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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その1


日本政府が乙世界への本格介入と大規模救援を決断したその頃、漸く落ち着いて来たウマ娘達はどうしていたか。
正直な所を言うと、蚊帳の外に近い状態だった。
まぁこれはある意味仕方がない。何せウマ娘達の大半が現役の学生であり、まず関わり様が無い。一応トレセン学園を卒業して現役を引退したウマ娘が、国防軍に志願する例も無くはなかったが、
その数は極めて少数であり、影響は無いも同然だった。
そんな訳で、彼女達に出来る事と言えば、これまで通りの事だった。つまり、自分自身やファン達の夢の為に走り続ける事だ。
これは戦時に突入という、民心が不安定になりがちなのを緩和したいという政府側からの相談も有り、JURA側も協力して行く事となる。

さて、そんな中で迎えた入学シーズン。例によって、日本全国から数多くのウマ娘達が自身の夢を背負ってトレセン学園の門をくぐって行く。
それとウマ娘を呼び出した影響か、世界各地で少数ながらもウマ娘が出現する例も報告されており、彼女達の多くも日本のトレセン学園に留学にやって来ている。
そんな中、キタサンブラックとサトノダイヤモンド・トリプルターボとカナリハヤイネンの両コンビも、中央トレセン学園で再会を果たしていた。


キタサン「トリーちゃん!カナちゃん!」

ダイヤ「お久し振りです」

カナ「おお、キタ!ダイヤ!久しぶりやな!」

トリー「・・・二人も、無事に入学出来たんだね」

キタサン「勿論だよ!テイオーさんと共に走るのが、私の夢だし!」

ダイヤ「私はマックイーンさんと走るのが夢ですし。お二人はやっぱり、ターボさんと?」

トリー「うん」

カナ「それにカノープス自体、中々におもろそうなチームやしの。・・・で、お前等はやっぱスピカに行くんか?」

キタサン「うん」

ダイヤ「勿論です」

カナ「それはええが・・・もしあのセクハラトレーナーに何かされそうになったら、遠慮無くウチ等に言うてこい。キッチリ制裁加えたるから」

キタサン「あ、あはは。大丈夫だよ。・・・・・多分」

ダイヤ「え、ええ。スピカの皆さんに聞いた限りでは、大丈夫・・・・・らしいですし」

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若干の不安は有る物の、その辺は楽観的に考える様にしたらしい。
そんな事を話し合っている内に、講堂へと到着。秋川理事長とシンボリルドルフの挨拶という名の檄に、各々が気持ちを引き締める。
入学式の終了後、四人はクラス割を張り出している掲示板へと向かう。張り出してある紙の内容を確認すると、四人とも同じクラスだった。


カナ「おっ、ウチ等同じクラスやな!」

キタサン「本当だ!」

トリー「一年間、同じクラスで頑張ろう!」

ダイヤ「はい!」


その後、教室にて簡単な自己紹介とレクリエーションを行い、寮へと向かう事となった。
残念ながら、寮の方は別々となってしまった。キタサンブラックとサトノダイヤモンドは栗東寮。トリプルターボとカナリハヤイネンは美浦寮だ。
ここでは、美浦寮の様子を見ていこう。


ヒシアマゾン(以下ヒシアマ)「よく来たな、新入生達。アタシは寮長を務めるヒシアマゾンだ。気軽にヒシアマ姉さんとでも呼んでくれ」


そう言って、笑顔を見せるヒシアマゾン。新入生達は彼女にゾロゾロと付いて行く。
寮の各種施設の説明や諸注意を終えると、ヒシアマゾンは新入生達の名前を次々と呼び、部屋番号が書かれた紙とシーツ類を手渡していく。


ヒシアマ「次、トリプルターボとカナリハヤイネン・・・ん?ツインターボそっくりだな。親戚か?」

トリー「はい。三つ下の姪でして・・・」


するとそこに


ターボ「トリ~~~!カナ~~~~~!」


噂をすれば何とやらと言うべきか、ツインターボが廊下を突っ走ってトリーの胸に飛び込んで来た。


トリー「お、お姉ちゃん!?」

ターボ「無事に入学出来たか、二人共!一緒に頑張ろうな!!」

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目を輝かせながら、そう語るターボ。だが・・・流石にタイミングが悪かった。
彼女の頭に、強烈な拳骨が落とされる。


ゴチーン!!


