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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その2


さて、スピカの方でハプニング()が起きていたその頃、カノープスの方は何をしていたかと言うと・・・
此方もスピカと同じ様に、簡単な歓迎会が行われていた。


トリー「・・・では、改めてよろしくお願いします」

カナ「ご指導ご鞭撻の程を、よろしゅう頼んます。先輩方」

マチカネタンホイザ(以下マチタン)「うん。こちらこそ、よろしくね」

イクノディクタス(以下イクノ)「しかし・・・うちのチームは個性派が多いと言われていますが、まさか前世の記憶を持った転生者が入部してくるとは」

ナイスネイチャ(以下ネイチャ)「正直、教えられる事がどれだけ有るやら」

トリー「そんな事は無いですよ。ウマ娘としては、これが初めてな訳ですし」

カナ「せやな。一番の違いは、鞍上がおらん事やな。全てを自分で考えんといかんし」

ネイチャ「あー、その辺はゴーストも、随分苦戦してたしね~」

トリー「体のつくりも馬やUMAとは全然違うから、注意しないといけない事は山程有るからね・・・」

カナ「その点、先輩方はその辺りの知識や経験は豊富やからの。沢山勉強させてもらいます!」

ターボ「応!このチームに入った以上、甘やかす事無く厳しく行くからな!!」※胸を張って「エッヘン」なポーズをしている

ネイチャ「・・・何でアンタが、一番えらそーにしてるのよ」

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とまあそんな感じで、和気藹々とした雰囲気だったのだが・・・


ドンドンドン!!


部室のドアが荒々しく叩かれる。
イキナリの事に驚きつつも、ネイチャがドアを開けると・・・そこには顔を真っ青にしたウオッカとダイワスカーレットが居た。


ネイチャ「・・・ふ、二人共顔が青いんだけど、一体どうしたの?」※若干引いている

ウオッカ「な、なぁ!今そっちに、カナリハヤイネンって奴はいるか?」

ネイチャ「え?今ここに居るけど?」


そのやり取りの後ろで、ひょっこり顔を出すカナ。
自分の名前が聞こえたので、顔を出した様だ。


カナ「誰かウチの事呼んだか?・・・・・あ、ウオッカさんとダイワスカーレットさんやん。久しぶr」


カナがそこまで言いかけた次の瞬間・・・何と二人が揃ってパーフェクト土下座を決めたのだ。


ウオッカ&ダスカ「「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

カナ「は!?え!?突然何!?!?」

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イキナリの事に、目を白黒させながら驚愕するカナ。正直訳が分からない事態である。
すると二人が額を地面に付けた状態で、その訳を話し出したのだ。


ウオッカ「まさかとんでもない経歴を持っているお方なのを知らずに、『レースを走った事無い素人』とかとんでもない暴言を吐いてすいませんでしたぁぁ!!!」

ダスカ「アタシも『レースの事を何も知らない子供』とか、上から目線の暴言を吐いてしまって、誠に申し訳有りませんでしたぁぁ!!!」

カナ「は!?もしかしてJURAファイナルの時(※セカンドシーズン?特別番外編 その18参照)のか!?いや、言うたやん!?ウチはもう気にしてへんって!?!?」

ウオッカ「俺等が気にするんです!!」

ダスカ「もう何とお詫びしていいやらぁぁぁ!??!?!?」


もう完全に、収拾がつかない状態である。
そこに、沖野トレーナーから連絡を受けた南坂トレーナーが駆け付けた。


南坂「・・・遅かったですか」

ネイチャ「・・・え、えーと。これって、どういう事なの?」

南坂「・・・部室内で説明しますので、取り敢えず中に。お二人も部室に入って下さい。ここだと他の生徒達の目も有りますから」


南坂に促され、部室に入る面々。
半ばパニック状態だったウオッカとダイワスカーレットも、ある程度落ち着いたようだ。


イクノ「お二人共、突然やって来てカナさんに土下座とは・・・どういう事です?」

南坂「・・・その辺の事情は、私が説明します。実は・・・」

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南坂が、今回の事の事情を話す。
JURAファイナル決勝終了後にカナとウオッカ達との間で一悶着あった事。最終的に、トリーに叱責されたのも有って『やり過ぎた』とウオッカ達に謝罪した事。
少なくともカナにとってはそれで終わった事だったのだが・・・トリーとカナの経歴を知って、ウオッカ達が今更ながらにパニックを起こしてしまい、此方に突撃してしまったという事が語られた。


