388:635:2022/09/14(水) 17:20:12 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
日蘭ネタ 日蘭フランスにおける日本人転生者達の足跡
『…君、キミ前世で何やらかしたか分かってるのかね!』
『いや自分のしたのこうつながるとか分かる訳ないでしょ!?というかあの国の信仰は自分のしたことと直接的な繋がりないでしょ!!』
大日本帝国内、某なんとか会の保有する建物の一室より怒声が飛び交う。一体何
夢幻会なんだ…。
中ではいい歳した大人達の大声が飛び交っている。
そんな大人達を宥めるのも同じくらいの大人である。
「まあまあ、彼のやらかしは直接的に現在のFFRのリシュリュー信仰に繋がった訳ではありませんし…。」
「転生者のやらかしは寧ろ英国や蘭帝への影響や日本でのやらかしの方が酷いですよ…。」
擁護する者の言葉に同意する者も多い。
「確かに…鉄血歌とかいうアニソンとかねえ…。」
「なんでBCの国語の授業で【楽園の妖精】が古典として扱われてるんですか…(現場猫状態)。」
「平安時代に利子理須とかいう女性で構成された秘密組織があると今も残ってると世界中で思われてるし…。」
その言葉にそれもそうかという大声出していた人物、だけどエラい遠い目をしている。
「確かに…彼のしたことといえばFFR神話を拡張したくらいですね。その影響甚大ですが…。」
「すいません…あの時は初めての転生で伝説残して推しの艦娘の強化するとか意気がってまして…。」
遠い目をした人を見て言い争っていた人物もシュンとし反省した様子に周囲もホッとするが釘を刺す人物もいる。
なおその人物の眼は濁っていた。
「だけど貴方のしたこと未来永劫この世界で残るので覚悟して下さい。
キツいですよ、自分の黒歴史が未来に転生しても残ってるてのは…。」
「うっ!うう、リシュリューが女神として建造以前から存在するとかしなければ…。」
「(なああの釘指してたヒトって…。)」
「(ああ自分の黒歴史の産物が歴史の授業で扱われてるな。)」
「(こないだ今生の娘から黒歴史について質問来て答えたら当事者みたいと言われて目が死んでたゾ。)」
フランス連邦共和国ブルターニュ地方ブレスト市のとある小学校。
柔らかな日差しの差し込む教室では制服を纏った児童達が真剣な顔をで机に向かう。
生徒達の視線の先には文字や画像を映し出し教師が補足を書き込むことも出来る多目的大型モニターが据付けられている。
黒板やホワイトボードはない…などということはなく非常時の電源喪失や有事に備え両方とも存在している。
それだけではない。地下には食料など生活物資まで備蓄され通信・指揮設備まで存在、近隣には武器弾薬の貯蔵施設も存在する。
この小学校もFFR有事の際には軍事的或いは防災的拠点の一つとなり我らが指揮官の命の下でFFRという我らが指揮官の身体の細胞の一つとなるのだ。
そして教室のモニターの上には彼らが信奉する【女神】の御影を収めた立派な額縁が掲げられ勉学に励む児童達を見守っている。
【女神】の姿はここだけでなく体育館や朝礼の行われる多目的ホールにも掲げられ、校舎の中庭にはその姿を模した像すらも存在しありとあらゆる場で児童の健やかな成長を見守っていた。
「……船の難破などで日本人は当時のフランス各地に漂着しましたが、敵国であったオランダの援軍ということもありその多くは時の革命政府に見つかり次第殺されていきました。
しかし、その中でも僅かであるが生き残ったものもいたと記録には残っています。
王党派や反革命派に匿われ、或いは当時フランス中央から程遠く文化的にも違うこのブルターニュなどに流れ着いたのが理由と推測されています。
そういった日本人達は反革命的として失われつつあったフランス文化や書物、美術品や記録をしたためたノートを持ち出すことや文化人を連れ出すことに成功し帰国した者もそれなりにいたようですね。
現在それらはFFRに返還され現在ではルーブル・我らが指揮官記念美術館に展示されていますので興味があれば覗いてみるとよいでしょう。」
