69:635:2022/09/26(月) 00:45:57 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp

※時系列的には英国到着前です。


銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦 幕間 とある機動兵器の懺悔



ブリテン島を目指し空を翔け抜けるのは日ノ本の美称を戴く天翔ける船、ふそう。
その艦内でまだ時間があり手持ち無沙汰だった柏木は艦内を見て回る。
艦内運動場には多くのものがいた。柏木は大見に声を掛ける。


「オーチャン、集まって何してんの?」

「ああ装備の最終点検だ。実戦で駄目でしたじゃ話にならんからな」


大身はいつもの通り後光な軍曹のものだが後がカオス過ぎた。
マスクドバイク乗りやらメタル系やらウルトラ系やらヒーローが集い何がなんやら。


「いやあの初代光の巨人(人間大)と恒点観測員340号(人間大)その他光の国の戦士何よ?」

「あれウルトラマンがシビアさんでセブンがネメアさんで残りは助けられてスール化した日本人だぞ。
戦闘体に変身、鎮守府から提供されたドーラコアの仮想造成システムを拡張する装置で巨大化して戦うとかで結構実戦的なシステムだな。」

「マジで…?そういえば白木は?」

「……向こうのG3だ。隣のはメダル使いそうな猫科っぽいのはゼルエさんだな。」


大見が視線を向ければライダーが二人、何とも言えない空気が二人の間を漂う。
その瞬間何かカッ!!という感じ誰かが変身してた。
なんか黒いのが赤いマフラーたなびかせている。


「あれって…?」

「お前の嫁さんだ…天沼矛鎧にして天照様のお日様焔パワーで黒騎士になるとか、メルちゃんがお姉ちゃんも騎士だと喜んでたぞ。」

「アルテミス様から勧められてたバイク乗りな月影と比べて悩んでたのアレか…というか天沼矛って鎧になるのか…。」

「古くは古代ギリシャじゃ神の盾が鎧になるだろ?」

「オーちゃん!?古代ギリシア基準に考えんな!!」


なおフェルさん曰く変身ではなくアムドにするかアクセスッ!にすするか悩んでるそうな。
そして月影サンはナヨ様が変身してマスク・ド・ムーンライト名乗るとか、仮面てそういうことじゃない。

70:635:2022/09/26(月) 00:46:45 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp




柏木、今度は格納庫に来た。
同じ衣装を来た集団があり神崎提督に仕える角付き和服と銃持ったメイド服の侍女二名が大勢の侍女を前に訓示を行っている。
並ぶのは皆同じ顔で表情を無くした侍女達、しかし鎮守府に同じ顔をした多数の侍女など存在した記憶など柏木にはない。

そんな彼女たちの正体を柏木は知っている、彼女らはラフムの一種。
無論罪人たるラフム=ヤクザ=サンとは違う。
ティアマトが行けぬ自らの代わりにと寄越した娘達。
一部情報公開された際に口さがない者が彼女らを妖精モドキと呼んだ。

彼女達は死した者の悔恨、心残り、魂の残照たる妖精に成れなかった…いや死してなお深き悔恨、心残りを持ちながら妖精に成ることを許されなかった者達。
それは対馬で使用された核兵器に使われた呪詛…蠱毒を作るために消費され魂が砕かれた。
故に島に渡ることも、輪廻の輪に戻ることも、楽園に入ることも許されなかった。

神々が哀れに思いその魂の欠片を撚り合わせ島の妖精をモデルにティアマトが生み直したのが彼女ら。
ラフム=侍女=サンである。


彼女らの過酷な過去に思いを馳せつつ格納庫を見渡す。
シンシエ夫婦とリアッサの旭龍にハイラ騎士団のボルダに高天原から来たおウマさん、それに柏木のケッテンクラートや何故かミニローバーまで存在する。
電の摂津式大具足は幅とる上に召喚出来るので格納庫には存在しない。
ミニローバーのライトが光り柏木に話しかけてきた。


