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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦その十七 英雄総進撃一、真・英国無双



ロンドンの街に銃声と砲声、爆発音が鳴り響く。
バッキンガム宮殿には外の戦闘の音が響く。
この地を治める女王の采配により避難所として解放されたそこは城塞としての役目を果たし多くの命を守っていた。
そして女王の部屋、そこには不安気な顔の大勢の子供がそこにいた。
女王は子供に不安を抱かせまいと微笑んでいるがその瞳は笑っていない。
常に部屋の唯一の出入り口を睨み、その手には銃が握られ常にドアに照準を合わせていた。
来るならば来い、この子達には指一つ触れさせないという気迫があった。




「全く手荒いご挨拶ですな中将、第四帝国の吸血鬼共はほとほと礼儀を知らないと見える。」

「少佐!そんなこと言う暇あったら君もその銃で応戦したまえ!」

「中将、私の銃の腕はご存知でしょう?」


自らの家族らはカナダなど英連邦各国に脱出させ、この事態になってなお国民や兵達と共にあろうとロンドンに残ったこの国を治める方の部屋へと続く通路。
モンティナ・マックス少佐とシェルビー・M・ペンウッド海軍中将は銃撃を受ける仮想造成したバリケードの影でそんな軽口を叩きあう。
そのバリケードの向こうからは混乱に乗じロンドンへ侵攻、防衛線を抜けバッキンガム宮殿に侵入ドイツの吸血鬼達がマックスら目掛け銃を撃ってくる。
マックスらはバリケードを築き防衛線を引いていた。

少佐達の側では近衛部隊やマックス少佐旗下の歩兵大隊の者達が銀の弾丸の装填された銃でドイツの吸血鬼達にを応戦しているが多数が倒れ残弾も少ない。
吸血鬼達はバリケードの向こうから嗤う。
いい加減降参し尊き方を渡せ、さすれば慈悲深くもナチの貴様らも神の慈悲の下帰天してやろうと宣う。


「化け物共(フリークス)が主を語るか…!」


吸血鬼が神の慈悲を語る。
その言葉を少佐はへそで茶を沸かす程に滑稽過ぎて鼻で笑う。
神の、陽光の下で生きられぬ者が神の威光を語るなどいう矛盾。


「君達は頭の血まで吸血しないと足りないのかね?」


少佐の言葉に目が点になる吸血鬼達。


「他者の血と同化せねば生き残れないとはなんと軟弱で哀れな化け物共か…化け物共よく聞き給え。私は"人間"だよ、吸血鬼になる必要などないッ…!
私は私の意志がある限り、例え蛭子神の夢見る幻想たる妖精が私の全てだとしても…!
きっと巨大な人の意識体の木っ端な末端が私の全てだったとしても…!私は"人間"だ。"人間"は魂の、心の、意志の生き物だ。失せろッ!!化け物共!!」


ちらりと少佐は目を向けるとペンウッドは頷き声を紡ぐ。

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「さて、先程の要求に対して返答しよう…。」


少佐始め、ペンウッド卿はもとより一兵卒に至るまでこの状況で最も頼りになる勇気の代名詞『ウォースパイト』より渡されていたモノを付けた重い鈍器を、
いや"槍"を構える。
ソレ…ウォースパイトの艦体より削り出された祝福ある銃剣を見た吸血鬼達は狼狽えペンウッド卿、否英国無双が吠え駆け出す。
古強者が如く、騎士が如く。


「嫌だ!!そんな頼みは聞けないねェ!!」

「中将に続けぇ!!女王陛下を守りきれば我々の勝利だ!!総員突撃ィ!!」


ペンウッドが駆け出し、マックスが続く。
銃撃と怒声が轟くバッキンガム宮殿、シェルビー・M・ペンウッド中将を先頭に彼らは最後の突撃を敢行した。





「…ッ!!」

「女王陛下!?」


部屋の外から聞こえていた銃撃音が止み女王はハッとすると椅子を立ち上がりドアを開き駆け出した。




女王は最後のドアを開く。
そこには異様、そう形容するしかない光景が広がる。
屍となり灰となった幾多の吸血鬼達、血の海に倒れた兵士達のうめき声が聞こえる。


「…ああ、女王陛下ですか…。」


その声に振り向けば白い軍服を血で濡らし壁に背を預け座り込むモンティナ・マックスの姿。
その腹からは血が流れ、口より血を吐きながらマックスは笑う。


「ケフッ…陛下、吸血鬼共は殲滅しましたぞ。我ら大隊と近衛部隊は己の任務を果たしましたぞ…。」

「少佐喋っては駄目…!」


女王は血に濡れるも厭わずにマックスを抱き起こす。
そしてもう一人の指揮官の行方を尋ねる。


「ペンウッド卿は…?」

「中将ならばそちらに…。」


マックスは指を差す方には立つ人影があった。
こちら、女王と子供らがいた部屋へ続くドアを背に体中の至る所から血を流しながらも目を見開き前を睨み続けるペンウッドの姿。


「ペンウッド卿…!だれか手当を…!」


女王に追いついた兵士達は目の前の光景に驚き、女王の声にペンウッドを治療しようと医師を呼びに行く。


「ペンウッド中将!ペンウッド中将!」

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兵士が声を掛け揺さぶるが反応はなく前を睨みつけるばかりであったためにその場に寝かされた。
そこへ医師が駆けつけるが脈を図り、瞳孔に光を当てると首を横に振る。


「残念ですが事切れておられます…。」


ペンウッドの死、医師が残酷な宣言をする。
兵士に肩を借りて立ち上がったマックスは中将の最後を真剣に語る。


「中将は今際の際まで奮戦されていました…銃剣を付けたL85を構え押し寄せる吸血鬼共を千切っては投げ千切っては投げ…。」


英国国教騎士団の英国無双過ぎやしないかと兵士らは思ったが真剣なマックスの言葉。
本当に英国無双だったのかと驚きと共に畏敬の念を覚える。


「そうですか…ペンウッド卿…ご苦労様でした。」


女王はペンウッドに近づくとその手でその瞳を閉じた。
ついさっきまでの悪鬼羅刹が如き顔と違い血塗れなその顔はひどく穏やかだった。
その場に女王と共に部屋に籠もっていた市民らもやって来た。
自分達に良くしてくれた事切れた軍人達の姿に涙を流す。


「総員、シェルビー・M・ペンウッド海軍中将及び奮戦した全兵士に敬礼!!」


その場の全員が事切れた者らに敬礼を送る。
その場の彼らにとって女王と市民を守り抜いた彼らは紛れもなく英雄(ヒーロー)だった。
























ムクリ「あー死ぬかと思った。」

「中将、一回タヒんでますぞ。」

「「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!?」」」

「まあ、我らは妖精ですからな。いやはや艦娘の陸戦隊にして貰っておいてよかった…。とはいえ中将、熟練度が相当剥がれたようで。」


英国無双、熟練度>>の真・英国無双から無印英国無双()になったそうな。

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以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2022年11月14日 22:58