278:635:2022/08/14(日) 14:12:55 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦その九 天使が如く戦乙女が如く


日が堕ちんとする筈の空を後光を纏う鳩が照らし、雲間より天使の梯子が降ろされる。
天照る地、陽の照らす場所に落日は無しと示すかのように戦乙女が如く、天使が如く、勇者が如く太陽の御旗を背負う彼女らはそこにいた。
人でなし、文字通りの意味の人物である者らはその光景に気圧される。
しかしあり得る筈がないと頭を振るい父の御心知らず祝福されているのは我らと驕り高ぶる。
そして残る桜花や特攻機を突入させるように命じ、一度効果があったのだもう一度突入させ全滅させてしまえばそれで済む。
柳の下のドジョウを狙おうとするがそうは問屋が卸さない。


「あれは…ティ連の機動兵器部隊!!」


海上の艦の甲板でジェーナスに幼子を託された軍人が叫ぶ。
桜花の母機の上に特攻機に改造された戦闘機の上に幾つものヴァズラーやマージェンツァーレがいつの間にか姿を現した。
軌道上のティ連艦隊の機動兵器部隊だ。
それらは転送ビームを放つと風防或いは機体越しに戦闘機や桜花に乗せられていた幼子達を次々に助け出す。


『クソ!間に合わない誰かあの子達を!!』


しかし間に合わない者も出てくる。
既に発射された後、或いは手が足りず桜花などの特攻機がジェーナスらに向かう。
それだけならば現在小回りの効くジェーナスらは撃ち落としたり、回避したりすればいいだけの話だが必ず子供を助けようとするから沈むだろう。
そしてもう一度沈めば今度こそ浮かんでこないだろうと後方の安全な空域の輸送機内、
ドイツ空軍より強引に接収し特攻機を搭載する母機に改造した輸送機、エアバスA400Mに乗ったドイツ人指揮官は笑みを浮かべる。
その表情はキールより他国民や自国民を脱出させた者達と同じ国の者とは思えぬ下卑た表情。


「私達に任せなさい!!皆行くわよ!!」

「「「「応っ!!!」」」」


ジェーナスが叫び艦娘や深海棲艦達は頷き全員が腕を掲げる。
その身体に紫電が走り指の先で一つとなり光が宿る。
それは一つの姿を形を作る。
いうなればそれは雷の大槍、全てを討ち滅ぼす雷霆神の槍の一欠片。

雷電それは神鳴るモノ、神の力の象徴である。
アメリカ合衆国建国の父の一人ベンジャミン・フランクリンや雷電博士ニコラ・テスラにより人の世にそれは電気として齎された。
それは人により幻想が堕された訳ではない、人が神の火を奪ったのではない人が拓き、人が進んだ証なだけだ。
神の雷電は未だに神の内にも存在する。
その力を貸すことを願い唄い上げる、だがそれは北欧の大神やギリシャの雷霆神ではない。
幼子らを救うために全てを吹き飛ばす風嵐と邪悪を焼き尽くす雷霆の力は必要ないのだ。
そして唄うは今は最も強き言霊を持ち取り戻した古き大和詞。


『『『『高天原に 神留坐す
神漏岐 神漏美の 命以ちて
皇親 神伊邪那岐の 大神
筑紫日向の橘の 小門の阿波岐原に
禊祓ひ給ふ時に 生坐せる 祓戸の大神等
諸々禍事罪穢を  祓へ給ひ清め給ふと  申す事の由を
天つ神 国つ神  八百万神等共に
天の斑駒の  耳振立て聞食せと  畏み畏みも白す』』』


そして神々の名を呼びかける。


『『『伊耶那美大神 火雷大神 日本大国魂大神 我らに力を貸し給へと』』』』


伊耶那美命は雷神を宿し、ヘスティアは火之迦具土と融合し、ティアマトはその内に雷神を宿す伊耶那美命の要素を持つ。
それら母神、その名を唱え雷の大槍の輝きが増し、更にジェーナス達は言霊を紡ぐ。


『『『ある日、女が降りて来ぬ。多き、貴き母刀自(ははとじ)が…。
仇に手枷を付くる者、敵の軍を止むる者、 足の枷をば味方より切りて解きたる者もあり…。
【敵の枷鎖より逃れ出よ、敵(かたき)の手より逃げのびよ!!!】』』』

279:635:2022/08/14(日) 14:13:45 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


忘れられた古き呪い(まじない)を唱え雷の大槍を振りかぶるジェーナス達。
その光景を見てドイツ人は嘲笑う、ほら見ろお前達は殺すことしか出来ない存在なのだ。
ジェーナス達が雷の槍を放ちそれは特攻機や桜花に向かう。

ジェーナスらの手で呪いが完成されその呪いを以てジェーナスらが藻掻き苦しみ死ぬ様を想像し下卑た笑みを浮かべるドイツ人。
悦びでその股間は盛り上がりそれだけで達し、ズボンを濡らす。
神に祝福されている筈がない我らこそがという表情が見て取れる。しかし次の瞬間にその顔は恐怖へと変わる。


