな事を知らないフェル達は、会談の場でいきなり噴出した二人に苦言を述べる。

wiki掲載時に、修正をお願いします。

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最終更新:2022年09月04日 21:18