『おお大将何か用事かい?』

「ポルコート、特に用事もないから艦内見て回ってるだけだよ。」

『あー成る程。』


某埼玉県春日部市の一家家長の声である。
このミニローバーのポルコート、見た目はミニローバーだが変形してロボになる無人機動兵器である。
当初パトカー型目指していたがおエライサンより法律は守るもんだろ?JKということで泣く泣く断念、某勇者王フランスのビークルメカとなり申した。
ちなみにモデルのポルコートとはポルコ(豚)・オート(車)という意味である。
そして中の人であるが適当な人工知能なかったのでヤル研某星間都市山脈調査班がタルタロスから発掘してきた代物が使われている。
ヘスティアからも大丈夫と太鼓判押されたそれは知性体幼生の初等教育及び護衛を目的として共生派で使用されれていたもののようであるが…。


『大将も暇なんだねええ。アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!』

「お前…その口調で知性体初等教育用人工知能って絶対嘘だろ…。」

『何言ってんのおぉ?この超優秀AI捕まえといてさ。ギャハハハハ!』

「中身絶対主任だろ、お前!?」

『愛してるんだ君達をおぉぉぉオォォォッ!てか?まあ、ある種間違っていないけどねぇ。』


兎角このロボは口が悪い。
口を開けば相手をおちょくる様な言葉がポンポンと飛び出てくる。
柏木にしてみればAIというよりも口の悪が性格の悪くない人間を相手にする様な気分になる。
それは決して相手を貶したり傷つける言葉を吐くことはないのもあるだろう。
しかし苛つかないということはなく、またロボの癖に言葉巧みで口で勝てた例がない。


「チッ…食堂行って飲み物でも飲むか…。」

『まあ、大将。もう少しでロンドンだ。こっから先静かにありつけるのいつか分からんからしっかり水分取っとくことだ。』

「全く急に真面目になるな…。」


ポルコートのボンネットを拳の裏で一回叩くと柏木は格納庫を後にする。
これだから憎めないのだと柏木は溜息をついた。
柏木が去ったのを確認してポルコートは呟く。

71:635:2022/09/26(月) 00:48:31 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


『まあガラじゃないのは分かってるよ、大将…。そもそも俺に人間を心配する権利なんてない…。
俺はかつて俺を信じてくれた者達を守れなかったのだから…だがそれでも…。』


言葉の端々に寂しげな気持ちを滲ませながらなポルコートは言葉を零す。
ポルコートが人型ならば空を見上げていただろう。
そしてポルコートは自らをこの場に寄越した星間都市山脈にいる人物に思いを馳せる。


『感謝します十二機神が一柱ヘスティア様…貴女が私の知る共生派であったヘスティアその人でなかったとしても…。
人間の可能性を紡げず人間を守れなかった俺(神)にもう一度人間を守る機会を与えて下さって…。』


彼、ポルコートの前身は確かに知性体初等教育及び護衛を目的としたものであった。
しかしAIなどという矮小な存在ではなく、その正体はオリュンポス十二機神より生み出された低位の機神。
即ち知性体初等教育及び護衛を担った名もなき機神(ダイモーン)こそが彼であった。
共生派が敗れて後は機体を破壊され頭脳ユニットのみが冥府に打ち捨てられ、都市がこの世界に流れ着き人間たちに発見された。


『星間都市山脈が流れ着いたこの世界は異聞帯と違い人間同士の戦乱に明け暮れている。』


彼、ポルコートの身体の光学観測機器が遠くを見つめる。


『だとすれば人間を安寧に導く為に生まれた俺達(機神)にはもう役目はないかもしれない…。』


何処か泣いてる用に言葉を紡ぐ彼。
しかし彼はだが、と続ける。


『俺は見たいんだ。共生派の神々が見ること叶わなかったオリュンポス十二機神の引いた轍を外れ、
恐れながらも自分の足で歩み始めた星間都市山脈の人間たちの行く末を…そして…。』






『"人間"の可能性ってやつを….。』

72:635:2022/09/26(月) 00:49:21 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2022年11月14日 22:50