「何だ…何なのだ。お前達は一体何なのだ!!?」


目の前のあり得ざる光景、子を想う母神の力を持つ雷の槍は桜花に纏わり付くとその機体を傷つけることなく中の幼子らを攫っていく。
そして幼子が居なくなった機体をその力を以て破壊していく。
古い大和詞で紡がれたそれは言霊を失った古き欧州の呪い(まじない)、十字の教えに追いやられた古ドイツの魔術の一欠片【身内生還の呪文】。
雷の槍はその役目を終えると主の元へと戻り攫った子供らをジェーナスらに送り届ける。
本来ならば先達らのソレを後継(ドイツ人ら)が受け継ぐべきそれを日本の籍を置く船が継ぎ、堕ちた後継(ドイツ)に対して振るうという因果。


「巫山戯るな!!どうしてその様な奇跡の様なことをできる!!」


ドイツ人指揮官は地団駄を踏む。
だがまだ【贖罪】は残っているとカーゴより残りの桜花を空中に出そうとする。
しかしその時、ロンドンへと向かう巨大な影が海域の上を通過する。その名こそは日出ずる国の美称たるふそう。
その影が通り過ぎると複数の人影と一機の旭龍が空中挺身、空に躍り出る。

人影らはその身から符を矢を空中に放つとそれらは光るとその姿を変える。
その機体に描かれるは神風の二文字、その名こそは今一度の天一号に間に合った可変戦闘機烈風。
それらは旭龍に率いられ直ぐ様に幼子らが助け出された特攻機やその母機へと襲いかかると次々に血祭りに上げていく。
ドイツの機動兵器や戦闘機、怪物やヂラールも応戦するが怒れる龍の如く暴れ回る烈風に逆に次々に撃墜されていく。

指揮官らは桜花の搭載されたエアバスA400Mのカーゴベイのモニターに映る映像に呆然とする。
次の瞬間輸送機が激しく揺れ機内に激しい風が吹き込み指揮官始め乗員らは目を強く瞑る。


「貴方達罪人達には知る由もないでしょう。」

「っ!貴様は!!」


強い怒気を感じさせる声が後方より聞こえる。
振り向けばそこに積まれた桜花に乗せていた子供をたくさん抱えその髪を強風に靡かせる女性ら。
水干の着たツインテールの少女、銀髪を三つ編みにした露出の高い女性と彼女に似た茶髪に花を挿した女性と黒い髪の女性。
そして彼女らの前に立つのは黒髪をポニーテールに縛り薄紅色の着物を襷掛けし紺の袴を履く女性。
全員が怒りの表情でドイツ人達を睨み付ける。


航空母艦鳳翔、同龍驤、同雲龍、同天城、同葛城。
そうここに在りしは、旧・新生第一航空戦隊である!



「ハン!あんたら外道のせいでアトラス(世界を支える者)の名前持つこの子も泣いてるわ!!」

「何だと!?」


龍驤の吐き捨てた言葉に反応するドイツ人達。

280:635:2022/08/14(日) 14:15:08 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


「命と魂に貴賤なく、ソレを区別するは罪過のみ。罪過と穢にまみれた貴方達にどうして祝福が訪れましょうか…!恥を知りなさい!!」


天城はドイツ人を糾弾する。


「私は桜花を運びそれが使われた…その罪を否定するつもりはないわ。
だけど貴方達は偽りの罪で親を殺し呪いの材料にし子にその罪を着せ桜花に乗せて殺す、貴方達は貴方達がナチという私達以上の外道ね。」


雲龍が淡々と事実を言う。


「軍が、政府が、時の流れがそうさせただけど…!巫山戯るな!
偽りの罪を着せられ桜花に乗ったんじゃない!!桜花に乗ったあの人達は国の、愛する人の未来を信じて散ったんだ!!
あんたら人でなしと一緒にするな!!!」


葛城が涙を流し叫ぶ。
その言葉に込められた想いに気圧されるがドイツ人は言い返す。
何の権利があってこの様なことをするのかと顔を赤くして怒鳴る。
国権の侵害、内政干渉などとこの場で意味を成さぬ言葉を吐く。
その言葉に鳳翔は前に出る。



「権利?権利ならありますとも。」



鳳翔は断言しその背の矢筒より弓懸を填めた右手で矢を引き抜く。



「戦死者の想いを受け取り想いを晴らし彼岸に流すが艦娘の使命、想いを代わりに成すが深海棲艦の生まれた理由(使命)…!」



しからばと鳳翔は言い、矢をつがえると弓の弦を引く。



「故にその権利と理由は我らにあり。さあ…起きなさい子供たち!」



その言葉と共に何処かよりジェットエンジン、噴式発動機の始動音がカーゴベイに響き渡る。



「空母鳳翔航空隊が42鬼…【神風(じんぷう)】戦闘機隊発艦始め!!」



鳳翔より矢、否可変戦闘機烈風42鬼が放たれ大口径機関砲の銃撃が!ミサイルが!A400Mの機体を蹂躙した。

281:635:2022/08/14(日) 14:15:38 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2022年09月04日 21:27