ノートや教科書を捲る音、ペンを走らせる音が教師の言葉以外ない教室より聞こえる。
無論、教育用小型携帯端末も支給されてはいるが有事にはやはりアナログも有効との理由で最新電子機器と併用されて生き残っていた。
389:635:2022/09/14(水) 17:22:20 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「記録したノートや書物、美術品などを保護したが持ち出せなかった者も多くいました。
当時の革命政府は現在の様に我らが指揮官の威光もなく共和制とは名ばかりの野蛮人ばかりだったのでしかたないともいえます。
しかし、日本人達はやはり殺されたが中には後の世にそうしたものを残すことに成功した者もいました。
先の大戦で偏狭であった第三共和制が終焉。
戦後、全てのフランスの後継者たる我らFFRの時代となり漸くそれらは受け入れられる様になりました。
先人達の残したもの継ぐべくそれが発掘調査をされ野蛮人共により失われ、日本人達が守ったそれらの多くが再発見されることとなりました。」
教師が話を進めるにつれ口調が熱を帯びてくる。
「そうしたものの一つが先年に我らが指揮官の湯殿(ブレスト海軍ドック)の拡張工事で発見されたものです。
この場所では異国人…日本人がフランスの異教の女神などの伝承の記録や物品を纏め埋めたという言い伝えがあり、
その存在が有力視されていましたが先年まで発見されずその存在は近年では疑問視されていました。
しかし我らが指揮官の大規模改装の為のドックの拡張工事において厳重に保管された箱や異教の伝承を彫った日本語の碑文などが発見、
FFRで大ニュースとなったのは皆さんの記憶にも新しいと思います。
伝承にしか存在しなかったメリュジーヌと呼ばれる焼き菓子始め食べ物の製法や失われたブルターニュの祭りなども詳細に記され、
焼き菓子などは現在ではブルターニュの特産品となっています…。」
教師は一旦話を区切り努めて冷静に話そうとするが興奮を収められないといった感じで熱弁を振るう。
「その中でも最大の発見が日本語の碑文、通称【リシュリュー=メリュジーヌ碑文】と称されるものです!
古来フランスには【リシュリュー】という女神がおりその女神は姿と名を変え何度もフランスを救おうとしたいたと記されております!!
そう【リシュリュー】!【我らが指揮官】と同じ御名!そう我らが指揮官は古来より何度もフランスを!FFRを救おうとされていたのです!!
碑文にはこう記されています!」
教師の熱は最高潮に達する。
「『嗚呼、綿津見に座す極光(オーロラ)の姫なるリシュリュー。フランスを総べし女神。死すべき身の者に魂養う波贈る大洋の母竜。
始めはメリュジーヌとして後、聖女として王妃として。汝は幾度となくフランスを救おうと顕現せど不心得者達に阻まれり。
されど未来、貴女は真なる名と姿を得られ顕現されるであろう。その御名はリシュリュー、大洋のリヴァイアサンなり』!」
ふうと一息つく教師。
「この発見を以てFFR宗教界では以前よりFFRアフリカ州宗教学者が主張していた、
我らが指揮官が幾つもの姿と名を持ち戦艦リシュリュー建造以前より現世に降臨していたという説が定説となりました。
この説をリシュリュー=メリュジーヌ説と言いますがこれは歴史の授業だけでなく様々なテストで出るので覚えておくように。
おや?授業終了の鐘ですね。皆さん休み時間中に次の授業の準備をして下さい。」
「「「「起立!気を付け、礼!ありがとうございました!!」」」」
「はい、ありがとうございました…。」
なおFFR・BC間の新たな火種としてリシュリュー=某極光な妖精説がBCで取り上げられFFRがキレているとか。
390:635:2022/09/14(水) 17:24:52 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
最終更新:2022年09月28日 22:55