783:194:2022/11/10(木) 20:50:30 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その8


~コスモス賞~


赤坂「トリプルターボ速い!トリプルターボに誰も追い付けない!!今大差をつけてゴール!!早くも二勝目を挙げました!!」


~札幌ジュニアステークス~


赤坂「トリプルターボまたもや独走!他のウマ娘達も懸命に追い上げるが、これは完全にセーフティーリード!今一着でトリプルターボがゴールイン!!」

赤坂「三度目の生涯初の重賞タイトルは、札幌ジュニアステークスとなりました!本来の適性である中距離の重賞タイトルを獲得するのは何時になるか、今から楽しみです!!」


~芙蓉ステークス~


萌木「カナリハヤイネン豪脚炸裂!!懸命に追い上げる他のウマ娘達を歯牙にもかけず大差で圧勝!!二勝目を挙げました!!」


~京都ジュニアステークス~


萌木「カナリハヤイネン逃亡成功!!見事な大逃げで、二度目の生涯初の重賞制覇を成し遂げました!!」

萌木「ライバル・トリプルターボに負けていられない!!果たして直接対決は何時になるか、この先に注目です!!」


流石と言うべきか、OPレース制覇後に早くもGⅢレースに挑戦。共に圧倒的な走りで今生初の重賞制覇を成し遂げている。
それと彼女達以外の新チームメイトの三人だが、ニンジャスナイパーがメイクデビュー戦で勝利を収めており、惜しくも二着と三着に終わったバーニングビーフとスラロームテンも、
未勝利戦で無事に勝利を挙げており、プロのウマ娘の道を歩み始めていた。

784:194:2022/11/10(木) 20:51:00 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
そんなある日の事。トレーニングが終わり、各々が着替えようとしていたその時。
途中で何処かに姿を消していたターボが、泣きながら戻って来た。


ターボ「うわぁぁぁぁぁぁん!!また負けたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

トリー「・・・・・お姉ちゃん。姿が見えないと思ったら、またゴーストに野良試合を挑んでいたの?」


どうやらゴーストウイニングに野良試合を挑んだようだが、返り討ちに遭った様だ。
それも、トリーのセリフから察するに一度や二度の事ではない様だ。


カナ「・・・相変わらず、よぉやるのぉ。折れへんのは感心やが、ゴーストのトレーニングの邪魔になり兼ねんし、程々にしぃや」

トリー「カナの言う通りだよ、お姉ちゃん。何より、勝てないのならもっと力を付けてからでm」

ターボ「やだやだやだ!!ターボ絶対に勝ちたいもん!!ターボには、トリー達より時間が残されていないんだもん!!」

トリー「お姉ちゃん・・・」

ターボ「それに・・・それに、ターボ諦めたくないもん!テイオーに教えて貰った『諦めない事の大事さ』・・・それを、実現し続けたいの!!」

ターボ「このまま負けっぱなしじゃ、『諦めなくても、無理な物は無理』ってなっちゃう。そんなの・・・そんなの絶対嫌だもん!!」

トリー「・・・・・」


泣きながら、今の胸の内を吐露するターボ。そんな彼女に、何も言い返す事が出来ないトリー。
すると、今まで黙って聞いていたカナが口を開く。


カナ「・・・のぉ、ターボ。まずは確認したいんやが・・・本気でゴーストに勝ちたいんか?」

ターボ「勿論!!ターボの最終目標だから!!」

785:194:2022/11/10(木) 20:51:30 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
カナの質問に、ノータイムで答えるターボ。
普段の我儘では無く、ウマ娘として絶対に成し遂げたいという思いを持っている事を確認したカナ。改めて言葉を紡ぐ。


カナ「・・・分かった。そこまで言い切るなら、どうすれば勝つ事が出来るか。まずは現状の確認からや」

ターボ「現状の、確認・・・」

カナ「少々・・・いや、かなりキツイ言い方もするが、大丈夫か?」

ターボ「・・・分かった!カナの言葉、真摯に受け止める!」

カナ「・・・ええ言葉や。では、まずは現状やが・・・ハッキリ言おう。今のターボでは、まず勝つ事は出来へん!」

ターボ「・・・!!」

トリー「ちょ!?カナ!?」


思わず抗議の声を上げるトリー。
だが、それを無視してカナは進める。


カナ「ええか。まず勝敗云々を語る以前に、今のターボのスペックは様々な面で、ゴーストと比べて劣っとる。スタミナ然り、トップスピード然り。勝っている点を探すのが難しい位や」