イクノ「・・・ちょっと、今回の行動は褒められた物では無いですね」

ウオッカ「うぐっ」


イクノの冷静なツッコミに、思わず顔を歪めるウオッカ。


イクノ「終わった事を蒸し返すのもそうですし、何より『相手によって態度を変える』という悪い印象を抱かれるのがオチですよ?」

ダスカ「あうっ」


容赦の無いツッコミである。二人共、すっかり小さくなっている。
流石に、他のメンバー達が諫める。


ターボ「イクノ―。流石にそれは、言い過ぎだぞ」

マチタン「そうだよ。少なくとも、酷い事を言ってしまったてのは自覚しているんだし」

イクノ「・・・ですが」

ネイチャ「・・・まぁ、最終的にカナちゃんがどう思うかよ。で、どうするの?」

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そんな訳で、そもそもの発端であるカナにお鉢を回す。


カナ「・・・せやなぁ。じゃあ、約束して欲しい事を」

ダスカ「約束?」

カナ「今後、ああいう発言を公の場で一切しない事。それを約束して欲しいんや」

ウオッカ「・・・理由は?」

カナ「あの時ウチが怒ったのはな、ウチに対する暴言も有るが・・・それと同じ位、『GⅠタイトルを獲るプロとしての自覚』が足りへん事に腹が立ったんや」

トリー「ちょっと、カナ!!」


少々棘のある言い方に、トリーが抗議の声を上げる。
だが、カナはそれを無視して進める。


カナ「どういう事かと言うとな、少々棘のある言い方やったが『何故負けたか。次に勝つにはどうしたらいいか』と言う事に、二人共感情論で反発するだけやったろ」

トリー「カナ!!」

カナ「トリーも最後まで聞かんかい。・・・悔しい気持ちは分かる。負けたチームメンバーに対する批判に反発する気持ちも、よく分かる」

カナ「やが・・・『本当のプロ』というのは、それではアカンのや」

ダスカ「本当の・・・プロ・・・?」

カナ「本当のプロなら、悔しさとは別にレースの敗因や次に繋がる改善点を、冷静に考えて実行に移さんとアカン。その点、テイオーさんは流石やった」

カナ「ウチの言葉を受け止めて、何がいけなかったのかを冷静に考えておった。因みに、結論は出たんかの?」

ウオッカ「・・・そういや言ってたな。『ツインターボに負けたのは、自分の勝利を信じる心の持ち様。それがツインターボに及ばなかった』って」

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ウオッカの言葉に、カナは頷く。


カナ「せや。それが自然に出来てこそ、本当のプロなんや。お二人も、GⅠを制覇したプロや。やからこそ、そう言う心構えを持って欲しいんや」

ウオッカ「・・・」

カナ「それとや。この約束を守って欲しいもう一つの理由。それは・・・『お二人に憧れているファン達を、失望させて欲しくない』という意味合いも有るんや」

ダスカ「ファン達を?」

カナ「せや。お二人はGⅠを制覇した事の有る、まごう事無き強豪ウマ娘や。キタやダイヤみたいに、憧れているウマ娘とかもおるかもしれん。せやが・・・」

カナ「もし、あの時の様な光景を見た時に、そのファン達はどう思う?」

ウオッカ「・・・・・あ」

カナ「多分こう思うやろな。『相手次第で態度を変える様なウマ娘なんや』とな。間違いなく、ファンは失望するやろな。それは、どちらにとっても悲しい物や」

ダスカ「・・・そうね。ファン達を失望させるなんて、したくないし」

カナ「その通りや。それと、トリーが以前こう言ってたんや。『名馬と言う存在は、ただ強ければ良い訳じゃない。皆に愛され、皆に夢を見せられる事が大事だ』てな」

ウオッカ「・・・そうだな!」


しょんぼりしていた二人だったが、カナの言葉に徐々に明るい表情を取り戻していく。


カナ「まっ、かく言うウチやトリーもウマ娘としてはペーペーの一年生やしの。もし何かあった時は、ウチ等のチームの先輩達同様に、頼らせてもらいますわ!」

ウオッカ「・・・ああ!」

ダスカ「もし何か力になれる事が有るなら、その時は力を貸すわ!」

カナ「その時は、頼りにさせてもらいますわ。おし!じゃあ、今度こそこの話は仕舞いや!」

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そう言って、話を締めくくるカナ。トリーも


トリー(・・・全く。でも、カナらしいな)