ターボ「あ痛っ!?!?」

ヒシアマ「こら、ターボ!廊下を走るなといつも言っているだろ!!」

ターボ「むぅ~~」

トリー「まぁまぁ、二人共」


苦笑しながら、二人を宥めるトリー。
後でまた会おうと約束して、その場は解散。卒業までのねぐらとなる408号室へと向かう。
シーツ類を敷き、ベッドメイクを終える二人。


カナ「やれやれ、ターボは相変わらず騒がしいの」

トリー「あはは・・・。まぁ、あれでこそお姉ちゃんらしいと言うか・・・」

カナ「せやな。ま、これからここで頑張って行くんや。改めて、よろしゅうな!」

トリー「・・・うん。共に、頑張って行こう!」


そう言い合い、固く握手する二人。
二人の学園生活は、こうして始まったのだ。

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翌日、4人はそれぞれ希望するチームの入部届を提出。
その後は簡単なタイムの計測等を行い、改めて簡単な歓迎会が開かれた。
今度はチームスピカの様子を見ていく。


トウカイテイオー(以下テイオー)「改めて、チームスピカにようこそ!」

メジロマックイーン(以下マックイーン)「二人の入部を、歓迎いたしますわ」

キタサン「有難うございます!」

ダイヤ「お二人と共に走れる様に、頑張ります!」

沖野トレーナー(以下沖野)「ああ。カノープスにあの二人が入ったと聞くし、こちらも負けていられねーぞ!」

沖野「さて、これからに当たって大事な事を言っておく。日頃のトレーニングも勿論大事だが・・・それ以上に、お互いを高め合うライバルの存在も、必要不可欠だ」

キタサン「ライバル・・・ですか」

沖野「そうだ。分かりやすい例でいうと、テイオーとマックイーン・ウオッカとダイワスカーレットと言った関係だな」

沖野「お互いを尊重し合った上で、より高みを目指していく。そう言う存在は、何よりも大事な物だ。まぁお前達は、既にそういう関係を築けているみたいだから、その点は大丈夫だな」

ダイヤ「はい!」

キタサン「それに・・・ダイヤちゃんだけでなく、トリーちゃんやカナちゃんも、私にとっては友達であると同時に・・・超えるべきライバルだって思っています!」

沖野「・・・成程。あの二人はかなり手強い。それを承知で言っているんだな?」

キタサン「はい!」

ダイヤ「より高みを目指すなら、あの二人は避けて通れません!」

沖野「・・・分かった。くれぐれも、心をへし折られないようにな」

二人「「はい!」」

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そんな感じで、二人の意思確認が進んでいく。
と、ひと段落した所でウオッカが徐に切り出す。


ウオッカ「・・・なあ。あの二人の事だが・・・お前達、あいつ等が何もんなのか知ってるのか?」


その言葉に、ダイワスカーレットも口を挟む。


ダイワスカーレット(以下ダスカ)「・・・確かにあの二人、ただの子供じゃないオーラ出してたわよね。何なの?あの二人」

キタサン「・・・あー。あの二人は、少々特殊な経歴を持ってまして」

ダスカ「特殊な経歴?」

ダイヤ「あの二人ですが・・・前世の記憶を持った『転生者』との事でして」

スピカメンバー達「「「「「「「・・・・・ええええええええええ!??!?!?!?」」」」」」」


予想の斜め上を行く答えに、驚きの声を上げるスピカのメンバー達。
叫び終わると同時に、ウオッカが否定しにかかる。


ウオッカ「・・・いやいやいや。幾らなんでもそれはありえねーだろ。そんなSF染みた存在なんて」

ダスカ「・・・そそそそうよ!流石にそれは、嘘吐いているんじゃ・・・」


皆が揃って否定しようとするが・・・それを肯定する者が出た。
沖野トレーナーだ。

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沖野「・・・やはり、そうだったか」

ゴールドシップ(以下ゴルシ)「・・・は?何トレーナー。お前、この二人には悪いけど、こんな戯言を信じるのか?」

沖野「・・・実は以前、JURAファイナル準決勝後に南坂から聞いたんだ。あの二人が転生者である事、その内の一人のトリプルターボが競走馬のツインターボだったという事」

沖野「そして、かつてのツインターボが叶えられなかった夢を、こっちのツインターボが代わりに叶える為に走っているってな」

スペシャルウィーク(以下スぺ)「・・・じゃ、じゃあ本当に?」

沖野「まぁ、南坂自身は半信半疑だったし、俺も最初はまさかと思ったさ。だが・・・どーにも気になって、調べてみたんだわ」

サイレンススズカ(以下スズカ)「気になった?」

沖野「ああ。あの二人のトモを、実際に触って得た感触だが」


そのセリフと共に、スピカのメンバー達がジト目で沖野を睨む。


(このセクハラ魔人が)


