173:モントゴメリー:2022/08/27(土) 20:35:29 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
無幻世界支援ネタ——アメリカ海軍 「エセックス」級航空母艦——
基準排水量:約26000t
全長:275m
全幅(水線):33m
機関:定格12万馬力
最大速力:29ノット(公称)
兵装(就役時)
38口径5インチ連装砲4基8門
同単装砲6基6門
37mm機関砲2連装20基40門
20mm機関銃50挺
搭載機:約 機
【概要】
アメリカ合衆国の航空母艦。
アラスカ級偵察戦艦をベースとした艦隊型空母であり、優れた艦載機運用能力をもつ反面、脆弱な防御力と物足りない速力など欠点も多い。
戦時量産型空母として戦争後半の合衆国海軍航空隊を主に質的面で支えた功労艦である。
【計画】
珊瑚海海戦後、偵察戦艦以外の大型航空母艦の建造を禁止された合衆国海軍であるが「現実派派閥」と呼ばれる海軍良識派は諦めず大統領を説得し続けた。
その結果根負けした(飽きたともいう)大統領が「偵察戦艦の建造を妨げない範囲で」大型母艦の建造を認めたのである。
早速良識派たちはかつて新世代空母の素案を設計したチームを招集し、空母建造をスタートさせようとした。
しかし、ことは上手く運ばなかった。
あのアラスカ級を設計した主任技術者は改アラスカ級である「キアサージ」級の設計チームに回されており、彼のスタッフも多くがそちらに合流していた。
また、今は戦時であり当時ほど物資も時間も利用できる量は減っている。
そこで良識派は次善策として、アラスカ級をタイプシップとした全通甲板式空母の建造を指示、結果生まれたのが本級である。
(アラスカ級が選ばれた理由は、合衆国で設計された最新鋭の「航空母艦」であり、一番洗練された設計だからである)
174:モントゴメリー:2022/08/27(土) 20:36:13 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
前述したように、船体などの基本設計はアラスカ級を踏襲している。
元々アラスカ級は「新世代の艦隊型空母」を原案としていたので、偵察戦艦(航空戦艦)という回り道を経て本来の姿に立ち返ったとも言える。
しかし、戦局の悪化などの諸条件により原案当初の理想と剥離した面も少なくない。
まずアラスカ級の最大の武器とも言える速力は、量産性を高めるため機関をフレッチャー級駆逐艦のものを2セット搭載する方式に変更された。
これによる合計出力は約12万馬力。
正直このサイズの空母には力不足であり(原案では15万馬力、アラスカ級で20万馬力)、速力は最高29ノットと不満が残るものとなった。
しかし、船体規模を活用した長大な飛行甲板により航空機運用能力には大きな影響を与えていない。
実際、戦争後半に登場した大型重量級艦載機の運用も問題なく行えている。
次に防御力。
原案では舷側装甲は対15.5㎝砲、水平装甲は高度3048mから投下される1000ポンド爆弾に抗堪できる性能であった。
しかし本級では量産性を高めるため、防御力はそぎ落とされることになる。
これは装甲板の配分がアラスカ級及び改アラスカ級、そして改ユナイテッド・ステーツ級に優先されたためでもある。
(アメリカン・ジャスティス世代の妨害工作であるという説が根強い)
結果、本級の装甲防御は垂直装甲が舵機室のみに89㎜、水平装甲は機関室上部に32㎜を施されたのみとなり、非常に脆弱となっている。
これは運用側から見れば大きな不安であり、その不安は実戦で証明されてしまう。
本級は一発の被弾で戦闘能力を損失することも珍しくなく、弾薬庫が誘爆して撃沈した事例すらある。
ただし、水中防御はアラスカ級を踏襲したため原案よりもむしろ強化されており、雷撃に対する対応力は意外にも高かったことはここに明記する。
上記のような欠点を抱えているが、それらを許容してまで求めた航空機運用能力は破格である。
搭載数は定数で110機。露天繋止を最大限活用した場合は130機にもなる。
また、広大な格納庫は作業スペースとしても有効であり、護衛空母などでは運用困難な高性能艦載機にも対応可能である。
甲板エレベーターはヨークタウン級の3基から2基に減少したが、左舷格納庫前部の開口部に小型のサイドエレベーターを装備するなど新機軸も導入している。
カタパルトは2基が搭載されることになっていたが、護衛空母への配備が優先されたためほとんどの艦が1基しか装備されなかった。
(装備されなかった艦もある)
また、カタパルトそのものの性能も不安定であったため、実戦で活用されたことは少ない。
その欠点は飛行甲板の長さで補うことが可能なレベルであったのだ。
対空火器について特記すべき事項は37㎜機関砲の採用である。
これはソ連海軍のV-11 37㎜連装機関砲をライセンス生産したもので、砲そのものの性能は日英同盟軍が使用するボフォース40㎜機関砲に遜色ないものである。
【運用】
本級はハワイ沖開戦時には数隻が実戦配備されており、同海戦における合衆国航空戦力の一翼を成した。
不足と言われる速力も、戦艦部隊と協同する際には問題にならなかった。
(ただし、ヨークタウン級やアラスカ級と艦隊を組む際には苦労している。そのため、これらの艦は独自に任務部隊を編成、遊撃隊的にうんようされた)
本級はその防御力の低さから就役した艦の大半が戦没したが、合衆国海軍が消滅するその日まで艦隊上空を守り通した功労艦であることは異論の余地がない。
175:モントゴメリー:2022/08/27(土) 20:36:45 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
今回も陣龍氏のリクエストに則り作成いたしました。
今回のテーマは「史実雲龍型チックなエセックス級」でしたのでそれっぽくしました。
駆逐艦の主機を流用はまさにそれですね。
あとの要素(低い防御力・遅い速力)は史実「ワスプ」を基に設計いたしました。
言ってみればこの無幻世界版エセックス級は「デカいワスプ」です。
最終更新:2022年09月27日 23:00