190:加賀:2022/09/24(土) 17:15:40 HOST:om126158150092.30.openmobile.ne.jp
「陸軍も226の後始末で大変だなぁ」
「まぁ陸軍大臣が首謀者達を擁護発言したら陛下がガチギレかましての、ありゃ荒木や川島も終わったよ」
「でしょうなぁ……」
「まぁこれで粗大ゴミもより一掃されたよ」
「裏で辻……下村さんがいそうですね」
「史実なら今頃はニューヨークですよ」
「取り敢えずは兵器の更新を急がせませんとなぁ……」
226事件後、陸軍の綱紀粛正は徹底して行われた。特に事件終了後直ぐに行われた閣議に置いて川島陸軍大臣が首謀者達の擁護発言をしてしまい、それが陛下の耳に届いて陛下は激怒した。
「陸軍は何を以て護国の守護たる責務を放棄するとは何事か!?」
激怒された川島は平身低頭しそのまま大臣を辞職してしまうのである。結果、後任には寺内寿一が就任したが陛下からは「無駄な事はしないように」と釘を刺され寺内も下手に動く事は出来なかったのである。ただ、だからと言って統制派が陸軍を握るという事はなくむしろ陛下も「少しは考えろ」(要約)と永田や東條らにも釘を刺しているので統制派も主だった行動はしなかったのである。
だが永田や東條達は自分達の役割を理解しつつ軍の兵器更新を更に急がせるのである。その為に226事件を生き残った高橋是清等と協力して設備投資を打ち出していくのであった。
そして我等が主人公である橋本はというと……。
「ほら、起きろネルソン。朝飯が無くなるぞ」
「グカー……グカー……」
今日も霞ヶ関離宮でネルソンらと生活をしていた。今は第20駆逐隊司令だが12月には第7駆逐隊司令に異動する予定でもある。
「起きろネルソン、昨日もガングートとウォッカの一気飲みをして泥酔してんだから……」
「むぅ……なら余を一発で目覚める事が出来る事をしろ」
「我が儘だなおい……」
橋本は溜め息を吐きながらもベッドで寝転がるネルソンに近寄り一気にその唇を奪ったのであった。時間にして1分から3分程度のDキスをしてそのまま立ち上がる。
「早く朝飯に来いよ」
「……………………分かった…………」
不意打ちだったのか顔を真っ赤にして頷くネルソンだった。橋本やネルソン達がクソ甘い生活をしているのはそれはさておき、8月にはベルリンオリンピックが開催され『前畑ガンバレ』が起こる。
そして12月31日、ワシントン海軍軍縮条約が失効されると同時に呉工廠にて1隻の戦艦の起工式が行われた。
「『一号艦』……遂にか」
起工式には古賀達も出席しており古賀は思わず感無量の涙を流していた。また、ネルソン達(妖精化したオリガ達も参加)もコッソリとではあるが出席していた。
「……案外、寂しいものだな」
「『大和』型は秘匿だからねぇ」
「……航空戦艦『大和』か。胸が熱いな」
「航空戦艦ではないですよ日向さん……」
「この『大和』が何れ『ソビエスキー・ソユーズ』になるのか」
『それは無い』
「(´・ω・`)」
191:加賀:2022/09/24(土) 17:16:13 HOST:om126158150092.30.openmobile.ne.jp
いじけるガングートを他所に起工式はひっそりと終了するのであった。なお、起工式については他にも佐世保、横須賀、神戸でも行われていた。これについては『二号艦』『三号艦』『四号艦』であった。
「まぁ起工式も終わったし後は年越し蕎麦を食うだけだな」
「らぁめんを所望します……」
「はいはい、ラーメンも作りますので」
何だかんだで主夫化になりつつ橋本であった。そして1937年の年が明けるのであった。なお、1月から陸軍は陸軍大臣の寺内が浜田国松衆議院議員との『腹切り問答』を行い、寺内は岡田総理に議会解散を要求するも岡田からの返答は大臣の辞職通告だった。
「君は226事件後に陛下から何と言われたのか、もう忘れたのかね?」
「ッ………」
岡田の言葉に寺内は二の次が言えず、結局は寺内が浜田に謝罪をして騒動は終息するも陸軍内で禍根が広まったのは言うまでもなかった。
「全く……収まりつつあるが……」
「寺内も余計な事をしやがって……」
いつもの料亭で橋本達は集まって『腹切り問答』の愚痴を言い合っていた。
「あぁ、それとだ。今日から加わる仲間だ」
「木村昌福です」
「ほぅ、ショーフクじゃないか」
「実は自分……大正10年から憑依してまして……」
「なんだ、それなら早く言ってくれたら良かったじゃないか」
「それが自分……前世は
夢幻会の事は知らない者だったので……」
「ほぅ、という事は……」
「我々一回目みたいな事ですね」
そう言われて畏まる木村である。
「それに自分、前世はオタクだったので内気な性格なものでして……気付いたら婚期を逃していましたよ。本来結婚する人には申し訳ないですけど」
「そうだったのか……それで我々と接触してきたのは?」
「いやぁ……たまたま即売会で日向さんに出会したので思わず声をかけてしまったので……」
「あぁ……」
杉山らの即売会は陸海軍合同で行っていたのでたまたま瑞雲布教のためにサークルで行った日向と松田にマリア皇女に声をかけてしまったのが木村の運のツキであった。
「まぁ兎に角も宜しく頼むよ」
「はい、此方こそです」
斯くして夢幻会に新たなメンバーが加わるのであった。そして同年7月7日、中華民国北京西南方向に位置する盧溝橋にて夜間演習中だった支那駐屯軍支那駐屯歩兵第一連隊第三大隊第八中隊は突如として中国軍側から実弾射撃を受けたのである。
「兵一人が行方不明!?」
「構うな、撃たれたら撃ち返せ!!」
そして盧溝橋にて遂に日中両軍が衝突するのである。後に言われる『盧溝橋事件』であった。
192:加賀:2022/09/24(土) 17:18:49 HOST:om126158150092.30.openmobile.ne.jp
甘い展開を入れつつ新規組と盧溝橋を短いながらも送りました。
漸く第二次上海とかにも持っていけそうだ……
ちなみに起工式には追いやられた艦隊派等も協力して予算作成していたので早期の起工式でした。
最終更新:2022年11月14日 21:41