621:635:2022/11/02(水) 19:22:35 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの向こうには(ry・超大陸日本クロス 神崎島おウマさんVS日本ウマ娘 第四話「ウマと馬はひしめき合って嘶くようです」
「何だ…アレ。」
「どういうことなのデショウ…。」
トレセン学園に到着した突撃バカ夫妻、いつも出てくるたづなさんとか来なかったので警備員に理事長いるというトレセンのコースに案内された。
なんやかんや大勢集まって馬とウマ娘がレースして理事長やたづなさんが観戦してるのは良くないがまだいい。
電ちゃんや浜風?が馬にまたがってウマ娘とデッドヒート繰り広げてるのも⊂( ・∀・)ワケ ( ・∀・)つワカ ⊂( ・∀・)つラン♪がまだいい。
それ以上に目の前の光景の方が色々とヤバくて色々と引く。
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び…。(´;ω;`)」
一人のウマ娘が号泣しながら別のウマ娘らとエラい数のカメラやら横断幕を設置してる。後何だやたらデカい旗。
結構なウマ娘がソレ見て引いてる。
それを物陰から見るヒメちゃんと対州要塞姫と某糸紡ぎ妖精。
ヒメちゃん「トトロットちゃん…アレ何?」
トトロット「なんかウマ娘が号泣しながらカメラと横断幕設置してる…(汗)。」
対州姫「なんか凄い光景じゃのう…。」
ヒメちゃん「あ!異世界ファルンとマルマ!(通算二回超)」
トトロット「あの二人のいる世界いくつあるんだろ…。」
全員が息を飲みトレセン学園のターフに静寂が訪れる。
誰かの緊張の余り唾を飲む音がやけに大きく聞こえる。
ゲートに歩を進めるは天皇賞、菊花賞、ダービー等などの字を持つヒーローウマ娘達。
馬らは四頭、騎乗する中にはウマ娘達にとっても伝説とも言える騎手二名がいる。
日本競馬界、そして日本競バ界悲願とも言える花の都の門を抜けた伝説達。
片方は現在はトレーナーも務め、その経緯すらも伝説となっている。
そしてウマ娘達が受け継いだ多くの馬達のウマソウルの鞍上であり競馬の平成史を駆け抜けた、いや平成史そのものとも言える騎手。
片方は現役を退いているが未だに馬に跨る機会も少なくない、故その腕は余り衰えていない。
対するは艦娘二名、身体能力こそ騎手二名に勝るが伝説の騎手やヒーローウマ娘達相手に勝負になるのかと疑問がウマ娘らに残る。
しかし理事長である秋川やよいはその実力を評価している。
ウマソウルを受け継いた者も馬そのものも綺羅星の如くの存在である馬達の背を任せられたという事実は重い。
先程もトウカイテイオー号とメジロマックイーン号の鞍上を勤め上げたのだから。
ウマ娘も馬達も危なげなくゲートの中に入る。
その場全員の視線の先、でカシャンと発バ馬機の閉じる音がコースに響き渡る。
ゲートが開き四人のウマ娘と四頭の馬が駆け出す。
「スズカァ!頑張るデース!!」
「スペ先輩!頑張って!!」
「アヤベさん!頑張れ!」
「ライスちゃーん!頑張って!」
ウマ娘達から声援が飛ぶ。
ロケットの如くハナを切ったのはサイレンススズカ、初っぱなから大逃げをするが遅れずに栗毛の馬が並走する。
「何ですか!あの栗毛の馬!!スズカさんの大逃げに着いてってますよ!?」
マチカネフクキタルが驚きの声を上げる。
並のウマ娘では追従するのも難しいサイレンススズカに追従しているのだから驚きもしょうがないだろう。
それはスズカ自身も同じだった。
「(私に着いてきてる!!やっぱり…!)」
622:635:2022/11/02(水) 19:23:24 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