トリー「カナ!!」

カナ「最後まで黙って聞かんかい。今のターボの現状は、勝つ為の策を考えるとか以前の状態や。まずは、その事をしっかり認識する事や」

ターボ「・・・・・」

786:194:2022/11/10(木) 20:52:00 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
カナの歯に衣着せぬ物言いに、反論する事無く黙るターボ。
カナが言った事。それは、ターボ自身が誰よりもよく自覚しているからだ。


カナ「更に言うなら、今の体格のままでは出来る事も限られる。そういう意味でも、分の悪い状態なんや」

ターボ「・・・」

カナ「・・・せやが、逆に言うとそれ等を何とか出来れば、勝ち筋が見えて来る。少なくとも、今のまま挑むより余程建設的や」

トリー「・・・つまり?」

カナ「具体的には、体全体の強化。それこそ、体格その物の大型化とかも視野に入れた総合的なトレーニングを施して、自力と総合力を高める必要がある」

トリー「・・・UMAだった頃の私みたいに?」

カナ「それが分かりやすい例やな」

トリー「成程。じゃあ、そう言う特別なトレーニングをトレーナーさんに組んでもらえば・・・」


そう語るトリーに、カナは少々複雑そうな顔をする。


カナ「・・・それなんやが、トレーナーを頼るのは難しいやろな」

トリー「え?何で?」

カナ「これ以上負担が増えたら、トレーナーが倒れてしまいかねん。実際、トレーニングを見ている時にウツラウツラしとるのを、何回か見た事有るやろ?」

トリー「・・・確かに」

カナ「・・・まぁそうなる原因をウチ等が作ってしもうたから、そう言う意味でも頼み辛いわの」

ターボ「・・・じゃあ、どうするの?」

787:194:2022/11/10(木) 20:52:31 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
カナ「それなんやが・・・ある人に頼み込もうと思っとる」

ターボ「ある人?」

トリー「・・・で、でも。基本教えるのは複数の人ではなく、トレーナー一人に絞るのがセオリーだって言うけど?」

カナ「・・・そのセオリーやが、ウチに言わせれば『トレーナーを殺す気か?』って感じやの」

カナ「UMAやった頃を思い出してみぃ、トリー。確かに調教そのものは、調教師が調教内容を決めるが・・・調教師自らが馬やUMAに騎乗したり、エサやりとかを全て一人で行うか?」

トリー「・・・あ」

カナ「確かに指導者が二人おって対立したら、トレーニングが成り立たず、ウマ娘も何方に従った方がいいか分からなくなる。そういう意味では、トレーナー一人に絞るのはセオリーや」

カナ「やが・・・補助となる要員一切無しで一人で取り仕切る現状のせいで、業務量が殺人的になっとる。それこそ、指導に支障が出かねん位にの」

カナ「ウチに言わせれば、補助要員の一人も付けずに複数のウマ娘を見ろとか、正気の沙汰とは思えん。今回ある人に見て貰おうというのは、その辺の改善の試金石も兼ねとるんや」

トリー「・・・それは分かったけど、その人って信用が置けるの?」


カナの言い分は分かるが、流石に信用が置ける人間なのか。
不安になったトリーが、その辺を質問する。


カナ「その辺は心配いらへん。その人は、ウチの実家の店の常連さんなんや」

トリー「・・・その人、ウマ娘の指導とか出来るの?」

カナ「まぁその辺は懸念事項やろうが、人間とウマ娘は肉体的に似ている点も多いからの。試してみる価値はあると思うで」

トリー「・・・その常連さんって、そもそもどういう人なの?」

カナ「肉体錬成の第一人者ともいうべき人での。今まで何人もの虚弱体質の人間が、彼の指導で虚弱体質を克服して、プロの格闘家や国防軍軍人になっとると言う実績持ちや」

788:194:2022/11/10(木) 20:53:01 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
虚弱体質な人間を何人も立派な体格持ちにしているという、チート過ぎる実績。
確かに凄いが・・・一番の問題が残っている。