という結論で、一致している様だ。


沖野「待ってくれ!!最後まで聞いてくれ!!そう言う疚しい事なんかじゃない!二人の脚質の件でだ!」

スぺ「脚質?」

沖野「ああ。二人共、大逃げに特化した類稀な脚質をしていた。一人だけなら、それは珍しい事では無いが・・・流石に二人同時にあの場所に居るという事に驚いたんだ」

沖野「全く同じ脚質を持つウマ娘が、同じ場所で平然と一緒に居る。・・・それがどれだけ確率が低い事か、考えた事が有るか?」

スズカ「・・・言われてみれば」

沖野「だからその後、ゲームの事とかも含めて調べたんだ。・・・そしたら、二人共ネタバレの所にハッキリと『前世の記憶を持った転生者』と書かれていた」

沖野「それも・・・この超大陸世界で実際に走っていたUMAだとな」

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マックイーン「そんな事が・・・」

ウオッカ「・・・いやいやいや。仮にそうだとしてもよ、中身がガキじゃねーとしても普通あんなオーラが出せるか?」

沖野「・・・出せて当然だ。あの二人の前世の戦歴を知ってるか?」

スぺ「・・・どんな戦歴だったんですか?」

沖野「・・・トリプルターボは7年間で65戦34勝。カナリハヤイネンは12年間で90戦45勝。両者共に凱旋門賞を制した事の有る、まごう事無き名馬(UMA)だ」

沖野「特にカナリハヤイネンは、ラストランで世界の怪物達を抑えての優勝と言う、怪物的な経歴の持ち主で・・・・って、ウオッカ?」


見ると、ウオッカとダイワスカーレットが青褪めている。
今更ながらに、自分達が言った言葉(※ウマ娘とその関係者達が、超大陸世界にやって来たようです その18参照)が、どれだけ失礼な物だったかを自覚したらしい。


ウオッカ「・・・・・ヤバイヤバイヤバイ!?俺達・・・とんでもない事を!?!?」

ダスカ「・・・失礼にも程が有り過ぎるじゃない!?私達・・・・!?!?」

沖野「・・・え、いや。向こうはもう気にしていないって言ってたから、その辺は大丈夫だr」

ウオッカ「俺達が気にするんだよ!!」

ダスカ「・・・今からでも、謝りに行こう!!」

沖野「あ、おい!?お前等!?」


沖野が止める間もなく、部室を出ていく二人。
どうやらカノープスの部室へと向かっていったようだ。


沖野「・・・行っちまった。・・・こりゃ、南坂に連絡を入れておかねーとな」


一瞬呆然とするも、急ぎ連絡を入れる沖野。
そんな訳で、入学早々にハプニングが起こる事が決定してしまったのだった。

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以上です。皆さんお待ちかね?なウマ娘ネタのセカンドシーズンとなります。
サードシーズン終了で燃え尽き症候群を患ってしまったのか、なかなか筆が進まない状態となってしまいましたが

「このままではアカン」

と自身を奮い立たせて、温めていたこのネタを投下する事にしました。
時系列的には作中でも書いた通り、蒼空大戦への大規模介入を決定した辺りとなります。まぁ流石に、直接関わるのは不可能ですが(汗)
学生でもありアスリートでもある彼女達に出来る事は、これまで通りに自身やファン達の夢を掛けて走り続ける事になるでしょうね。
まぁ戦後辺りに、お互いの世界の交流とかで向こうの世界で走るなんて事も有るでしょうが。
そんな訳で、キタサンブラックとサトノダイヤモンド・トリプルターボとカナリハヤイネンが中央トレセン学園に入学する所から、本編の始まりとなります。
因みに描写の方ですが、カノープスに偏る事になりますので、スピカの方は描写が少なくなるかと思います(汗)。ファンの皆さん、申し訳有りませんorz
そんな中、トリーとカナの化け物的経歴を知ったウオッカとダスカが半ばパニックになって暴走。ちょっとした(大本営発表)ハプニングイベントを引き起こす事に。
まぁその辺りは、次回になりますが。
オリジナルなウマ娘や、新たなる転生者なウマ娘も登場します。まぁ、転生者なウマ娘の方は当分先になりますが。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。それでは。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2022年11月14日 22:13