自身の大逃げには少なからず自信がある。
それに着いてきてるのだ。
しかし同時に納得する。【あの人】を背に乗せた【栗毛の馬】ならば自身と互角の戦いが出来ると。
栗毛、左回り、レジェンドなど自身との共通点なぞ山程あった。
それ以上に自身と互角に大逃げかます時点で分かった。
あの【栗毛の馬】は自分…いやウマソウルの原点。
馬としての限界を超えてしまいターフに散った沈黙の日曜日【サイレンススズカ号】だ。
自身のウマソウルとなった筈の【サイレンススズカ号】が何故ここにいるのか分からない。
ちらりと隣の栗毛の鞍上を見る。
そこに居るのは【ウマ娘サイレンススズカ】と会う度に苦しげな、悲痛な顔を浮かべる【あの人】ではない。
昔の映像で見た沈黙の日曜日の悲劇の前、ずっと前を見ていた若い日の【あの人】からやっと前に進んだ【あの人】だ。
ぽっかりと胸に空いたあの人の空洞、あの悲劇の日から【サイレンススズカ号】があの日に置いてきた【あの人】の心の一部を持ってきたのだ。
それを自身のウマソウルは嬉しく思い、【サイレンススズカ号】に感謝している。
だけどそれはそれ、ここはターフの上だ。
「先頭の景色は…譲らない!!」
サイレンススズカは更に加速した。
さあ沈黙の日曜日に魅せるのだ。
大欅を超えたサイレンススズカの走りを…!
加速するスズカを横目に栗毛の馬の上で揺られながらゲートに入るまで感情がぐちゃぐちゃだった武勇の心は澄んでいた。
ターフを走ることでわかったのだ。
この栗毛の馬は【彼】だ。
何故生きてここにいるのか、何故あの時より成長しているのか分からない。
後何で付いてないの?疑問は尽きない。
だけど彼は今そんなことはどうでも良かった。
【彼】があの日の自分を連れてきた。あの日に【彼】と共に置いてきた自分の一部を返しに来てくれた。
そして今【彼】は【彼】の魂を継いだ彼女、ウマ娘サイレンススズカと競いながら。
だから…。
「あの時を、沈黙の日曜日を超えていこう…!サイレンススズカ…!」
【彼】、【サイレンススズカ号】が加速する。
なおこれまで二度レジェンドと再会して沈黙の日曜日超えてる栗毛のおウマさんであった。
サイレンススズカに続き集団を形成される。
一人と一頭を差そうとするスペシャルウィーク、続き竹内の乗る黒鹿毛馬とその黒鹿毛馬を差そうとするライスシャワー。
集団後方にアドマイヤベガと銀の艦娘の乗る鹿毛に流星を持つ馬、
最後尾には栗毛の艦娘の乗る馬がいる。
黒鹿毛の馬に乗る竹内は背中に感じる威圧感に冷や汗を流す。
「(これが黒い刺客…!)」
精神が肉体を凌駕し、研ぎ澄まされた肉体に鬼が宿る。
幽鬼が如く竹内と騎乗する馬にプレッシャーをかけ続けるライスシャワーの威圧は正しく鬼…。
流石はサイボーグミホノブルボンや最高のステイヤーと称されるメジロマックイーンに勝ったウマ娘と思う。
これを相手に勝ったトウカイテイオーやドヤガオダブルソード師匠に称賛を贈りたい。
ん?いや違ったかな?まあいいか。
「しかしまあ、お前さん平然としてるな…。」
冷や汗かく自分に対しライスシャワーのプレッシャー受けても平然とし虎視眈々とスペシャルウィークを差そうとする自身の乗る黒鹿毛の馬に呆れる。
精神が図太いのか慣れているのか…、
寧ろ精神状態的には観客席でナイスネイチャとかセイウンスカイ巻き込んで竹内を応援するゴーストウィニングの方が色々とヤバい。
数百キロの重さと畳五十畳程の大きさありそうな旗…しかもデカデカと竹内の名の書かれたのソレ掲げて振り回し、
百キロ先でも聞こえそうな大声で号泣しながら応援して小っ恥ずかしいことこの上ない。
「ゴーストウィニング…全くお前は…では、行くか!」