と、内心そう思いながら苦笑している。


南坂「・・・どうやら、無事に丸く収まったようですね」

ダスカ「あ、はい。本当にすいませんでした。いきなり押しかけて」

ウオッカ「こういう事が二度とない様に、こっちも気を付けますんで」


改めて、南坂に謝罪する二人。
こうして、このハプニングは無事に終了した・・・・・


と、思いきや。


二人を見送ろうと部室の入り口に出た際に、何やらあちこちから視線を感じるカナ。
見ると・・・複数のウマ娘達がこちらを見ている。それも・・・どうやらカナの事を見ている様だ。


カナ「・・・ん?」

ウオッカ「どうしたんだ?」

ダスカ「何かあったの?」

カナ「あ、いや。何かさっきから、他のウマ娘達がウチの事を見ているみたいで・・・」

二人「「?」」

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どういう事かと思い、耳を澄ましてみると・・・


ウマ娘A「・・・ねぇ、ちょっと。あのポニーテールのウマ娘がウオッカ先輩とダイワスカーレット先輩を土下座させてたって本当?」ヒソヒソ

ウマ娘B「間違い無いって。あの新入生らしい娘に、全力で土下座してたんだよ」ヒソヒソ

ウマ娘A「ええー。一体なんで!?」ヒソヒソ

ウマ娘B「さぁ。もしかしたら、何かあの二人の弱みでも握っているのかも」ヒソヒソ

ウマ娘A「ええ!?どんな性悪な娘なのよ、あの新入生」ヒソヒソ

ウマ娘B「・・・あ!?こっち見てる!!」ヒソヒソ

ウマ娘A「ちょ!?別の所に行こう!!変な因縁でも付けられたら、堪った物じゃないし」ヒソヒソ


      • どうやら二人がカナに土下座しているシーンが目撃されていたらしく、あらぬ噂が立てられている様だ。


カナ「ちょっ!?!?何でそんな噂が立つん!?!?」

ウオッカ「・・・・・」

ダスカ「・・・え、えーと・・・。本当にゴメン」

カナ「待ってや!?何でこないな展開になるんや!?トリー!?!?」

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そう言いながらトリーに振り返るも、肝心のトリーはジト目な表情を返すだけだった。


トリー「・・・完全に自業自得だね、カナ。もうこれは、自分で何とかするしかないんじゃないかな」

カナ「待ってやトリー!???!?そんな殺生な!??!??!?!」


親友のつれない態度に、絶望の表情を浮かべるカナ。


カナ「ウチは無実やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!???!??!?!?!?!?!!!!?」


悲痛なる叫び(爆笑)が、中央トレセン学園に響き渡ったのだった。

847:194:2022/09/07(水) 18:44:59 HOST:ai126198251193.60.access-internet.ne.jp
以上です。最初に、ウオッカとダイワスカーレットのファンの皆さんに、作中での二人の扱いに関して謝罪いたします。本当に、申し訳ありませんでしたorz
そして、途中までは良い事言っていたカナでしたが・・・・・最後に何とも酷いオチが付く事に(ヲイ)。まぁ以前陣龍氏が仰った通り、『自業自得』な訳ですが(ヒデェ)
まぁ流石に完全に見捨てられるという事は無く、トリーやカノープスのメンバー達・更に原因の一端でもあるウオッカ達にも手伝ってもらって、変な噂の払拭に奔走する事に。
まぁそれでも、払拭するのに半年近くかかる羽目になりますが(汗)。メイクデビュー以降のカナの走りとかで、徐々に悪く言う輩を黙らせたというのも有ります。
さて次回ですが、トリー達に続く新入部員複数が登場します。どんなウマ娘が来るかは、次回のお楽しみという事で。それでは。
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最終更新:2022年11月14日 22:14