トリー「何とも凄そうな人なのは分かったけど・・・その人、今回の事受けてくれるの?忙しそうに思えるけど・・・」

カナ「まぁ、受けてくれるとは断言出来へんが・・・。それでも、まずは行動を起こすべきやろ。現状のままではどうにもならんのは、確かやし」

トリー「・・・そうだね。あ、でも行動に移す前にちゃんとトレーナーさんに話を通さないと駄目だよ。この間みたいなの(特別番外編その3)は以ての外だよ」

カナ「分かっとる。事前にトレーナーに話を通しt」

ターボ「ターボも自分で頼み込む!!これは自分の事だし!!」

カナ「・・・よし。それじゃ、トレーナーの下へ行こうか」


その後、南坂に今回の事を話す三人。
事情が事情だけに、南坂も思案顔だ。


南坂「・・・・・話は分かりました。ですが・・・部外者に託すというのは」


そう語る南坂。チームを預かるトレーナーとして、当然の意見であるが・・・
ターボも引こうとしなかった。


ターボ「お願いトレーナー!!ターボ・・・もっと、もっと強くなりたい!!」

ターボ「『だとうスピカ』を掲げていても、現実には・・・対戦する事自体がままならない。ましてやゴーストウイニング相手は・・・」

ターボ「それもこれも、今のターボが未熟だから!だから・・・今より更に上に行く為にも、やれる事をやり尽くしたい!!」

ターボ「本当なら、トレーナーにこそお願いすべきだけど・・・これ以上負担が増加したら、トレーナーが倒れちゃう。そうなったら、他の娘達にも迷惑が掛かっちゃう・・・」

ターボ「トレーナーには本当に感謝してる。ターボの大逃げを否定せず、ターボの走りで勝利する為の作戦を、色々と考えてくれている」

ターボ「でも・・・ゴーストウイニングに勝つには、更に成長する為の要因が必要なの!!」

ターボ「我儘なのは分かっている!!でも、ターボは・・・どうしてもゴーストウイニングに勝ちたい!!だから・・・お願い!!トレーナー!!」

トリー「・・・私からもお願いします、トレーナー。お姉ちゃんの思い、どうか叶えてあげて下さい!」

カナ「ウチからも頼む、トレーナー!ウチの友人の願い、叶えてやって欲しい!」

南坂「・・・・・」

789:194:2022/11/10(木) 20:53:33 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
最後は涙声になりながらも、必死に南坂に訴えるターボ。そんな彼女を見かねて、トリーとカナも頭を下げる。
そんな彼女達の様子に、南坂は忸怩たる思いを抱いていた。ツインターボがここまで思い詰めているのも、突き詰めれば自分の能力不足が原因の一つでも有るからだ。
とはいえ、現状ではこれ以上のプラスαを捻りだす余力が無いのも確か。ならば・・・彼女の願いを叶える為に、やれるだけの事をやろう。
南坂は決断した。


南坂「・・・分かりました。では、こうしましょう。カナさん、確かその人にお願いする為に、一度実家に戻るという事でしたね?」

カナ「せや。流石にその人の実家とかは知らへんしな」

南坂「その人がどんな人かを見定める為にも、私も同行します」

ターボ「ホント!?」

南坂「ええ。ただし、約束して下さい。我儘を言って、無理矢理頼み込もうとしない事。駄目だった場合は、大人しく別の手段を考える事。いいですね」

ターボ「分かった!有難う、トレーナー!」

南坂「お礼は、その人が引き受けるのを了承してからにして下さい。ではカナさん、日程が決まりましたら知らせて下さい。こちらも調整しますから」

カナ「了解や!」


かくして・・・ターボとカナ、南坂の三人が大阪に向かう事が決まったのだった。

790:194:2022/11/10(木) 20:54:03 HOST:ai126162186039.56.access-internet.ne.jp
以上です。ターボ達の成長の為の出会い、その序章と相成りました。
正直な所、現状のターボ師匠のスペックのままでゴーストウイニングに勝利出来る勝ち筋が、どうしても思い付きませんでした(汗)
何せ相手がターフの亡霊ですし、しかも逃げ・大逃げ殺しな走りが得意だという事を考慮すると・・・シビアに言って勝ち目が殆ど無い状態ですからね(汗)
別格であるスカイやネイチャを除くと、最低ススズやマルゼンスキークラス・可能ならばトリーやカナの様な化け物クラスで無いと、勝ち筋が見えないのが(白目)
なので、ターボ師匠にブートキャンプをしてもらう事に決定。ただ、現状では南坂トレーナーが倒れかねないので、その道のプロに頼み込もうという事になりました。
      • 本文中でも書きましたが、ウマ娘のトレーナーってブラックを通り越して殺人的と称されても仕方ないと思えてしまうのが(汗)
担当ウマ娘が一人や二人程度ならそうでも無いんでしょうけど、現状抱えているのが九人も居ますからね(汗)。そりゃウトウトしてもしょうがない感が(お前が言うな)
次回は、大阪・道頓堀のカナの実家でのイベントの話となります。お楽しみに。
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最終更新:2022年11月14日 22:31