我が愛バの為にも勝たねばなるまい。
鞭はないが腹を足で軽く小突き合図を送る。
頭の良いこの馬ならば意図は分かるだろう。
黒鹿毛の馬は"瞳より光を迸らせ青い薔薇を纏い"スペシャルウィークを差すべく動き出した。
623:635:2022/11/02(水) 19:23:57 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「ライスさん…。」
漆黒の馬に着いていく自身のヒーローをミホノブルボンは心配していた。
漆黒の馬、あれが何なのか…ミホノブルボンは何となく分かった。
走り方、ライスシャワーへの接し方の有り様、全てがライスシャワーに重なる。
瞳より光を迸らせ青薔薇を纏う漆黒のウマ…。
あれはライスシャワーの原点だ。淀に散った孤高のステイヤー、ヒールとしてこの世を去った馬…。
それがどういう理由だかここに居る。
どうしてもライスシャワーを襲う悲劇を連想してしまう故にミホノブルボンは手を握り祈りの言葉を紡ぐ。
その言葉は歓声に消える。
「どうかライスさんを連れて行かないで下さい…【ラ――シャワー号】…!」
「着いていく…!着いていく…!!」
花の都の門を潜った騎手を鞍上に迎えた眼前の馬、【己】を差すべくライスシャワーはプレッシャーを掛け機会を伺い続ける。
それは確信だった。
ライスシャワーは自分の差しに絶対の自信がある。
それは自惚れでなく純然たる事実、どんな馬だろうとウマ娘だろうと全く影響を受けない訳がない。
ならば平然と己のプレッシャーを受け止める目の前の漆黒のステイヤーこそは…。
「疾風の馬、青嶺の魂…【ライスシャワー号】…!」
己のウマソウルの大元、淀を愛し淀に散った孤高のステイヤーにしてレコードブレイカー【ライスシャワー号】に違いない。
ならばあの自分に向けた視線も納得出来る。
祝福の名を持つあの馬は自分を、ウマ娘ライスシャワーを心配したのだ。
ウマ娘…人となりながら己と同じ道を辿り批判を受けて孤独に傷付いたであろう自分を。
「だからライスは貴方に勝たなくちゃ…!」
ライスシャワー号を安心させるのだ。己は幸福だと、ヒール(悪役)ではなくヒーローになったのだと伝えるのだ。
ミホノブルボン始めみんなに幸福を運び夢を与える祝福(ライスシャワー)に、その名に恥じぬ自分に成れたのだと。
「ライスは貴方に勝ちたい…!だから…!」
動き出した漆黒の馬にその馬と"同じく"その瞳から光りを揺らめかせ光を纏いライスシャワーは追従する。
「ライス(【ライスシャワー号】)に…着いていく…!」
なお漆黒のおウマさんは世に蔓延るお兄様とお姉様名乗る不審者という別な心配がある模様。
精神的にこっちがライスのお姉様でなかろうか?
「はあこりゃすげえわ…。」
「ホント…。」
沖野と東条ハナは感嘆の溜息を漏らす。
目の前の異次元の逃亡者同士と漆黒のステイヤー同士の激闘。
観客席のウマ娘らからは歓声と応援の声が上がり、皆が手を握りしめ声を張る。
これは本来勝負服を纏うべきウマ達の永遠の煌めき(トゥインクル
シリーズ)や虹の向こう(ドリームトロフィー)の舞台でもない。
だが眼前の走りは見る者の心を打つ。
それは何故か、それはあり得ざるべき光景だからだろう。
同じウマ娘と馬、それが走ったらどうなるのか?その答えが目の前にあるからだろう。
そんなことも知らず二人は目の前の夢のレースに見入っていた。
624:635:2022/11/02(水) 19:24:57 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載する際はこちらの方をお願いします。
最終更新:2022年11月14日 23:04